ファイレクシア・マナ
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*背景に色がないファイレクシア・シンボル(Φ)だけが書かれていた場合、それは任意の色のファイレクシア・マナを表す([[憤怒の抽出機/Rage Extractor]]で用いられている表現)。 | *背景に色がないファイレクシア・シンボル(Φ)だけが書かれていた場合、それは任意の色のファイレクシア・マナを表す([[憤怒の抽出機/Rage Extractor]]で用いられている表現)。 | ||
*[[総合ルール]]等の文章中では、{W/P}など色マナ・シンボルの表記に'''/P'''を加えた形で表される。 | *[[総合ルール]]等の文章中では、{W/P}など色マナ・シンボルの表記に'''/P'''を加えた形で表される。 | ||
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+ | ==解説== | ||
+ | [[ミラディン/Mirrodin]]を覆い尽くした[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]の魔力の表現である。[[Unstable]]、[[統率者2019]]で再登場した。 | ||
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+ | 新たなるファイレクシアでは5[[色]]全てにファイレクシア・マナを用いるカードが存在し、全てファイレクシア陣営に属している。マナ・コストにファイレクシア・マナ・シンボルを含む場合、[[色マナ]]部分はすべてファイレクシア・マナ・シンボルのため実質[[無色マナ]]のみで[[唱える]]ことができる。[[パーマネント・カード]]の場合[[カード・タイプ]]に必ず[[アーティファクト]]を含み、[[クリーチャー]]には後に[[ファイレクシアン]]の[[クリーチャー・タイプ]]を与えられた。 | ||
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+ | 統率者2019では新規カードとして[[ヨーグモスの息子、ケリク/K'rrik, Son of Yawgmoth]]が登場。ケリクは[[黒マナ]]・シンボルを実質ファイレクシア・マナシンボルにする[[能力]]も持つ。 | ||
==その他== | ==その他== | ||
− | * | + | *通常のマナ・シンボルより少し大きめに印刷されている({{Gatherer|id=230082|カード画像}})。 |
− | + | *ドミナリア連合が[[5色]]であるのに対して、ファイレクシアのメカニズムが色を無視するというのはある意味象徴的。(→[[ファイレクシアvsドミナリア連合]]) | |
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*ファイレクシア・マナ部分をライフやマナで実際に支払うタイミングは[[総コスト]]が決定された後だが({{CR|601.2h}})、支払い方法の決定はそれよりも前に行われる({{CR|601.2b}})。 | *ファイレクシア・マナ部分をライフやマナで実際に支払うタイミングは[[総コスト]]が決定された後だが({{CR|601.2h}})、支払い方法の決定はそれよりも前に行われる({{CR|601.2b}})。 | ||
**新たなるファイレクシア発売当時では、ファイレクシア・マナ・シンボルの支払い方(マナで支払うのか、ライフで支払うのか)を決定するタイミングが、総合ルールで定められていなかった。そのため、例えば[[四肢切断/Dismember]]を[[不特定マナ]]1点とライフ4点で支払おうとした場合、[[三なる宝球/Trinisphere]]で[[コスト]]が増えるのかが[[未解決問題]]であった。[[2011年]]6月の総合ルール更新で、ファイレクシア・マナ・シンボルをどう支払うかは、[[混成マナ・シンボル]]と同じタイミングで選ぶ事になった。これにより、ライフで支払われたファイレクシア・マナ1点につき総コストが1点分減少したものと見做され、そのあとで三なる宝球の総コストを変更する効果が適用されることが明確になった。前述の四肢切断の例では、最終的に「不特定マナ3点とライフ4点」で支払うことになる。 | **新たなるファイレクシア発売当時では、ファイレクシア・マナ・シンボルの支払い方(マナで支払うのか、ライフで支払うのか)を決定するタイミングが、総合ルールで定められていなかった。そのため、例えば[[四肢切断/Dismember]]を[[不特定マナ]]1点とライフ4点で支払おうとした場合、[[三なる宝球/Trinisphere]]で[[コスト]]が増えるのかが[[未解決問題]]であった。[[2011年]]6月の総合ルール更新で、ファイレクシア・マナ・シンボルをどう支払うかは、[[混成マナ・シンボル]]と同じタイミングで選ぶ事になった。これにより、ライフで支払われたファイレクシア・マナ1点につき総コストが1点分減少したものと見做され、そのあとで三なる宝球の総コストを変更する効果が適用されることが明確になった。前述の四肢切断の例では、最終的に「不特定マナ3点とライフ4点」で支払うことになる。 | ||
− | + | *コストの一部をライフで支払うことができるというのは、本来[[赤]]や[[黒]]に割り当てられるべき[[メカニズム]]だが、これは5色全てに採用されている。またコストの[[色拘束]]を無視できることから、デッキの色構成観点で本来は得づらい効果を持つカードを採用することもできてしまう。様々な意味で[[色の役割]]を逸脱してしまった仕組みであるといえる。 | |
− | *コストの一部をライフで支払うことができるというのは、本来[[赤]]や[[黒]]に割り当てられるべき[[メカニズム]] | + | |
