衝動/Impulse
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− | + | [[土地]]が足りなければ土地を、[[呪文]]が欲しければ呪文を、高確率で見つけ出せるため、[[デッキ]]の安定に大きく貢献する。[[渦まく知識/Brainstorm]]と比べると、1[[マナ]][[重い]]ぶん[[ライブラリー]]を[[見る|見れる]]枚数が1枚増えたうえに[[ドロー]]を滞らせないが、見た中に必要なカードが2枚以上あってもどれか1枚しか手元に残せない。 | |
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− | *[[ビジョンズ]] | + | スタンダード基準ではオーバーパワーとされていたが、[[団結のドミナリア]]でまさかの再録を果たす。後述するようにカード名の問題もあったが、[[同型再版]]による[[構築]]環境への影響を嫌った結果と言える。登場後は早速青絡みの各種[[コントロール]]や[[クロック・パーミッション]]で利用されている。 |
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− | *[[From the Vault:Twenty]]に[[1997年]]を代表する1枚として収録され、{{Gatherer|id=373330|新規イラスト}}が与えられた。 | + | [[パウパー]]では、主に[[フリッカー・トロン]]に採用される。序盤は[[ウルザランド]]を集め、終盤には強力なカードにアクセスできる。 |
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+ | 特定カードに頼れる保証がなく引きムラとの戦いとなる[[リミテッド]]では、これが引けるだけでその後の展開が楽になる。 | ||
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+ | *[[濾過]]系カードの祖ながらも既に完成形と言え、[[カードパワー]]は高い。後発の類似カードは基本的に下方修正版であり(→[[#関連カード]])、[[本流のセット]]での再録は[[団結のドミナリア]]まで実に25年もの時を要した。特に、見る枚数が1枚減った[[予期/Anticipate]]は[[タルキール龍紀伝]]以降のスタンダードの定番カードであり、変形版の基準である。 | ||
+ | **このあたりは[[新たな芽吹き/Regrowth]]と[[喚起/Recollect]]の関係にも通じる。 | ||
+ | **予期ではなく衝動が再録されたのは、カードの効果への理解が進んだ事で、他との[[シナジー]]が活かしづらい効果(選ばなかったカードを[[墓地]]ではなく[[ライブラリーの一番下]]に送る事や、カードを[[引く]]のではなく手札に加える事)はカードパワーを引き上げても大きな問題にならないと判断されたのだろう。 | ||
+ | *[[開発部]]が「カード'''[[濾過]]'''/card filtering」<ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019007/ メカニズム的カラー・パイ 2017年版]([[Making Magic]] [[2017年]]6月5日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>と呼んでいる「ライブラリーの一番上のn枚からカード1枚を選んで手札に加える」[[効果]]は、過去にはこのカードから「衝動/impulsing」<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030865/ こぼれ話:『基本セット2019』]([[Making Magic]] [[2018年]]7月30日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>と呼ばれていた。 | ||
+ | *「衝動」とは何かをしたくなる欲求のことなので、知性を[[カラーパイ]]とする青のカード名としてはあまりらしくはない。 | ||
+ | **[[赤]]の「ライブラリーの一番上のカードを[[追放]]し、一定期間だけそれを[[プレイ]]することを許可する」効果も「[[衝動的ドロー]]/impulsive draw」と呼ばれる。このことについて[[Mark Rosewater]]は「([[青]]のカードにこの[[カード名|名前]]が使われたのは)誤りであり、初期の[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]では[[カラーパイ#色の哲学と関係性|色の哲学]]への理解が進んでいなかった」と述べている<ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/116237604418/if-red-is-supposed-to-be-the-impulsive-color-why If red is supposed to be the impulsive color why...]([[Blogatog]] [[2015年]]4月12日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | ||
