ファイレクシアの油/Phyrexian oil
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触れるものを汚染し、ファイレクシア人に変化させる性質を持つ。ファイレクシアによる侵食・汚染の元凶。 | 触れるものを汚染し、ファイレクシア人に変化させる性質を持つ。ファイレクシアによる侵食・汚染の元凶。 | ||
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+ | '''「油/oil」'''という名称ゆえか、[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]の力に対しては無力であり、”灯を持つ者”即ち[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]やその素質を持つ者たちに対しては、侵食・汚染の効力が働かない。言い方を変えれば『プレインズウォーカーはその力の源(灯)を失わない限り、ファイレクシアの油に侵されることは決して無い』のである。[[トレイリア/Tolaria]]に出来た[[時の裂け目/Time Rift]]の修復の際、プレインズウォーカーの灯を失ってしまった[[カーン/Karn]]が後に油に侵されてしまった事象や、油に侵されたカーンが[[ヴェンセール/Venser]]の灯の力をもって油の呪縛から[[解放された者、カーン/Karn Liberated|解放された]]のも、油の持つこの弱点が原因である。 | ||
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+ | 汚染・浸食の力を持つ油とは対照的に、退魔・浄化・加護・癒し等の聖なる力を持つ[[白マナ]]の力に対しては、その効力が弱まる。また、油を燃やす火の力を有した[[赤マナ]]の力に対しても、侵食・汚染の進行速度が減速する。[[白青黒赤緑|5色]]の太陽が輝く[[ミラディン/Mirrodin]][[次元/Plane]]に対するファイレクシアの侵略([[ミラディンの傷跡ブロック]])において、[[白]]と[[赤]]の2色に対するファイレクシア陣営の侵攻(※[[セット]]毎に増加していった[[Φ]]マークの[[透かし]]入り[[カード]]の増加枚数)が、他の[青]][[黒]][[緑]]の3色と比較して遅いものであったのも、この性質の為である。 | ||
*[[Doug Beyer]]は、黒い膿漿が目から溢れ頬を流れ落ちる様子を「ファイレクシアの涙/Phyrexian tears」と呼称している。この描写はファイレクシアによる汚染の象徴となっている。 | *[[Doug Beyer]]は、黒い膿漿が目から溢れ頬を流れ落ちる様子を「ファイレクシアの涙/Phyrexian tears」と呼称している。この描写はファイレクシアによる汚染の象徴となっている。 | ||
**[[ヨーグモス/Yawgmoth]]のシンボルである「苦痛の仮面」([[アポカリプス]]の[[エキスパンション・シンボル]])にもこの「ファイレクシアの涙」の意匠が現れている。→参考:[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する] | **[[ヨーグモス/Yawgmoth]]のシンボルである「苦痛の仮面」([[アポカリプス]]の[[エキスパンション・シンボル]])にもこの「ファイレクシアの涙」の意匠が現れている。→参考:[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する] | ||
*[[ミラディン・ブロック]]において[[メムナーク/Memnarch#ストーリー|メムナーク/Memnarch]]が乱心したのは、黒い油(=ファイレクシアの油)に侵されていたためである。続く[[ミラディンの傷跡ブロック]]では、ファイレクシアの油により[[ミラディン/Mirrodin]]が侵食されゆく様が描かれている。 | *[[ミラディン・ブロック]]において[[メムナーク/Memnarch#ストーリー|メムナーク/Memnarch]]が乱心したのは、黒い油(=ファイレクシアの油)に侵されていたためである。続く[[ミラディンの傷跡ブロック]]では、ファイレクシアの油により[[ミラディン/Mirrodin]]が侵食されゆく様が描かれている。 | ||
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+ | ==登場カード== | ||
+ | ===[[イラスト]]=== | ||
+ | :[[ぎらつく油/Glistening Oil]]({{Gatherer|id=248770}}) | ||
+ | :[[汚れ/Befoul|汚れ/Befoul(ウルザズ・サーガ)]]({{Gatherer|id=5605}}) | ||
+ | :[[汚物の雨/Rain of Filth]]({{Gatherer|id=5831}}) | ||
+ | :[[汚染/Contamination]]({{Gatherer|id=5768}}) | ||
+ | :[[快活な守備兵/Sanguine Guard]]({{Gatherer|id=5627|目元から流れ落ちる黒い線}}) | ||
+ | :[[汚れた一撃/Tainted Strike]]({{Gatherer|id=209049}}) | ||
+ | :[[着実な進歩/Steady Progress]]({{Gatherer|id=194361}}) | ||
+ | :[[ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine]]({{Gatherer|id=207875|口元から飛ぶしぶき}}) | ||
+ | :[[容赦無い潮流/Inexorable Tide]]({{Gatherer|id=194363}}) | ||
+ | :[[胆液の鼠/Ichor Rats]]({{Gatherer|id=194177|目から流れる黒い液体}}) | ||
