疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish

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[[緑]]の[[黒]]対策[[クリーチャー]]。幾多の黒[[デッキ]]がこの1体を止められずに敗北していった。
 
  
[[対戦相手]][[攻撃]][[通し|通る]]たびに大きくなり、6回通れば[[ゲーム]]が終わる。
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[[プロテクション]]([[]])持ちの[[クリーチャー]]。最初は[[小型クリーチャー|小型]]だが、[[攻撃]][[通し|通る]]たびに大きくなり、6回通れば計21点で[[勝利]]できる。
しかも[[プロテクション]]持ちなので、[[単体除去]]中心の黒からすれば実に頭の痛い存在。
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後の世の[[幻影のケンタウロス/Phantom Centaur]]にも共通する面があるか。
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[[ミラディン・ブロック]]に登場した[[スリス]]の元祖である。
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[[デッキ]]にとっては頭の痛い存在。得意の[[単体除去]]が通用せず[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]することもできず、これ1体に[[敗北]]することもあった。
ただし、[[+1/+1カウンター]]を得るタイミングが違うので注意。攻撃に成功しても、[[ターン]]終了時まで強くならないことを忘れがちである。
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[[二段攻撃]]を持ったり、複数回[[ダメージ]]を与えたとしても、カウンターは1個しか得られないことにも注意。
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*[[時のらせん]][[タイムシフト]][[カード]]として[[再録]]。これに伴い、[[クリーチャー・タイプ]]がそれまでのデルヴィッシュ(Dervish)から[[人間]]・[[モンク]]に変更された(デルヴィッシュは絶滅)。
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初期[[サイズ]]が小さいので基本的には[[サイドボード]]から投入されることが多い。ただし[[ステロイド]]のような、[[火力]]などで[[ブロッカー]]を排除できるデッキでは[[メインデッキ]]から数枚採用されることもあった。[[時のらせん]]での[[再録]]時にも、[[緑白ゴイフ]]などのサイドボードに採用された。
*さらに次の[[次元の混乱]]にて、黒の[[砂丘乗りの無法者/Dunerider Outlaw]]として[[タイムシフト]]。
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*[[+1/+1カウンター]]を置くのは[[終了ステップ]]であり、[[戦闘ダメージ]]を[[与える|与えて]]すぐ置かれるわけではない。また、[[二段攻撃]]などで複数回[[ダメージ]]を与えたとしても1個しか置かれないことにも注意。
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*[[ミラディン・ブロック]]に登場した[[スリス]]の元となった[[カード]]。ただし、スリスは戦闘ダメージを与えた直後に+1/+1カウンターが置かれる。戦闘ダメージではないダメージを与えても+1/+1カウンターが置かれない点も異なる。
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*[[第4版]]で[[基本セット]]に[[再録]]されるが、色のバランスを取るため、[[白]]に[[怒れる群衆/Angry Mob]]、黒に[[忌まわしき者/Abomination]]が一緒に収録された(A Guide to Magic: The Gathering Fourth Edition([[Duelist]]誌5号の記事))。
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*時のらせんで[[タイムシフト]][[カード]]として再録されるのに伴い、[[クリーチャー・タイプ]]がそれまでのデルヴィッシュ(Dervish)から[[人間]]・[[モンク]]に変更された(デルヴィッシュは絶滅)。これにより、最古のモンクとなる。
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*さらに次の[[次元の混乱]]にて、黒の[[砂丘乗りの無法者/Dunerider Outlaw]]としてタイムシフト。
  
