ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will
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ソーサリー
ターン終了時まで、あなたは、あなたの墓地から、土地をプレイしても呪文を唱えてもよい。
このターン、あなたの墓地にいずれの領域からでもカードが置かれるなら、代わりにそれを追放する。
WotC社員のMark Rosewaterをして「最大の過ち」と言わしめた、マジック史上最強と謳われるカード。墓地のカードをここまで自在に操れる呪文は他に類を見ない。
1ターン限定とはいえ、実質的に墓地のカードをすべて手札に加えるような効果によるアドバンテージは、ゲームバランスを崩壊させるに十分なものである。ゲームの後半に撃てば、わずか3マナで10数枚以上のアドバンテージを得るわけで、そのままゲーム終了となることも珍しくない。
このカードの強さはその性質上カード・プールの広さに依存する。軽くて強力な呪文、特に強力なマナ加速手段が多ければそれだけこのカードも強力に変貌を遂げる。当時のスタンダードでは、水蓮の花びら/Lotus Petal→暗黒の儀式/Dark Ritualで0マナから唱えることができ、このカードの効果でそれらを使い回すことでフリースペルのような芸当が可能となっていた。ヴィンテージに至ってはBlack LotusやMox等の凶悪なマナ・アーティファクトを筆頭に軽くて強烈な呪文が蔓延しているので、単純なカードパワーはパワー9をも上回る。ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamondとのシナジーも抜群である。
スタンダードでは黒ウィニーや黒コントロールの後半の息切れ防止手段といったごく一般的な使い方から、ピットサイクルにおいて5枚目の魂の饗宴/Soul Feastを撃つために使用するなど黒絡みのデッキでは大抵投入されていたが、カード・プールの狭さのおかげで禁止カード入りは免れた。また、後半ほど強力になる、二度目の使用は効果が薄いなどといった性質から1、2枚挿しが一般的だったので、強力さの割にはシングルカード価格もそこまで高くはなかった。
- このカードが登場した当時、Type1で制限カードに指定されていた新たな芽吹き/Regrowthと比較しても、たった1マナ増えただけで墓地のカード全てに手を出せる。このカードがいかに強力かがわかるだろう。
- 本項冒頭の、「Mark Rosewaterが「最大の過ち」と言った」理由もここにあり、オーバーパワーである事が予想できたにも関わらず作ってしまった事を反省している。
- 修正するとヨーグモスの行動計画/Yawgmoth's Agendaになる。また梅澤俊郎/Toshiro Umezawa、法務官の相談/Praetor's Counsel、炎の中の過去/Past in Flamesも一種の調整版と言っていいかもしれない。大魔術師版の意志の大魔術師/Magus of the Willも作られた。
1999/10/01、Type1(現ヴィンテージ)で制限カード、エクステンデッドとType1.5で禁止カードに指定される。2004/09/20よりType1.5から移行したレガシーでも続けて禁止となっている。
ルール
- カードに印刷されたルール文章は現在のオラクルと同様に置換効果によって墓地に置かれたカードを追放するようになっている(日本語版だと分かり難いが)が、一時期これが誘発型能力であるというエラッタが出ていた事がある。
- これで再利用した呪文は「墓地から唱えられた」ことになるので、ラクァタスの侮蔑/Laquatus's Disdainで打ち消すことができる。同様に灰の盲信者/Ash Zealotでダメージを与えるし、墓掘りの檻/Grafdigger's Cageで唱えることを禁止することもできる。
- この効果により、解決されたヨーグモスの意志自身も墓地に置かれずに追放される。
参考
- ミスなんてもってのほか その6(米Wizards社、英文)
- M:tGやっちまった小咄集(Braingeyser、上の記事の和訳)
- ヨーグモス/Yawgmoth(背景世界/ストーリー用語)
- 再録禁止カード一覧(再録禁止カード)
- カード個別評価:ウルザズ・サーガ - レア
- カード個別評価:Vintage Masters - 神話レア