再録禁止カード

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(プロモカードを「再録」とするのは語弊があるので、「再録」「再版」を意図的に使い分けています(ページ名は最も広く知られている呼称ということでそのままに)。)
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'''再録禁止カード'''''Reserved Cards'')は、[[WotC]]が公式に[[再録]]を禁止している[[カード]]の総称、またそのカードのこと。
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'''再録禁止カード'''(''Reserved Cards'')は、「[http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=magic/products/reprintpolicy Official Reprint Policy](公式再版ポリシー)」に規定されている、[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|ウィザーズ社]]が公式に再版を禁止している[[カード]]のこと。またはそのようなカードの総称。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
再録禁止カードは、それに指定された[[カード]][[再録]]と、それらと[[カード・タイプ]]、[[能力]]、[[マナ・コスト]]、[[P/T]]のすべてが一致するカードの収録を禁止している。
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再録禁止カードは、それに指定された[[カード]]の再版([[再録]])と、それらと[[カード・タイプ]]、[[能力]]、[[マナ・コスト]]、[[P/T]]のすべてが一致するカードの印刷を禁止している。
  
現在再録禁止カードに指定されている[[カード]]はすべて[[ウルザ・ブロック]]以前の[[レア]](レアのない[[変則的な稀少度]]の[[エキスパンション]]は[[アンコモン]])である。[[メルカディアン・マスクス]]以降のカードは存在せず、また現在の再録禁止カードリストが今後更新(追加はもちろん削除も含む)される予定は無いと発表されている。
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現在再録禁止カードに指定されている[[カード]]はすべて[[ウルザ・ブロック]]以前の[[レア]](レアのない[[変則的な稀少度]]の[[エキスパンション]]は[[アンコモン]])である。[[メルカディアン・マスクス]]以降のカードは存在せず、また現在の再録禁止カードリストが今後更新(追加はもちろん削除も含む)される予定は無いと発表されている。
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*このポリシーは物理的に印刷された、トーナメントで使用可能な[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のカードにのみ適用される。
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**[[Magic Online]]などの[[コンピューターゲーム]]上でリリースされるカードには適用されない。
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**大判カードなど、通常のゲームプレイには使えない特別バージョンで再版される可能性はある。
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*再録禁止カードに指定されているカードの一覧は[[再録禁止カード一覧]]を参照。
  
 
== 目的 ==
 
== 目的 ==
勘違いされやすい点であるが、再録禁止カードは、[[シングルカード]]の販売などを行うセカンダリー・マーケットに対して、[[再録]]によって指定された[[カード]]の価値が暴落する可能性の無いことをアピールする目的で設けられたものであり、強力なカードの再録を禁止することでゲームバランスの崩壊を防ごうとするものではない。そのため、このリストにはいわゆる[[カスレア]]なども含まれる。
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勘違いされやすい点であるが、再録禁止カードは、[[シングルカード]]の販売などを行うセカンダリー・マーケットに対して、再版によって指定された[[カード]]の価値が暴落する可能性の無いことをアピールする目的で設けられたものであり、強力なカードの再版を禁止することでゲームバランスの崩壊を防ごうとするものではない。そのため、このリストにはいわゆる[[カスレア]]なども含まれる。
  
 
逆にいえば再録禁止カードに指定していなければ、たとえ[[禁止カード]]に指定されているほど強力なカードでも再録される場合もある。例として[[ディヴァインvsデモニック]]の[[Demonic Tutor]]が挙げられる。
 
逆にいえば再録禁止カードに指定していなければ、たとえ[[禁止カード]]に指定されているほど強力なカードでも再録される場合もある。例として[[ディヴァインvsデモニック]]の[[Demonic Tutor]]が挙げられる。
  
 
== 問題点 ==
 
== 問題点 ==
[[カードパワー]]に問題が無い、[[再録]]されるにふさわしい[[カード]]までもが対象とされているため、現在ではこのリストの存在が[[R&D]]にとって目の上のこぶとなってしまっている。
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[[カードパワー]]に問題が無い、再録されるにふさわしいカードまでもが対象とされているため、現在ではこのリストの存在が[[R&D]]にとって目の上のこぶとなってしまっている。
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*[[第9版]]における[[税収/Tithe]]や、[[スカージ]]における[[鉤爪のジィーリィーラン/Zirilan of the Claw]]などは開発中にその名前があがったが、再録禁止であるために収録が見送られている。
 
