ティンカー戦略

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'''Tinker戦略'''(ティンカーせんりゃく)とは、「莫大な[[マナ加速]]・[[マナ・コスト]]を無視する手段によって[[重い]]パワーカードを連発して相手を圧倒する戦術」のことである。
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'''Tinker戦略'''(ティンカーせんりゃく)とは、「莫大な[[マナ加速]]・[[マナ・コスト]]を無視する手段によって[[重い]][[パワーカード]]を連発して相手を圧倒する戦術」のことである。
  
 
{{#card:Tinker}}
 
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==概要==
 
==概要==
  
[[修繕/Tinker]]の名を冠しているため[[ウルザ・ブロック]]による[[茶単]]系デッキのことのみを言うものと思われる事が多いが、この理念自体はマジック黎明期から存在する。
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[[修繕/Tinker]]の名を冠しているため[[ウルザ・ブロック]]による[[茶単]]系[[デッキ]]のことのみを言うものと思われる事が多いが、この理念自体は[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]黎明期から存在する。
  
デッキによって差はあるが、1ターン目に[[マナ・クリーチャー]]を出せればいいな、程度のマナ加速ではないのが最大の特徴。特にこの戦略を広く知らしめた[[ティンカー]]デッキで言えば、土地とマナ加速カードを合わせてときに40枚を超えるほどの膨大な量を詰め込み、確実に、6マナ8マナと言った重量級カードのマナ域まであっという間に辿り着く事を目的とする。
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デッキによって差はあるが、1[[ターン]]目に[[マナ・クリーチャー]]を出せればいいな、程度の[[マナ加速]]ではないのが最大の特徴。特にこの戦略を広く知らしめた[[ティンカー]]デッキで言えば、[[土地]]とマナ加速カードを合わせてときに40枚を超えるほどの膨大な量を詰め込み、確実に、6[[マナ]]8マナと言った重量級カードのマナ域まであっという間に辿り着く事を目的とする。
  
この手のデッキの特徴として、純粋に速度のみを追求した[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]には序盤の数ターンこそ押されるもののすぐに押し返すスピードとパワーを持ち合わせている。[[土地]]以外のマナ基盤を大量に持つため、序盤を完璧な周りで挫かれでもしない限り[[土地破壊]]系デッキにも耐性がある。
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この手のデッキの特徴として、純粋に速度のみを追求した[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]には序盤の数ターンこそ押されるもののすぐに押し返すスピードとパワーを持ち合わせている。土地以外の[[マナ基盤]]を大量に持つため、序盤を完璧な周りで挫かれでもしない限り[[土地破壊]]系デッキにも耐性がある。
  
しかし[[土地]]ではなく[[アーティファクト]]や[[マナ・クリーチャー]]等の加速用マナ基盤を狙い撃ちにされるととても脆いため、メタデッキに対抗する術をあまり持たない。
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しかし土地ではなく[[アーティファクト]]やマナ・クリーチャー等の加速用マナ基盤を狙い撃ちにされるととても脆いため、メタデッキに対抗する術をあまり持たない。また[[コンボ]]デッキと同じような理由で、[[パーミッション]]系デッキにも苦戦を強いられる。
また[[コンボ]]デッキと同じような理由で、[[パーミッション]]系デッキにも苦戦を強いられる。
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==歴史==
 
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===黎明期===
 
===黎明期===
  
例えば[[ラノワールのエルフ/Llanowar Elves]]や[[繁茂/Wild Growth]]でマナ加速し、そこから[[大喰らいのワーム/Craw Wurm]]などの[[ファッティ]]を出すという戦略があった。
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例えば[[ラノワールのエルフ/Llanowar Elves]]や[[繁茂/Wild Growth]]で[[マナ加速]]し、そこから[[大喰らいのワーム/Craw Wurm]]などの[[ファッティ]]を出すという戦略があった。
  
