ストームネクロ
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− | Erik Lauerがデザインし、Randy Buehlerが改良を加えた。後にRandy | + | Erik Lauerがデザインし、Randy Buehlerが改良を加えた。後にRandy BuehlerはErik Lauerの名を冠した"LauerPotence"と呼称している。"コントロールネクロ"とも。 |
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− | 初期[[エクステンデッド]] | + | 初期[[エクステンデッド]]の[[デッキ]]であり、[[黒赤]][[タッチ]][[白]]で[[構築]]される。[[ネクロポーテンス/Necropotence]]で得た大量の[[カード]]で[[コントロール (ゲーム用語)|コントロール]]しつつ、最終的には[[カウンターバーン]]さながらに[[プレイヤー]]へ[[火力]]を向け、そのまま[[勝利]]する。 |
− | [[ネクロ]]デッキでありながら[[ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk]]が入っていない。代わりに[[稲妻/Lightning Bolt]]・[[火葬/Incinerate]]・[[炎の嵐/Firestorm]] | + | [[ネクロ]]デッキでありながら[[ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk]]が入っていない。代わりに[[稲妻/Lightning Bolt]]・[[火葬/Incinerate]]・[[炎の嵐/Firestorm]]といった[[赤]]の火力を採用することで[[軽い|低マナ域]]かつ速攻性の高い[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]耐性を獲得している。また、[[スタンダード]]で[[ネクロディスク]]を支えた[[ライフ]][[回復]]手段である[[象牙の塔/Ivory Tower]]と[[Zuran Orb]]は[[禁止カード]]であったためこれも入っていない。代わりに[[Paul McCabe]]が[[プロツアーダラス96]]で使用していたネクロからヒントを得て[[Lake of the Dead|レイク・ドレインコンボ]]を採用している。この2点の変更で得たコントロール手段は最終的に対プレイヤー火力としても働くため、より素早い勝利へと直結することができる。更に[[アーティファクト]]対策がまったく効かなくなったというのも強みである。 |
− | + | 一般のネクロデッキにおいて、ネビニラルの円盤には自らネクロポーテンスを[[破壊]]する役割もあったが、その役割を担うカードは[[解呪/Disenchant]]のみである。だが基本的には圧倒的な[[カード・アドバンテージ]]でそのまま勝利できるため、あまり破壊することを意識していなかったのかもしれない。 | |
− | + | 軽量の[[インスタント]]によるコントロールと[[Lake of the Dead]]による[[マナ加速]]は、[[ネクロディスク]]が苦手としていた[[停滞/Stasis]]や[[ハルマゲドン/Armageddon]]による[[マナ拘束]]への回答ともなった。 | |
− | [[クリーチャー]]は基本的に[[パンプアップ]][[騎士]]([[ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald]]・[[Order of the Ebon Hand]] | + | [[クリーチャー]]は基本的に[[パンプアップ]][[騎士]]([[ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald]]・[[Order of the Ebon Hand]]の「[[マナ]]さえあれば一体で地上を制圧できる[[小型クリーチャー]]」)のみである。1枚だけ投入されている[[イーサンの影/Ihsan's Shade]]は火力が厳しい相手と対戦した時に活躍することができる。すべてのクリーチャーが[[プロテクション]](白)を持っており、当時[[環境]]に蔓延していた[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]と[[Kjeldoran Outpost]]の[[兵士]][[トークン]]に止められることが一切ない。 |
