スライ

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2018年2月24日 (土) 17:38時点におけるAE (トーク | 投稿記録)による版
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スライ(Sligh)は、を中心とした、マナカーブダメージ効率を重視した超速攻ウィニーデッキ。または、赤を中心としたビートダウン系デッキの総称。デッキ名はPaul Sligh(ポール・スライ)のラストネームに由来する。

目次

概要

軽量クリーチャーと数種類の火力が主戦力で、無色ダメージソースとして呪われた巻物/Cursed Scrollなども使用される。5ターン以内に決められるかどうかが勝負の分かれ目となる。

もともとのスライはJay Schneiderの唱えた「そのターンに出し得るマナをムダなく使うにはどうしたらいいか?」という理論のもと生み出されたデッキ。特定のマナカーブ(スライカーブ)に基づいて構築されており、元来は土地23枚に対して1マナ13枚、2マナ9枚、3マナ5枚、4マナ3枚を目安にクリーチャーが投入されており、火力呪文などは別途で計算されていた。

Paul Slighが使用したプロツアー予選で2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でもプロツアー出場枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“オークの司書デッキ”)は、今日においても偉大なデッキビルダーであるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。

近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどがデッドガイレッド(又はバーン)に近い。エクステンデッドでは土地破壊要素も入り、赤単色の高速デッキ全体がRed Deck Winsと呼ばれることが多い。

他のデッキとの相性

良くも悪くもウィニーの特性を突き詰めたような超速攻が特徴であり、遅いデッキ全般に強い。コントロールデッキはもちろんだが、相手の速度やこちらの展開によってはウィニーが苦手とするコンボデッキミッドレンジ相手に押し切れてしまうことも珍しくない。

弱点も分かりやすく、序盤をしのげるだけ防御力を持ったデッキには弱い。軽い除去を詰め込んだコントロールデッキの他、アグロ寄りのビートダウンデッキとの相性も良くない。これは火力カード・アドバンテージを得づらいものが多い上、クリーチャーの殴り合いにおいても緑や白のクリーチャーはコスト・パフォーマンスが高く、さらにプロテクション被覆呪禁を持つものが多いため、攻撃力と引き換えに総合的なコスト・パフォーマンスで劣るスライでは直接的な殴り合いに押し負ける場合が多いためである。そして時間が経てば経つほど自分は息切れし、相手は強力な呪文やクリーチャーを出す準備が整ってしまう。

スタンダード

下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。

ブロック構築

各ブロック構築においても、下記の時期で活躍を見せる。

テンペスト期のエクステンデッド

ローテーション後のエクステンデッドにおけるスライは、土地破壊の要素を組み込み、特にRed Deck Winsの名で呼ばれることが多い。


Jackal Pup / ジャッカルの仔 (赤)
クリーチャー — ジャッカル(Jackal)

ジャッカルの仔にダメージが与えられるたび、それはあなたにそのダメージに等しい点数のダメージを与える。

2/1


Seal of Fire / 炎の印章 (赤)
エンチャント

炎の印章を生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。炎の印章はそれに2点のダメージを与える。



Rishadan Port / リシャーダの港
土地

(T):(◇)を加える。
(1),(T):土地1つを対象とし、それをタップする。


優秀なウィニークリーチャー火力に加え、リシャーダの港/Rishadan Port不毛の大地/Wastelandマナを縛り、対戦相手の動きを封じる。また、オンスロートフェッチランドライブラリー圧縮しつつ、終盤の無駄な土地ドローを減らしてくれる。

要となるテンペスト・ブロックローテーションで退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きはBoros Deck Winsにも受け継がれている。

オンスロート以降は強力なゴブリンの登場を受けてラッキースライも強化されたが、ゴブヴァンテージに取って代わられてしまい、その後のゴブリンもスライとは動きが異なる。

デュアルランド期のエクステンデッド

スライはテンペスト・ブロック以降エクステンデッドでも有力なアーキタイプになった。


Price of Progress / 発展の代価 (1)(赤)
インスタント

発展の代価は各プレイヤーに、そのプレイヤーがコントロールする基本でない土地の数の2倍に等しい点数のダメージを与える。



Wasteland / 不毛の大地
土地

(T):(◇)を加える。
(T),不毛の大地を生け贄に捧げる:基本でない土地1つを対象とし、それを破壊する。


基本的にはテンペスト期のものと同じで、軽量クリーチャー火力対戦相手ライフ削る。ただし、デュアルランドなど凶悪な基本でない土地が蔓延する環境であるため、定番の不毛の大地/Wastelandに加えて発展の代価/Price of Progressも多く採用される。

デッキの性質上遅いコントロールネクロなどには強いが、メタゲームの中心にあったドネイトにはIllusions of Grandeurから苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。

サンプルレシピ

Sligh [1]
土地 (22)
18 山/Mountain
4 不毛の大地/Wasteland
クリーチャー (19)
4 ジャッカルの仔/Jackal Pup
4 モグの狂信者/Mogg Fanatic
4 ゴブリン巡視部隊/Goblin Patrol
3 投火師/Fireslinger
4 ボール・ライトニング/Ball Lightning
呪文 (19)
4 呪われた巻物/Cursed Scroll
4 ショック/Shock
4 火葬/Incinerate
4 火炎破/Fireblast
3 ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan
サイドボード (15)
4 紅蓮破/Pyroblast
4 混沌の魔除け/Chaos Charm
3 Anarchy
2 ボトルのノーム/Bottle Gnomes
2 破壊的脈動/Shattering Pulse


