ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
(15人の利用者による、間の26版が非表示)
3行: 3行:
 
[[ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator]]の[[リメイク]]。1[[マナ]][[重い|重く]]、[[色拘束]]もきつくなったが、その代わりに[[ペナルティ能力]]がメリット[[能力]]に置き換わっている。ファイレクシアの抹殺者の製作段階でのデザイン案が強化されて実現されてしまった(詳細は[[ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator]]の項を参照)。
 
[[ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator]]の[[リメイク]]。1[[マナ]][[重い|重く]]、[[色拘束]]もきつくなったが、その代わりに[[ペナルティ能力]]がメリット[[能力]]に置き換わっている。ファイレクシアの抹殺者の製作段階でのデザイン案が強化されて実現されてしまった(詳細は[[ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator]]の項を参照)。
  
言うまでもなく、4マナで5/5のメリット能力持ち[[クリーチャー]]は強力である。[[攻撃]]面では[[トランプル]]と自身の能力による擬似[[回避能力]]という過剰なまでの性能を有し、防御面においても、[[火力]]に対する強力な[[除去耐性]]を持ち、またこいつが立っているだけで[[大型クリーチャー]]でも攻撃を渋るだろう。
+
4マナ5/5のメリット能力持ち[[クリーチャー]]という時点で強力。[[ダメージ]]以外に対する[[除去耐性]]は無いが、[[ブロッカー]][[火力]]も大して怖くないのは強烈であり、ただこいつが立っているだけで相手は攻撃を渋るだろう。
  
以上のように単体で見た[[カードパワー]]の高さは疑いないが、[[黒マナ]]4つと色拘束が極めて厳しいので、[[暗黒の儀式/Dark Ritual]]がない現在ではほぼ[[黒単色デッキ]]専用の[[カード]]と見てよい。また、[[ミラディンの傷跡ブロック]]での[[黒]]のクリーチャーは[[感染]]持ちが多く、これとは併用しづらいのもマイナス。
+
しかし[[ミラディンの傷跡ブロック]]周辺の[[環境]]ではダメージ以外の除去も豊富で、考え無しに入れてよいわけでもなかった。特に[[四肢切断/Dismember]]は天敵に近い。
  
また火力と[[戦闘]]にこそ強いものの、[[喉首狙い/Go for the Throat]][[四肢切断/Dismember]][[転倒の磁石/Tumble Magnet]][[バウンス]][[追放]]など、[[ミラディンの傷跡ブロック]]周辺の[[環境]]では黒の高[[タフネス]]といえど対処方法は多く、油断は禁物。
+
[[新たなるファイレクシア]]登場時こそかなりの注目を集めていたが、[[ゼンディカー・ブロック]]+ミラディンの傷跡ブロックの[[スタンダード]]では目立った活躍は見せられなかった。[[]]自体が[[単色デッキ|単色]][[メタゲーム]]に食い込めるほどのパワーを持っていない、四肢切断が蔓延っている環境であるなど、新しいデッキの中心となるほどの影響力を持つことができなかったのである。
  
実際登場時こそかなりの注目を集めていたが、[[ゼンディカー・ブロック]][[ミラディンの傷跡ブロック]][[スタンダード]]では目立った活躍は見せられなかった。黒自体が[[単色デッキ|単色]]で[[メタゲーム]]に食い込めるほどのパワーを持っていないことに加え、四肢切断が蔓延っている環境のため、このカードも新しいデッキの中心となるほどの影響力を持つことができなかったのである。
+
[[イニストラード・ブロック]]参入後も、四肢切断は環境の変化に伴い減少したが、代わってバウンスや追放が大幅に増加したので肩身は狭かった。得意とする[[ビートダウンデッキ|ビートダウン]]が増加し、ハマるデッキには圧倒的なパワーを誇ったので、[[黒単色デッキ|黒単]]に近い[[ゾンビ (デッキ)|ゾンビデッキ]]で[[メインデッキ|メイン]]ないし[[サイドボード|サイド]]に採用されたり、色拘束を無視できる[[出産の殻]]で[[挿す|1枚挿し]]されたりするなど細々と活躍していたものの、大きく台頭することはないままスタンダード落ちした。どれだけカードパワーが高くとも活躍できるかは環境次第という好例の一つだろう。
  
さらに[[イニストラード・ブロック]]参入後も、四肢切断は環境の変化に伴い減少したが、一方バウンスや追放が大幅に増加したのでやはり肩身が狭い状況。得意とする[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]が増加し、ハマるデッキには圧倒的なパワーを誇ったので、[[黒単色デッキ|黒単]]に近い[[ゾンビ (デッキ)|ゾンビデッキ]]で[[メインデッキ|メイン]]ないし[[サイドボード|サイド]]に採用されたり、色拘束を無視できる[[出産の殻]]で[[挿す|1枚挿し]]されたりするなど細々と活躍していたものの、大きく台頭することはないままスタンダード落ちした。どれだけカードパワーが高くとも活躍できるかは環境次第という好例の一つだろう。
+
[[ファイレクシア:完全なる統一]]再録時には、黒単および黒タッチ緑で採用される場合がある。後者は[[格闘]]と絡めて一気に[[ボード・アドバンテージ]]を稼ぐ[[コンボ]]も搭載される。
  
