種類別
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種類別/Layerとは、複数の継続的効果の適用順を決定する際の、継続的効果の分類を指すルール用語。分類したあとの適用順のルールも含めてこの用語で表す場合もある。
継続的効果は以下の6つの種類別に分類される。
- 第1種:コピー効果(例:エンチャント複製/Copy Enchantment)
- 第2種:コントロール変更効果(例:不忠の糸/Threads of Disloyalty)
- 第3種:文章変更効果(例:幻覚/Mind Bend)
- 第4種:タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果(例:自然の類似/Natural Affinity)
- 第5種:第1〜4種、第6種に該当しない一般の継続的効果
- 第6種:パワー・タフネス変更効果
第6種に関してはさらに細分化されており、以下のように分類される。
- 6a:特性定義能力の効果(例:ルアゴイフ/Lhurgoyf)
- 6b:一般の効果(例:彫像の威圧者/Graven Dominator、巨大化/Giant Growth)
- 6c:カウンターの効果
- 6d:パワーやタフネスを特定の値にするのではなく、修整を加える類いの常在型能力の効果(例:邪悪なる力/Unholy Strength、魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal)
- 6e:パワーとタフネスを入れ替える効果。(例:熱を帯びた夢、萬迩智/Mannichi, the Fevered Dream)
第1種から第6種までは「こぴこんぶんたいいっぱんぱわー」、第6種の中は「定位置にカウンター、習性で入れ替わる」と覚えておくといいだろう。→参考
ある効果が複数の種類別に分類できるなら、それぞれが適切な種類別として扱われる。 以前は、第4種に分類できる効果がある場合は例外であったが、現在はこれも例外ではない。
- 例:野生の雑種犬/Wild Mongrelの能力は、「+1/+1の修整を受ける」部分が第6b種、「あなたの選んだ色になる」部分が第5種である。
- 例:野の源獣/Genju of the Fieldsの(クリーチャー化)能力は、スピリットのクリーチャーになる部分が第4種、パワーとタフネスを設定する部分が第6b種、それ以外(「白である」や絆魂を得る部分)が第5種である。
オブジェクトの特性は、それそのものの値から始まり、それから第1種から順に、種類別に継続的効果を適用して求める。 パーマネントが裏向きであることによる影響(2/2でありそれ以外の特性がないクリーチャーである)は、第1種より後、第2種より前に適用される(CR:503.2)。
それぞれの種類別において、まず特性定義能力による効果を最初に適用し、それから他の効果を適用する。 同じ種類別で他の効果に依存する効果があるなら、その依存先すべての効果が適用された直後にそれを適用する。このとき複数の効果が同時に適用されることになったら、それらはタイムスタンプ順に適用される。特性定義能力の効果は他の効果に依存しないので、その適用が他の効果より後になることはない。
複数の効果の依存性がループしているのなら、上記のルールを無視してそれらはタイムスタンプ順に適用される。
- 例:謙虚/Humilityの「1/1になる」という効果は第6b種の「一般の効果」である。
- クリーチャーに+1/+1カウンターが乗っているときに謙虚が場に出ると、カウンターでの修整は第6c種なので、そのクリーチャーは2/2になる。
- 十字軍/Crusadeが場にあるとき謙虚が場に出ると、十字軍の効果は第6d種なので、白のクリーチャーは2/2になる。
- 戦士の誉れ/Warrior's Honorで修整を受けているクリーチャーがいるときに謙虚が場に出ると、戦士の誉れの修整は(常在型能力ではないため)第6b種であり、さらに独立しているため、タイムスタンプ順に従って適用され、1/1となる。
- 例:オパール色の輝き/Opalescence2つ(以下Op1,Op2)と謙虚(以下Hu)が場に出ている場合、タイムスタンプ順により結果が変化する。まず、第4種のクリーチャー化と第5種の「能力を失う」はこの順に適用される。残りの「パワーとタフネスがその点数で見たマナ・コストに等しい」と「1/1である」は両方第6b種であり、さらに独立しているので、タイムスタンプ順に適用する。
- タイムスタンプがOp1,Op2,Huの順の場合
- 「1/1である」が最後に適用されるため、全ての全体エンチャントは1/1となる。
- タイムスタンプがOp1,Hu,Op2の順の場合
- Op2が最後に適用されるが、自身には適用しないので、Op2は1/1、それ以外の全体エンチャントはその点数で見たマナ・コストに等しいパワー・タフネスを持つ。
- タイムスタンプがHu,Op1,Op2の順の場合
- Opの両方があとに適用されるため、全ての全体エンチャントはその点数で見たマナ・コストに等しいパワー・タフネスを持つ。
- この問題は「Op-Op-Hu問題」と呼ばれることもある有名なものであり、ウルザズ・デスティニー発売当時から議論が行われていた。このルールの存在意義は、まさにこの問題を簡潔かつ明確に処理することである。
- タイムスタンプがOp1,Op2,Huの順の場合