炎の嵐にしてもレイク・ドレインにしても[[リソース]]を大量に消費するため、とにかく早期にネクロポーテンスを展開することが重要である。こうした理想的な動きを高い精度で実現する為、ネクロポーテンス4枚に加えて[[Demonic Consultation]]が4枚採用されている。ネクロポーテンスを展開した後は必要なコントロール要素を瞬時に手に入れる役にも立つ。瞬間的な加速の為に展開の安定性を欠くことを嫌ってか、[[暗黒の儀式/Dark Ritual]]は採用されていない。 | 炎の嵐にしてもレイク・ドレインにしても[[リソース]]を大量に消費するため、とにかく早期にネクロポーテンスを展開することが重要である。こうした理想的な動きを高い精度で実現する為、ネクロポーテンス4枚に加えて[[Demonic Consultation]]が4枚採用されている。ネクロポーテンスを展開した後は必要なコントロール要素を瞬時に手に入れる役にも立つ。瞬間的な加速の為に展開の安定性を欠くことを嫌ってか、[[暗黒の儀式/Dark Ritual]]は採用されていない。 | ||
− | なお、[[生命吸収/Drain Life]] | + | なお、[[生命吸収/Drain Life]]その物は[[スタンダード]]のネクロディスクと共通しているし、その中にはレイク・ドレインを搭載しているものももちろん存在していたが、[[Randy Buehler]]がスタンダードで構築していたネクロディスクには含まれていなかった。またDemonic Consultationは彼がスタンダードで構築していたネクロディスクにも2枚ながら含まれており、彼がいかにネクロポーテンスを早く場に出すことを重視し、また突き詰めて行ったかを如実に表している。 |
− | 勝利へと直結するカードを選択するという思想は[[サイドボード]]にも表れており、苦手とする赤のデッキへのサイドカードが[[名誉の道行き/Honorable Passage]]であったり、白を使っていながら剣を鍬にではなく[[恐怖/Terror]]が採用されていたりする。恐怖は、Lake of the | + | 勝利へと直結するカードを選択するという思想は[[サイドボード]]にも表れており、苦手とする赤のデッキへのサイドカードが[[名誉の道行き/Honorable Passage]]であったり、白を使っていながら剣を鍬にではなく[[恐怖/Terror]]が採用されていたりする。恐怖は、Lake of the Deadを使ってもまだ分が悪い[[ハルマゲドン/Armageddon]]を擁する[[アーニーゲドン]]系のデッキを強烈に意識していることが窺える。ネクロデッキへの同系[[メタ]]になり[[浄火の鎧/Empyrial Armor]]の力を削ぐ[[精神歪曲/Mind Warp]]というカードが採用されているのも特徴的である。 |
==サンプルレシピ== | ==サンプルレシピ== |
2011年4月17日 (日) 23:14時点における版
ストームネクロ (Firestorm Necro)は、プロツアーシカゴ97でRandy Buehlerと"いかれた天才"Erik Lauerが使用し、Randy Buehlerを優勝へと導いたデッキ。チームCMUがまだこの二枚看板を有し、名実ともに"カーネギーメロン大学チーム"であった頃のデッキである。 Erik Lauerがデザインし、Randy Buehlerが改良を加えた。後にRandy BuehlerはErik Lauerの名を冠した"LauerPotence"と呼称している。"コントロールネクロ"とも。
概要
エンチャント
あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがカードを捨てるたび、あなたの墓地にあるそのカードを追放する。
1点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上のカードを裏向きのまま追放する。あなたの次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。
インスタント
この呪文を唱えるための追加コストとして、カードをX枚捨てる。
X個のクリーチャーとプレインズウォーカーとプレイヤーの組み合わせを対象とする。炎の嵐は、それらにX点のダメージを与える。
初期エクステンデッドのデッキであり、黒赤タッチ白で構築される。ネクロポーテンス/Necropotenceで得た大量のカードでコントロールしつつ、最終的にはカウンターバーンさながらにプレイヤーへ火力を向け、そのまま勝利する。
ネクロデッキでありながらネビニラルの円盤/Nevinyrral's Diskが入っていない。代わりに稲妻/Lightning Bolt・火葬/Incinerate・炎の嵐/Firestormといった赤の火力を採用することで低マナ域かつ速攻性の高いビートダウン耐性を獲得している。また、スタンダードでネクロディスクを支えたライフ回復手段である象牙の塔/Ivory TowerとZuran Orbは禁止カードであったためこれも入っていない。代わりにPaul McCabeがプロツアーダラス96で使用していたネクロからヒントを得てレイク・ドレインコンボを採用している。この2点の変更で得たコントロール手段は最終的に対プレイヤー火力としても働くため、より素早い勝利へと直結することができる。更にアーティファクト対策がまったく効かなくなったというのも強みである。
