山分けカード

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'''山分けカード'''/''Divvy Card''は、[[インベイジョン]]に登場した、いくつかのカードを2つに分け、それぞれの組に別々の効果を与えるカードの総称。さらに、[[時のらせん]]でこれらと同種カードが[[真実か詐話か/Truth or Tale]]の1枚だけ登場している。
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'''山分けカード'''/''Divvy Card''は、[[インベイジョン]]に登場した、いくつかの[[カード]]を2つの[[束]]に分け、そのうち一方だけに[[効果]]を与える、もしくはそれぞれに別々の効果を与えるカードの総称。[[時のらせん]]で直接的な[[リメイク]]が1枚登場したほか、同様の挙動をするカードがいくつか存在する。
  
 
{{#card:Do or Die}}
 
{{#card:Do or Die}}
  
山分けカードの殆どは「分けるのは自分で、選ぶのは対戦相手」となっており、最終的な選択権が相手にあるカードは見た目よりも弱く、[[栄光か死か/Death or Glory]]や[[たわむか折れるか/Bend or Break]]などの[[効果]]そのものが強力なものを除いて、あまり使われないまま終わってしまった。([[#相手に選択権のあるカードは弱い理由]]も参照)
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==解説==
*[[嘘か真か/Fact or Fiction]]だけは「分けるのは対戦相手で、選ぶのは自分」と逆になっているため、[[効果]]そのものの強さも相まって、弱いどころかトップクラスのカードとなってしまった。
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山分けカードのほとんどは「分けるのは[[あなた|自分]]で、選ぶのは[[対戦相手]]」となっているため、対戦相手側が自分にとって有利になるように選ぶことが容易であり、[[ルール文章]]を読んだ印象ほど強力ではないものが多い。[[栄光か死か/Death or Glory]]や[[たわむか折れるか/Bend or Break]]などの、[[効果]]そのものが強力でどちらを選ばれても相応に強いものを除いて、あまり使われないまま終わってしまった。([[#相手に選択権のあるカードは弱い理由]]も参照)
*1つの束が0枚であってもよい。
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*[[嘘か真か/Fact or Fiction]]だけは「分けるのは対戦相手で、選ぶのは自分」と逆になっているため、[[効果]]そのものの強さも相まって、トップクラスのカードとして活躍した。
*[[公開する|公開]]されているカードは、それが現在ある[[領域]]に存在している。公開されることで他の領域に移動することはない。
+
*1つの束が0枚であってもよい({{CR|700.3d}})。
*当時は"pile"を「山」と訳していたが、現在では[[基本土地タイプ]]の「[[山]]」との混同を避けるため「束」と訳される。
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*束にする際、カードはそれが現在ある[[領域]]にあるままである。「束」という領域や[[追放]]領域などに一度移動させたりするわけではない。
*[[テキスト]]に「表向きの」とあるが、[[裏向き]]のオブジェクトとの関連で[[エラッタ]]が出され、この記述は取り除かれている。
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*当時は"pile"を「山」と訳していたが、現在では[[基本土地タイプ]]の「[[山]]」との混同を避けるため「[[束]]」と訳している。
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*登場当初は「表向きの」束に分けると[[ルール文章]]に明記されていたものがいくつかあったが、[[裏向き]]のオブジェクトとの関連で[[エラッタ]]が出され、この記述は取り除かれている。
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**内容が分からない状態にして[[無作為に]]選ばせるものだ、と勘違いする人がいないように、念を押して記述していただけなので、エラッタ前後で挙動が変わったわけではない。
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*インベイジョンのものはすべて[[カード名]]が「A or B」となっているなど、ある程度の統一感を持ってデザインされているが、[[カード・タイプ]]は[[インスタント]]/[[ソーサリー]]/[[エンチャント]]とバラバラで、また[[緑]]には存在しないため、[[サイクル]]としてはやや不完全である。
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*山分け効果を参照するカードとして、[[The Celestial Toymaker]]が存在する。
  
