ストーム

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ストーム/Storm
種別 誘発型能力
登場セット スカージ
時のらせん
未来予知
統率者
CR CR:702.40

ストーム/Stormは、スカージで初登場し、時のらせんブロック統率者で再登場したキーワード能力。この能力を持つ呪文唱えたときに誘発する誘発型能力である。


Tendrils of Agony / 苦悶の触手 (2)(黒)(黒)
ソーサリー

プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)


定義

ストーム/Stormは、「あなたがこの呪文唱えたとき、このターン、この呪文より前に唱えられた呪文1つにつき、この呪文のコピーを1つスタックに置く。この呪文が対象を取る場合、あなたはそれぞれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。

解説

ストームを持つ呪文が唱えられたとき、そのターンに、ストーム呪文より前に唱えられた呪文の数のコピーを生成する能力である。

ルール

  • 呪文のコピーをスタックに置くことは「唱える」ではない。ストームによりスタックに置かれた呪文のコピーは唱えられていないので、後にストームが誘発したときには唱えられた呪文の数としてカウントされない。
    • 等時の王笏/Isochron Scepterのように、カードのコピーを唱える能力との違いに注意。この場合は「唱える」ため、唱えられた呪文の数に考慮される。
  • 処理の順番としては、ストームを持つ呪文がスタックに乗る→コピーを作る能力が誘発し、スタックに乗る→誘発型能力が解決される→コピーが(複数)スタックに乗る→コピーが順次解決される→最後に本体の呪文が解決される、というものになる。
    • ストームを持つ呪文が打ち消されたとしても、誘発型能力は呪文を唱えた時点でスタックに乗っているので、それが解決された時点で最後の情報を参照してコピーが作られる。
    • もみ消し/Stifleなどで誘発型能力を打ち消してしまえば、コピーの生成は根こそぎ阻止できる。ただし当然ながら、元の呪文には何も影響しないため、元の呪文はそのまま解決される。
  • コピーの対象を選び直さないことにしてもよい(その場合、コピー元と同じ対象を取る)。また、複数のコピーが同じ対象を取ってもよい。
  • カウントされるのはストームを持つ呪文よりも前に唱えられた呪文だけである。ストームが誘発した後、解決されるまでに他の呪文が唱えられたとしても、それはカウントされない。

活躍

この能力が登場したことで、ただマナ加速してみたり軽いアーティファクトを並べてみたり戦場に何度も出入りさせてみたりといった「無駄な行為」が強烈な意味を持つようになった。また、それらをぐるぐる回す事は、俗に「ストームを稼ぐ」と呼ばれる。大量の複製がスタックに乗るため通常のカウンターでは対処が難しく、精神壊しの罠/Mindbreak Trap狼狽の嵐/Flusterstorm対抗変転/Counterflux時間停止/Time Stopなどかなり尖ったカードでしか完全には止められない。

このような対処のしづらさと、十分にストームが溜まった時の致命的な威力、コンボデッキの前準備としての軽いマナ加速との噛み合いから、ストーム呪文が使える全ての環境でストーム呪文をエンドカードとしたデッキが活躍している →ストーム (デッキ)

その他

  • 未来予知では、「唱えた呪文の数」の代わりに「墓地に置かれたパーマネントの数」を参照するキーワード能力の墓地ストームが登場した。
  • 対戦相手の呪文の数も数えられることを忘れがちなので、呪文のカウントにはマーカーを使ったり紙に記録するとよい。
  • あなたを対象とする場合限定であるため完全な対策にはならないが、金粉の光/Gilded Lightを使って被覆によりまとめて不正な対象にしてしまうケースも見られる(→立ち消え)。
  • 対策カウンターを使う場合、時間停止のように呪文も能力もまとめて追放してしまうもの以外は、誘発型能力が解決してから唱えること。そうでなければ通常のカウンター同様、誘発型能力だけが残ってコピーが生成されてしまう。

ストーム値

各環境でのやらかしっぷりに壊れた性能から、スタンダードでの再登場がほぼ有り得ないメカニズムの代表格として挙げられている。Mark Rosewaterは、自身のブログや公式コラムでしばしば触れる「メカニズムがスタンダードで再登場する可能性を示す数値」にストーム値(Storm Scale)の名を付けているが、これはストームが最低評価の基準とされていることに由来する[1][2]。この値はあくまでMark Rosewaterの個人的な尺度であり、R&Dの総意ではない。例えばこの記事の直後のイニストラードを覆う影ではストーム値8のマッドネスが再録されたり、カラデシュ・ブロックではストームと同値の10である親和(アーティファクト)の再録が検討されていたりする[3]。カードセットで必要とされ入念な調整がされるのであれば、ストームの再登場も有り得るかもしれない。

  • ストーム値は単純なカードパワーだけでなく、デザイン・デベロップ側の使いやすさやプレイアビリティなど多角的な視点から点数付けされる物であるため、その基準で最低値であるストームは多角的な複数の問題があると見るべきだろう。
    • ストームで扱う「呪文を唱えた数」は通常対戦相手が全く意識しない物であり、また目に見えないため数え間違いが発生しやすい事から対戦相手とのトラブルを招きやすい。加えて数える行為自体も煩雑であり、更に初心者から見た場合には挙動の把握が難しい(唱えると呪文のコピーの違いを理解しなければならない)…と、プレイアビリティだけでもこれだけの問題がある。
    • ちなみに、この能力と並ぶ評価を受けたメカニズムとしてバンド、親和(アーティファクト)、発掘が存在する。また、特例としてこれらをさらに下回る評価がなされたメカニズムに他の〜とのバンドがある。

参考

  1. Storm Scale_ Khans of Tarkir Block/ストーム値:『タルキール覇王譚』ブロック(Making Magic 2016年2月29日 Mark Rosewater)
  2. Magic the Gathering_ Mechanic Storm Scale Chart(ブログの情報をまとめた個人作成のページ。テーロス・ブロック時のもの)
  3. 紛争するデベロップ(とデザイン) その1(Making Magic 2017年1月2日 Mark Rosewater)

引用:総合ルール 20231117.0

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