*[[第9版]]における[[税収/Tithe]]や、[[スカージ]]における[[鉤爪のジィーリィーラン/Zirilan of the Claw]]などは開発中にその名前があがったが、再録禁止であるために収録が見送られている。
  
過去のすべての[[エキスパンション]]から、その時点で再録された経験の無い[[カード]]を[[再録]]しようと試みた[[第8版]]では、それらの選定に苦労したという。その中でも[[フォールン・エンパイア]]のカードの選定には特に骨を折ったとのこと(最終的に[[オークのスパイ/Orcish Spy]]が選ばれた)。
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過去のすべての[[エキスパンション]]から、その時点で再録された経験の無いカードを再録しようと試みた[[第8版]]では、それらの選定に苦労したという。その中でも[[フォールン・エンパイア]]のカードの選定には特に骨を折ったとのこと(最終的に[[オークのスパイ/Orcish Spy]]が選ばれた)。
  
[[R&D]]はもちろんのこと、過去の優秀な[[カード]]の[[再録]]を望む[[プレイヤー]]にとっても邪魔でしかないが、逆にこれらのカードを扱うショップや投資家にとっては生命線である。そのため、もしこれを撤廃した場合、[[ウィザーズ社]]が社会的な信用を落とすことは間違いなく、訴訟社会であるアメリカにおいては命取りになりかねない。
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R&Dはもちろんのこと、過去の優秀な[[カード]]の再版を望む[[プレイヤー]]にとっても邪魔でしかないが、逆にこれらのカードを扱うショップや投資家にとっては生命線である。そのため、もしこれを撤廃した場合、ウィザーズ社が社会的な信用を落とすことは間違いなく、訴訟社会であるアメリカにおいては命取りになりかねない。
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== 再版ポリシーの歴史 ==
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;再版ポリシーの制定まで (-1996年)
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:昔のセットからの再録は[[リバイズド]]の頃から行われていたが、その頃はマジックがまだそれほど有名でなかったことから再録は問題視されていなかった。
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:しかし、[[第4版]]および[[クロニクル]](特にクロニクル)の発売により問題が顕在化する。[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]などに収録された当時の高額カードが再録により暴落し、セカンダリー・マーケットは大打撃を受けることになった。特に[[エルダー|エルダー・ドラゴン]]や[[殺人蜂/Killer Bees]]などの[[レア]]カードが[[アンコモン]]として再録され、大量に流通するようになった点が大きかった。プレイヤーやコレクターの大反発に対して、ウィザーズ社は「Reserved List(再録禁止リスト)」の発表を決める。
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;最初期の再版ポリシー (1996年3月-1999年9月)
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:最初に発表された再録禁止カードのリストは「第4版に収録されなかった[[アルファ]]/[[ベータ]]の全カード」、「[[白枠]](リバイズド、第4版、クロニクル)で再録されたことのない[[アラビアンナイト]]および[[アンティキティー]]の[[アンコモン]][[レア]]」、「白枠で再録されたことのないレジェンドおよび[[ザ・ダーク]]の[[レア]]」から構成された。
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:また、今後の再録方針として「クロニクルと[[フォールン・エンパイア]]以降の[[エキスパンション]]の最も[[稀少度]]が高いカードの白枠での再録は25%を超えないようにする」とされ、次の[[基本セット]]に収録されなかったそれらのセットのレアは再録禁止カードに追加されることが告知された。
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:[[第5版]]発売時には[[フォールンエンパイア]]、[[ホームランド]]、[[アライアンス]]の第5版に再録されなかったカードが、[[第6版]]では[[ミラージュ・ブロック]]の第6版に再録されなかったカードが再録禁止カードに追加された(なお、[[アイスエイジ]]は2002年の改定までリストに追加し忘れていた)。
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:*全文は[http://web.archive.org/web/19961219080741/http://www.wizards.com/Magic/Magic_reprint_policy.html Magic:the Gathering® Reprint Policy] (Internet Archive)から閲覧できる。
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;1999年の改定 (1999年10月-2002年7月)
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:第6版発売に際し再版ポリシーが改定され、[[メルカディアン・マスクス]]以降のカードは元々の[[絵|イラスト]]のまま黒枠で再版できるように変更された。[[プレミアム・カード]]がポリシーの対象外として明記されるようになったのもこの頃からである。
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:*全文は[http://web.archive.org/web/19991128232418/http://www.wizards.com/magic/Reprint_Policy.asp Magic: The Gathering® Card Reprint Policy] (Internet Archive)から閲覧できる。
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;2002年の改定 (2002年7月-2010年3月)
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:2002年3月1日に[[Randy Buehler]]はコラム「[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/rb9 Reexamining Reprints]」で再版ポリシーに関する考察を発表し、その中で「[[リミテッド・エディション]]の[[コモン]]と[[アンコモン]]を再版できるようにするべきか?」のアンケートを募った。その後、2002年7月19日に同氏のコラム「[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/daily/rb29 The New Reprint Policy]([http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/jpinfo/20020808a 邦訳])」で再版ポリシーの改定が発表された。
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:この改定で、これまでのポリシー通り、[[第7版]]に再録されなかった[[テンペスト・ブロック]]、[[ウルザ・ブロック]]のレアカードが再録禁止カードに追加された。また、ユーザーの強い要望(先述のアンケートで91%の賛成票があった)からリミテッド・エディションのコモンとアンコモンが再録禁止カードから除外された。そして、カード枠に関するポリシーが廃止されるとともに、今後再録禁止リストは更新されないことが発表された。
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:*2002年9月発売の[[オンスロート]]で早速、再録禁止カードから除外された[[クローン/Clone]]が再録された。
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;2010年の改定 (2010年3月-現在)
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:プレミアム・カードは再版ポリシーの対象外であることから、プレミアム・カード限定ならば再録禁止カードを再版することが可能であった。この例外事項を適用した最初のカードは[[ジャッジ褒賞|ジャッジプロモ]]の[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]であった。この例外事項が適用された商品は[[ファイレクシアvsドミナリア連合]]と[[From the Vault:Relics]]のみである。
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:この例外事項による再録禁止カードの形骸化を懸念する声から、2010年3月に、2010年中にプレミアム・カードで再版される再録禁止カードのリストを挙げた上で、「2011年以降はプレミアム・カードのみによる再録も行わない」と発表した(→[http://wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/other/031810a Revised Reprint Policy]参照)。
  
