ブレタガルド/Bretagard

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2021年1月30日 (土) 17:05時点におけるAE (トーク | 投稿記録)による版
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ブレタガルド/Bretagardは、カルドハイム/Kaldheimを構成する領界/Realmの一つ。主要種族人間で、中心緑白だが、5色すべての文化が存在する[1]

目次

解説

ブレタガルドという名の人間領界/Realmは、絶えず相争う五つの人間氏族の故郷である。各氏族は、武闘と魔法の両方に対する独自の取り組み方を有している。ブレタガルドは一つの大きな大陸と、それを取り囲む危険な嵐の海から成る。陸地はフェルトマーク/The Feltmarkと呼ばれる広大な平原が多くを占めており、海岸から古のアルダガルド/The Aldergardの森まで何百マイルも伸びている。陸地全土で、動植物は多様かつ豊富だ。

氏族

ブレタガルドには五つの氏族がある。すなわち、ベスキール/The Beskir領界路探し/The Omenseekersスケレ/The Skelleタスケーリ/The Tuskeriカナー/The Kannah[1]

ベスキール/The Beskir

ベスキール会堂/Beskir Hallを取り囲む草原に定住するベスキール氏族は、領土全域で平和、秩序、法を保つことに専念している。公正な裁定者として広く知られるベスキールの聖職者――法官/The Lawspeakersは、氏族の掟/The Code of the Clansを執行し、ブレタガルドのすべての氏族内および氏族間の論争を解決する。しかし、法と平和への献身のためにベスキールが弱いと思い込むのは愚か者だけである。というのもその戦士はスケレやタスケーリの略奪者と同じくらいに恐ろしく、しかも数ではそれらより遥かに多いからだ。

ベスキール氏族の正義と秩序への献身は、彼ら独自の法からも明らかである。それはベスキールの振舞いを定めるに当たっての氏族の掟の要求を超えるものだ。その厳格な行動規範は、彼らが仲間、異邦人、訪問者、さらには敵や囚人までもどのように扱うかを定めている。これらの規範のおかげで、ベスキールはもてなしで名高い。それは他の領界から訪れた人間以外の者に対してさえも行われる。ベスキールの間で語られる英雄譚の中には、神やその他の強大な存在が変装してベスキールの家を訪れ、もてなした者に豪華な褒美を与えるか、あるいは歓迎を怠った者を罰するといったものがある。

ベスキールは二人の女性、メイヤ/Majaシグリッド/Sigridによって率いられている。氏族の精神的指導者であるシグリッドは、アールンド/Alrundの命を救ったと言われる伝説的な戦士ハリック/Hurrikにまでその血統を遡る。

領界路探し/The Omenseekers

星界/The Cosmosの秘密を理解したいという欲求に衝き動かされ、恐れ知らずの領界路探しはブレタガルドの海と領界間の空間の両方を渡り、秘儀的な知識や新たな驚異を探し求める。これらの謎めいた航海士たちは、ルーンの魔法が刻まれた星図に従う。それは通常の夜空の星と、世界樹/The World Treeの高みから輝く神秘的なシュタルンハイムの光/The Light of Starnheimの両方を示すものだ。

領界路探しは入念な航路作成と大胆な探検を通して、二つの領界が重なり合う際に発生するドゥームスカール/Doomskarを予測したいと考えている。彼らは季節ごとに一度ブレタガルドのキルダ石柱群/The Kirda Pillarsに集まり、他の領界で収集した秘密を共有するが、大体においては長艇を家としており、自分たちを星界の住人であると見なしている。

領界路探しはルーン目のインガ/Inga Rune-Eyesによって率いられている。彼女は盲目の予見者であり、氏族が航海で収集したすべての知識を保有する。

ヴェドルーン/The Vedruneは領界路探しの魔術師の精鋭集団だ。彼らは海流、風、オーロラの光といった自然界の要素を使用し、他の領界へと星界を渡るのみならず、未来の出来事をも予言する。

最も強大なヴェドルーンの魔術師は、他の領界に繋がる領界路/Omenpathを開くことができ、より多くの領界に接することで自分たちの魔力が高まると信じている。彼らは大っぴらな戦闘よりも策略や戦略的詭計を好むが、戦闘が避けられない場合は、自然魔法とエレメンタル生物を用いて戦う。ヴェドルーンは霜の巨人/Frost giantと強い繋がりを持ち、領界セルトランド/Surtlandで霜の巨人に弟子入りして雪と氷を振るうすべを学ぶことも珍しくない。