**[[Mark Rosewater]]はコラム[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/state-design-2011-2011-08-22 State of Design 2011]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%BC%94%E8%AA%AC2011-2011-08-22 デザイン演説2011]にて「思い返してみると、ライフの支払いでコストを代替していい効果についてはもっと渋るべきだった」と述べている。また、コラム[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/modern-mailbag-2015-05-18 Modern Mailbag]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0014953/ モダン一問一答]では、「効果は通常アーティファクトがするようなことに絞るべき」と開発時に主張していた事を明らかにしている。 | **[[Mark Rosewater]]はコラム[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/state-design-2011-2011-08-22 State of Design 2011]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%BC%94%E8%AA%AC2011-2011-08-22 デザイン演説2011]にて「思い返してみると、ライフの支払いでコストを代替していい効果についてはもっと渋るべきだった」と述べている。また、コラム[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/modern-mailbag-2015-05-18 Modern Mailbag]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0014953/ モダン一問一答]では、「効果は通常アーティファクトがするようなことに絞るべき」と開発時に主張していた事を明らかにしている。 | ||
**[[渡辺雄也]]曰く「[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]史上一番作っちゃ駄目だったメカニズム」「残りのやらかしメカニズムが全部かわいく見えるぐらいのやらかしメカニズム」([[マナバーン|マナバーン2013]]より)。[[モダン]]で[[禁止カード]]に指定された[[出産の殻/Birthing Pod]]、[[ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe]]、[[精神的つまづき/Mental Misstep]]の3枚を筆頭に、トーナメント実績は非常に高い。 | **[[渡辺雄也]]曰く「[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]史上一番作っちゃ駄目だったメカニズム」「残りのやらかしメカニズムが全部かわいく見えるぐらいのやらかしメカニズム」([[マナバーン|マナバーン2013]]より)。[[モダン]]で[[禁止カード]]に指定された[[出産の殻/Birthing Pod]]、[[ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe]]、[[精神的つまづき/Mental Misstep]]の3枚を筆頭に、トーナメント実績は非常に高い。 | ||
− | * | + | **統率者2019で再登場したが、ケリクの能力は黒いデッキでなければほとんど意味がないため、色の役割を逸脱しない範囲でなければ許されるということだろう。ちなみに[[銀枠]]ではこれ以前に[[Unstable]]で[[大会常連、スパイク/Spike, Tournament Grinder]]が登場している。 |
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==関連リンク== | ==関連リンク== |
2022年1月31日 (月) 19:18時点における版
ファイレクシア・マナ/Phyrexian Manaとは、円の中にΦ(ファイレクシアの紋章)が描かれたマナ・シンボルのこと(カード画像)。新たなるファイレクシアで初登場した。
Dismember / 四肢切断 (1)(黒/Φ)(黒/Φ)
インスタント
インスタント
((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-5/-5の修整を受ける。
ファイレクシア・マナ・シンボルは、マナ・シンボルの背景色の色マナ1点か、2点のライフで支払うことができる。
目次 |
ルール
- ファイレクシア・マナ・シンボルをコストに含む呪文や能力を唱える/起動するとき、代替コストや追加コストの支払い、Xの値を決定した後にファイレクシア・マナ・シンボルを各シンボルごとにその色のマナで支払うか、2点のライフで支払うか決定する。
- これをマナ・コストに含むカードは、マナ・シンボル背景色の色を持つ。無色ではない。
- これをマナ・コストに含むカードのマナ総量を計算する際には、この部分を1で計算する。
- 何らかの効果がファイレクシア・マナ・シンボルで表されるマナ1点をプレイヤーのマナ・プールに加える場合には、そのシンボルの色のマナ1点をそのプレイヤーのマナ・プールに加える。
- 背景に色がないファイレクシア・シンボル(Φ)だけが書かれていた場合、それは任意の色のファイレクシア・マナを表す(憤怒の抽出機/Rage Extractorで用いられている表現)。
- 総合ルール等の文章中では、{W/P}など色マナ・シンボルの表記に/Pを加えた形で表される。
解説
ミラディン/Mirrodinを覆い尽くした新ファイレクシア/New Phyrexiaの魔力の表現である。Unstable、統率者2019で再登場した。