レガシー

レガシーでも散見されるアーキタイプである。


Price of Progress / 発展の代価 (1)(赤)
インスタント

発展の代価は各プレイヤーに、そのプレイヤーがコントロールする基本でない土地の数の2倍に等しい点数のダメージを与える。



Figure of Destiny / 運命の大立者 (赤/白)
クリーチャー — キスキン(Kithkin)

(赤/白):運命の大立者は基本のパワーとタフネスが2/2であるキスキン(Kithkin)・スピリット(Spirit)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者がスピリットである場合、それは基本のパワーとタフネスが4/4であるキスキン・スピリット・戦士(Warrior)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者が戦士である場合、それは基本のパワーとタフネスが8/8であり飛行と先制攻撃を持つキスキン・スピリット・戦士・アバター(Avatar)になる。

1/1

レガシーの赤単といえば、ゴブリンデッキが主流であるが、純粋なスライタイプも少なくない。

構成としては、旧エクステンデッドのものを基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer運命の大立者/Figure of Destinyなどが採用される。

強力な基本でない土地が蔓延する環境であるため、火力発展の代価/Price of Progressが標準装備である。また、別な基本でない土地への対策として破滅/Ruinationを使用することもある。

最近では、タッチして闇の腹心/Dark Confidantを採用したり、をタッチしてタルモゴイフ/Tarmogoyfを採用するなどの構成も多く見られる。色が増えるとZooに近い構成をとることが多い。

また、火力が十分に充実している環境であるため、モグの狂信者/Mogg Fanatic以外のクリーチャーを外し、バーン寄りの構成を取るタイプも多い。

サンプルレシピ

スライ(レガシー) [2]
土地 (17)
17 山/Mountain
クリーチャー (24)
4 ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder
4 モグの狂信者/Mogg Fanatic
4 ジャッカルの仔/Jackal Pup
2 モグの下働き/Mogg Flunkies
2 蛮行ゴブリン/Goblin Vandal
4 炎歩スリス/Slith Firewalker
4 ボール・ライトニング/Ball Lightning
呪文 (19)
4 稲妻/Lightning Bolt
4 マグマの噴流/Magma Jet
4 火葬/Incinerate
4 火炎破/Fireblast
3 呪われた巻物/Cursed Scroll
サイドボード (15)
1 破滅/Ruination
2 血染めの月/Blood Moon
2 Anarchy
3 赤霊破/Red Elemental Blast
1 紅蓮破/Pyroblast
2 蛮行ゴブリン/Goblin Vandal
1 呪われた巻物/Cursed Scroll
2 ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary
1 溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forge


Pauper

Pauperでも少数が存在する。


Akroan Crusader / アクロスの十字軍 (赤)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)

英雄的 ― あなたがアクロスの十字軍を対象とする呪文を1つ唱えるたび、速攻を持つ赤の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体生成する。

1/1


Satyr Hoplite / サテュロスの重装歩兵 (赤)
クリーチャー — サテュロス(Satyr) 兵士(Soldier)

英雄的 ― あなたがサテュロスの重装歩兵を対象とする呪文を1つ唱えるたび、サテュロスの重装歩兵の上に+1/+1カウンターを1個置く。

1/1

Pauperの赤単としてはゴブリンデッキバーンが有力だが、スライタイプも少数が存在している。テーロス・ブロック参入後は英雄的を持つクリーチャーを中心に据えたタイプが主流となっている。

モダンマスターズ2017発売以降は炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryを投入したものが結果を残している。

サンプルレシピ1

Mono Red Heroic(Pauper) [3]
土地 (18)
18 山/Mountain
クリーチャー (23)
4 アクロスの十字軍/Akroan Crusader
4 鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen
4 魔道士輪の暴漢/Mage-Ring Bully
3 マルドゥの斥候/Mardu Scout
4 サテュロスの重装歩兵/Satyr Hoplite
4 谷を駆ける者/Valley Dasher
呪文 (19)
2 馬力充電/Dynacharge
2 ティムールの激闘/Temur Battle Rage
4 タイタンの力/Titan's Strength
4 槌手/Hammerhand
4 伝染性渇血症/Infectious Bloodlust
3 向こう見ずな技術/Madcap Skills
サイドボード (15)
3 反逆の行動/Act of Treason
2 ギルドへの畏敬/Awe for the Guilds
2 電謀/Electrickery
2 稲妻/Lightning Bolt
2 火柱/Pillar of Flame
4 焼尽の猛火/Searing Blaze


サンプルレシピ2

Mono Red Sligh [4]
土地 (17)
1 忘れられた洞窟/Forgotten Cave
16 山/Mountain
クリーチャー (31)
4 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary
4 ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker
4 ゴブリンの群勢/Goblin Cohort
3 ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter
4 ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar
4 モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts
4 泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort
1 火花鍛冶/Sparksmith
3 谷を駆ける者/Valley Dasher
呪文 (12)
3 稲妻の連鎖/Chain Lightning
2 火炎破/Fireblast
4 稲妻/Lightning Bolt
2 変異原性の成長/Mutagenic Growth
1 骨断ちの矛槍/Bonesplitter
サイドボード (15)
3 火花鍛冶/Sparksmith
3 電謀/Electrickery
1 炎の斬りつけ/Flame Slash
2 鋭い痛み/Flaring Pain
3 ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman
3 紅蓮破/Pyroblast


参考

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