スケレ/The Skelle

かつては暴力的な追われ者の一団であったスケレ氏族は、遥か昔に決定した。沼地に棲む貧弱な生物から物資を掻き集めるよりも、他の氏族から力尽くで物資を奪う方が容易であると。

彼らは悪意に満ちていて、超自然的な素早さを持ち、スケレのぬかるみ/The Skelle Mireの本拠地から何マイルも離れた場所で略奪を実行し、開けた草原であっても跡形もなく姿を消すことができる。彼らはブレタガルドでも群を抜いて恐れられている氏族であり、その名を口にしただけでも村に破滅を招くと多くの者が信じているほどだ。

スケレは狂戦士としての獰猛性のみならず、村を征服し貢ぎ物を取り立てる邪悪な魔法をも頼みとしている。彼らは定期的に巡回して征服を行い、生きることを許されるという「特権」と引き換えに、食料、貴重品、金銭といった貢ぎ物を要求する。貢ぐことを拒んだ村はどこであれ、即座に、かつ徹底的に滅ぼされる。

スケレが村を征服する際、彼らは住民のほとんどを生かしたままにするが、村の権利を主張し、軽蔑の柱を立てることで生存者を支配する。それは黒く焦がされ、ルーンが刻まれた柱で、村人たちから肉体的な力と反抗する意志の両方を魔法で徐々に奪う。軽蔑の柱を倒すことは叛逆に等しく、そしてスケレは叛逆的な村が生き残ることを許さない。

叛逆を煽動する可能性のある特に強情な村人には、スケレ特有の残忍なルーン魔法で作られた死の印が焼きつけられる。死の印はそれが刻まれた者の生命力をゆっくりと吸収し、印を刻んだ略奪者へとその力を届ける。

スケレ氏族は、領界イマースターム/Immersturmから脱出したデーモン/Demonであるヴェラゴス/Varragothの監督の下、今日の恐るべき勢力となった。このデーモンはイマースタームへと送り返されて久しいが、スケレは今もなお彼を崇敬し、その暴力的な作法に従い、その致死的な魔法を実践し、さらには服装さえも彼に似せている。このデーモンがいつの日か戻ってきて自分たちを導き、彼が始めた仕事を終わらせ、他氏族を完全に一掃するか服従させ、スケレだけが残る、そう彼らは信じている。

タスケーリ/The Tuskeri

タスケーリの社会は渾沌としており、栄光と自慢がその中心となっている。彼らは危険な偉業を成し遂げ、荒野の冒険を行うことに駆り立てられる――何世代にもわたって歌われる英雄譚となるような類の冒険だ。彼らは皆、どの領界の誰よりも大きく優れた偉業を行うことを目指しており、力と技の風変わりな試練に挑むよう、互いを煽り合っている。彼らは頻繁に領界アクスガルド/Axgardを訪れ、終わりなき冒険に同行してくれるドワーフ/Dwarfスカルド/Skaldを探し求める。スカルドの言葉は、物語の信憑性を証明する可能性が最も高いものであるためだ。

タスケーリは戦に赴くことを好み、大抵それに言い訳は必要ない。退屈していたか、しばらく良い戦いがなかったことに気づいたか、もしくは誰かがいつもよりも侮辱的な物言いをしたなら、それで充分だ。彼らは非常に熱狂的だがまとまりのない戦士であり、戦略や入念な戦術に対する関心を持たない。むしろ個々の戦士は、仲間が何をしているかに関係なく、思いつくかぎり最も突飛な英雄的偉業を行おうとする。彼らにとって、戦いで英雄として死ぬこと以上の栄光はない。これは偶然ではないが、タスケーリの戦士は他のどの氏族の戦士よりも、戦乙女/Valkyrieによって魂がシュタルンハイム/Starnheimの栄光へと運ばれる可能性が高くなっている。

タスケーリの功績から得られた戦利品、記念品、褒賞は彼らの物語の中心となっている――実際、彼らが我が家と呼ぶ広間それ自体が、巨人の捨てられた兜から作られた戦利品だ。鹵獲した武器、神秘的なアーティファクト、奇怪な動物の頭蓋骨や毛皮があらゆる壁に下げられており、そのそれぞれにタスケーリ全員が知る物語がある。

タスケーリは大酒飲みであり、蜂蜜酒を大量に醸造している。そして広間の中央の火の上では、少なくとも一頭のシロイワヤギが串に刺されて焼かれている。

タスケーリの指導者となるのは、いついかなる時も最も強く、最も大胆で、最も熟達した氏族員だ。指導者の地位は、特に注目に値する偉業に対する褒賞として授けられることがある。これはつまり、その役目はいつでも、信じられないほどの何かを成し遂げた次の戦士に譲られ得ることを意味している。