新たなるファイレクシアでは5色全てにファイレクシア・マナを用いるカードが存在し、全てファイレクシア陣営に属している。マナ・コストにファイレクシア・マナ・シンボルを含む場合、色マナ部分はすべてファイレクシア・マナ・シンボルのため実質無色マナのみで唱えることができる。パーマネント・カードの場合カード・タイプに必ずアーティファクトを含み、クリーチャーには後にファイレクシアンのクリーチャー・タイプを与えられた。
統率者2019では新規カードとしてヨーグモスの息子、ケリク/K'rrik, Son of Yawgmothが登場。ケリクは黒マナ・シンボルを実質ファイレクシア・マナシンボルにする能力も持つ。
その他
- 通常のマナ・シンボルより少し大きめに印刷されている(カード画像)。
- ドミナリア連合が5色であるのに対して、ファイレクシアのメカニズムが色を無視するというのはある意味象徴的。(→ファイレクシアvsドミナリア連合)
- ファイレクシア・マナ部分をライフやマナで実際に支払うタイミングは総コストが決定された後だが(CR:601.2h)、支払い方法の決定はそれよりも前に行われる(CR:601.2b)。
- 新たなるファイレクシア発売当時では、ファイレクシア・マナ・シンボルの支払い方(マナで支払うのか、ライフで支払うのか)を決定するタイミングが、総合ルールで定められていなかった。そのため、例えば四肢切断/Dismemberを不特定マナ1点とライフ4点で支払おうとした場合、三なる宝球/Trinisphereでコストが増えるのかが未解決問題であった。2011年6月の総合ルール更新で、ファイレクシア・マナ・シンボルをどう支払うかは、混成マナ・シンボルと同じタイミングで選ぶ事になった。これにより、ライフで支払われたファイレクシア・マナ1点につき総コストが1点分減少したものと見做され、そのあとで三なる宝球の総コストを変更する効果が適用されることが明確になった。前述の四肢切断の例では、最終的に「不特定マナ3点とライフ4点」で支払うことになる。
- コストの一部をライフで支払うことができるというのは、本来赤や黒に割り当てられるべきメカニズムだが、これは5色全てに採用されている。またコストの色拘束を無視できることから、デッキの色構成観点で本来は得づらい効果を持つカードを採用することもできてしまう。様々な意味で色の役割を逸脱してしまった仕組みであるといえる。
- Mark RosewaterはコラムState of Design 2011/デザイン演説2011にて「思い返してみると、ライフの支払いでコストを代替していい効果についてはもっと渋るべきだった」と述べている。また、コラムModern Mailbag/モダン一問一答では、「効果は通常アーティファクトがするようなことに絞るべき」と開発時に主張していた事を明らかにしている。
- 渡辺雄也曰く「マジック史上一番作っちゃ駄目だったメカニズム」「残りのやらかしメカニズムが全部かわいく見えるぐらいのやらかしメカニズム」(マナバーン2013より)。モダンで禁止カードに指定された出産の殻/Birthing Pod、ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe、精神的つまづき/Mental Misstepの3枚を筆頭に、トーナメント実績は非常に高い。
- 統率者2019で再登場したが、ケリクの能力は黒いデッキでなければほとんど意味がないため、色の役割を逸脱しない範囲でなければ許されるということだろう。ちなみに銀枠ではこれ以前にUnstableで大会常連、スパイク/Spike, Tournament Grinderが登場している。
関連リンク
- Phyrexian Powers: International Mana Mystery/ファイレクシアの力:国際的魔力の神秘(Feature 2011年4月25日 Mark Rosewater著)
- Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks/ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック(Making Magic 2018年6月11日 Mark Rosewater著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 107 数とシンボル
- 107.4 マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、{W/U/P}{W/B/P}{U/B/P}{U/R/P}{B/R/P}{B/G/P}{R/G/P}{R/W/P}{G/W/P}{G/U/P}の混成ファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪マナ・シンボル{S}の総称である。
- 107.4f ファイレクシア・マナ・シンボルは色 マナ・シンボルであり、{W/P}は白、{U/P}は青、{B/P}は黒、{R/P}は赤、{G/P}は緑である。ファイレクシア・マナ・シンボルは、その色のマナ1点かあるいは2点のライフを支払うことで支払うことができるコストを表す。10種類の混成ファイレクシア・マナ・シンボルも存在する。混成ファイレクシア・マナ・シンボルは、それの構成色のいずれかの色のマナ1点か2点のライフを支払うことで支払うことができるコストを表す。混成ファイレクシア・マナ・シンボルはそのすべての構成色である。
- 107.4 マナ・シンボルとは、{W}{U}{B}{R}{G}{C}、{0}{1}{2}{3}{4}の類の数字シンボル、変数シンボル{X}、{W/U}{W/B}{U/B}{U/R}{B/R}{B/G}{R/G}{R/W}{G/W}{G/U}の混成シンボル、{2/W}{2/U}{2/B}{2/R}{2/G}の単色混成シンボル、{W/P}{U/P}{B/P}{R/P}{G/P}のファイレクシア・マナ・シンボル、{W/U/P}{W/B/P}{U/B/P}{U/R/P}{B/R/P}{B/G/P}{R/G/P}{R/W/P}{G/W/P}{G/U/P}の混成ファイレクシア・マナ・シンボル、ならびに氷雪マナ・シンボル{S}の総称である。
- 107 数とシンボル