 
==山分けカード一覧==
 
==山分けカード一覧==
*[[ソーサリー]][[インスタント]]
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===インベイジョン===
**[[栄光か死か/Death or Glory]]
+
*[[栄光か死か/Death or Glory]]
**[[嘘か真か/Fact or Fiction]]
+
*[[嘘か真か/Fact or Fiction]]
**[[真実か詐話か/Truth or Tale]]([[時のらせん]])
+
*[[行動か死か/Do or Die]]
**[[行動か死か/Do or Die]]
+
*[[たわむか折れるか/Bend or Break]]
**[[たわむか折れるか/Bend or Break]]
+
*[[立つか転ぶか/Stand or Fall]]
**[[輝く根本原理/Brilliant Ultimatum]]
+
*[[闘争か逃亡か/Fight or Flight]]
*[[エンチャント]]
+
 
**[[闘争か逃亡か/Fight or Flight]]
+
===その他===
**[[立つか転ぶか/Stand or Fall]]
+
*[[Camouflage]]([[リミテッド・エディション]])
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*[[Raging River]](リミテッド・エディション)
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*[[Phyrexian Portal]]([[アライアンス]])
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*[[真実か詐話か/Truth or Tale]]([[時のらせん]])
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*[[輝く根本原理/Brilliant Ultimatum]]([[アラーラの断片]])
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*[[ウスーンのスフィンクス/Sphinx of Uthuun]]([[基本セット2012]])
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*[[ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil]]([[イニストラード]])
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*[[思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought]]([[ラヴニカへの回帰]])
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*[[蒸気占い/Steam Augury]]([[テーロス]])
 +
*[[運命の気まぐれ/Whims of the Fates]]([[神々の軍勢]])
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*[[溺墓での天啓/Epiphany at the Drownyard]]([[イニストラードを覆う影]])
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*[[偏った幸運/Fortune's Favor]]([[異界月]])
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*[[羊頭スフィンクスの君主、アネシ/Unesh, Criosphinx Sovereign]]([[破滅の刻]])
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*[[骨塚協議/Boneyard Parley]]([[イクサラン]])
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*[[悪への引き渡し/Deliver Unto Evil]]([[灯争大戦]])
 +
*[[半真実の神託者、アトリス/Atris, Oracle of Half-Truths]]([[テーロス還魂記]])
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*[[見せしめ/Make an Example]]([[ニューカペナの街角統率者デッキ]])
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*[[収穫の分配/Split the Spoils]]([[統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い]])
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*[[晴天のスフィンクス/Sphinx of Clear Skies]]([[団結のドミナリア]])
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*[[敵意ある交渉/Hostile Negotiations]]([[兄弟戦争]])
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*[[サウロンの交換条件/Sauron's Ransom]]([[指輪物語:中つ国の伝承]])
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*[[The Celestial Toymaker]]([[Secret Lair Drop Series/2023年#Secret Lair x Doctor Who™: Regeneration|Secret Lair x Doctor Who™: Regeneration]])
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*[[思考への侵入/Intrude on the Mind]]([[カルロフ邸殺人事件]])
  
 
==相手に選択権のあるカードは弱い理由==
 
==相手に選択権のあるカードは弱い理由==
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各[[カード]]の[[カードパワー]]を論じる際、「最大値」よりも「期待値」、言い換えれば「安定感」「常に一定の効果を発揮できるか」に重点が置かれるのが通例である。
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しかし、相手に選択権のあるカードはそもそもその性質上、選択肢の中で「その状況に応じて最も有利でない効果」が必ず選ばれてしまう。つまり、安定感の面で欠陥があるケースが多いのである。これが、相手に選択権のあるカードが弱いとされる端的な理由である。
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この理屈は、[[懲罰者カード]]、[[恐喝カード]]、[[布告]]、[[貢納]]、広義に見れば[[リスティック]]、[[不確定カウンター]]、[[護法]]などにも当てはまる。あるいは、[[コイン投げ]]や[[6面ダイス|サイコロ]]など[[無作為に|ランダム要素]]に左右されるカードも(運任せで選択権が自分にない、という意味で)延長上にあると考えられるが、以下の原則には当てはまらない。
  