 
==訳語==
 
==訳語==
<!-- カード名は誤訳か!?
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「疾風のデルヴィッシュ」と訳されている「Whirling Dervish」について。
この小見出しは不適当。Wikiの特性に合いません。 -->
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「Whirling Dervish」を「疾風のデルヴィッシュ」と訳す事に疑問を投げかける者もいる。
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「whirling」は「回転している、ぐるぐる回っている」様子を表し、「dervish」は一般的に「(禁欲的な)イスラム教の修道僧、托鉢僧、踊る人」を意味する言葉。
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また歴史上、"Whirling Dervish"と言えばイスラム教神秘主義の一派である「メヴレヴィー教団(旋舞教団)」、またはその教団員のこと。→[[Wikipedia:ja:メヴレヴィー教団]]
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===Whirling=疾風の…?===
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上述の「whirling」を踏まえた上で改めて「whirl」について考察する。
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「whirl」には自動詞で「(人・車などが)疾走する」意味もあるので現在分詞の形容詞的用法を用い、さらに意訳して「疾風の」としたとしても、その解釈にさほど問題はない。これは{{日本語画像|Whirling Dervish}}とも矛盾しない(イラストの人物は回転していない)。
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===Dervish=デルヴィッシュ?===
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「whirling」は「回転している、ぐるぐる回っている」様子を表すほか、「(風のように)疾走する」意味もある。さらに意訳して「疾風の」としたとしても、その解釈にさほど問題はない。これは{{Gatherer|id=109683|イラスト}}とも矛盾しない(イラストの人物は回転しておらず、騎乗して「疾走」している)。
「デルヴィッシュ」は綴りと発音を参照したカタカナ表記と思われるが、ファンタジーを題材にしたゲームでは、職業をカタカナ表記するのは別段珍しいものではない。初期の[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]などの翻訳でも、「デルヴィッシュ」としている例は散見される。
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また、「dervish」は上記のとおり、「(イスラム教の)修道僧、托鉢僧、踊る人」などと翻訳が可能だが、”聖職者”を意味する英単語はそれこそ種類が多く、将来的に一対一の訳で対応しきれるか、という問題がある。そこで、読みをそのまま日本語化する事でそれを回避したという可能性もある。
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「dervish」は日常会話で使われる類の言葉ではないが、ちょっとした辞書になら載っている単語であり、これを固有名詞と勘違いした線は薄い。
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===旋舞教団ではダメなのか?===
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「dervish」は一般的に「(禁欲的な)イスラム教の修道僧、托鉢僧、踊る人」を意味する言葉([[Wikipedia:ja:ダルヴィーシュ]])。”聖職者”を意味する単語は宗教・宗派ごとに存在するため種類が多く、邦訳では将来的に一対一に対応しきれないという問題がある。そのため「デルヴィッシュ」と音写したのも筋が通っている。ファンタジーを題材にしたゲームでは職業をカタカナ表記するのは別段珍しいものではなく、初期の[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]の翻訳などでも、「デルヴィッシュ」としている例は散見される。
現実のイスラム教の宗派そのものを表す「旋舞教団」という語を、架空世界であるマジックで用いるのを避けたと考えるのが妥当だろう。このカードを和訳する際、訳者の[[朱鷺田祐介]]氏が実在する宗教に配慮したとする記事(下記の'''注'''参照)がこれを裏付けている。だが、ただ単に専門語である「旋舞教団」を訳者が知らなかった可能性も否定はできない。
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*'''注''':アスキー社から発行の[[テーブルトークRPG]]雑誌「LOG OUT」(現在廃刊)掲載の[[田中としひさ]]氏の漫画「おこんないでね」に、このカードの和訳に悩む朱鷺田祐介氏の姿が描かれている。それによると、「回る僧侶」は(時節柄)まずいだろ、などと書かれている。
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*なおイスラム教は和名で「回教」と呼ばれるが、上記「旋舞教団」は無関係である。中国にこの宗教を定着させた民族・回回族に由来する。
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一方で歴史上の「Whirling Dervish」と言えばイスラム教神秘主義の一派である「[[Wikipedia:ja:メヴレヴィー教団|メヴレヴィー教団(旋舞教団)]]」、またはその教団員のことを指す。現実世界の旋舞教団が[[多元宇宙/Multiverse]]に存在しているとは考えにくいため、これは一種のダブルミーニングであろう。
  
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現実のイスラム教の宗派を表す「旋舞教団」という語を訳者の[[朱鷺田祐介]]氏が知悉していたかは定かではないが、アスキー社から発行の[[テーブルトークRPG]]雑誌「LOG OUT」(現在廃刊)掲載の[[田中としひさ]]氏の漫画「おこんないでね」に、このカードの和訳に悩む朱鷺田祐介氏の姿が描かれている。そこではこのカードの翻訳案について「『回る僧侶』ってまずくないっスか」と突っ込みを受けている。
  
