石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
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クリーチャー — コー(Kor) 工匠(Artificer)
石鍛冶の神秘家が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから装備品(Equipment)カードを1枚探し、それを公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
(1)(白),(T):あなたは、あなたの手札にある装備品カード1枚を戦場に出してもよい。
鋼打ちの贈り物/Steelshaper's Giftと同様のETB能力と、手札の装備品を戦場に出すタップ能力を併せ持つコー・工匠。
多くのフォーマットで活躍した極めて強力なクリーチャー。当時スタンダードでは6年ぶりの禁止カードに指定された。
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特徴
2マナでカード・アドバンテージを得ることができる。このコストで好きな装備品をサーチできるのは便利。起動型能力のほうも強力で、インスタント・タイミングで装備品を出せるうえ、通常のカウンター呪文に耐性ができ、装備品のマナ・コストが3マナを超えていた場合、テンポの面でも大きなアドバンテージを得ることができる。特にレオニンのシカール/Leonin Shikariとのシナジーは抜群。また、色を無視できるため、王を葬る鎌、アンサイズ/Unscythe, Killer of Kings等、色拘束が厳しい装備品を出してみるのもよいだろう。
利用
ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
バジリスクの首輪/Basilisk Collar+狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmageの接死ティムコンボのサポートとして、赤白上陸に採用された。
スタンダード
このカードは環境に強力な装備品があるかどうかで、価値が大きく変わる。特にスタンダードでは顕著で、ワールドウェイクでの登場当初は、上記の接死ティムコンボのサポートのためにナヤビートダウンに採用される程度だった。
しかし、ミラディンの傷跡ブロックで剣サイクルや生体武器をはじめとする様々な装備品が登場したことで、飛躍的に強化される。特にミラディン包囲戦から饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineを獲得した後は、石鍛冶の神秘家をキーカードとするCaw-Bladeがメタゲームを支配するまでになった。続く新たなるファイレクシアからも殴打頭蓋/Batterskullや戦争と平和の剣/Sword of War and Peaceを獲得し、一時代を築いた。装備先として優秀な戦隊の鷹/Squadron Hawkは良き相方で、赤白上陸でも共に使われた。
- ミラディン包囲戦参入後のプロツアーパリ11では、Top8中7人が石鍛冶の神秘家を採用していた[1]。また新たなるファイレクシア参入後のグランプリシンガポール11では、2日目進出者の70%がこのカードを採用していた[2]。
エクステンデッド
Caw-Bladeのエクステンデッド版、青白石鍛冶の中核として活躍。ナヤビートダウンでも採用された。
レガシー
スタンダードやエクステンデッドでの活躍そのままにレガシーでも活躍。青白石鍛冶やDeath & Taxesなどのデッキで、殴打頭蓋、梅澤の十手/Umezawa's Jitte、火と氷の剣/Sword of Fire and Iceなどの強力な装備品とともに採用されている。特に早いターンでこのカードで殴打頭蓋をサーチして出すプレイングは、単純ながらも勝敗に直結する非常に強力な動きとして認知されている。
禁止指定
2011年7月1日(Magic Onlineでは6月29日)に、精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorとともにスタンダードで禁止カードに指定される。ただし、イベントデッキの消耗戦/War of Attritionをそのまま使用する場合に限り、例外的に使用が認められた[3]。ローテーション落ちまで残り約3ヶ月だったにもかかわらず、6年ぶりのスタンダード禁止という決断が下されたのは、このカードとジェイスの強さによりメタゲームが何ヶ月も停滞し、スタンダードの人気が落ちていたためである[2]。
エクステンデッドでも2011年10月1日(MOでは10月12日)より禁止カードに指定される[4]。スタンダードで最強だったCaw-Bladeが、青白石鍛冶としてそのままエクステンデッドでも最強であったことが理由[5]。
モダンでも公式フォーマット化と同時に禁止カードに指定されていたが[6]、2019年8月30日(MOでは8月26日)より、禁止が解除された[7]。禁止当時と比べてモダンのパワーレベルは高まっており、墓地利用デッキに押されていたフェアデッキにとっての魅力的な呼び込み役になることを期待してのものである。
開発秘話
石鍛冶の神秘家は、ミラディンの傷跡ブロックで大きく扱われる予定の装備品の導入役として作られたカードである。生体武器と組み合わさると強力すぎるということは開発部も気づいていたが、このカードが魅力的な生体武器を作る妨げになっては本末転倒であるという考えから、シナジーを承知の上で殴打頭蓋/Batterskullも印刷に至った。開発部の大きな失敗は饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famineを過小評価していたことであり、殴打頭蓋は新しいデッキを作るのではなく、単にその時点で最強のデッキを強化してしまった[2]。
その他
- 2016年のグランプリ参加者に新規イラスト版のプロモーション・カードが配布された[8]。
- 後の石術師、ナヒリ/Nahiri, the Lithomancerのイラストは石鍛冶の神秘家のイラストをモデルにしたものであり、服装などに類似点が見られる。なお、石鍛冶の神秘家自体はゼンディカー・ブロックの時代のコー/Korを描いたものであり、ナヒリ/Nahiriではない[9]。
- タルモゴイフ/Tarmogoyfから最強の2マナクリーチャーの座を奪ったとさえ言われる。実質バニラであるタルモゴイフに比べ、除去されてもアドバンテージを失いにくいことが主な理由[10]。またタルモゴイフとともに、各色の「壊れた」2マナクリーチャーの一員として名前が挙げられることも多い[11][12]。→2マナ四天王
脚注
- ↑ Top8デッキリスト
- ↑ 2.0 2.1 2.2 Standard Bannings Explained/スタンダードの禁止に関する声明(Feature 2011年6月20日 Aaron Forsythe著)
- ↑ June 20 2011 DCI Banned & Restricted List Announcement/2011年6月20日 DCI制限禁止リスト告示
- ↑ September 20 2011 DCI Banned & Restricted List Announcement/2011年9月制限禁止カード告知
- ↑ Explanation of September 2011 B&R Changes/2011年9月制限禁止カード変更点について(Feature 2011年9月20日 Erik Lauer著)
- ↑ Welcome to the Modern World/モダンの世界へようこそ(Latest Developments 2011年8月12日 Tom LaPille著)
- ↑ August 26, 2019 Banned and Restricted Announcement/2019年8月26日 禁止制限告知
- ↑ 2015 World Magic Cup FAQ (And More!)(Organized Play 2015年12月4日 Mike Rosenberg著)
- ↑ Nahiri is fantastic, and so is the story. Much...(A Voice for Vorthos 2014年10月29日 Doug Beyer著)
- ↑ 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part10 -クロックパーミッション(木曜マジック・バラエティ 2011年9月29日 浅原晃著)
- ↑ マジック的一問一答(Latest Developments 2015年12月11日)
- ↑ Tell Me What You Want/おしえてあなたの望むこと(Making Magic 2016年3月7日 Mark Rosewater著)