パワー/タフネス

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パワー/タフネス(Power/ToughnessP/Tとも)はオブジェクトが持つ特性の1つ。パワーはクリーチャーが1回の戦闘ダメージ・ステップ割り振る戦闘ダメージの値。タフネスはクリーチャーが破壊されるために必要なダメージの最小値。要するに、そのクリーチャーの攻撃力と最大HPである。

目次

[編集] 解説

クリーチャー・カードの右下には、パワー/タフネス枠(power/toughness box)がありスラッシュ( / )で区切られた2つの数字が記されている。スラッシュの左側に書かれている数字がパワーを表し、スラッシュの右側に書かれている数字がタフネスを表す。2/3とあれば、そのクリーチャーが2のパワーと3のタフネスを持つことを示す。

  • クリーチャーのパワーが数字でなく記号「*(カードでは★)」で表わされていることがある。この場合、そのクリーチャーの特性定義能力によって値が定められる。何らかの理由でその値が定められない場合、その値は0とする。
  • ポータル系列のカードでは、パワーの値の横に剣のアイコン、タフネスの値の横に盾のアイコンが描かれている(参考:ポータル版怒り狂うゴブリン/Raging Goblinのカード画像)。
  • パワー/タフネスの上限・下限は存在せず、負の値をとることもある。
    • 例:3/3クリーチャーが-5/-0の修整を受けた場合、そのクリーチャーは-2/3となる。そのパワーを1にするのに、+1/+0の修整では不十分であり、+3/+0の修整が必要である。
    • パワーの初期値が負の値であるクリーチャーも存在する(黒焦げ鳴らし/Char-Rumbler)。
  • クリーチャーでないパーマネントはパワー/タフネスを持たない。
    • 機体のように元がクリーチャーでないカードにパワー/タフネスが記載されている場合、戦場以外ではそれは印刷されているパワー/タフネスを持つものとして扱われる。戦場にある場合、それはクリーチャーである間だけ参照される。
    • クリーチャーでないパーマネントのパワーやタフネスに影響を及ぼす効果が発生する場合、その効果は、そのパーマネントがクリーチャーでない限り何もしないが、発生する(経験豊富な操縦者/Veteran Motorist)。

[編集] ゲーム上の機能

戦闘ダメージ・ステップにおいて、攻撃クリーチャーブロック・クリーチャーの双方は、自身のパワーに等しい戦闘ダメージを割り振る。

状況起因処理において、タフネスが1以上で致死ダメージ(そのタフネスを上回るダメージ)を負っているクリーチャーは破壊される。タフネスが0以下のクリーチャーはそのオーナー墓地に置かれる

  • パワーが0以下のクリーチャーは、戦闘ダメージを割り振ることができない。負の数のパワーは、修整などによって数字が変化するとき以外は0として扱う。負の値のダメージを割り振ることはない。
  • ダメージによってタフネスが変化することはない。2/2の灰色熊/Grizzly Bearsに1点のダメージが与えられれば、それは「1点のダメージを負った2/2の灰色熊」である。2/1になるわけではない。
    • MTGアリーナでは表記を簡略化するためか、上記の状況で2/1と表示されるが厳密な表現ではないので注意。
  • タフネスが0以下のクリーチャーが状況起因処理で墓地に置かれることは破壊ではない。再生破壊不能で防ぐことはできない。
  • パワーやタフネスのルールを変更してしまうカードとして、パワーではなくタフネスで戦闘ダメージを割り振らせる包囲の塔、ドラン/Doran, the Siege Towerを始めとしたカード、タフネスではなくパワーで致死ダメージを受けたか判定させる力の具現、ジローサ/Zilortha, Strength Incarnateがある。

[編集] パワー/タフネス変更効果

パワー/タフネスは継続的効果によって変化することがある。継続的効果はいくつかの種類別に分けられ、その適用順が異なる。以下は簡易的な説明であるため、詳細については種類別の項を参照。

第7a種
パワーやタフネスを定義する特性定義能力ルアゴイフ/Lhurgoyfのようにパワーやタフネスが*/*や*/1といった形で表記される。
第7b種
基本のパワーやタフネスを特定の値にする効果。蛙変化/Turn to Frogのように「基本のパワーとタフネスは1/1になる」といった形で表記される。
第7c種
パワーやタフネスを修整する効果。巨大化/Giant Growth栄光の頌歌/Glorious Anthemなど最も普遍的に存在する。たとえいずれか片方のみであっても「+2/+0の修整を受ける」というようにパワー/タフネスがまとめて表記される。+X/+Yカウンターによる修整も含まれる。
第7d種
パワーとタフネスを「入れ替える」効果。回れ右/About Faceなど極稀れに存在する。交換とは異なる。
  • 必ず基本のパワー/タフネスを特定の値にする効果の後に修整効果が適用されることに注意。例えば巨大化が使われたクリーチャーに後から蛙変化を使ったとしても、それは「1/1になる→+3/+3の修整を受ける」の順で適用されて4/4になる。