最終的な選択権が相手にある効果の場合、当然自分が起きて欲しくない方の[[効果]]が選ばれるわけで、確実性が大きく損なわれてしまう。[[山分けカード]]が活躍しなかったのも、これが理由となる。他、[[懲罰者カード]]、[[恐喝カード]]も同様である。
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===原則===
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端的に言って、「A」か「B」の効果のうちどちらかを相手が選ぶ、というのは、「A」の効果だけ、「B」の効果だけの[[カード]]それぞれの[[下位互換]]である。
  
なお、「A」か「B」の効果を相手が選ぶ、というのは、「A」の効果だけ、「B」の効果だけの[[カード]]それぞれの[[下位互換]]である。
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例を挙げると、例えば3[[マナ]][[ソーサリー]]で、「[[対象]]の[[土地]]1つを[[破壊]]する」か「対象の[[対戦相手]]1人に10点の[[ダメージ]]を[[与える]]」のどちらかを対戦相手が選ぶ、というカードがあったとする。これは一見すると、同じ[[マナ・コスト]]で[[土地破壊]]しかできない[[石の雨/Stone Rain]]よりお得に見えるが、実際は石の雨の下位互換である。「3マナで10点ダメージの可能性がある」のではなく、'''「石の雨」が相手にとって都合が悪い時に、「10点ダメージ」という逃げ道を与えてしまう'''、が正解である。
  
例を挙げると、[[石の雨/Stone Rain]]と同じコストで、「石の雨」か「本体10点ダメージ」を相手が選ぶ、という[[ソーサリー]]を比べた場合、その[[カード]]の選択肢を無理やり無くさない限り、石の雨は後者の[[上位互換]]となる。
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例えこれが、「土地破壊」か「30点ダメージ」であったとしても、「土地破壊」か「あなたは[[勝利]]する」であったとしても、理屈は同様である。もう片方がどれだけ強力でどれだけ選びにくいものであったとしても、「逃げ道がある」というぶんだけ劣っている。簡単には納得できないかもしれないが、このとき[[対戦相手]][[赤の防御円/Circle of Protection: Red]]や[[白金の天使/Platinum Angel]][[コントロール (ルール用語)|コントロール]]していたらどうなるか考えてみれば少し分かりやすいだろう。
  
*上記の「石の雨」の例は、「3マナで10点ダメージの可能性がある」と考えるのは大間違い。'''「石の雨」が相手にとって都合が悪い時に、「10点ダメージ」という逃げ道を与えてしまう'''、というのが正解である。もう片方が「30点ダメージ」と選択するのは難しい場合でも、逃げ道がある分劣っている。
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*蛇足だが、「自分に効果の選択権がある」カードの場合、それぞれの効果の[[上位互換]]になる。上記の「石の雨」の例ならば、もうひとつの効果が「対戦相手は20点の[[ライフ]]を[[得る]]」のような明らかに使いそうにないものだったとしても、それは石の雨の上位互換である。
**しばしば勘違いしている人もいるが、このカードが2マナならば、これは決して石の雨の下位互換ではない。どちらが選ばれてもこちらが投資した以上の効果があるからである。使用実績から言えば、懲罰者カードの内[[怒鳴りつけ/Browbeat]]はこのカテゴリーに属すると言える。
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蛇足だが、「自分に効果の選択権がある」カードは、それぞれの効果の[[上位互換]]になる。上記の「石の雨」の例ならば、もう一つの効果が「相手が20点ライフ回復」だったとしても、それは石の雨の上位互換である。
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===応用===
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上記の例ほど極端ではないにしろ、一般的に、相手に選択権のあるカードは同じ欠陥を抱えている。
  