一般のネクロデッキにおいて、ネビニラルの円盤には自らネクロポーテンスを破壊する役割もあったが、その役割を担うカードは解呪/Disenchantのみである。だが基本的には圧倒的なカード・アドバンテージでそのまま勝利できるため、あまり破壊することを意識していなかったのかもしれない。
軽量のインスタントによるコントロールとLake of the Deadによるマナ加速は、ネクロディスクが苦手としていた停滞/Stasisやハルマゲドン/Armageddonによるマナ拘束への回答ともなった。
クリーチャーは基本的にパンプアップ騎士(ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald・Order of the Ebon Handの「マナさえあれば一体で地上を制圧できる小型クリーチャー」)のみである。1枚だけ投入されているイーサンの影/Ihsan's Shadeは火力が厳しい相手と対戦した時に活躍することができる。すべてのクリーチャーがプロテクション(白)を持っており、当時環境に蔓延していた剣を鍬に/Swords to PlowsharesとKjeldoran Outpostの兵士トークンに止められることが一切ない。
炎の嵐にしてもレイク・ドレインにしてもリソースを大量に消費するため、とにかく早期にネクロポーテンスを展開することが重要である。こうした理想的な動きを高い精度で実現する為、ネクロポーテンス4枚に加えてDemonic Consultationが4枚採用されている。ネクロポーテンスを展開した後は必要なコントロール要素を瞬時に手に入れる役にも立つ。瞬間的な加速の為に展開の安定性を欠くことを嫌ってか、暗黒の儀式/Dark Ritualは採用されていない。
なお、生命吸収/Drain Lifeその物はスタンダードのネクロディスクと共通しているし、その中にはレイク・ドレインを搭載しているものももちろん存在していたが、Randy Buehlerがスタンダードで構築していたネクロディスクには含まれていなかった。またDemonic Consultationは彼がスタンダードで構築していたネクロディスクにも2枚ながら含まれており、彼がいかにネクロポーテンスを早く場に出すことを重視し、また突き詰めて行ったかを如実に表している。
勝利へと直結するカードを選択するという思想はサイドボードにも表れており、苦手とする赤のデッキへのサイドカードが名誉の道行き/Honorable Passageであったり、白を使っていながら剣を鍬にではなく恐怖/Terrorが採用されていたりする。恐怖は、Lake of the Deadを使ってもまだ分が悪いハルマゲドン/Armageddonを擁するアーニーゲドン系のデッキを強烈に意識していることが窺える。ネクロデッキへの同系メタになり浄火の鎧/Empyrial Armorの力を削ぐ精神歪曲/Mind Warpというカードが採用されているのも特徴的である。
サンプルレシピ
- 備考
- プロツアーシカゴ97優勝
- 使用者:Randy Buehler
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
---|---|
クリーチャー (9) | |
4 | Order of the Ebon Hand |
4 | ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald |
1 | イーサンの影/Ihsan's Shade |
インスタント・ソーサリー (23) | |
4 | Demonic Consultation |
4 | 稲妻/Lightning Bolt |
2 | 炎の嵐/Firestorm |
2 | 火葬/Incinerate |
3 | 解呪/Disenchant |
4 | Hymn to Tourach |
4 | 生命吸収/Drain Life |
エンチャント・アーティファクト (4) | |
4 | ネクロポーテンス/Necropotence |
土地 (24) | |
8 | 沼/Swamp |
4 | Badlands |
4 | Scrubland |
3 | Lake of the Dead |
2 | 湿原の大河/Bad River |
3 | 宝石鉱山/Gemstone Mine |
サイドボード | |
1 | 炎の嵐/Firestorm |
3 | 紅蓮破/Pyroblast |
2 | 黒の防御円/Circle of Protection: Black |
3 | 名誉の道行き/Honorable Passage |
1 | 解呪/Disenchant |
2 | 精神歪曲/Mind Warp |
3 | 恐怖/Terror |
参考
- Finding the Tinker Deck(WotC、文:Mike Flores)
- Tinker デッキへの探求(上の邦訳)
- The Power of the Skull(WotC、文:Randy Buehler、サイドボードまで含むデッキリストが参照できる)
- デッキ集