スタック
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+ | '''スタック'''/''Stack''とは、[[領域]]の1つ。[[呪文]]や[[能力]]は、一部の例外を除きここにいったん移動し、[[解決]]を待つ。 | ||
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− | + | 具体的にスタックに積まれる[[オブジェクト]]は、以下の3つ。 | |
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すべての[[プレイヤー]]が続けて優先権を[[パス]]したとき、スタックの一番上の呪文あるいは能力が解決され、そして[[アクティブ・プレイヤー]]が再び優先権を得る。 | すべての[[プレイヤー]]が続けて優先権を[[パス]]したとき、スタックの一番上の呪文あるいは能力が解決され、そして[[アクティブ・プレイヤー]]が再び優先権を得る。 | ||
− | * | + | *スタックを用いずに処理されるものとしては、[[常在型能力]]、マナ能力、[[状況起因処理]]、[[ターン起因処理]]、[[特別な処理]]がある。 |
**プレイヤーが[[投了]]した場合、即座にゲームに敗北する。これはスタックを用いない。 | **プレイヤーが[[投了]]した場合、即座にゲームに敗北する。これはスタックを用いない。 | ||
**[[基本セット2010]]以前のルールでは、[[戦闘ダメージ]]の[[割り振る|割り振り]]もスタックに積まれて解決を待っていた。 | **[[基本セット2010]]以前のルールでは、[[戦闘ダメージ]]の[[割り振る|割り振り]]もスタックに積まれて解決を待っていた。 | ||
*スタックに存在するオブジェクトの情報は[[公開情報]]である。その順番を変更してはならない。 | *スタックに存在するオブジェクトの情報は[[公開情報]]である。その順番を変更してはならない。 | ||
**スタック上のオブジェクトが[[裏向き]]ならば、その表側の情報は非公開である。 | **スタック上のオブジェクトが[[裏向き]]ならば、その表側の情報は非公開である。 | ||
− | *「スタックに乗せる | + | *「スタックに乗せる か 乗せない」という'''選択肢は無い'''ので注意すること。プレイ上で「スタックに乗せて…」という行動は、ルールに厳密に従うなら間違い。 |
− | **「[[対応して]] | + | **「[[対応して]]」を「スタックして」と表現することがある。後述「語源」の通り必ずしも間違いとは言い切れないものの、ルール用語としての「スタック」と紛らわしいのは確かなので、区別して用いよう。 |
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*呪文や能力のやり取りを正確に理解するためには必要不可欠な概念だが、その重要性に反して初心者はこれを理解していないことも多い。 | *呪文や能力のやり取りを正確に理解するためには必要不可欠な概念だが、その重要性に反して初心者はこれを理解していないことも多い。 | ||
− | **よって初心者を混乱させないよう、[[刹那]]などの少数の例外を除き、[[文章欄]] | + | **よって初心者を混乱させないよう、[[刹那]]などの少数の例外を除き、[[文章欄]]の中で「スタック」という用語が用いられることはない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/stack-2006-11-20 On the Stack]([[Making Magic]] [[2006年]]11月20日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 |
**最低限、「呪文や能力が効果を発揮する前に、対応して[[インスタント]]や能力を使うことができる」「その場合、それらは後入れ先出しで効果を発揮する」ということだけは理解しておこう。 | **最低限、「呪文や能力が効果を発揮する前に、対応して[[インスタント]]や能力を使うことができる」「その場合、それらは後入れ先出しで効果を発揮する」ということだけは理解しておこう。 | ||
+ | *[[第6版]]より前の[[ルール]]に存在した[[リンボ]]、[[連鎖]]の代わりに導入された。 | ||
==語源== | ==語源== | ||
計算機科学・情報科学での『後入れ先出し』という処理順番の管理方法に使われている用語を語源としている。→[[Wikipedia:ja:スタック]] | 計算機科学・情報科学での『後入れ先出し』という処理順番の管理方法に使われている用語を語源としている。→[[Wikipedia:ja:スタック]] | ||
*もともとstackという単語は「一山の積み重ね」というニュアンス。「後入れ先出し」の意味は持っていない。 | *もともとstackという単語は「一山の積み重ね」というニュアンス。「後入れ先出し」の意味は持っていない。 | ||
+ | **どちらかというと「キュー」が相当するのだが、スタックが英語で上述の意味を持つ理由は大昔のパンチカードを使う計算機に由来している。 | ||
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+ | <references/> | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/beyond-basics/stack-and-its-tricks-2017-11-30 The Stack and Its Tricks]/[https://mtg-jp.com/reading/bb/0030059/ スタックとそのトリック](Beyond the Basics [[2017年]]11月30日 [[Gavin Verhey]]著) | ||