例えば[[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]は[[喚起/Recollect]]などと組み合わせる事で、相手が何を選んでも同じような状況へ持ち込むことができる。各種[[布告]]なども、相手の選択肢を減らす手段を併用する事で力を発揮できるカードだ。選択肢を無くしているだけだと言ってしまえばそれまでだが、要はカードのデザインと使い方次第、とも言える。
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額面上の効果は[[コスト・パフォーマンス]]に優れた設定になっていることもあり、一見「どちらを選ばれても強い」と勘違いしがちである。しかし、実際に運用してみると、カードの効果が実際に使う場面でどれほどの成果をあげられるかは、導入するデッキ、相手のデッキ、ゲームの状況によって大きく左右されるため、「どちらでも強い」という状況は意外なほど少ない。多くの場合で「どちらかはあまり有効ではない」という状況になってしまい、「有効ではないほうを選ばれて逃げられる」という結果に終わってしまうのである。
  
また、[[直観/Intuition]][[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]も、最終的な選択を相手に委ねると言う意味では似たカードである。しかしこれらのカードは実質的に選択権がないように出来てしまうので、「最終的な選択権が相手にあるカードは見た目よりも弱い」とは別物とみなせる。事実、この2枚はすこぶる強力。
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それでも、いくつかのカードがトーナメント・レベルで使用されている。具体的には以下のような理由が挙げられる。
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#どちらの選択肢が選ばれてもよい状況が作りやすい。
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##単純に効果の大きさや汎用性が高水準にあり、いつ使っても強力である。(例:[[怒鳴りつけ/Browbeat]]、[[溶岩のあぶく/Lava Blister]])
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##どちらも近い方向性の効果であり、同じ戦略上で運用できる。(例:[[苛立たしい小悪魔/Vexing Devil]])
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#事実上「選択権がこちらにある」ような運用ができる。(例:[[直観/Intuition]][[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]
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#欠点はあるが、独自の強みもある。(例:[[布告]]系除去)
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[http://whisper.wisdom-guild.net/search.php?text=%E6%9D%9F&text_ope=and&oracle=pile&sort=name_en&sort_op=&output= 「束/pile」で検索]
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*[[束]]
 
*[[カードの俗称]]
 
*[[カードの俗称]]

2024年2月7日 (水) 01:22時点における最新版

山分けカード/Divvy Cardは、インベイジョンに登場した、いくつかのカードを2つのに分け、そのうち一方だけに効果を与える、もしくはそれぞれに別々の効果を与えるカードの総称。時のらせんで直接的なリメイクが1枚登場したほか、同様の挙動をするカードがいくつか存在する。


Do or Die / 行動か死か (1)(黒)
ソーサリー

プレイヤー1人を対象とする。あなたは、そのプレイヤーがコントロールするすべてのクリーチャーを、2つの束に分ける。そのプレイヤーが選んだ1つの束のクリーチャーをすべて破壊する。それらは再生できない。


目次

[編集] 解説

山分けカードのほとんどは「分けるのは自分で、選ぶのは対戦相手」となっているため、対戦相手側が自分にとって有利になるように選ぶことが容易であり、ルール文章を読んだ印象ほど強力ではないものが多い。栄光か死か/Death or Gloryたわむか折れるか/Bend or Breakなどの、効果そのものが強力でどちらを選ばれても相応に強いものを除いて、あまり使われないまま終わってしまった。(#相手に選択権のあるカードは弱い理由も参照)

  • 嘘か真か/Fact or Fictionだけは「分けるのは対戦相手で、選ぶのは自分」と逆になっているため、効果そのものの強さも相まって、トップクラスのカードとして活躍した。
  • 1つの束が0枚であってもよい(CR:700.3d)。
  • 束にする際、カードはそれが現在ある領域にあるままである。「束」という領域や追放領域などに一度移動させたりするわけではない。
  • 当時は"pile"を「山」と訳していたが、現在では基本土地タイプの「」との混同を避けるため「」と訳している。
  • 登場当初は「表向きの」束に分けるとルール文章に明記されていたものがいくつかあったが、裏向きのオブジェクトとの関連でエラッタが出され、この記述は取り除かれている。
    • 内容が分からない状態にして無作為に選ばせるものだ、と勘違いする人がいないように、念を押して記述していただけなので、エラッタ前後で挙動が変わったわけではない。