+ | :[[モリオックの肉裂き/Moriok Reaver]]({{Gatherer|id=194309|目から流れる黒い液体}}) | ||
+ | :[[嚢胞抱え/Cystbearer]]({{Gatherer|id=205477|口から滴る黒い液体}}) | ||
+ | :その他多数 | ||
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+ | ===[[フレイバー・テキスト]]=== | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|生暖かい油の雨が我が頬をつたう。もはや、ファイレクシアに入ったことは明白であろう。|ジャーシルの日記|[[Gate to Phyrexia]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|雨が降ったと私は言ったが、小さな水の粒が落ちてきたという意味ではない。ベトベトに油っぽいよだれのようなものが、天から降り注いできたのだ。|ウルザの日誌|[[汚物の雨/Rain of Filth]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|土地はそれに触れられるとたちまち腐り果てた。一瞬のうちに、油ぎった胆汁と化した。|大天使レイディアント|[[汚れ/Befoul]]([[ウルザズ・サーガ]])}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|焚き火のそばへチータがくわえて運んできたギトギトした死骸を見て、スクイーは言った。「おいらたちに食べさせたいんじゃないかな」||[[有角チータ/Horned Cheetah]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|その根は、清流の水を吸うのと同じように、ファイレクシア兵のどす黒い血を吸うことも好む。||[[黒檀のツリーフォーク/Ebony Treefolk]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|油が一滴でもあるかぎり、喜びに満ちた業は続く。||[[ファイレクシアの再誕/Phyrexian Rebirth]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|ほんの一滴のぎらつく油は、ロクソドン並みの断固たる魂すら、救いようが無いほど汚してしまう。||[[ロクソドンの改宗者/Loxodon Convert]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|「あの奇妙な油がまた……いや、何でもないな。」||[[着実な進歩/Steady Progress]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|遥か昔の侵略兵器であるぎらつく油は、数え切れない程の残虐行為の設計図を内に抱えている。||[[ファイレクシアの大男/Phyrexian Hulk]]([[新たなるファイレクシア]]、[[基本セット2013]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|油はマイコシンスを生み出した。 マイコシンスは新ファイレクシアを生み出した。||[[マイコシンスの水源/Mycosynth Wellspring]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|「油と屍気の統合は数多くの喜ばしき反応を生み出している。」|囁く者、シェオルドレッド|[[災いの召使い/Scourge Servant]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|オキシダ連峰がメフィドロスと混じりあう場所では、油の染みた金属が砕け、黒ずんだ壁の骨格だけを残す。||[[黒割れの崖/Blackcleave Cliffs]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|ヴォリンクレックスには大々的な計画など無かった。 生物を価値ある捕食者に進化させるのは、油がやってくれたことだ。||[[腐敗したヒストリクス/Rotted Hystrix]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|彼らがちらつき蛾から集めた血清は、魔女エンジンの継ぎ目の油になった。||[[血清掻き/Serum Raker]]}} | ||
+ | :{{フレイバーテキスト|ファイレクシアの油に耐えうるミラディンの生物にとっては、歯ごたえのある食べ物が大量に増えただけのことだ。||[[オオアゴザウルス/Gnathosaur]]}} | ||
==参考== | ==参考== | ||
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/115 Infectiously Phyrexian Art]/[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する]([[WotC]]/日本語公式サイトによる和訳) | *[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/115 Infectiously Phyrexian Art]/[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010120/ ファイレクシアのアートは感染する]([[WotC]]/日本語公式サイトによる和訳) | ||
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/109 The Terms of Engagement]/[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010032/ 約束の時](同上) | *[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/109 The Terms of Engagement]/[http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/010032/ 約束の時](同上) | ||