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2023年8月18日 (金) 21:59時点における最新版
スタック/Stackとは、領域の1つ。呪文や能力は、一部の例外を除きここにいったん移動し、解決を待つ。
目次 |
[編集] 解説
具体的にスタックに積まれるオブジェクトは、以下の3つ。
すべてのプレイヤーが続けて優先権をパスしたとき、スタックの一番上の呪文あるいは能力が解決され、そしてアクティブ・プレイヤーが再び優先権を得る。
- スタックを用いずに処理されるものとしては、常在型能力、マナ能力、状況起因処理、ターン起因処理、特別な処理がある。
- スタックに存在するオブジェクトの情報は公開情報である。その順番を変更してはならない。
- スタック上のオブジェクトが裏向きならば、その表側の情報は非公開である。
- 「スタックに乗せる か 乗せない」という選択肢は無いので注意すること。プレイ上で「スタックに乗せて…」という行動は、ルールに厳密に従うなら間違い。
- 「対応して」を「スタックして」と表現することがある。後述「語源」の通り必ずしも間違いとは言い切れないものの、ルール用語としての「スタック」と紛らわしいのは確かなので、区別して用いよう。
[編集] その他
[編集] 語源
計算機科学・情報科学での『後入れ先出し』という処理順番の管理方法に使われている用語を語源としている。→Wikipedia:ja:スタック
- もともとstackという単語は「一山の積み重ね」というニュアンス。「後入れ先出し」の意味は持っていない。
- どちらかというと「キュー」が相当するのだが、スタックが英語で上述の意味を持つ理由は大昔のパンチカードを使う計算機に由来している。
[編集] 参考
- ↑ On the Stack(Making Magic 2006年11月20日 Mark Rosewater著)
- The Stack and Its Tricks/スタックとそのトリック(Beyond the Basics 2017年11月30日 Gavin Verhey著)
- ルーリング
- 対応して
引用:総合ルール 20231117.0
- 4 領域
- 405 スタック
- 405.1 呪文が唱えられたら、物理的にスタックに積まれる(rule 601.2a 参照)。能力が起動され、あるいは誘発したら、カードによって表されてはいないけれども、その能力がスタックの一番上に置かれる。rule 602.2a、rule 603.3 参照。
- 405.2 スタックは、それに加えられた呪文や能力の順序を記録している。オブジェクトがスタックに積まれたとき、それは既に積まれている全てのオブジェクトの上に積まれる。
- 405.3 何らかの効果によって複数のオブジェクトが同時にスタックに積まれる場合、アクティブ・プレイヤーがコントロールしているものが最初に積まれ、それからAPNAP順(rule 101.4 参照)で他のプレイヤーのオブジェクトがスタックに積まれる。1人のプレイヤーが複数のオブジェクトをコントロールしている場合、そのプレイヤーが自分のオブジェクトをスタックに積む順番を決める。
- 405.4 呪文は、そのカードが持つ特性全てを持つ。スタックにある起動型能力や誘発型能力は、その能力のテキストだけを持ち、他の特性は持たない。呪文のコントローラーは、それを唱えたプレイヤーである。起動型能力のコントローラーは、それを起動したプレイヤーである。遅延誘発型能力以外の誘発型能力のコントローラーは、その能力が誘発したときにその発生源をコントロールしていたプレイヤーである。遅延誘発型能力のコントローラーについては、rule 603.7d-f 参照。
- 405.5 全てのプレイヤーが続けてパスしたとき、スタックの一番上の(最新の)呪文や能力が解決される。全てのプレイヤーがパスしたときにスタックが空ならば、現在のステップやフェイズが終わり、次が始まる。
- 405.6 ゲーム中に発生する出来事の中で、スタックを用いないものがある。
- 405.6a 効果はスタックに積まれない。それらは呪文や能力が解決された結果である。効果によって遅延誘発型能力も作られることがあるが、それらは誘発した時にスタックに積まれる。(rule 603.7 参照。)
- 405.6b 常在型能力は継続的に効果を発生させ、スタックに積まれない(rule 604〔常在型能力の扱い〕参照)。これには、「[このオブジェクト]は赤である。/[this object] is red」といった特性定義能力(rule 604.3 参照)を含む。
- 405.6c マナ能力は即座に解決される。マナ能力にマナを出す以外の効果がある場合、マナが出て、即座に他の効果も起こる。プレイヤーがマナ能力を起動する前に優先権を持っていた場合、その解決後に優先権を得る。(rule 605〔マナ能力〕参照。)
- 405.6d 特別な処理はスタックを用いない。それらは即座に発生する。rule 116〔特別な処理〕参照。
- 405.6e ターン起因処理はスタックを用いない。それらは特定のステップやフェイズが始まったときに自動的に発生する。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される(rule 117.3a 参照)。ターン起因処理は、各ステップやフェイズが終わったときにも自動的に発生する。その後でプレイヤーが優先権を得ることはない。rule 703 参照。
- 405.6f 状況起因処理はスタックを用いない。それらは、特定の条件を満たしているなら発生する。rule 704 参照。それらはプレイヤーが優先権を得る前に処理される。rule 117.5 参照。
- 405.6g プレイヤーはいつでもゲームに投了できる。そのプレイヤーは即座にゲームから離れる。rule 104.3a 参照。
- 405.6h 多人数戦においてプレイヤーがゲームから離れた場合、オブジェクトはその結果としてゲームから離れたり消滅したりコントロールが変わったり追放されたりする。これらの処理は即座に発生する。rule 800.4a 参照。
- 405 スタック