 
== その他 ==
 
== その他 ==
 
再録禁止カードは、それらの価値を著しく落とすのでないかぎり、それに指定された[[カード]]の[[リメイク]]や[[上位互換]]の収録に対する拘束力を持たない。たとえば[[余韻/Reverberate]]は再録禁止カードである[[Fork]]とほぼ同じ機能を持っているし、[[ヴェクの教区/Vec Townships]]は、同じく再録禁止カードである[[Veldt]]に対してほぼ上位互換といえる。また、[[次元の混乱]]の[[タイムシフト]]では、再録禁止カードに指定されたカードの一部が[[マナ・コスト]]と[[カード名]]を変えて収録された。
 
再録禁止カードは、それらの価値を著しく落とすのでないかぎり、それに指定された[[カード]]の[[リメイク]]や[[上位互換]]の収録に対する拘束力を持たない。たとえば[[余韻/Reverberate]]は再録禁止カードである[[Fork]]とほぼ同じ機能を持っているし、[[ヴェクの教区/Vec Townships]]は、同じく再録禁止カードである[[Veldt]]に対してほぼ上位互換といえる。また、[[次元の混乱]]の[[タイムシフト]]では、再録禁止カードに指定されたカードの一部が[[マナ・コスト]]と[[カード名]]を変えて収録された。
  
[[時のらせん]]には、[[マナ]]を[[支払う]]ことで再録禁止カードに指定されている[[クリーチャー]]に[[クリーチャー化|変化]]する[[アーティファクト]]の[[サイクル]]が収録された(⇒[[雷のトーテム像/Thunder Totem]])。これは[[能力]]の幅を狭めることなく、セカンダリー・マーケットにも配慮しつつ古参の[[プレイヤー]]にもアピールできる名案といえるだろう。
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[[時のらせん]]には、[[マナ]]を[[支払う]]ことで再録禁止カードに指定されている[[クリーチャー]]に[[クリーチャー化|変化]]する[[アーティファクト]]の[[サイクル]]が収録された(→[[雷のトーテム像/Thunder Totem]])。これは[[能力]]の幅を狭めることなく、セカンダリー・マーケットにも配慮しつつ古参の[[プレイヤー]]にもアピールできる名案といえるだろう。
 