+ | *[[ビジョンズ]]版のカード({{Gatherer|id=3641|カード画像}})には、「その後、[[ライブラリー]]を[[切り直す]]」という1文が追加されてしまっているが、これは誤りであり、[[エラッタ]]が出ている。切り直してはならない。 | ||
+ | *[[2001年]]11月の[[フライデー・ナイト・マジック]]で、[[プロモーション・カード]]になった。 | ||
+ | *[[From the Vault:Twenty]]に[[1997年]]を代表する1枚として収録され、{{Gatherer|id=373330|新規イラスト}}が与えられた。[[迅速vs狡知]]や[[バトルボンド]]にも同じ[[イラスト]]で収録されている。 | ||
==関連カード== | ==関連カード== | ||
===主な亜種=== | ===主な亜種=== | ||
− | + | 特に効果や[[マナ・コスト]]が近いものを記す。その他の似た効果のカードは[[濾過]]を参照。ライブラリーを見るだけで、手札に加えられないクリーチャーの亜種は[[物知りフクロウ/Sage Owl]]を参照。 | |
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− | + | *[[巧みな軍略/Strategic Planning]] - 1U。[[ソーサリー]]になり、見る枚数が1枚減ったが、選ばなかったカードはすべて[[墓地]]に置く。([[ポータル三国志]]) | |
− | + | *[[俗世の相談/Worldly Counsel]] - 1U。インスタント。[[版図]]の数だけ見て1枚加える。([[インベイジョン]]) | |
− | *[[ | + | *[[予言の稲妻/Prophetic Bolt]] - 3UR。インスタント。4枚見て1枚加える。4点[[火力]]つき。([[アポカリプス]]) |
− | *[[ | + | *[[時間の把握/Telling Time]] - 1U。インスタント。3枚見て、[[手札]]、ライブラリーの上、ライブラリーの下にそれぞれ置く。([[ラヴニカ:ギルドの都]]) |
− | *[[ | + | *[[盗人の運命/Thieves' Fortune]] - 2U。[[同族]]・インスタント。4枚見て1枚加える。徘徊で1マナで唱えることができる。([[モーニングタイド]]) |
− | *[[ | + | *[[孤独な亡霊/Lone Revenant]] - 3UU。クリーチャー。[[プレイヤー]]に[[戦闘ダメージ]]を与えるたび[[単騎]]だと4枚見て1枚加える。([[アヴァシンの帰還]]) |
− | *[[ | + | *[[予期/Anticipate]] - 1U。インスタント。3枚見て1枚加える。見る枚数が1枚減った[[下位互換]]。([[タルキール龍紀伝]]) |
− | *[[ | + | *[[至高の意志/Supreme Will]] - 2U。インスタント。[[モード]]の一つで、4枚見て1枚加える。([[破滅の刻]]) |
− | *[[ | + | *[[可能性の揺らぎ/Shimmer of Possibility]] - 1U。ソーサリーになり、ライブラリーの下に置くカードの順番が[[無作為に]]なった下位互換。([[ラヴニカの献身]]) |
− | *[[ | + | *[[実験的占い/Experimental Augury]] - 1U。3枚見て1枚加える。[[増殖]]つき。([[ファイレクシア:完全なる統一]]) |
+ | ==脚注== | ||
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==参考== | ==参考== | ||
+ | *[[カード個別評価:団結のドミナリア]] - [[コモン]] | ||
*[[カード個別評価:ビジョンズ]] - [[コモン]] | *[[カード個別評価:ビジョンズ]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:バトルボンド]] - [[コモン]] | ||
+ | *[[カード個別評価:ドミナリア・リマスター]] - [[コモン]] | ||
*[[From the Vault:Twenty]] | *[[From the Vault:Twenty]] | ||
+ | __NOTOC__ |
2024年6月14日 (金) 08:18時点における最新版
ライブラリーの一番上の4枚から好きなカードを手札に加えられるインスタント呪文。
土地が足りなければ土地を、呪文が欲しければ呪文を、高確率で見つけ出せるため、デッキの安定に大きく貢献する。渦まく知識/Brainstormと比べると、1マナ重いぶんライブラリーを見れる枚数が1枚増えたうえにドローを滞らせないが、見た中に必要なカードが2枚以上あってもどれか1枚しか手元に残せない。