もちろん、3-4ターン目に大喰らいのワームを出したところでゲームを支配出来るかと言うとそうでもないため、あくまでそういうデッキがあると言う程度のものだった。
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もちろん、3-4[[ターン]]目に大喰らいのワームを出したところで[[ゲーム]]を支配出来るかと言うとそうでもないため、あくまでそういう[[デッキ]]があると言う程度のものだった。
  
 
===アイスエイジ~テンペスト===
 
===アイスエイジ~テンペスト===
  
[[アイスエイジ・ブロック]]や[[ミラージュ・ブロック]]の頃も、[[マナ加速]]を搭載しているデッキ自体は多数あったものの、それらはいずれも序盤で[[アドバンテージ]]を得るための加速であったり、[[ハルマゲドン/Armageddon]]や[[冬の宝珠/Winter Orb]]等の[[マナ拘束]]と併用するためのものであり、パワーカードを連発するためのものではなかった。
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[[アイスエイジ・ブロック]]や[[ミラージュ・ブロック]]の頃も、マナ加速を搭載しているデッキ自体は多数あったものの、それらはいずれも序盤で[[アドバンテージ]]を得るための加速であったり、[[ハルマゲドン/Armageddon]]や[[冬の宝珠/Winter Orb]]等の[[マナ拘束]]と併用するためのものであり、[[パワーカード]]を連発するためのものではなかった。
  
 
[[テンペスト・ブロック]]でも[[踏み荒らし/Overrun]]や[[新緑の魔力/Verdant Force]]などの利用価値のあるパワーカードが多数登場したものの、本格的に事態が変わり始めるのは[[ウルザ・ブロック]]である。
 
[[テンペスト・ブロック]]でも[[踏み荒らし/Overrun]]や[[新緑の魔力/Verdant Force]]などの利用価値のあるパワーカードが多数登場したものの、本格的に事態が変わり始めるのは[[ウルザ・ブロック]]である。
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[[ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle]]、[[ティタニアの僧侶/Priest of Titania]]と言った強力な[[マナ能力]]を持つカードが多数登場し、[[ウルザズ・デスティニー]]まで来ると[[マナ・アーティファクト]]も目を見張るほどの充実振り。これによってデッキの大半をマナ加速で埋め尽くし、序盤はマナ加速することにのみ専念し、パワーカードを連発すると言う戦略が台頭してくる事になる。
 
[[ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle]]、[[ティタニアの僧侶/Priest of Titania]]と言った強力な[[マナ能力]]を持つカードが多数登場し、[[ウルザズ・デスティニー]]まで来ると[[マナ・アーティファクト]]も目を見張るほどの充実振り。これによってデッキの大半をマナ加速で埋め尽くし、序盤はマナ加速することにのみ専念し、パワーカードを連発すると言う戦略が台頭してくる事になる。
  
この時期は[[赤茶単]]、[[ティンカー]]、[[トリニティ]]など、世界の舞台で存分に力を振るいメタの中心に置かれるレベルのデッキが多数登場している。
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この時期は[[赤茶単]]、[[ティンカー]]、[[トリニティ]]など、世界の舞台で存分に力を振るい[[メタゲーム|メタ]]の中心に置かれるレベルのデッキが多数登場している。
  
 
===ミラディン・ブロック===
 
===ミラディン・ブロック===
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しかし、[[ミラディン・ブロック]]が発売される事で再び事態が急変する。
 
しかし、[[ミラディン・ブロック]]が発売される事で再び事態が急変する。
  
ウルザ・ブロックはとっくに[[スタンダード]]を退場した後の話なので[[エクステンデッド]]以下での話だが、パワーだけならぶっちぎりの重量級カードが満載されたこのブロックが加わる事によって、Tinker戦略はどうしようもないほどに環境を高速化・パワーゲーム化させてしまった。結果、修繕/Tinkerの禁止と言う決着を見ることになる。
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ウルザ・ブロックはとっくにスタンダードを退場した後の話なのでエクステンデッド以下での話だが、パワーだけならぶっちぎりの重量級カードが満載されたこのブロックが加わる事によって、Tinker戦略はどうしようもないほどに環境を高速化・パワーゲーム化させてしまった。結果、[[修繕/Tinker]]の禁止と言う決着を見ることになる。
  