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以前の方針では、再録禁止カードは「[[プレミアム・カード]]でない、公式の[[トーナメント]]使用可能な[[カード]]」にのみ適用される、としていた。[[Super Secret Tech]]のようにプレミアム・カードしか存在しないカードとして[[再録]]することは、理論上は可能であった。実際に2007年には再録禁止カードである[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]が[[ジャッジ褒賞]]の[[プロモーション・カード]]となった。
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2010年には[[ファイレクシアvsドミナリア連合]]に[[ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator]]が、[[From the Vault:Relics]]に[[記憶の壺/Memory Jar]]を始めとした幾つかの再録禁止カードがプレミアム・カードで再録されることがアナウンスされた。しかし再録禁止カードの形骸化を懸念する声から、2010年3月、ウィザーズ社は「2011年以降はプレミアム・カードのみによる再録も行わない。」と発表した。
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紙媒体でない[[Magic Online]]はこの制限を受けない。Magic Online専用エキスパンションである[[Masters Edition]]シリーズには再録禁止カードも多数再録されている。
 
紙媒体でない[[Magic Online]]はこの制限を受けない。Magic Online専用エキスパンションである[[Masters Edition]]シリーズには再録禁止カードも多数再録されている。
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== 参考 ==
 
== 参考 ==
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/products/ReprintPolicy Official Reprint Policy](WotC)
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*[http://www.wizards.com/default.asp?x=magic/products/ReprintPolicy Official Reprint Policy] [[WotC]]、英語)
**[http://wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/other/031810a Revised Reprint Policy](WotC)
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*[[再録]]
 
*[[再録]]
 
*[[再録禁止カード一覧]]
 
*[[再録禁止カード一覧]]

2013年8月21日 (水) 01:51時点における版

再録禁止カード(Reserved Cards)は、「Official Reprint Policy(公式再版ポリシー)」に規定されている、ウィザーズ社が公式に再版を禁止しているカードのこと。またはそのようなカードの総称。

目次

概要

再録禁止カードは、それに指定されたカードの再版(再録)と、それらとカード・タイプ能力マナ・コストP/Tのすべてが一致するカードの印刷を禁止している。

現在再録禁止カードに指定されているカードはすべてウルザ・ブロック以前のレア(レアのない変則的な稀少度エキスパンションアンコモン)である。メルカディアン・マスクス以降のカードは存在せず、また現在の再録禁止カードリストが今後更新(追加はもちろん削除も含む)される予定は無いと発表されている。

  • このポリシーは物理的に印刷された、トーナメントで使用可能なマジックのカードにのみ適用される。
    • Magic Onlineなどのコンピューターゲーム上でリリースされるカードには適用されない。
    • 大判カードなど、通常のゲームプレイには使えない特別バージョンで再版される可能性はある。
  • 再録禁止カードに指定されているカードの一覧は再録禁止カード一覧を参照。

目的

勘違いされやすい点であるが、再録禁止カードは、シングルカードの販売などを行うセカンダリー・マーケットに対して、再版によって指定されたカードの価値が暴落する可能性の無いことをアピールする目的で設けられたものであり、強力なカードの再版を禁止することでゲームバランスの崩壊を防ごうとするものではない。そのため、このリストにはいわゆるカスレアなども含まれる。

逆にいえば再録禁止カードに指定していなければ、たとえ禁止カードに指定されているほど強力なカードでも再録される場合もある。例としてディヴァインvsデモニックDemonic Tutorが挙げられる。

問題点

カードパワーに問題が無い、再録されるにふさわしいカードまでもが対象とされているため、現在ではこのリストの存在がR&Dにとって目の上のこぶとなってしまっている。

過去のすべてのエキスパンションから、その時点で再録された経験の無いカードを再録しようと試みた第8版では、それらの選定に苦労したという。その中でもフォールン・エンパイアのカードの選定には特に骨を折ったとのこと(最終的にオークのスパイ/Orcish Spyが選ばれた)。

R&Dはもちろんのこと、過去の優秀なカードの再版を望むプレイヤーにとっても邪魔でしかないが、逆にこれらのカードを扱うショップや投資家にとっては生命線である。そのため、もしこれを撤廃した場合、ウィザーズ社が社会的な信用を落とすことは間違いなく、訴訟社会であるアメリカにおいては命取りになりかねない。