[編集] 基本のパワー/タフネスを参照するカード

一部のカードはクリーチャーの基本のパワーとタフネスの値が幾つであるかを参照する。これらのカードは第7b種までを適用したパワー/タフネスの値を参照する。

[編集] 旧ルール

  • クリーチャーではないがパワー/タフネスを持つカードは戦場でクリーチャーである間以外ではパワー/タフネスを持たないものとして扱われていたが、イクサランの相克発売時の総合ルール更新で戦場以外では印刷されたパワー/タフネスの値を持つよう変更された。

[編集] その他

  • クリーチャー・カードの評価の基礎となる。最終目標となるプレイヤーライフが20であることは変わらないためパワーの値の評価は黎明期から変わらないが、タフネスの値の評価はその環境除去の性能で大きく上下する。例えば稲妻/Lightning Boltを耐えられるセラの天使/Serra Angelは黎明期には安定したフィニッシャーの代表格であったが、第7版の時代には火炎舌のカヴー/Flametongue Kavuの存在によって大きく評価を落とした。またミラディンの傷跡ブロックが存在した頃のスタンダードでは四肢切断/Dismemberの存在によってタフネスが5以下のクリーチャーはのきなみ評価が低かった。
  • タフネスはしばしばRPGにおけるHPのようなものと表現されたり混同されるが、それでは誤解が生まれる場合がある。たとえば、「ダメージを負っているクリーチャーがタフネスにマイナス修整を加えられた場合」などである。このときタフネスが最大HPであると解釈してしまうと、既に与えられていたダメージがどこに行くのか、という問題が生じてしまう(多くのRPGでは現在のHPが保存されたまま最大HPが減少するだけなので尚更誤解を受けやすい)。実際には「与えられているダメージ」の値のほうが保存され、修整を受けた後のタフネスがその値を下回れば致死ダメージを受けたとみなされる。
  • パワーとタフネスが等しいことを、開発部用語で正方と呼ぶ。
  • 口頭で読み上げる場合スラッシュは省略され、1/1(いちいち)や2/2(にーにー)などと発音する。
  • 俗語ではサイズ(Size)、スタッツ/Statsと呼ばれる。
    • スタッツは元はFPSなどのビデオゲーム界隈で用いられる用語。Statisticsの略で、「統計」の意。ゲーム用語としては「キャラクターの能力/戦績一覧」などとして用いられていたことから、転じて、日本のゲームでよく使われるステータス/Statusに近い用法に変化していった。やがて国内外のDCG(デジタルカードゲーム)でも援用されるようになった。マジックにおいても公式記事[1][2]M:TG Arenaを扱ったファンサイトなどで用いられることがある。
    • 試作カード注釈文ではサイズ/Sizeの語が実際に印刷されている。
  • クリーチャーはパワー/タフネスの大きさによって小型中型大型と呼び習わされるが、明確な基準はなくマナ総量にも引っ張られることが多いため感覚的なものである。他に、クリーチャーのパワーとタフネスの差が極端に大きいときはパワーが高いものは頭でっかち、タフネスが高いものは(または尻でっかち)などとも呼ばれる。これらも上記の分類同様にどこからそう呼ぶかという明確な定義があるわけではない。
  • パワーの大きさは基本的に攻撃的な能力であるが、ブロックの際にも当然役に立つ。よって頭でっかち=攻撃要員と短絡的に考えるのは間違い。
  • タフネスの大きさは基本的に防御的な能力であるが、攻撃の際にも当然役に立つ。よって尻でっかち=ブロック要員と短絡的に考えると足を掬われる。
  • ルール用語とは関係がないが、効果が強力でゲームに与える影響が大きいカードを「パワーのあるカード」「パワーカード」と表現することがある。パワー9が最も有名だろう。

[編集] 各色の傾向

マナ域のパワー/タフネスは特に優秀。タフネスが秀でることが多い。
他の色よりパワー/タフネスは低めにデザインされる傾向がある。しかし、クラーケンの幼子/Kraken Hatchlingのようなタフネス偏重なクリーチャーや、戦闘に参加することに制限がある代わりに高いパワー/タフネスを持つクリーチャーが登場することがある。
攻撃的な性質を反映して、パワーが大きい代わりにタフネスが低い傾向が強い。との差別化のため、ラヴニカへの回帰ブロック以降はタフネス寄りのクリーチャーも存在する色として設定されている[3]ペナルティ能力を持つ代わりに高いパワー/タフネスを持つクリーチャーが登場することがある。
最も攻撃的な色であるため、パワー偏重(頭でっかち)であるカードが登場することがある。
クリーチャーの性能が最も優れる色であるため、パワー/タフネス共に秀でる。

[編集] 脚注

  1. Ask Wizards - January, 2002(Daily MTG 2002年1月) - 1月8日の回答
  2. 『モダンホライゾン』のメカニズム(Daily MTG 2019年5月31日) - Lvアップの項目
  3. Dragon Along/ドラゴンとともに(Making Magic 2013年4月22日)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

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