白ウィニー
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白ウィニー(White Weenie)は、主に白単色で組まれる速攻ビートダウンデッキの総称。
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[編集] 概要
白騎士/White Knightなどの白の優秀な軽量クリーチャー(ウィニー)を十字軍/Crusadeなどの全体強化エンチャントにより強化し、ハルマゲドン/Armageddonで戦場の状況を固定し殴り勝つ。マジック:ザ・ギャザリング黎明期に誕生した白の基本的アーキタイプである。
2マナ以下のクリーチャーがこのデッキの大半を占める。単純なコスト・パフォーマンスの良さに加え、飛行・先制攻撃・プロテクションなどのオプションも充実している。また、解呪/Disenchantによりエンチャントとアーティファクトを容易く割れるので、防御円等による完封負けなどの心配もほぼ無い。その反面、手札やライブラリーに干渉できず、火力も一切持たないため、最後の最後までボード・アドバンテージのみで正直に押し切るしか勝ちパターンを持てない。
基本パーツは基本セット常連であり、エキスパンションで白のウィニークリーチャーが供給されないことは無かったので、かつてRandy Buehlerは「核戦争があってもゴキブリと白ウィニーだけは生き残る」という趣旨の発言もしていた[1]。だが第7版でのハルマゲドンの基本セット落ちによるコントロールデッキへの優位の消失、クリーチャーの全体的な性能底上げにより軽量クリーチャーでは太刀打ちできない重コストクリーチャーの登場、マナ基盤の充実による多色化のリスク低減などにより、昔ながらの白単色速攻デッキがトーナメントシーンに登場することは少なくなった。
とはいえ、白が最も低マナ域クリーチャーに充実した色であることは変わり無く、また比較的容易かつ安価にそれなりのデッキを作れるとあって、未だに多くのプレイヤーからの根強い人気を誇るデッキである。
[編集] スタンダード
下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。
- イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期
- ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期
- エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期
- ラヴニカのギルド~基本セット2021期
- イクサラン・ブロック~基本セット2020期
- 戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期
- ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期
- イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
- ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
- ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
- アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック+アラーラの断片ブロック期
- 時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
- ラヴニカ・ブロック期
- ミラディン・ブロック期
- マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
- ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
- テンペスト・ブロック期
- ミラージュ・ブロック期
- 黎明期
[編集] ブロック構築
下記の時期のブロック構築においても、活躍を見せる。
- イニストラード・ブロック構築
- ミラディンの傷跡ブロック構築
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築
- 時のらせんブロック構築
- 神河ブロック構築
- ミラディン・ブロック構築
- オデッセイ・ブロック構築
- マスクス・ブロック構築
- テンペスト・ブロック構築
- ミラージュ・ブロック構築
[編集] エクステンデッド(時のらせん期)
時のらせん期以降のエクステンデッドでも活躍するデッキである。開幕戦となったプロツアーアムステルダム10ではPaul Rietzlが見事優勝を飾った。→*1
優秀なウィニークリーチャーを高速で展開し、幽体の行列/Spectral Processionも合わせて数を並べ、清浄の名誉/Honor of the Pureで全体強化して一気に押し切るのが基本方針。
自らサイズを上げる能力を持つ運命の大立者/Figure of Destinyと闘争の学び手/Student of Warfare、フェッチランド・トロウケアの敷石/Flagstones of Trokairとのシナジーを持つステップのオオヤマネコ/Steppe Lynxは、いずれも1マナクリーチャーとは思えないサイズに成長する。イーオスのレインジャー/Ranger of Eosは後半も強いこれらのクリーチャーをサーチしてアドバンテージを稼げるだけでなく、ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tenderなどのシルバーバレット要員をサーチすることもできる。