再版ポリシーの歴史

再版ポリシーの制定まで (-1996年)
昔のセットからの再録はリバイズドの頃から行われていたが、その頃はマジックがまだそれほど有名でなかったことから再録は問題視されていなかった。
しかし、第4版およびクロニクル(特にクロニクル)の発売により問題が顕在化する。レジェンドなどに収録された当時の高額カードが再録により暴落し、セカンダリー・マーケットは大打撃を受けることになった。特にエルダー・ドラゴン殺人蜂/Killer Beesなどのレアカードがアンコモンとして再録され、大量に流通するようになった点が大きかった。プレイヤーやコレクターの大反発に対して、ウィザーズ社は「Reserved List(再録禁止リスト)」の発表を決める。
最初期の再版ポリシー (1996年3月-1999年9月)
最初に発表された再録禁止カードのリストは「第4版に収録されなかったアルファ/ベータの全カード」、「白枠(リバイズド、第4版、クロニクル)で再録されたことのないアラビアンナイトおよびアンティキティーアンコモンレア」、「白枠で再録されたことのないレジェンドおよびザ・ダークレア」から構成された。
また、今後の再録方針として「クロニクルとフォールン・エンパイア以降のエキスパンションの最も稀少度が高いカードの白枠での再録は25%を超えないようにする」とされ、次の基本セットに収録されなかったそれらのセットのレアは再録禁止カードに追加されることが告知された。
第5版発売時にはフォールンエンパイアホームランドアライアンスの第5版に再録されなかったカードが、第6版ではミラージュ・ブロックの第6版に再録されなかったカードが再録禁止カードに追加された(なお、アイスエイジは2002年の改定までリストに追加し忘れていた)。
1999年の改定 (1999年10月-2002年7月)
第6版発売に際し再版ポリシーが改定され、メルカディアン・マスクス以降のカードは元々のイラストのまま黒枠で再版できるように変更された。プレミアム・カードがポリシーの対象外として明記されるようになったのもこの頃からである。
2002年の改定 (2002年7月-2010年3月)
2002年3月1日にRandy Buehlerはコラム「Reexamining Reprints」で再版ポリシーに関する考察を発表し、その中で「リミテッド・エディションコモンアンコモンを再版できるようにするべきか?」のアンケートを募った。その後、2002年7月19日に同氏のコラム「The New Reprint Policy邦訳)」で再版ポリシーの改定が発表された。
この改定で、これまでのポリシー通り、第7版に再録されなかったテンペスト・ブロックウルザ・ブロックのレアカードが再録禁止カードに追加された。また、ユーザーの強い要望(先述のアンケートで91%の賛成票があった)からリミテッド・エディションのコモンとアンコモンが再録禁止カードから除外された。そして、カード枠に関するポリシーが廃止されるとともに、今後再録禁止リストは更新されないことが発表された。
2010年の改定 (2010年3月-現在)
プレミアム・カードは再版ポリシーの対象外であることから、プレミアム・カード限定ならば再録禁止カードを再版することが可能であった。この例外事項を適用した最初のカードはジャッジプロモヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willであった。この例外事項が適用された商品はファイレクシアvsドミナリア連合From the Vault:Relicsのみである。
この例外事項による再録禁止カードの形骸化を懸念する声から、2010年3月に、2010年中にプレミアム・カードで再版される再録禁止カードのリストを挙げた上で、「2011年以降はプレミアム・カードのみによる再録も行わない」と発表した(→Revised Reprint Policy参照)。

その他

再録禁止カードは、それらの価値を著しく落とすのでないかぎり、それに指定されたカードリメイク上位互換の収録に対する拘束力を持たない。たとえば余韻/Reverberateは再録禁止カードであるForkとほぼ同じ機能を持っているし、ヴェクの教区/Vec Townshipsは、同じく再録禁止カードであるVeldtに対してほぼ上位互換といえる。また、次元の混乱タイムシフトでは、再録禁止カードに指定されたカードの一部がマナ・コストカード名を変えて収録された。

時のらせんには、マナ支払うことで再録禁止カードに指定されているクリーチャー変化するアーティファクトサイクルが収録された(→雷のトーテム像/Thunder Totem)。これは能力の幅を狭めることなく、セカンダリー・マーケットにも配慮しつつ古参のプレイヤーにもアピールできる名案といえるだろう。

紙媒体でないMagic Onlineはこの制限を受けない。Magic Online専用エキスパンションであるMasters Editionシリーズには再録禁止カードも多数再録されている。

2012年に発売されたCommander's Arsenalスリヴァーの女王/Sliver Queen銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem統率者戦向けに大判化し再録された。大判カードは認定トーナメントでは使用できないため実現された。

参考

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