修繕/Tinker(と、いくつかの壊れたマナ加速カード)が禁止された後はいくらか平和になったが、既にTinker戦略の有用性が十分すぎるほどに世に知れ渡っており、[[スタンダード]]でも、[[ウルザトロン]]を初めとするデッキに受け継がれている。
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修繕(と、いくつかの壊れたマナ加速カード)が禁止された後はいくらか平和になったが、既にTinker戦略の有用性が十分すぎるほどに世に知れ渡っており、スタンダードでも、[[ウルザトロン]]を初めとするデッキに受け継がれている。
  
  
*[[ミラディン・ブロック]]の超パワーカード群は、エクステンデッドで修繕/Tinkerによって"悪用"される事は予測されており、修繕/Tinkerの禁止を前提とした発売だったと言うが・・・。
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*[[ミラディン・ブロック]]の超パワーカード群は、エクステンデッドで修繕によって"悪用"される事は予測されており、修繕の禁止を前提とした発売だったと言うが・・・。
 
*[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]も強烈なマナ加速カードであったが、これはTinker戦略に利用されるよりも[[MoMaの冬|もっとひどいこと]]になってしまった。
 
*[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]も強烈なマナ加速カードであったが、これはTinker戦略に利用されるよりも[[MoMaの冬|もっとひどいこと]]になってしまった。
  
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*[[ファイアーズ]]
 
*[[ファイアーズ]]
 
*[[ウルザトロン]]・[[エルフ&ネイル]]・[[12post]]
 
*[[ウルザトロン]]・[[エルフ&ネイル]]・[[12post]]
 
  
  
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*[http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,en Finding the Tinker Deck]([[WotC]]、文:[[Mike Flores]])
 
*[http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,en Finding the Tinker Deck]([[WotC]]、文:[[Mike Flores]])
 
*[http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,ja Tinkerデッキへの探求](上の邦訳)
 
*[http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,ja Tinkerデッキへの探求](上の邦訳)
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*[[用語集]]

2011年3月28日 (月) 10:36時点における版

Tinker戦略(ティンカーせんりゃく)とは、「莫大なマナ加速マナ・コストを無視する手段によって重いパワーカードを連発して相手を圧倒する戦術」のことである。


Tinker / 修繕 (2)(青)
ソーサリー

この呪文を唱えるための追加コストとして、アーティファクト1つを生け贄に捧げる。
あなたのライブラリーからアーティファクト・カード1枚を探し、そのカードを戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。



Thran Dynamo / スランの発電機 (4)
アーティファクト

(T):(◇)(◇)(◇)を加える。



Darksteel Colossus / ダークスティールの巨像 (11)
アーティファクト クリーチャー — ゴーレム(Golem)

トランプル、破壊不能
ダークスティールの巨像がいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれる場合、代わりにダークスティールの巨像を公開し、それをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。

11/11

目次

概要

修繕/Tinkerの名を冠しているためウルザ・ブロックによる茶単デッキのことのみを言うものと思われる事が多いが、この理念自体はマジック黎明期から存在する。

デッキによって差はあるが、1ターン目にマナ・クリーチャーを出せればいいな、程度のマナ加速ではないのが最大の特徴。特にこの戦略を広く知らしめたティンカーデッキで言えば、土地とマナ加速カードを合わせてときに40枚を超えるほどの膨大な量を詰め込み、確実に、6マナ8マナと言った重量級カードのマナ域まであっという間に辿り着く事を目的とする。