精霊への挑戦/Brave the Elementsやマナの税収/Mana Titheなどにより、本来白ウィニーが苦手とする全体除去やコンボに耐性をつけているのも特徴。その動きはクロック・パーミッションにも通じるものがある。
ローウィン期に入ると、ミラディン包囲戦で優秀な装備品の饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineや二段攻撃を持つミラディンの十字軍/Mirran Crusaderなどが登場し、石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticで必要な装備品をサーチするデッキも登場した。→*2
[編集] 後期型
- ミラディン包囲戦参入後の後期型。
[編集] 初期型
- 備考
- プロツアーアムステルダム10 優勝 (参考)
- 使用者:Paul Rietzl
- フォーマット
White Weenie [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 制作者のGabriel Nassif、ベスト8に入賞しているKai Buddeなどの殿堂プレイヤーが使用したことから殿堂白単と呼ばれる。
[編集] エクステンデッド(テンペスト後)
エクステンデッドでは、テンペスト以降白シャドーウィニーが活躍する。
スライなどと比べてスピードでは劣るが、剣を鍬に/Swords to Plowsharesや解呪/Disenchantなどのユーティリティーカードにより柔軟性に富む。
メタの中心にあるコンボデッキ・コントロールデッキへの対策として、打ち消し呪文やコンボ対策の翻弄する魔道士/Meddling Mageなどのために青をタッチする場合も多い。同時期のリベリオンも同様の理由で白青で組まれた。また、悟りの教示者/Enlightened Tutorによるシルバーバレット戦術を搭載する場合もある。
後期にはメタゲームの変遷の末ウィニー色を強める必要性が薄まり、最終的にテンポラリーソリューションへと移行していった。
[編集] サンプルレシピ
- 備考
- グランプリランス02 ベスト8 (参考)
- 使用者:Hans Joachim Hoh
- フォーマット
メインデッキ (60) | |
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クリーチャー (23) | |
4 | 翻弄する魔道士/Meddling Mage |
4 | ルーンの母/Mother of Runes |
3 | 新星の僧侶/Nova Cleric |
4 | レイモス教の兵長/Ramosian Sergeant |
4 | 真実の信仰者/True Believer |
4 | 鞭縄使い/Whipcorder |
呪文 (14) | |
4 | 渦まく知識/Brainstorm |
3 | 聖餐式/Divine Sacrament |
3 | パララクスの波/Parallax Wave |
4 | ぐらつき/Topple |
土地 (23) | |
4 | アダーカー荒原/Adarkar Wastes |
4 | 溢れかえる岸辺/Flooded Strand |
1 | 島/Island |
14 | 平地/Plains |
サイドボード | |
3 | 金粉のドレイク/Gilded Drake |
4 | 阻止/Interdict |
4 | 浄化の印章/Seal of Cleansing |
2 | 退去の印章/Seal of Removal |
2 | 崇拝/Worship |
[編集] モダン
レガシーのものと同じように霊気の薬瓶/Aether Vialから妨害能力の高いクリーチャーを展開する。モダンではサーチを多用するデッキが環境に多く存在することからレオニンの裁き人/Leonin Arbiterが採用されることが多い。詳しくはDeath & Taxesを参照。
[編集] レガシー
剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどで邪魔なブロッカーを排除、梅澤の十手/Umezawa's Jitteなどの装備品で強化しつつ殴り勝つというのが基本構成である。
2マナ域が多いため、霊気の薬瓶/Aether Vialが多く採用される。この関係で、クリーチャーには霊気の薬瓶と相性のよい時代寄生機/Epochrasiteや、セラの報復者/Serra Avengerといったものが定番となっている。また、ルーンの母/Mother of Runesはこれらのクリーチャーを守りつつ、突破力向上に一役買っている。
白のクリーチャーには、優秀なサイズに加え、特定のデッキに対して強烈に利く能力を持っているものが多く存在するため、攻撃性よりも対策性を重視したチョイスをされる事も多い。特に、ゴブリンや赤いカード全般に対するストッパーとしてのブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender、ストーム系コンボデッキによく効くエーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist、墓地対策を兼ねるヨツンの兵卒/Jotun Gruntなどが、よくメインから採用されている。サイドボードに4枚仕込んでおくこともしばしば。
これらのウィニー構成に加え、古えの墳墓/Ancient Tombなど2マナランドでのマナ加速を導入し、賛美されし天使/Exalted Angelを高速で召喚するタイプも存在する。詳細はエンジェル・ストンピィを参照のこと。
また、近年では、Death & Taxesと呼ばれるコロンドールのマンガラ/Mangara of Corondorとカラカス/Karakasのコンボを導入したタイプも見られるようになった。
[編集] パウパー
安定した動きが魅力的であり、パウパーにおいても根強い人気を保ち続けている。