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*[[ファイレクシア/Phyrexia]] | *[[ファイレクシア/Phyrexia]] | ||
*[[背景世界/ストーリー用語]] | *[[背景世界/ストーリー用語]] |
2015年2月10日 (火) 00:01時点における版
ファイレクシアの油/Phyrexian oilとはファイレクシア/Phyrexiaによってもたらされる物質。
「油」と呼ばれる通り、黒くぎらつく油状の液体。その正体は、ファイレクシア人の体内から分泌される黒い膿漿(Ichor)である。
触れるものを汚染し、ファイレクシア人に変化させる性質を持つ。ファイレクシアによる侵食・汚染の元凶。
「油/oil」という名称ゆえか、プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkの力に対しては無力であり、”灯を持つ者”即ちプレインズウォーカー/Planeswalkerやその素質を持つ者たちに対しては、侵食・汚染の効力が働かない。言い方を変えれば『プレインズウォーカーはその力の源(灯)を失わない限り、ファイレクシアの油に侵されることは決して無い』のである。トレイリア/Tolariaに出来た時の裂け目/Time Riftの修復の際、プレインズウォーカーの灯を失ってしまったカーン/Karnが後に油に侵されてしまった事象や、油に侵されたカーンがヴェンセール/Venserの灯の力をもって油の呪縛から解放されたのも、油の持つこの弱点が原因である。
汚染・浸食の力を持つ油とは対照的に、退魔・浄化・加護・癒し等の聖なる力を持つ白マナの力に対しては、その効力が弱まる。また、油を燃やす火の力を有した赤マナの力に対しても、侵食・汚染の進行速度が減速する。5色の太陽が輝くミラディン/Mirrodin次元/Planeに対するファイレクシアの侵略(ミラディンの傷跡ブロック)において、白と赤の2色に対するファイレクシア陣営の侵攻(※セット毎に増加していったΦマークの透かし入りカードの増加枚数)が、他の[青]]黒緑の3色と比較して遅いものであったのも、この性質の為である。
- Doug Beyerは、黒い膿漿が目から溢れ頬を流れ落ちる様子を「ファイレクシアの涙/Phyrexian tears」と呼称している。この描写はファイレクシアによる汚染の象徴となっている。
- ヨーグモス/Yawgmothのシンボルである「苦痛の仮面」(アポカリプスのエキスパンション・シンボル)にもこの「ファイレクシアの涙」の意匠が現れている。→参考:ファイレクシアのアートは感染する
- ミラディン・ブロックにおいてメムナーク/Memnarchが乱心したのは、黒い油(=ファイレクシアの油)に侵されていたためである。続くミラディンの傷跡ブロックでは、ファイレクシアの油によりミラディン/Mirrodinが侵食されゆく様が描かれている。
目次 |
登場カード
イラスト
- ぎらつく油/Glistening Oil(イラスト)
- 汚れ/Befoul(ウルザズ・サーガ)(イラスト)
- 汚物の雨/Rain of Filth(イラスト)
- 汚染/Contamination(イラスト)
- 快活な守備兵/Sanguine Guard(目元から流れ落ちる黒い線)
- 汚れた一撃/Tainted Strike(イラスト)
- 着実な進歩/Steady Progress(イラスト)
- ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(口元から飛ぶしぶき)
- 容赦無い潮流/Inexorable Tide(イラスト)
- 胆液の鼠/Ichor Rats(目から流れる黒い液体)
- モリオックの肉裂き/Moriok Reaver(目から流れる黒い液体)
- 嚢胞抱え/Cystbearer(口から滴る黒い液体)
- その他多数
フレイバー・テキスト
生暖かい油の雨が我が頬をつたう。もはや、ファイレクシアに入ったことは明白であろう。
― ジャーシルの日記(出典:Gate to Phyrexia)
雨が降ったと私は言ったが、小さな水の粒が落ちてきたという意味ではない。ベトベトに油っぽいよだれのようなものが、天から降り注いできたのだ。
― ウルザの日誌(出典:汚物の雨/Rain of Filth)
土地はそれに触れられるとたちまち腐り果てた。一瞬のうちに、油ぎった胆汁と化した。
― 大天使レイディアント
焚き火のそばへチータがくわえて運んできたギトギトした死骸を見て、スクイーは言った。「おいらたちに食べさせたいんじゃないかな」
(出典:有角チータ/Horned Cheetah)
その根は、清流の水を吸うのと同じように、ファイレクシア兵のどす黒い血を吸うことも好む。
油が一滴でもあるかぎり、喜びに満ちた業は続く。
ほんの一滴のぎらつく油は、ロクソドン並みの断固たる魂すら、救いようが無いほど汚してしまう。
「あの奇妙な油がまた……いや、何でもないな。」
遥か昔の侵略兵器であるぎらつく油は、数え切れない程の残虐行為の設計図を内に抱えている。
油はマイコシンスを生み出した。 マイコシンスは新ファイレクシアを生み出した。
「油と屍気の統合は数多くの喜ばしき反応を生み出している。」
― 囁く者、シェオルドレッド
オキシダ連峰がメフィドロスと混じりあう場所では、油の染みた金属が砕け、黒ずんだ壁の骨格だけを残す。
ヴォリンクレックスには大々的な計画など無かった。 生物を価値ある捕食者に進化させるのは、油がやってくれたことだ。
彼らがちらつき蛾から集めた血清は、魔女エンジンの継ぎ目の油になった。
(出典:血清掻き/Serum Raker)
ファイレクシアの油に耐えうるミラディンの生物にとっては、歯ごたえのある食べ物が大量に増えただけのことだ。
(出典:オオアゴザウルス/Gnathosaur)