タシグル/Tasigur

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タシグル/Tasigurタルキール覇王譚ブロックのキャラクター。カードとしては運命再編黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fangが初出。

目次

[編集] 解説

タルキール/Tarkir氏族/Clanスゥルタイ群/The Sultai Broodの約1280年前[注釈 1]カン/Khan人間/Humanの男性(イラスト1イラスト2)。

スゥルタイの富を受け継ぐ、甘やかされて育てられた若者[注釈 2]黄金牙/The Golden Fangの二つ名を持つ。残忍な歓楽に耽る快楽主義者であり、スゥルタイの領土の統治には一切の関心を持っていない。彼は通常、アンデッドが担ぐ豪華な輿に乗って宮殿内を移動する。彼は敵対者の血族をアンデッドに変え、その者のもとへ送り込むことを特に好んでいる。

外見は色白・痩身で、精巧な黄金の装飾を全身に纏っている。彼は先端に鋭利な刃を取り付けた長い鞭を持ち歩いており、機嫌を損ねたとき、もしくは単純に退屈したときにそれを他者に振るう。

タシグルは指先を他者の頭部に沈めることによって、その者の思考や記憶を読み取ることができる。この際、彼の手は紫色の光を帯びる(イラスト)。

[編集] 経歴

[編集] タルキール覇王譚

歴史改変前のシディシ/Sidisiのストーリーに「タシグルの時代以来誰も目にしたことがないようなシブシグ/Sibsigの軍勢を作る」という記述があることから、歴史改変前のタシグルはスゥルタイの歴史の中でも屈指の強大な軍勢を率いていたことが窺える。

[編集] 黄金牙の破滅/The Doom of the Golden Fang

ある日、タシグルは殺しの英雄、ヤーラ/Yalaの報告を受けていたが、彼は長話にすっかり退屈しており、それを隠そうともしなかった。話が終わると、彼はヤーラに形ばかりの感謝の言葉を捧げ、彼女を退出させた。

その翌朝、タシグルの朝食を毒味していた召使いが、黒い泡を吹いて倒れた。何者かが彼の食事に毒を盛ったのだ。怒り狂った彼はナーガの側近、シディーキ/Shidiqiに命じてラクシャーサ/Rakshasaクーダル/Khudalを呪文で呼び出させ、犯人の名を尋ねた。クーダルは犯人の名を教える代わりに、その者の命を奪わず、自分に魂を食らわせるよう要求した。たったそれだけのことかという軽い気持ちで、タシグルはそれを承諾した。クーダルは裏切り者、ヤーラの名を告げた。

タシグルはヤーラを呼び出し、彼女に昨日の非礼を詫び、その英雄的行為に報いる「贈り物」を与えると言った。彼はヤーラに紹介した――アンデッドと化した彼女の夫を。タシグルは彼女を鞭で打ちながらその罪を責めたが、彼女は誤解だと主張するばかりであった。タシグルはヤーラの記憶を読み、彼女の言う通り、彼女が毒を盛った事実などないことを知った。彼は怒りに任せてヤーラを殺した。その瞬間、部屋は完全な闇に包まれ、クーダルが現れた。

タシグルはクーダルの嘘を糾弾したが、クーダルはそれをあっさり認めたばかりか、真犯人は自分であると明かした。これはすべて、タシグルに悪魔たるラクシャーサとの契約を破らせるための計画だったのだ。彼は人間がスゥルタイを統べているのは単にラクシャーサとナーガがそうさせているからに過ぎないのに、タシグルのせいでそれも終わると言った。クーダルは彼のもとを去り、そしてシディーキも去った。「間もなくスゥルタイは滅びる」という、同じ言葉を残して。

その日からタシグルの生活は一変した。ナーガの屍術なしでは、アンデッドの召使いたちを制御することはできなかった。宮殿の兵士の半数は他氏族の攻撃で、あるいはタシグルの怒りを恐れて自らの意志で、いなくなってしまった。彼は満足な食事を得ることもできなかった。やがて、龍の襲撃がカンの宮殿にまで及ぶようになった。彼は奥の部屋に逃げ込んだが、それも一時凌ぎに過ぎなかった。

