秘匿

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=秘匿/Hideaway=
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{{情報ボックス/キーワード能力
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|名前=秘匿
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'''秘匿'''(ひとく)/''Hideaway''は、[[ローウィン]]で初登場した[[キーワード能力]]。これを持つ[[パーマネント]]が戦場に出たときに[[誘発]]する[[誘発型能力]]である。
  
 
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[[ローウィン]]で制定された[[キーワード能力]][[常在型能力]][[誘発型能力]]からなる。
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==定義==
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'''秘匿N'''/''Hideaway N''は「このパーマネントが戦場に出たとき、[[あなた]][[ライブラリー]]の上からN枚の[[カード]][[見る]]。それらのうち1枚を[[裏向き]]で[[追放]]し、残りをあなたの[[ライブラリーの一番下]]に無作為の順番で置く。追放されたカードは、『このカードを追放したパーマネントを[[コントロール]]していたことのある[[プレイヤー]]は、追放領域にあるこのカードを見てもよい。』を得る。」を意味する。
  
「秘匿/Hideaway」とは、
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==解説==
*この[[パーマネント]]は[[タップ]]状態で[[場]]に出る。(常在型能力)
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[[ライブラリー]]の中から[[カード]]1枚を追放する(そのパーマネントに隠す)能力であり、これを持つカードは追放したカードを唱えたり手札に加えたりする[[関連している能力]]を併せ持つ。
*このパーマネントが場に出たとき、あなたの[[ライブラリー]]の一番上から4枚の[[カード]]を[[見る]]。それらのうち1枚をゲームから[[裏向き]]に[[ゲームから取り除く|取り除き]]、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。そのカードがゲームから取り除かれているかぎり、そのパーマネントを[[コントロール]]していた[[プレイヤー]]はそれを見てもよい。(誘発型能力)
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を意味する。
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ローウィンでは[[風立ての高地/Windbrisk Heights|秘匿ランドサイクル]]のみがこの能力を持ち、これらは秘匿で追放したカードを特定条件下で[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなくプレイ]]できるようにする能力を併せ持つ。[[モダンホライゾン]]では[[クリーチャー]]で秘匿を持ち追放したカードを手札に加える[[明日の見張り/Watcher for Tomorrow]]が登場した。
イメージとしては、オブジェクトにカードを隠しておくような感じ。
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*「そのパーマネントをコントロールしていたプレイヤー」には、現在のコントローラーだけではなく、過去にそのパーマネントをコントロールしていたことがあるプレイヤーも含まれる。
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[[ニューカペナの街角]]および[[ニューカペナの街角統率者デッキ]]でルールが若干変更され再登場。ローウィンと同じく追放したカードを特定条件下で唱えることのできるエンチャントとアーティファクトが登場した。
*そのパーマネントが場を離れた場合、それ以降誰も秘匿で取り除かれたカードの表を見ることはできなくなる。
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*この能力を持つパーマネントは、この能力で取り除かれたカードを利用する能力を併せ持つ。
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その能力と秘匿は「関連している」ため、秘匿以外の方法で取り除かれたカードをその能力で使うことはできない。([[CR:217.7d|CR217.7d]])
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*[[タップイン]]能力の方を忘れやすいので注意が必要。
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===ルール===
**なぜタップイン能力が独立したテキストではなく秘匿の定義に含まれているのか、疑問に思った人は多かったようである。
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*「そのパーマネントを[[コントロール]]していた[[プレイヤー]]」には、現在の[[コントローラー]]だけではなく、過去にそのパーマネントをコントロールしていたことがあるプレイヤーも含まれる。
2007年10月10日のAsk Wizard[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/askwizards/1007]
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**この機能が正常に働くように当初のルールから変更が加えられ、現在「カードを見てもよい」という能力は、追放したカードに与えられる能力になっている。
によると、簡単に言えば「テキストがカードに収まらなくなるから」。
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*そのパーマネントが[[戦場を離れる|戦場を離れた]]としても、それを追放したパーマネントをコントロールしていたプレイヤーはそのカードを見ることができる。
この日のAsk Wizardにはドイツ語版[[苔汁の橋/Mosswort Bridge]]の拡大画像が出ているが、かなり細かい字になっている。
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**ローウィンFAQの記述は誤りである。「追放されたカードを見ることができる」ということは、秘匿を持つパーマネントが持つ[[常在型能力]]によって生成される[[効果]]ではなく、(当初は)[[誘発型能力]]によって生成される[[継続的効果]]によるものである。生成された継続的効果の期限は「そのカードが追放されているかぎり」であり、そのパーマネントが戦場を離れても期限は来ておらず、継続的効果は終了していない。
*今のところ秘匿を持つパーマネントは[[土地]]しか存在していない。
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**現在は追放されたカードが持つ常在型能力による効果なので、この点も明確となっている。
また、秘匿で取り除いたカードを特定条件下で[[マナ・コスト]]を支払わずプレイできるようにする能力を持つ。
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*秘匿と追放されたカードを参照する能力は[[関連している能力]]であるため、秘匿以外の方法で追放されたカードをその能力で使うことはできない({{CR|406.6}})。
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*秘匿されたカードのプレイに関するルールについては、[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]および[[解決中に呪文を唱える]]の項を参照。
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===旧ルール===
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初出時の定義は以下の通り。
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#この[[パーマネント]]は[[タップ]]状態で[[戦場に出る]]。([[常在型能力]])
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#このパーマネントが戦場に出たとき、[[あなた]]の[[ライブラリー]]の上から4枚の[[カード]]を[[見る]]。それらのうち1枚を[[裏向き]]で[[追放]]し、残りをあなたの[[ライブラリーの一番下]]に望む順番で置く。追放されたカードは、「このカードを追放したパーマネントを[[コントロール]]していたことのある[[プレイヤー]]は、追放領域にあるこのカードを見てもよい。」を持つ。([[誘発型能力]])
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当時のルールではキーワード能力自体に[[タップイン]]を内包しており、またライブラリーの一番下に戻す順番は[[無作為]]ではなく望む順番で決めることができた。
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ニューカペナの街角でのルール変更に伴い、既存のカードの[[オラクル]]は「秘匿」から「秘匿4」に変更され、またタップイン能力が別途追加された。
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*なぜタップイン能力が独立した[[ルール文章]]ではなく秘匿の定義に含まれているのか、疑問に思った人は多かったようである。[[2007年]]10月10日のAsk Wizards<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/ask-wizards-october-2007-2007-10-01 Ask Wizards - October, 2007]</ref>によると、簡単に言えば「ルール文章がカードに収まらなくなるから」。この日のAsk Wizardsにはドイツ語版[[苔汁の橋/Mosswort Bridge]]の拡大画像が出ているが、かなり細かい文字が[[文章欄]]に詰め込まれており、納得せざるを得ない窮屈さである。
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*ニューカペナの街角でのルール変更に先立ち、[[Secret Lair Drop Series/2022年#Pictures of the Floating World|Secret Lair Drop Series: Pictures of the Floating World]]では秘匿ランドがルール変更後のテキストで収録されていた。
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===その他===
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*開発時は、「戦場に出たとき、ライブラリーの上から3枚を裏向きでTreasure pile(宝の束)に加える」という能力を持つ土地で探す宝を作り出し、「(T):Treasure pileから無作為に1枚を公開し、それの[[マナ総量]]を支払うことでそのカードを手札に加える」という[[キーワード処理]]の「Explore」を持つクリーチャーにその宝を探させる仕組みであった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/working-peanuts-2007-10-08 Working for Peanuts](Feature [[2007年]]10月8日)</ref>。
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**後年には、実際にキーワード処理として[[探検]]/''Explore''が登場した。
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==脚注==
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[ルーリング]]
 