他の構築環境ではあまり使用されていないトロウケアの影/Shade of Trokairやバリーノックの群勢/Ballynock Cohort、剃刀のゴーレム/Razor Golemなどが主力アタッカーとして利用されている。また、戦隊の鷹/Squadron Hawkやコーの空漁師/Kor Skyfisherといった飛行クロックも充実している。
有用な全体強化カードが環境中に存在しないため他環境ほどの爆発的な攻撃力は期待できないが、全体除去も乏しいため極端な苦手意識を持たなければならないデッキが少ないという点も強みである。除去として未達への旅/Journey to Nowhereや忘却の輪/Oblivion Ring、対戦相手の除去から身を守るための心優しきボディガード/Benevolent Bodyguardや虹色の断片/Prismatic Strandsなどを使用することができるためデッキとしての安定性は高い。
一方で、コンボデッキに対しては対抗策が皆無であるのは小さくない弱点である。
他の白単ビートダウンとしては、親和や金属術を持ったクリーチャーを採用したサイボーグと呼ばれる白茶単の金属術ウィニー、トークン生成呪文を多く採用した白単トークンと呼ばれる中速デッキ、英雄的を活用した白単英雄的なども存在する。
メタゲームの一角を占めていた時期もあったものの、カードプール拡大により他のデッキが強化され新しいデッキが登場する一方で目立った新戦力がなく、相対的に弱体化している。ローグデッキの1つといった立場だが、使い続ける愛好者も見受けられるなど根強い人気もある。
その後スレイベンの検査官/Thraben Inspector、ひよっこ捜査員/Novice Inspectorや民兵のラッパ手/Militia Buglerといったカード・アドバンテージを得られるウィニー向けのクリーチャーが登場したこと、また橋によって親和デッキが強化されたことで、塵は塵に/Dust to Dustといった白のサイドの価値が上がったこと、そして白ウィニーと相性がよく、パウパー環境においてはどのモードも腐らないスレイベンの魔除け/Thraben Charmを獲得したことから、メタゲーム上の位置も改善されつつある。
[編集] サンプルリスト
[編集] 初期型
W Weenie(Pauper) [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] ソウルシスターズ型
W Weenie(Pauper) [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 魂の管理人/Soul Wardenと魂の従者/Soul's Attendantを4枚ずつ採用したソウルシスターズに近いタイプ。
- 赤系ストーム対策として心優しき一角獣/Benevolent UnicornとHoly Light、感染対策として軍旗の旗手/Standard Bearerがメイン、サイド合わせて4枚ずつ採用されている。
[編集] 禁止改訂後
W Weenie(Pauper) [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- ストームや8postの消滅、感染の弱体化後のリスト。
[編集] イニストラードを覆う影参入後
White Weenie [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- イニストラードを覆う影からスレイベンの検査官/Thraben Inspectorを獲得した後の構成。
- 軍用隼/War Falconを主体としたリスト。軍用隼以外のクリーチャーはすべて兵士か騎士となっている。
[編集] イニストラード:真夜中の狩り参入後
White Weenie(Pauper) [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- エイトグ/Atog禁止直前のリスト。メインから聖戦士の奇襲兵/Cathar Commando4枚、サイドに塵は塵に/Dust to Dustと存在の破棄/Revoke Existenceをそれぞれ4枚と親和を徹底的にメタった構成。
- 白単のウィニーデッキならば、夜明けのキマイラ/Daybreak Chimeraと捜索隊の隊長/Search Party Captainを軽く唱えることが可能である。
[編集] ニューカペナの街角・ダブルマスターズ2022参入後
Mono-White Aggro [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 新戦力としてラフィーンの密通者/Raffine's Informantや民兵のラッパ手/Militia Buglerを獲得した後の構成。
- ラフィーンの密通者の謀議との相性の良さから、月皇の古参兵/Lunarch Veteran、金切るときの声/Battle Screech、そして虹色の断片/Prismatic Strandsといった墓地からも唱えられる呪文を採用している。
- 民兵のラッパ手を含めたすべてのクリーチャーがパワー2以下のため、民兵のラッパ手のETBで手札に加えることができる。
[編集] モダンホライゾン3参入後
White Weenie(Pauper) [9] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- モダンホライゾン3からスレイベンの魔除け/Thraben Charmを獲得した後の構成。
- 北方の大鷲/Eagles of the Northによってのどかな農場/Idyllic Grangeをサーチできる。民兵のラッパ手で手札に加えられないのが難点。
[編集] 参考
- ↑ 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part11 ?白単ウィニー(木曜マジック・バラエティ 2011年10月27日 文:浅原晃)