タシグルはマラング川/The Marang Riverの浅瀬に立ち、シルムガル/Silumgarに貢ぎ物を捧げた。彼がいよいよもって諦めねばならなくなった、翡翠の玉座を。シルムガルが彼に襲いかかってくるのが分かった。彼は惨めに跪き、死を覚悟した。

[編集] カンの落日/Khanfall

サルカンがウギンの命を助けてから数年後、龍の大嵐/Dragon tempestsは激しさを増し、かつてないペースで新たな龍が生まれていた。氏族と龍のパワーバランスは崩れた。

ジェスカイ道/The Jeskai Wayのカン、シュー・ユン/Shu Yunはこの事態を受け、以前までのタルキールでは到底実現し得なかったこと――5氏族のカンによる頂上会談を主催した。彼の呼びかけに応じ、レイハン/Reyhanアリーシャ/Aleshaヤソヴァ/Yasova、そしてタシグルがダルガー要塞/Dirgur Strongholdに集まった。しかしその会談の最中に、龍の襲来を告げる鐘が鳴らされた。

シルムガル/Silumgar率いる龍たちがオジュタイ/Ojutaiの群れと合流し、こちらへ向かってきていた。龍は通常他の種の龍と共闘することはないが、カンを一網打尽にできるというなら話は別だ。タシグルはいつの間にかその場から姿を消していた――彼はシルムガルと取引を行い、一度明け渡した地位の返還を見返りに、彼にこの会談の情報を漏らしていたのだ。カンと龍との戦いが終わると、シルムガルの群れはオジュタイの群れに追い払われ、飛び去った。そのうちの1体は、その手にタシグルを掴んでいた。

帰還したシルムガルは壁を突き破って宮殿の中に入り、玉座を返すどころかそれを囲むように身体を丸め、眠りについた。タシグルは怒りに震えていた――ダルガー要塞からの空の旅に対する怒りに、そして再び自分のものになったはずの玉座が、酸の涎で汚されていることに対する怒りに。彼は今やシルムガルの側近となったシディーキに、シルムガルを起こすよう叫んだ。目を覚ましたシルムガルはシディーキによる龍詞/Draconicの通訳を介し、タシグルに伝えた。すまなかった、確かにお前は「最高の地位」を約束された者であったと。シディーキの明らかに楽しそうな態度に嫌な予感を覚えたタシグルは逃げ出そうとしたが、ただちにアンデッドの召使いに拘束され、鎖の繋がれた首輪をはめられた。鎖のもう一方の端はシルムガルの手に握られた。シルムガルはタシグルに保証した、これこそが「最高の地位」であると。

[編集] タルキール龍紀伝

タシグルの肉体は死後も魔法で防腐処理を施され、1000年以上にわたって保存されている。シルムガルは彼の死体の頭部に紐を通して首飾りにしており、特別な行事の際にそれを「着用」する。

  • これはあくまでも腐らないようにしただけの単なる死体であり、ゾンビのように活動を行える状態にはされていない[2]

[編集] 登場

[編集] 登場カード

[編集] カード名に登場

運命再編
タシグルの残虐/Tasigur's Cruelty

[編集] フレイバー・テキストに登場

運命再編
薄暗がりへの消失/Douse in Gloomシブシグの徒党/Sibsig Hostチフス鼠/Typhoid Rats漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death

[編集] イラストに登場

運命再編
タシグルの残虐/Tasigur's Cruelty
タルキール龍紀伝
龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(死体)

[編集] 登場作品・登場記事

現代(歴史改変前)
約1280年前
現代(歴史改変後)

[編集] 脚注

[編集] 注釈

  1. ここでは、サルカン・ヴォルやナーセット/Narsetの時代から見て約1280年前ということ。
  2. 黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fangのイラストは15~16歳という設定で描かれている。

[編集] 出典

  1. A Voice for VorthosDoug Beyerブログ)
  2. Magic: The Gathering(The Official Magic: The Gathering Tumblr)

[編集] 参考

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