以上の事から、「疾風のデルヴィッシュ」は訳者の腐心の作であることが見て取れ、適訳かどうかは意見の分かれるところだろうが、これを”誤訳”と断じるには根拠不十分と言わざるを得ない。
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上述のとおり回転せず走っているイラストで意味も取りづらく、文化的背景が異なるデルヴィッシュと僧侶を同じ訳にしてしまうと後に仏教文化圏をモチーフにした[[次元/Plane]]が登場した時に違和感を生じてしまうだろう。実際に[[神河/Kamigawa]]が登場して[[モンク]]が一大[[職業]]となったわけで、印刷時のクリーチャー・タイプが「Dervish」であったことを考えればカタカナ音写で独自性を保った「疾風のデルヴィッシュ」は訳者の腐心の作であることが見て取れる。適訳かどうかは意見の分かれるところだろうが、”誤訳”と断じるほどではないだろう。
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*なおイスラム教は和名で「回教」と呼ばれるが、上記「旋舞教団」は無関係である。中国にこの宗教を定着させた[[Wikipedia:ja:回族|回族]]に由来する。
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[カード個別評価:第5版]] - [[アンコモン]]
 
*[[カード個別評価:第5版]] - [[アンコモン]]
 
*[[カード個別評価:第4版]] - [[アンコモン]]
 
*[[カード個別評価:第4版]] - [[アンコモン]]
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2021年6月6日 (日) 20:08時点における最新版


Whirling Dervish / 疾風のデルヴィッシュ (緑)(緑)
クリーチャー — 人間(Human) モンク(Monk)

プロテクション(黒)
各終了ステップの開始時に、このターン疾風のデルヴィッシュが対戦相手にダメージを与えていた場合、その上に+1/+1カウンターを1個置く。

1/1

プロテクション()持ちのクリーチャー。最初は小型だが、攻撃通るたびに大きくなり、6回通れば計21点で勝利できる。

デッキにとっては頭の痛い存在。得意の単体除去が通用せずブロックすることもできず、これ1体に敗北することもあった。

初期サイズが小さいので基本的にはサイドボードから投入されることが多い。ただしステロイドのような、火力などでブロッカーを排除できるデッキではメインデッキから数枚採用されることもあった。時のらせんでの再録時にも、緑白ゴイフなどのサイドボードに採用された。

[編集] 訳語

「疾風のデルヴィッシュ」と訳されている「Whirling Dervish」について。

「whirling」は「回転している、ぐるぐる回っている」様子を表すほか、「(風のように)疾走する」意味もある。さらに意訳して「疾風の」としたとしても、その解釈にさほど問題はない。これはイラストとも矛盾しない(イラストの人物は回転しておらず、騎乗して「疾走」している)。

「dervish」は一般的に「(禁欲的な)イスラム教の修道僧、托鉢僧、踊る人」を意味する言葉(Wikipedia:ja:ダルヴィーシュ)。”聖職者”を意味する単語は宗教・宗派ごとに存在するため種類が多く、邦訳では将来的に一対一に対応しきれないという問題がある。そのため「デルヴィッシュ」と音写したのも筋が通っている。ファンタジーを題材にしたゲームでは職業をカタカナ表記するのは別段珍しいものではなく、初期のダンジョンズ&ドラゴンズの翻訳などでも、「デルヴィッシュ」としている例は散見される。

一方で歴史上の「Whirling Dervish」と言えばイスラム教神秘主義の一派である「メヴレヴィー教団(旋舞教団)」、またはその教団員のことを指す。現実世界の旋舞教団が多元宇宙/Multiverseに存在しているとは考えにくいため、これは一種のダブルミーニングであろう。

現実のイスラム教の宗派を表す「旋舞教団」という語を訳者の朱鷺田祐介氏が知悉していたかは定かではないが、アスキー社から発行のテーブルトークRPG雑誌「LOG OUT」(現在廃刊)掲載の田中としひさ氏の漫画「おこんないでね」に、このカードの和訳に悩む朱鷺田祐介氏の姿が描かれている。そこではこのカードの翻訳案について「『回る僧侶』ってまずくないっスか」と突っ込みを受けている。

上述のとおり回転せず走っているイラストで意味も取りづらく、文化的背景が異なるデルヴィッシュと僧侶を同じ訳にしてしまうと後に仏教文化圏をモチーフにした次元/Planeが登場した時に違和感を生じてしまうだろう。実際に神河/Kamigawaが登場してモンクが一大職業となったわけで、印刷時のクリーチャー・タイプが「Dervish」であったことを考えればカタカナ音写で独自性を保った「疾風のデルヴィッシュ」は訳者の腐心の作であることが見て取れる。適訳かどうかは意見の分かれるところだろうが、”誤訳”と断じるほどではないだろう。

  • なおイスラム教は和名で「回教」と呼ばれるが、上記「旋舞教団」は無関係である。中国にこの宗教を定着させた回族に由来する。

[編集] 参考

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