タスケーリ氏族の現指導者は、かつて山羊裂きのアーニ/Arni Goatleaperとして知られていた人物であるが、他のタスケーリ同様に、彼は最新の、そして最高の行いに基づいてその名を傷頭のアーニ/Arni Brokenbrowに変えた。彼の場合、その行いとはトロール/Trollとの頭突き勝負を制したことだ――いくらかの個人的代償を伴って。

カナー/The Kannah

アルダガルド/The Aldergardの森は放浪の民であるカナー氏族の故郷だ。彼らは森に一時的な居住地を維持してはいるが、定期的に探索の遠征隊を送り出している。カナーはシュタルンハイムへ到る道を休みなく探しているため、そのような遠征は他の領界にまで及ぶこともある。アルダガルドはあまりに大きいので、カナーの中には森を離れることすらなく何年も放浪している者もいる。

森の東端近く、牙の山へと続く高地に、呪いの樹/The Cursed Treeが立っている――常に雪に覆われた巨大な樫だ。カナーの英雄譚によれば、ここはとある神が彼らを永久にアルダガルドに留まらせる呪いをかけた場所であり、それにより彼らがシュタルンハイムの聖堂に立ち入る望みはないのだという。もしカナーが森を離れたなら、冬が追いかけてきて、止まないうえに増え続ける降雪が彼らを苦しめ、やがては前進を不可能にし、引き返すことを余儀なくさせると。カナーは呪いの樹の近くに小さな居住地を維持しており、そこで彼らはいつの日か呪いが解かれることを願ってルーンの儀式を執り行う。

スコーティ/The Skotiがアイニール/The Einirを打ち負かした際、カナーは呪いが解かれるかもしれないと期待し、新たな統治者の神々に事情を訴えた。しかしスコーティは自分たちの自慢と喧嘩に忙しく、カナーの叫びに注意を払わなかったので、呪いは今でも続いている。

神聖な存在に悪い扱いを受け続けたため、カナーは星界の怪物/Cosmos monsterを含め、神に関するあらゆるものを軽蔑している。星界の大蛇コーマ/Komaを殺せば、成り上がってスコーティを滅ぼすだけの力を得られ、ついには呪いを終わらせ、シュタルンハイムを我が物にできる、彼らはそう信じている。

カナーは蛇狩りのフィン/Fynn the Snakehunterによって率いられている。星界の大蛇に傷を負わせることに成功した史上唯一の人間だ。

氏族の掟/The Code of the Clans

何世代も前、五つの氏族すべての代表者が血の契約に署名した。それは氏族間の関係を統治する共通の法典に従うというものだ。この氏族の掟/The Code of the Clansは、ある氏族の者が別の氏族の者に危害を加えた場合に執行される賠償の制度を提供するものである。例えば、殺人者は被害者の遺族に債務を負う――その債務の厳しさは、被害者と遺族の関係によって異なる。賠償は黄金、家畜、その他の財産で支払われることもあれば、一定期間の労役、あるいは血で支払われることもある。

氏族の掟は、ベスキール氏族をその守護者にして裁定者であると定めている。彼らの役目は証拠の重さを量り、罪に対する適切な罰もしくは賠償を宣告することだが、その罰を強いることではない。罪人は債務を支払うことが期待されており、それを怠ったなら、その者の氏族が支払いを強制しなければならない。氏族がこの責務を果たせなかった場合、被害者は自らの手で問題を取り扱うことが期待される。

比較的無法なタスケーリ氏族やカナー氏族でさえも、審判を求めて他氏族との論争をベスキールに持ち込むが、フェルトマークの外の無法の地では法官の影響力はそれほど強くない。スケレの略奪者は、血空の虐殺/The Bloodsky Massacre――デーモンのヴェラゴスに率いられた大虐殺――を起こした際に氏族の掟を放棄し、今や自分たちはベスキールの法官の手の届かないところにいると考えている。

地理

フェルトマーク/The Feltmark

広大な草原フェルトマーク/The Feltmarkは、ブレタガルドの総陸地面積の半分以上を占めており、人口が最も集中している場所である。緑豊かな大地はエルク、トナカイ、ムース、ヤギレミングキツネ、オオヤマネコ、猛禽類、野生のペガサスの棲息地だ。ベスキール――獰猛な戦士と、氏族の掟を執行する法官の両方で知られる氏族――はフェルトマークに住居を構える。小村が平原全体に点在してはいるが、そのほとんどは最大の居住地、ベスキール会堂から馬で一日の範囲内に集中している。