*[[発生源#ダメージの発生源|ダメージの発生源]]を[[あなた]]が[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]しているならば、[[生け贄に捧げる]]のもあなたである。[[地震/Earthquake]]などを使う場合には注意。
+
現在は[[モダン]]の[[黒単信心#モダン|黒単信心]]に採用されることがある。
 +
 
 +
*[[発生源#ダメージの発生源|ダメージの発生源]]を[[あなた]]が[[コントロール]]しているならば、[[生け贄に捧げる]]のもあなたである。[[地震/Earthquake]]などを使う場合には注意。
 +
**[[裁きの一撃/Justice Strike]]のような自身にダメージを与えさせるカードを受けると大惨事になる。ダメージの発生源はファイレクシアの抹消者自身であるため、コントローラーがダメージ分パーマネントを生け贄に捧げなければならない。
 
*[[最下層民/Pariah]]を[[つける]]と、[[対戦相手]]のクリーチャーの攻撃はピタリと止まるだろう。[[コーのダメージ移し変え能力]]でもよい。
 
*[[最下層民/Pariah]]を[[つける]]と、[[対戦相手]]のクリーチャーの攻撃はピタリと止まるだろう。[[コーのダメージ移し変え能力]]でもよい。
*奇しくも他の[[色]]との相性も抹殺者と逆になっている。能力のおかげで[[赤]]にはめっぽう強いものの、4マナの上暗黒の儀式が使えなくなった現環境では、[[青]]にとっては[[マナレシオ]]が良いだけのクリーチャーに等しい。
+
*奇しくも他の[[色]]との相性も抹殺者と逆になっている。能力のおかげで[[赤]]にはめっぽう強いものの、[[青]]にとっては[[マナレシオ]]が良いだけのクリーチャーに等しい。
*[[格闘]]との相性は良好。ダメージの発生源は格闘先のコントローラーなので、強制的に生け贄に捧げさせることができる。
+
*[[格闘]]との相性が非常に良い。ダメージの発生源は格闘先のコントローラーなので強制的に生け贄に捧げさせることができる。ただし、格闘を行うカードの大半は[[緑]]なので[[マナ基盤]]はタイトになる。
 
*4マナ以下、5/5以上、デメリット能力なしのクリーチャーとしては史上2枚目。1枚目は[[呪文砕きのビヒモス/Spellbreaker Behemoth]]なので[[単色]]では初ということになる。
 
*4マナ以下、5/5以上、デメリット能力なしのクリーチャーとしては史上2枚目。1枚目は[[呪文砕きのビヒモス/Spellbreaker Behemoth]]なので[[単色]]では初ということになる。
 +
*[[2021年]]6月の[[オラクル]]変更で[[クリーチャー・タイプ]]に[[ファイレクシアン]]が追加された。
 +
*[[ファイレクシア:完全なる統一]]での[[再録]]時は、対になるかのような[[白]]の[[ファイレクシアの立証者/Phyrexian Vindicator]]も登場した。また[[アルケミー:ファイレクシア]]では[[赤]]の[[ファイレクシアの収穫者/Phyrexian Harvester]]が登場した。
  
 
==ストーリー==
 
==ストーリー==
[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]における[[法務官/Praetor]]の一人、[[シェオルドレッド/Sheoldred]]が開発した殺戮兵器。
+
[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]における[[法務官/Praetor]]の一人、[[シェオルドレッド/Sheoldred (ストーリー)|シェオルドレッド/Sheoldred]]が開発した殺戮兵器({{Gatherer|id=248776}})。下記の台詞を見るように彼女にとっての自信作だったようだが、シェオルドレッドは対立していた[[白]]の法務官[[エリシュ・ノーン/Elesh Norn (ストーリー)|エリシュ・ノーン/Elesh Norn]]に敗北。
下記の台詞を見るように彼女にとっての自信作だったようだが、対立していた[[白]]の法務官[[エリシュ・ノーン/Elesh Norn]]に敗北。
+
 
 +
その後は鹵獲されノーンの戦力に取り込まれたようである。後に圧倒的戦力で反乱分子の粛清に活用され、[[エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel (ストーリー)|エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel]]に次元渡りを余儀なくさせる。
 +
 
 +
{{フレイバーテキスト|「祝福されし完成をとくと見よ。」|囁く者、シェオルドレッド|[[新たなるファイレクシア]]版}}
  
その後は鹵獲されノーンの戦力に取り込まれたようである。
+
*[[フレイバー・テキスト]]に「完成」の語が用いられているが、こちらは原文ではperfectionであり、ファイレクシア化改造を表す「完成/Compleation」とは別物である。
後に圧倒的戦力で反乱分子の粛清に活用され、[[エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel (ストーリー)|エルズペス]]に次元渡りを余儀なくさせる。
+
  