[編集] 山分けカード一覧

[編集] インベイジョン

[編集] その他

[編集] 相手に選択権のあるカードは弱い理由

カードカードパワーを論じる際、「最大値」よりも「期待値」、言い換えれば「安定感」「常に一定の効果を発揮できるか」に重点が置かれるのが通例である。

しかし、相手に選択権のあるカードはそもそもその性質上、選択肢の中で「その状況に応じて最も有利でない効果」が必ず選ばれてしまう。つまり、安定感の面で欠陥があるケースが多いのである。これが、相手に選択権のあるカードが弱いとされる端的な理由である。

この理屈は、懲罰者カード恐喝カード布告貢納、広義に見ればリスティック不確定カウンター護法などにも当てはまる。あるいは、コイン投げサイコロなどランダム要素に左右されるカードも(運任せで選択権が自分にない、という意味で)延長上にあると考えられるが、以下の原則には当てはまらない。

[編集] 原則

端的に言って、「A」か「B」の効果のうちどちらかを相手が選ぶ、というのは、「A」の効果だけ、「B」の効果だけのカードそれぞれの下位互換である。

例を挙げると、例えば3マナソーサリーで、「対象土地1つを破壊する」か「対象の対戦相手1人に10点のダメージ与える」のどちらかを対戦相手が選ぶ、というカードがあったとする。これは一見すると、同じマナ・コスト土地破壊しかできない石の雨/Stone Rainよりお得に見えるが、実際は石の雨の下位互換である。「3マナで10点ダメージの可能性がある」のではなく、「石の雨」が相手にとって都合が悪い時に、「10点ダメージ」という逃げ道を与えてしまう、が正解である。

例えこれが、「土地破壊」か「30点ダメージ」であったとしても、「土地破壊」か「あなたは勝利する」であったとしても、理屈は同様である。もう片方がどれだけ強力でどれだけ選びにくいものであったとしても、「逃げ道がある」というぶんだけ劣っている。簡単には納得できないかもしれないが、このとき対戦相手赤の防御円/Circle of Protection: Red白金の天使/Platinum Angelコントロールしていたらどうなるか考えてみれば少し分かりやすいだろう。

  • 蛇足だが、「自分に効果の選択権がある」カードの場合、それぞれの効果の上位互換になる。上記の「石の雨」の例ならば、もうひとつの効果が「対戦相手は20点のライフ得る」のような明らかに使いそうにないものだったとしても、それは石の雨の上位互換である。

[編集] 応用

上記の例ほど極端ではないにしろ、一般的に、相手に選択権のあるカードは同じ欠陥を抱えている。

額面上の効果はコスト・パフォーマンスに優れた設定になっていることもあり、一見「どちらを選ばれても強い」と勘違いしがちである。しかし、実際に運用してみると、カードの効果が実際に使う場面でどれほどの成果をあげられるかは、導入するデッキ、相手のデッキ、ゲームの状況によって大きく左右されるため、「どちらでも強い」という状況は意外なほど少ない。多くの場合で「どちらかはあまり有効ではない」という状況になってしまい、「有効ではないほうを選ばれて逃げられる」という結果に終わってしまうのである。

それでも、いくつかのカードがトーナメント・レベルで使用されている。具体的には以下のような理由が挙げられる。

  1. どちらの選択肢が選ばれてもよい状況が作りやすい。
    1. 単純に効果の大きさや汎用性が高水準にあり、いつ使っても強力である。(例:怒鳴りつけ/Browbeat溶岩のあぶく/Lava Blister
    2. どちらも近い方向性の効果であり、同じ戦略上で運用できる。(例:苛立たしい小悪魔/Vexing Devil
  2. 事実上「選択権がこちらにある」ような運用ができる。(例:直観/Intuitionけちな贈り物/Gifts Ungiven
  3. 欠点はあるが、独自の強みもある。(例:布告系除去)

[編集] 参考

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