スタンダードではカウンターハンマーやトリコロールやプロスブルームなどに採用された。エクステンデッドでも渦まく知識と併用、あるいはシャッフル手段が少ないこともあって優先されて採用されることもあった。中速のコンボデッキなどでも、コンボパーツを揃えるため採用されることもあった。
スタンダード基準ではオーバーパワーとされていたが、団結のドミナリアでまさかの再録を果たす。後述するようにカード名の問題もあったが、同型再版による構築環境への影響を嫌った結果と言える。登場後は早速青絡みの各種コントロールやクロック・パーミッションで利用されている。
パウパーでは、主にフリッカー・トロンに採用される。序盤はウルザランドを集め、終盤には強力なカードにアクセスできる。
特定カードに頼れる保証がなく引きムラとの戦いとなるリミテッドでは、これが引けるだけでその後の展開が楽になる。
- 濾過系カードの祖ながらも既に完成形と言え、カードパワーは高い。後発の類似カードは基本的に下方修正版であり(→#関連カード)、本流のセットでの再録は団結のドミナリアまで実に25年もの時を要した。特に、見る枚数が1枚減った予期/Anticipateはタルキール龍紀伝以降のスタンダードの定番カードであり、変形版の基準である。
- このあたりは新たな芽吹き/Regrowthと喚起/Recollectの関係にも通じる。
- 予期ではなく衝動が再録されたのは、カードの効果への理解が進んだ事で、他とのシナジーが活かしづらい効果(選ばなかったカードを墓地ではなくライブラリーの一番下に送る事や、カードを引くのではなく手札に加える事)はカードパワーを引き上げても大きな問題にならないと判断されたのだろう。
- 開発部が「カード濾過/card filtering」[1]と呼んでいる「ライブラリーの一番上のn枚からカード1枚を選んで手札に加える」効果は、過去にはこのカードから「衝動/impulsing」[2]と呼ばれていた。
- 「衝動」とは何かをしたくなる欲求のことなので、知性をカラーパイとする青のカード名としてはあまりらしくはない。
- ビジョンズ版のカード(カード画像)には、「その後、ライブラリーを切り直す」という1文が追加されてしまっているが、これは誤りであり、エラッタが出ている。切り直してはならない。
- 2001年11月のフライデー・ナイト・マジックで、プロモーション・カードになった。
- From the Vault:Twentyに1997年を代表する1枚として収録され、新規イラストが与えられた。迅速vs狡知やバトルボンドにも同じイラストで収録されている。
[編集] 関連カード
[編集] 主な亜種
特に効果やマナ・コストが近いものを記す。その他の似た効果のカードは濾過を参照。ライブラリーを見るだけで、手札に加えられないクリーチャーの亜種は物知りフクロウ/Sage Owlを参照。
- 巧みな軍略/Strategic Planning - 1U。ソーサリーになり、見る枚数が1枚減ったが、選ばなかったカードはすべて墓地に置く。(ポータル三国志)
- 俗世の相談/Worldly Counsel - 1U。インスタント。版図の数だけ見て1枚加える。(インベイジョン)
- 予言の稲妻/Prophetic Bolt - 3UR。インスタント。4枚見て1枚加える。4点火力つき。(アポカリプス)
- 時間の把握/Telling Time - 1U。インスタント。3枚見て、手札、ライブラリーの上、ライブラリーの下にそれぞれ置く。(ラヴニカ:ギルドの都)
- 盗人の運命/Thieves' Fortune - 2U。同族・インスタント。4枚見て1枚加える。徘徊で1マナで唱えることができる。(モーニングタイド)
- 孤独な亡霊/Lone Revenant - 3UU。クリーチャー。プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび単騎だと4枚見て1枚加える。(アヴァシンの帰還)
- 予期/Anticipate - 1U。インスタント。3枚見て1枚加える。見る枚数が1枚減った下位互換。(タルキール龍紀伝)
- 至高の意志/Supreme Will - 2U。インスタント。モードの一つで、4枚見て1枚加える。(破滅の刻)
- 可能性の揺らぎ/Shimmer of Possibility - 1U。ソーサリーになり、ライブラリーの下に置くカードの順番が無作為になった下位互換。(ラヴニカの献身)
- 実験的占い/Experimental Augury - 1U。3枚見て1枚加える。増殖つき。(ファイレクシア:完全なる統一)
[編集] 脚注
- ↑ メカニズム的カラー・パイ 2017年版(Making Magic 2017年6月5日 Mark Rosewater著)
- ↑ こぼれ話:『基本セット2019』(Making Magic 2018年7月30日 Mark Rosewater著)
- ↑ If red is supposed to be the impulsive color why...(Blogatog 2015年4月12日 Mark Rosewater著)