*[[ルーリング]]
  
===総合ルール===
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{{#cr:{{キーワード能力のCR番号|秘匿}}}}
{{#cr:502.75}}
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[[Category:キーワード能力|ひとく]]
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2023年4月14日 (金) 09:52時点における最新版

秘匿/Hideaway
種別 常在型能力誘発型能力
登場セット ローウィン
モダンホライゾン
ニューカペナの街角
ニューカペナの街角統率者デッキ
CR CR:702.75

秘匿(ひとく)/Hideawayは、ローウィンで初登場したキーワード能力。これを持つパーマネントが戦場に出たときに誘発する誘発型能力である。


Mosswort Bridge / 苔汁の橋
土地

秘匿4(この土地が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上にあるカード4枚を見て、そのうち1枚を裏向きに追放し、その後残りを一番下に無作為の順番で置く。)
苔汁の橋はタップ状態で戦場に出る。
(T):(緑)を加える。
(緑),(T):あなたがコントロールしているクリーチャーのパワーの合計が10以上であるなら、あなたはその追放されたカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。



Wiretapping / 盗聴 (4)(青)
エンチャント

秘匿5(このエンチャントが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上にあるカード5枚を見て、そのうち1枚を裏向きに追放し、その後残りを一番下に無作為の順番で置く。)
あなたがあなたの各ドロー・ステップ中のあなたの1枚目のカードを引くたび、カード1枚を引く。その後、あなたの手札に9枚以上のカードがあるなら、あなたはその追放されているカード1枚をマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。