{{フレイバーテキスト|「祝福されし完成をとくと見よ。」   ――― 囁く者、シェオルドレッド.}}
+
{{フレイバーテキスト|"Behold blessed perfection."|Sheoldred, Whispering One}}
  
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/obliterate-2011-04-29 Obliterate!]/[https://web.archive.org/web/20121108005250/http://mtg-jp.com/reading/translated/001472/ 抹消!(Internet Archive)](Latest Developments [[2011年]]4月29日 [[Tom LaPille]]著)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/lost-confession-2013-09-11 The Lost Confession]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0004410/ 失われし告白](Uncharted Realms [[2013年]]9月11日 [[Jenna Helland]]著)
 
*[[クァドラプルシンボル#該当カード|クァドラプルシンボルカード]]
 
*[[クァドラプルシンボル#該当カード|クァドラプルシンボルカード]]
 
*[[ファイレクシア/Phyrexia]]([[背景世界/ストーリー用語]])
 
*[[ファイレクシア/Phyrexia]]([[背景世界/ストーリー用語]])
 +
*[[カード個別評価:ファイレクシア:完全なる統一]] - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:新たなるファイレクシア]] / ファイレクシア陣営 - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:新たなるファイレクシア]] / ファイレクシア陣営 - [[神話レア]]
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/ur/263 The Lost Confession]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/023543/ 失われし告白](Uncharted Realms 2013年9月11日 [[Jenna Helland]]
+
*[[カード個別評価:マスターズ25th]] - [[神話レア]]
 +
*[[カード個別評価:ヒストリック・アンソロジー3]] - [[神話レア]]

2023年4月15日 (土) 00:56時点における最新版


Phyrexian Obliterator / ファイレクシアの抹消者 (黒)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ホラー(Horror)

トランプル
発生源1つがファイレクシアの抹消者にダメージを与えるたび、その発生源のコントローラーはその点数に等しい数のパーマネントを生け贄に捧げる。

5/5

ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negatorリメイク。1マナ重く色拘束もきつくなったが、その代わりにペナルティ能力がメリット能力に置き換わっている。ファイレクシアの抹殺者の製作段階でのデザイン案が強化されて実現されてしまった(詳細はファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negatorの項を参照)。

4マナ5/5のメリット能力持ちクリーチャーという時点で強力。ダメージ以外に対する除去耐性は無いが、ブロッカー火力も大して怖くないのは強烈であり、ただこいつが立っているだけで相手は攻撃を渋るだろう。

しかしミラディンの傷跡ブロック周辺の環境ではダメージ以外の除去も豊富で、考え無しに入れてよいわけでもなかった。特に四肢切断/Dismemberは天敵に近い。

新たなるファイレクシア登場時こそかなりの注目を集めていたが、ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロックのスタンダードでは目立った活躍は見せられなかった。自体が単色メタゲームに食い込めるほどのパワーを持っていない、四肢切断が蔓延っている環境であるなど、新しいデッキの中心となるほどの影響力を持つことができなかったのである。

イニストラード・ブロック参入後も、四肢切断は環境の変化に伴い減少したが、代わってバウンスや追放が大幅に増加したので肩身は狭かった。得意とするビートダウンが増加し、ハマるデッキには圧倒的なパワーを誇ったので、黒単に近いゾンビデッキメインないしサイドに採用されたり、色拘束を無視できる出産の殻1枚挿しされたりするなど細々と活躍していたものの、大きく台頭することはないままスタンダード落ちした。どれだけカードパワーが高くとも活躍できるかは環境次第という好例の一つだろう。

ファイレクシア:完全なる統一再録時には、黒単および黒タッチ緑で採用される場合がある。後者は格闘と絡めて一気にボード・アドバンテージを稼ぐコンボも搭載される。

現在はモダン黒単信心に採用されることがある。

[編集] ストーリー

新ファイレクシア/New Phyrexiaにおける法務官/Praetorの一人、シェオルドレッド/Sheoldredが開発した殺戮兵器(イラスト)。下記の台詞を見るように彼女にとっての自信作だったようだが、シェオルドレッドは対立していたの法務官エリシュ・ノーン/Elesh Nornに敗北。

その後は鹵獲されノーンの戦力に取り込まれたようである。後に圧倒的戦力で反乱分子の粛清に活用され、エルズペス・ティレル/Elspeth Tirelに次元渡りを余儀なくさせる。

「祝福されし完成をとくと見よ。」
囁く者、シェオルドレッド

  • フレイバー・テキストに「完成」の語が用いられているが、こちらは原文ではperfectionであり、ファイレクシア化改造を表す「完成/Compleation」とは別物である。
"Behold blessed perfection."
Sheoldred, Whispering One

[編集] 参考

MOBILE