この手のデッキの特徴として、純粋に速度のみを追求したビートダウンには序盤の数ターンこそ押されるもののすぐに押し返すスピードとパワーを持ち合わせている。土地以外のマナ基盤を大量に持つため、序盤を完璧な周りで挫かれでもしない限り土地破壊系デッキにも耐性がある。

しかし土地ではなくアーティファクトやマナ・クリーチャー等の加速用マナ基盤を狙い撃ちにされるととても脆いため、メタデッキに対抗する術をあまり持たない。またコンボデッキと同じような理由で、パーミッション系デッキにも苦戦を強いられる。

歴史

黎明期

例えばラノワールのエルフ/Llanowar Elves繁茂/Wild Growthマナ加速し、そこから大喰らいのワーム/Craw Wurmなどのファッティを出すという戦略があった。

もちろん、3-4ターン目に大喰らいのワームを出したところでゲームを支配出来るかと言うとそうでもないため、あくまでそういうデッキがあると言う程度のものだった。

アイスエイジ~テンペスト

アイスエイジ・ブロックミラージュ・ブロックの頃も、マナ加速を搭載しているデッキ自体は多数あったものの、それらはいずれも序盤でアドバンテージを得るための加速であったり、ハルマゲドン/Armageddon冬の宝珠/Winter Orb等のマナ拘束と併用するためのものであり、パワーカードを連発するためのものではなかった。

テンペスト・ブロックでも踏み荒らし/Overrun新緑の魔力/Verdant Forceなどの利用価値のあるパワーカードが多数登場したものの、本格的に事態が変わり始めるのはウルザ・ブロックである。

ウルザ・ブロック

ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradleティタニアの僧侶/Priest of Titaniaと言った強力なマナ能力を持つカードが多数登場し、ウルザズ・デスティニーまで来るとマナ・アーティファクトも目を見張るほどの充実振り。これによってデッキの大半をマナ加速で埋め尽くし、序盤はマナ加速することにのみ専念し、パワーカードを連発すると言う戦略が台頭してくる事になる。

この時期は赤茶単ティンカートリニティなど、世界の舞台で存分に力を振るいメタの中心に置かれるレベルのデッキが多数登場している。

ミラディン・ブロック

ウルザ・ブロックがスタンダードを退場してからは、ウルザ・ブロックの行きすぎたマナ加速を反省するかのようにマナ加速とはあまり縁の無い環境が続いたため、暫くはエクステンデッドにてスタンダードのデッキにプラスアルファした形のものが見かけられる程度であった。

しかし、ミラディン・ブロックが発売される事で再び事態が急変する。

ウルザ・ブロックはとっくにスタンダードを退場した後の話なのでエクステンデッド以下での話だが、パワーだけならぶっちぎりの重量級カードが満載されたこのブロックが加わる事によって、Tinker戦略はどうしようもないほどに環境を高速化・パワーゲーム化させてしまった。結果、修繕/Tinkerの禁止と言う決着を見ることになる。

修繕(と、いくつかの壊れたマナ加速カード)が禁止された後はいくらか平和になったが、既にTinker戦略の有用性が十分すぎるほどに世に知れ渡っており、スタンダードでも、ウルザトロンを初めとするデッキに受け継がれている。


主なデッキ


  • リアニメイトデッキもマナ・コストを無視する手段によってファッティを出すという手法だが、Tinker戦略には含まない事が殆ど。なぜならリアニメイトは自前でのマナ加速はせいぜい暗黒の儀式/Dark Ritual程度しか採用していない事が殆どで素出しが考慮されていない他、クリーチャー以外の重量級パワーカードを使う事が無いからである。
  • ファイアーズも広義にはTinker戦略である。マナ加速自体は殆どの場合8枚しか入っていないものの、1マナのマナ・クリーチャー8枚体制と言うのはただのビートダウンにしては過剰な枚数であり、またそこから繰り出されるカードがどれも平均以上のサイズのパワーカードであると言う点がTinker戦略に合致している。

参考

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