こじ開け/Break Open
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対戦相手の裏向きのクリーチャーを強制的に表向きにするインスタント。
変異クリーチャーの中には表向きが2/2よりパワーやタフネスが低い場合もあるし、そもそも表向きはクリーチャーでないものもいる。また裏向きのクリーチャーが変異誘発型能力持ちだったり焦熱の火猫/Blistering Firecatのような特殊な性質を持っていたりする場合なら、予期しないタイミングで表にすることで相手の計算を狂わせることができるかもしれない。
だがたいていの変異クリーチャーは表向きの方が強いし、変異誘発型能力が有効に働かない場面もそう多くはない。何よりも、相手がどのクリーチャーを裏向きにして出してきたのかわからない以上、狙ってそういう使い方をすることが不可能というのが致命的である。また対戦相手が変異クリーチャーを一切使っていなければほぼ完全に腐る点も、このカードの価値を下げていると言える。
構築・リミテッドを問わずとても使用する気にはならないカードだろう。これを使うぐらいならショック/Shockを使って、裏向きのまま死亡するか変異コストを支払って表向きになるかを対戦相手に選ばせるほうがよっぽどマシと言わざるを得ない。
- 対戦相手の裏向きのクリーチャーの正体を確認できるカード(鮮明のレンズ/Lens of Clarityなどのような直接確認できるカードや脅しつけ/Threatenなどのような裏向きのクリーチャーのコントロールを一時的に奪うカード等)との相性は良い。とはいえ上手く使える場面があるかどうかは疑問だが。無論単純に裏向きのクリーチャーの正体を確認したいだけならそれらのカードだけを使うべき。
- Ben Bleiweissのコラムでも「最悪のカード」の上位カードとして挙げられている。蒼ざめた月/Pale MoonやDeep Waterなど事実上何もしないカードも多く選出されているが、これはSorrow's Pathらと同様に使った方が不利になる点でのランクインである。蒼ざめた月のように対戦相手に依存しすぎている点も酷評の一因かもしれない。
- 「自分のクリーチャーを対象にできればよかったのに」とよく言われる。オンスロート当時のパワーバランスでは危険と判断されたのだろうか。
- のちに登場した類似カードは自分のクリーチャーを表にできる仕様になっており、時のらせんブロックで変異メカニズムが再登場した際にも一瞬の瞬き/Momentary Blinkが同様の使われ方で活躍している。
- 予示の登場により、裏向きのクリーチャーの正体が土地、という状況が増えた。現実変容/Reality Shiftのように対戦相手に強制的に予示させるカードもあるので、このカードの存在価値も以前と比べれば幾分か増したと言える。とはいえちらつき/Flickerやその亜種などこれより使い勝手の良いカードはいくらでもあるのだが。
ルール
- 裏向きのクリーチャーが表向きになる事は、オブジェクトの位相が変化するだけで継続して同一のオブジェクトである。ただし、タイムスタンプは表向きになった時点で更新される(CR:613.7f)。
- 裏向きの状態でつけられていたオーラや装備品、置かれていたカウンター、適用されている継続的効果などは引き続き残る。攻撃している状態、対象に取られている状態なども同様に引き継ぐが、特性の変化によりオーラが外れたり対象不適正になる場合もある。
- 例:破滅の光/Ray of Ruinの対象になった裏向きの生けるものの洞窟/Zoetic Cavernを対応して表向きにしても、依然として対象に取られており、適正な対象であるため破滅の光は生けるものの洞窟を追放する。
- 例:裏向きの2/2クリーチャーが切り崩し/Cut Downの対象に取られ、対応してそれを表向きにした結果、パワーとタフネスの合計が6以上になったなら切り崩しは立ち消える。
- 攻撃クリーチャーやブロック・クリーチャーの指定が終わってから表向きになったクリーチャーが自身の攻撃やブロックを制限する能力を持っていても、戦闘から取り除かれることはない。また、ブロックされた後に表向きになったクリーチャーが回避能力を持っていたとしても、それにブロックされている状態は変わらない。ただし表向きになることでクリーチャーでなくなった場合は戦闘から取り除かれる。
- 新たに戦場に出るわけではないので「戦場に出たとき」の誘発型能力を誘発させる事はなく、戦場に出る際の置換効果も適用されない。
- 裏向きの状態でつけられていたオーラや装備品、置かれていたカウンター、適用されている継続的効果などは引き続き残る。攻撃している状態、対象に取られている状態なども同様に引き継ぐが、特性の変化によりオーラが外れたり対象不適正になる場合もある。
- 表面がインスタントやソーサリーであるカードは表向きになれない。この条件にあたるパーマネントが表向きになる場合、その表面を公開した上で、表向きになる事は失敗し裏向きであり続ける。
関連カード
裏向きのクリーチャーを表向きにするカード。一時的に追放するカードは割愛。
- 現実を彫る者イクシドール/Ixidor, Reality Sculptor – コントローラーを問わず表向きにできる。起動型能力。(オンスロート)
- スカークの騒ぎ屋/Skirk Alarmist – 自分のクリーチャーのみ表にでき、終了ステップの開始時に生け贄にする必要がある。起動型能力。(レギオン)
- 始源の霧/Primordial Mist - 自分のクリーチャーのみ。追放したのちプレイを許可する形で表向きにする。起動型能力。(統率者2018)
- 犯人暴き/Expose the Culprit - クリーチャー1体を表向きにするモードを持つインスタント。こじ開けの上位互換。(カルロフ邸殺人事件)
ストーリー
こじ開け/Break Openのイラストは、オタリア/Otariaの蛮族が変異クリーチャー/Morph Creatureからセファリッドを引きずり出す場面。
- のちにクリエイティブ・ディレクターであるBrady Dommermuthは「変異クリーチャーからクリーチャーが召喚されるというのが本来の設定であり(参考:うねるバジリスク/Serpentine Basiliskのイラスト)、このカードでセファリッドが内部に直接詰め込まれているように描写されたのは想定外であった」「呪文の効果を比喩的に表現した、ということにしてほしい」と述べている[1]。
- ちなみにオンスロート時点で変異を持つセファリッドは存在せず、2024年2月時点でも登場していない。
面倒事を解決する方法は、熟考か力ずくかの二通りある。蛮族のほとんどは、熟考の後で力ずくを選ぶ。