サバンナ・ライオン/Savannah Lions
提供:MTG Wiki
1マナながら、パワーが2かつペナルティ能力も持たないという破格のコスト・パフォーマンスを誇るクリーチャー。小型クリーチャーが優秀という白の色の役割を象徴するかのようなカード。
バニラなので一見すると地味だが、2ターン目から2点のクロックをかけられるのは非常に強力であり、後述するような他のカードと比べてみればレアであることも納得できるだろう。
第8版で久々に再録され、話題を総ざらいに。さらに第9版でも続けて収録。登場直後こそ白ウィニーの力不足により活躍できなかったが、神河ブロック参入後はその高い性能を発揮し、ボロスウィニーやZooといった高速ビートダウンの隆盛を支えた。また第9版での再録時はクリーチャー・タイプ再編により、ライオンから待望の猫へ変更されることとなった。
- 第8版に再録された際、アンリミテッドからの再録として紹介されている。ただし、リバイズドや第4版の再録経験がある。
- 中村聡氏の著書「中村聡のマジック:ザ・ギャザリング五輪の書」によると、黎明期にこのカードは中村氏の周囲では「コモン以下のゴミクズ扱い」をされていたらしい。当然、甲鱗のワーム/Scaled Wurmの方が人気であった。このクリーチャーの真の強さが分かるようになれば初心者脱却であろう。
- 基本セット2010に同型再版だが兵士の部族恩恵をうけやすい先兵の精鋭/Elite Vanguardがアンコモンで収録された。クリーチャーの質の上昇を如実に表している。
- さらにラヴニカへの回帰ではドライアドの闘士/Dryad Militantが登場した。兵士である上に混成カードのため唱えやすく、必ずしもメリットとして働くとは限らないが追加の能力を持っている。
他のカードとの比較
黎明期に存在した他の色の「1マナ2/1クリーチャー」と比較してみると、どれもそれなりのペナルティ能力を持つものばかりであり、1マナ2/1でバニラであることがいかに優れていたか理解できる。
- 青 - 回避能力を持っているがアップキープ・コストなどのデメリットを持つものしか存在せず、1マナクリーチャーとは言いがたい。
- 黒 - 墓地のカード1枚で無力化されてしまう屍肉ネズミ/Carrion Ratsなどが存在する。
- 赤 - ジャッカルの仔/Jackal Pupを始めそれなりの数が存在する。同カードは中でも非常に使いやすいが、防御に回ると大きく性能が低下してしまう。
- 緑 - 野生の犬/Wild Dogsやジャングル・ライオン/Jungle Lionなど。これらも基本的に攻める側でのみ役立つクリーチャー。メテンダ・ライオン/Mtenda Lionが最もサバンナ・ライオンに近い性能であると言えるだろう。
- アーティファクト・クリーチャーには剃刀草の幕/Razorgrass Screenが存在するが、こちらは壁であり性質がまったく異なる。
上述のように現在ではクリーチャーの質が上昇し、ペナルティ能力の影響が小さかったり(ぼろ布食いの偏執狂/Tattermunge Maniacなど)、ペナルティ能力以上の能力を持っていたり(墓所這い/Gravecrawlerなど)、実用的な1マナ2/1やそれ以上のマナレシオのクリーチャーは珍しくはなくなったものの、マジックの歴史における「1マナ2/1バニラ」の重要性は失われない。