繁栄した村であるベスキール会堂/Beskir Hallは、海岸から約1マイルの高台に築かれている。村に到る険しい上り坂のおかげで陸からの攻撃に対する防衛は容易であり、西の海の眺望のおかげで、略奪船が近づいてきた場合もベスキールは余裕を持った警告を行える。村の名の由来である中央の大会堂には、伝説的な偉業、流血の決闘、氏族の掟の署名を記念する精巧な彫刻が飾られている。魔法の護法印が刻まれた高い木製の壁は、侵入者に対する更なる防御を提供している。

キルダ海/The Kirda Sea

ブレタガルドの陸地は荒れた氷の海、キルダ海/The Kirda Seaに囲まれている――ほとんどの人間は何としてでも避ける場所だ。数え切れないほどの英雄譚が、舟を海の墓に誘い込む、あるいは人間の姿を取って村人を眠っている間に殺害する海の怪物たちについて語っている。怪物を置いておくとしても、海そのものが危険であり、聳え立つ海食柱とギザギザの岩が沿岸に並び、深い霧に隠されていることもしばしばである。

キルダ石柱群/The Kirda Pillarsは凍えるような霧に絶えず覆われた海食柱の迷路で、沿岸で最も危険な海域を形成している。当然、領界路探し――ルーンの航海魔法を助けとする、ブレタガルドで最も優れた船乗りたち――は、キルダ石柱群を我が家と呼ぶ。

季節ごとに一度、領界路探しのすべての航海士は石柱群の中心にある船渠網に帰還し、長艇を停泊させて海図と発見を共有する。しかしながら、それ以外の期間は領界路探しが旅と探索の日々を送っているため、船渠はほぼ完全に無人になっている。

石柱の多くにはあちこちの領界から集められた星図、地図、その他の秘密が刻まれている。だが領界路探しはその知識を厳重に保護しており、同じ氏族の者だけが解読できるルーンの魔法で記録を覆い隠している。

スケレのぬかるみ/The Skelle Mire

アルダガルドの森には広大な湿地帯が含まれる。その一部は季節性のもので、夏に雪と凍土が融かされたときに水で溢れるだけだが、中には恒久的で、寒い季節には氷と雪泥に変わるものもある。これらの恒久的な沼地の中で最大のものはスケレのぬかるみ/The Skelle Mire、アルダガルドの中心部近くにある暗い場所だ。

スケレのぬかるみは、この湿地の内部および周辺で暮らす残忍な略奪者の氏族、スケレの名の由来となっている。スケレはぬかるみ中に、自分たちだけが見ることのできる魔法の通路網を築いている。余所者はこの湿地ですぐに道に迷ったり、泥にはまったりして、徘徊するスケレの略奪者にとっての恰好の餌食となる。

スカルダーの土山/Skulder's Moundは、スケレ氏族の中心的な活動拠点だ。スケレは沼に半ば沈み、苔に覆われた、死して長い巨大な獣の頭蓋骨の頂上に粗野な大広間を築いた。この禁忌の構造物にはほとんど隙間なく不吉に輝くルーンが刻まれており、スケレの奇妙で致死的な魔法を示すものとなっている。

牙の山/The Tusk Mountains

人が住むのには適さないギザギザの山地、牙の山/The Tusk Mountainsは大陸の東側を占めている。山頂は年中雪に覆われているが、それでもなお、イノシシクマ、ヤマネコ、様々な小型哺乳類を含む、多くのしぶとい動物種たちがそこで繁栄している。

騒々しい戦士の氏族、タスケーリ/The Tuskeriの名はこの山に由来する。彼らは低地の「軟弱な」氏族に対して軽蔑しか抱いていない。彼らはイノシシやシロイワヤギを食料として狩り、農業にはほとんど関心を示さない。彼らがフェルトマークに下りることを好むのは、略奪のため、とんでもない偉業を成し遂げるため、あるいは珍しい例だが、ベスキールの宴に参列するためだけだ。

アルダガルド/The Aldergard

アルダガルド/The Aldergardは松、イチイ、落葉樹から成る古き森で、西と南の平原フェルトマークと、東の牙の山との間に広がっている。森の外れは木漏れ日が差し、人を歓迎するかのようだが、中心部に向かうと木々は一緒になって伸び、切れ目のない黄昏の樹冠を作る。

登場

登場作品・登場記事

その他

脚注

  1. 1.0 1.1 Norsing Around, Part 1/北方へ その1Making Magic 2021年1月11日 Mark Rosewater著)

参考

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