フレイバー

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フレイバー(Flavor)とは、「風味」を意味する語。転じて、カードの雰囲気を表すために使用される開発部用語。「フレーバー」とも。

マジックの要素のうち、フレイバーを特に愛するプレイヤー群はヴォーソスという通称で呼ばれる。

[編集] 概要

マジック:ザ・ギャザリングダンジョンズ&ドラゴンズのようなファンタジー世界に影響されたトレーディングカードゲームであり、その雰囲気に魅了されたプレイヤーコレクターも大勢いる。マナ・シンボルからして、それぞれのの雰囲気を表している。

[編集] カードやゲームの構成要素

最古のセットである1993年リミテッド・エディションより、ルール的な意味を持たないおよびフレイバー・テキストがカードに風味を添えてきた。お気に入りのアーティスト名を挙げているプレイヤーも多い。アン・ゲームではそれらがゲーム的な意味を持つこともある。

クリーチャー・タイプもかつては一部を除いてフレイバーを表すことが主目的であったが、部族にゲーム的な意味を持たされることも次第に多くなっていった。それでも偏りすぎず多様な種族職業が(トークンを含め)セットを彩るように尽力されている。

上記およびカード名背景世界は現在、主にクリエイティブ・チームによって担当されている。

エキスパンション・シンボルも、ささやかながらセットの雰囲気を伝えるのに一役買っている。

カードだけでなく領域についても、山札を「ライブラリー」、捨て札置き場を「墓地」と、プレインズウォーカー/Planeswalker同士の戦いをイメージするにふさわしい呼び名が使用されている。

  • マジックはあくまでゲームのため、ゲーム・プレイのためにフレイバーを妥協することもある。装備品を実装する際、開発部はが早足の長靴(後の稲妻のすね当て/Lightning Greaves)を装備できるかどうか一時間議論し、最終的にクリーチャーが装備できるかの制限を掛けないことに決めた。これにちなんでフレイバー的におかしくなるけれどもゲームは面白くなることを「長靴を履いた象問題」と呼んでいる[1]

[編集] 芳醇なセット

2005年神河救済にて、キーワード能力とは違って似た種類の能力をひとまとめのメカニズム名でわかりやすく呼ぶために能力語という概念が登場。続くラヴニカ・ブロックでは本流のセットとして初めてカードに透かしが印刷された。

西洋ファンタジーへの原点回帰を目指した基本セット2010ではを「戦場」、ゲームから取り除くを「追放」と改めつつ、呪文プレイを本来の呼び方である「cast」へと逆行(日本語では「唱える」へと新訳)。基本セット2012ではクリーチャーなどが戦場から墓地へ置かれることを「死亡」と改めたりと、より戦いの雰囲気に即した用語が採用された。

また、フレイバーを始点としたカードデザインの手法としてトップダウン・デザインがある。個々のカードに適用されることもあれば、2011年以降のイニストラード・ブロックの成功を受けてからは次元/Planeカード・セットそのものをトップダウンで制作することも増えた。

同2011年に開発部が公表した新世界秩序では、対処すべきことのひとつとして理解上の複雑さが挙げられていた。「そのカードが何を行うのか」をプレイヤーが理解する助けとしてフレイバーによるイメージが役に立つことから、基本セット2013ごろからは特に「resonant」であること(深い、共鳴する、呼び覚ますという意味。日本公式記事での訳は「芳醇」)を意識してデザインされている(日本公式サイトを「芳醇」で検索)。

このように、フレイバーはゲームにおいて無意味なものではない。カラーパイに基づく色の役割の研究が進み、「その色らしい」雰囲気の効果は相手を凍らせる、など)が割り当てられているのも「フレイバーが地盤となってゲーム要素を規定している」ことの一例である。

[編集] フレイバー表現の拡張

2019年発売のエルドレインの王権以降、「プロジェクト・ブースター・ファン」の一環としてショーケース・フレームが登場。特殊なカードがそのセットの雰囲気を彩る。

2020年発売のイコリア:巨獣の棲処以降、他IPとのコラボにあたって名前が2行に渡るカード群が現れるようになった。これらは2行目(副題行)に書かれたものが正式なカード名であり、1行目に書かれたコラボ用の名前は当初フレイバー・テキストとして扱われた(後に別名としてルールが整備された)。

2021年発売のフォーゴトン・レルム探訪ではフレイバー語も登場した。また2022年にはユニバースビヨンドのための互換の名前のルールも用意された。

[編集] 参考

  1. 開発部語辞典・増補版(Making Magic 2013年6月10日)
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