厚かましい借り手/Brazen Borrower
提供:MTG Wiki
クリーチャー — フェアリー(Faerie) ならず者(Rogue)
瞬速
飛行
厚かましい借り手は、飛行を持つクリーチャーのみをブロックできる。
出来事として対戦相手限定の分散/Disperseを搭載した、High-flyingで頭でっかちのフェアリー・ならず者。
標準的なバウンスが抱える「ハンド・アドバンテージを失いやすい」「相手によっては腐る」という問題を当事者カードらしく克服した結果、様々なフォーマットの青いデッキで採用される強力なカードに。
出来事の中では(砕骨の巨人/Bonecrusher Giantの踏みつけ/Stompと並んで)タイミングや対象に困らないうえに軽い。そのため早いうちから手札破壊の届きにくい追放領域で待ち構えつつ、対戦相手がソーサリー・タイミングでの全体除去を消費した直後などに瞬速を活かして攻めに転じやすい。
もちろんフラッシュデッキにも向く。相打ち要員としては飛行持ちしかブロックできず、瞬速お得意のコンバット・トリックとしての運用には制限がかかる。とはいえアタッカーとしては3点という大きなクロックを刻めるため、大型クリーチャーに制空権を握られたりしていなければ十分に活躍する。
スタンダードではシミック・フラッシュ、ティムール再生、アゾリウス・コントロール、イゼット・コントロールなどに採用されたほか、シミック・フードにもこれを4枚搭載したタイプが登場している。出来事呪文をコピーできる幸運のクローバー/Lucky Cloverが禁止カードになるまでは、相手の戦線を壊滅させるほどの働きも見せていた。
ローテーション後は、ならず者であるうえに瞬速・飛行がデッキと噛み合うディミーア・ローグで採用候補となっており、特に夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Denを相棒にせずトリックスター、ザレス・サン/Zareth San, the Tricksterやサメ台風/Shark Typhoonを据えたタイプでは気兼ねなく組み込まれる。カルドハイム以降はイゼット・テンポでも、クロック・パーミッション的な動きに貢献している。
パイオニアでは制定直後から4色サヒーリで見かけるほか、青単テンポや天穹の鷲/Empyrean Eagleを軸にした飛行デッキに採用されている。
似た性能のヴェンディリオン三人衆/Vendilion Cliqueがいるモダン~エターナルでは採用枠を争うが、こちらは非伝説で気兼ねなく複数枚積みやすく、主にテンポや戦場への干渉力を重視したデッキで重宝されている。
モダンではフェアリーの新戦力としてヴェンディリオン三人衆と散らされているほか、各種青赤コントロールや青白石鍛冶、マーフォークなどでも幅広く採用されている。
レガシーではグリクシス・デルバーやマーフォークなどテンポを重視したデッキで、ヴィンテージでも少数ながら青黒緑ミッドレンジで採用される場合がある。
- MTGアリーナでは数多くの神話レアに専用の登場エフェクトが用意されているが、このカードの場合は画面外から飛んできて対戦相手のカードを弾いて手札に戻した後、高く飛びあがりカメラに向かってグッとガッツポーズをして光り輝くという、妙に印象が残るものとなっている。
- "Brazen"には「真鍮製の~」という材質を表す意味のほか、「(真鍮製の楽器のように)騒がしい」「厚かましい」といった意味が存在し、"Brazenface"で「鉄面皮」となる。
- "Petty Theft"とは価値の低いとても小さな窃盗、すなわち「こそどろ」を表す言葉。
- モチーフは、人間の物を拝借してこっそり暮らす小人の話『小人の冒険/The Borrowers』だろう。要するに『借りぐらしのアリエッティ』である。