[編集] 定義

秘匿N/Hideaway Nは「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたライブラリーの上からN枚のカード見る。それらのうち1枚を裏向き追放し、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。追放されたカードは、『このカードを追放したパーマネントをコントロールしていたことのあるプレイヤーは、追放領域にあるこのカードを見てもよい。』を得る。」を意味する。

[編集] 解説

ライブラリーの中からカード1枚を追放する(そのパーマネントに隠す)能力であり、これを持つカードは追放したカードを唱えたり手札に加えたりする関連している能力を併せ持つ。

ローウィンでは秘匿ランドサイクルのみがこの能力を持ち、これらは秘匿で追放したカードを特定条件下でマナ・コストを支払うことなくプレイできるようにする能力を併せ持つ。モダンホライゾンではクリーチャーで秘匿を持ち追放したカードを手札に加える明日の見張り/Watcher for Tomorrowが登場した。

ニューカペナの街角およびニューカペナの街角統率者デッキでルールが若干変更され再登場。ローウィンと同じく追放したカードを特定条件下で唱えることのできるエンチャントとアーティファクトが登場した。

[編集] ルール

  • 「そのパーマネントをコントロールしていたプレイヤー」には、現在のコントローラーだけではなく、過去にそのパーマネントをコントロールしていたことがあるプレイヤーも含まれる。
    • この機能が正常に働くように当初のルールから変更が加えられ、現在「カードを見てもよい」という能力は、追放したカードに与えられる能力になっている。
  • そのパーマネントが戦場を離れたとしても、それを追放したパーマネントをコントロールしていたプレイヤーはそのカードを見ることができる。
    • ローウィンFAQの記述は誤りである。「追放されたカードを見ることができる」ということは、秘匿を持つパーマネントが持つ常在型能力によって生成される効果ではなく、(当初は)誘発型能力によって生成される継続的効果によるものである。生成された継続的効果の期限は「そのカードが追放されているかぎり」であり、そのパーマネントが戦場を離れても期限は来ておらず、継続的効果は終了していない。
    • 現在は追放されたカードが持つ常在型能力による効果なので、この点も明確となっている。
  • 秘匿と追放されたカードを参照する能力は関連している能力であるため、秘匿以外の方法で追放されたカードをその能力で使うことはできない(CR:406.6)。
  • 秘匿されたカードのプレイに関するルールについては、マナ・コストを支払うことなく唱えるおよび解決中に呪文を唱えるの項を参照。

[編集] 旧ルール

初出時の定義は以下の通り。

  1. このパーマネントタップ状態で戦場に出る。(常在型能力
  2. このパーマネントが戦場に出たとき、あなたライブラリーの上から4枚のカード見る。それらのうち1枚を裏向き追放し、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。追放されたカードは、「このカードを追放したパーマネントをコントロールしていたことのあるプレイヤーは、追放領域にあるこのカードを見てもよい。」を持つ。(誘発型能力

当時のルールではキーワード能力自体にタップインを内包しており、またライブラリーの一番下に戻す順番は無作為ではなく望む順番で決めることができた。

ニューカペナの街角でのルール変更に伴い、既存のカードのオラクルは「秘匿」から「秘匿4」に変更され、またタップイン能力が別途追加された。

  • なぜタップイン能力が独立したルール文章ではなく秘匿の定義に含まれているのか、疑問に思った人は多かったようである。2007年10月10日のAsk Wizards[1]によると、簡単に言えば「ルール文章がカードに収まらなくなるから」。この日のAsk Wizardsにはドイツ語版苔汁の橋/Mosswort Bridgeの拡大画像が出ているが、かなり細かい文字が文章欄に詰め込まれており、納得せざるを得ない窮屈さである。
  • ニューカペナの街角でのルール変更に先立ち、Secret Lair Drop Series: Pictures of the Floating Worldでは秘匿ランドがルール変更後のテキストで収録されていた。

[編集] その他

  • 開発時は、「戦場に出たとき、ライブラリーの上から3枚を裏向きでTreasure pile(宝の束)に加える」という能力を持つ土地で探す宝を作り出し、「(T):Treasure pileから無作為に1枚を公開し、それのマナ総量を支払うことでそのカードを手札に加える」というキーワード処理の「Explore」を持つクリーチャーにその宝を探させる仕組みであった[2]
    • 後年には、実際にキーワード処理として探検/Exploreが登場した。

[編集] 脚注

  1. Ask Wizards - October, 2007
  2. Working for Peanuts(Feature 2007年10月8日)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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