悲哀の徘徊者/Woe Strider
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ETB能力でヤギ・トークンを生成し、味方を生け贄に占術を行うホラー。脱出も持ち、脱出時には強化される。
単体ではチャンプブロッカーを生成して1回占術できるだけで、目立ったアドバンテージを取れるわけでもなく、マナレシオもいたって平凡という、レアにしては地味なクリーチャー。特筆すべきはタップも不要のノーコストで生け贄に捧げられる点で、効果ではなく生け贄に捧げること自体が重要な登場時のスタンダードのサクリファイス戦術と噛み合っている。あるいは単純に2体分の生け贄として忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Godsなどに使わせても悪くはないので、生け贄に捧げる側としても捧げられる側としても使える潤滑油として評価できる。
脱出時には相応にサイズが大きくなるだけで特に見所はないが、それでも息切れ防止として一定の価値はある。土地も十分伸び切っているであろう段階において占術が狙えるのは嬉しい。
構築では前述したスタンダードのサクリファイスにおいて登場当初からしばしば採用されており、イコリア:巨獣の棲処後も奇数マナゆえにオボシュ・サクリファイスで引き続き採用されている。その後サクリファイスデッキは変遷を繰り返すものの、使い勝手の良いサクリ台としてローテーション後も使われている。
ヒストリックにおいてもサクリファイスやジャンド城塞で採用される。ジャンド城塞ではボーラスの城塞/Bolas's Citadel使用時に、土地や2枚目のボーラスの城塞といった不要カードがめくれてしまった場合でも、強引にライブラリーの一番下に送ることができる点も魅力。
リミテッドでは、適度に軽く潰しのきくクリーチャーとして扱うだけで十分に優秀。黒と赤に散見される生け贄関連のシナジーを利用できればなおよい。
開発秘話
このカードはもともと、「生け贄のヤギを連れて脱出するデーモン」として作られた。しかしスタンダードのサクリファイス戦略に適していたことから、4マナのフライヤーから3マナの地上クリーチャーとなり、デーモンではなくなった。また、後で脱出で唱えるために仕方なく手札から唱えるデザインになってしまっていたため、脱出時にヤギ・トークンを2体生成する能力は、戦場に出るときに1体生成する能力に変更された[1]。
ストーリー
死の国/The Underworldの死者の中には、歪んで死後の成り行きを憎む者もいる。それらの中でも特に邪悪で悪意に満ちた者は、恐ろしい怪物に姿を変える。これはそうした成れの果ての一つである(イラスト)[2]。
脚注
- ↑ M-Files: Theros Beyond Death – White, Blue, Black/Mファイル『テーロス還魂記』編・白青黒(Play Design 2020年1月24日 Jadine Klomparens著)
- ↑ The Theros Beyond Death Story on Cards/『テーロス還魂記』ストーリーカード(Feature 2019年12月16日 Wizards of the Coast著)