翻弄する魔道士/Meddling Mage
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− | 2[[マナ]]2/2([[熊 (俗称)|熊]])は立派な戦力であり、[[能力]]も尋常ではない。その時点で[[唱える|唱え]]られて一番困るカードを指定しておけば、[[対戦相手]]の戦略を大きく崩すことができる。[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]系の[[デッキ]]ならば[[除去]]を指定して攻勢を崩す隙を与えず、[[コントロール (デッキ)|コントロール]]ならば[[打ち消されない]][[呪文]]や[[エンドカード]]などを封じ込められる。[[のぞき見/Peek]]や[[記憶の欠落/Memory Lapse]]、[[差し戻し/Remand]] | + | 2[[マナ]]2/2([[熊 (俗称)|熊]])は立派な戦力であり、[[能力]]も尋常ではない。その時点で[[唱える|唱え]]られて一番困るカードを指定しておけば、[[対戦相手]]の戦略を大きく崩すことができる。[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]系の[[デッキ]]ならば[[除去]]を指定して攻勢を崩す隙を与えず、[[コントロール (デッキ)|コントロール]]ならば[[打ち消されない]][[呪文]]や[[エンドカード]]などを封じ込められる。[[のぞき見/Peek]]や[[記憶の欠落/Memory Lapse]]、[[差し戻し/Remand]]などの対戦相手がすぐに唱えそうなカードが分かるカードとも相性がよい。これを警戒して、当時の[[白]]デッキは[[神の怒り/Wrath of God]]を一部[[総くずれ/Rout]]に取り換えていたほどである。 |
− | 特に[[クロック・パーミッション]]にとっては、対戦相手の妨害と[[クロック]] | + | 特に[[クロック・パーミッション]]にとっては、対戦相手の妨害と[[クロック]]の確保を同時に達成できるため、非常に相性がよい。これだけのために[[色]]が[[タッチ|散らされる]]ほどの優秀[[ウィニー]]であり、[[パーミッション]]が[[サイドボード]]から投入することもある。 |
*2007年9月の[[オラクル]]改訂で[[クリーチャー・タイプ]]に[[人間]]が追加された。 | *2007年9月の[[オラクル]]改訂で[[クリーチャー・タイプ]]に[[人間]]が追加された。 | ||
==ルール== | ==ルール== | ||
− | *[[カード名]] | + | *[[カード名]]の指定は強制であり、指名しないことはできない。もっとも、指名しないことに戦略上の利点はない。 |
*指名は[[戦場に出る]]際に機能する[[常在型能力]]であり、[[誘発型能力]]ではない。指名されるのに[[対応して]]唱えることはできないし、[[もみ消し/Stifle]]することもできない。 | *指名は[[戦場に出る]]際に機能する[[常在型能力]]であり、[[誘発型能力]]ではない。指名されるのに[[対応して]]唱えることはできないし、[[もみ消し/Stifle]]することもできない。 | ||
− | * | + | *これは翻弄する魔道士の[[コントローラー]]を含めたすべての[[プレイヤー]]が影響を受ける。 |
*これで、[[カード]]の[[コピー]]を唱えることは禁止できない。コピーは(通常)カードではない。 | *これで、[[カード]]の[[コピー]]を唱えることは禁止できない。コピーは(通常)カードではない。 | ||
*呪文のコピーを[[スタック]]に置くことはカードを唱えることではないので、この[[効果]]の制約を受けることはない。 | *呪文のコピーを[[スタック]]に置くことはカードを唱えることではないので、この[[効果]]の制約を受けることはない。 | ||
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**例えば、[[火+氷/Fire+Ice]]を禁止したい場合、「火+氷」と指定する。そうすれば、火でも氷でも唱えられなくなる。火だけ、氷だけ禁止するといったことはできない。 | **例えば、[[火+氷/Fire+Ice]]を禁止したい場合、「火+氷」と指定する。そうすれば、火でも氷でも唱えられなくなる。火だけ、氷だけ禁止するといったことはできない。 | ||
**[[インベイジョン・ブロック]]の初期は、分割カードの扱いが異なり、どちらか一方の名前しか指定できなかった。当然、禁止されなかった方は問題なく唱えられた。 | **[[インベイジョン・ブロック]]の初期は、分割カードの扱いが異なり、どちらか一方の名前しか指定できなかった。当然、禁止されなかった方は問題なく唱えられた。 | ||
− | *[[反転カード]]や[[両面カード]]を禁止したい場合、[[反転]]前後/[[正面]][[背面]]の名前どちらも指定できるが、実質的に反転前/正面の名前を指定しなければ意味がない。なぜなら、呪文として唱えられる際にはすべて反転前/正面の状態であり、呪文の状態で反転後/背面の名前を使用するカードは存在しないからである。→[[カード名]] | + | *[[反転カード]]や[[両面カード]]を禁止したい場合、[[反転]]前後/[[正面]]・[[背面]]の名前どちらも指定できるが、実質的に反転前/正面の名前を指定しなければ意味がない。なぜなら、呪文として唱えられる際にはすべて反転前/正面の状態であり、呪文の状態で反転後/背面の名前を使用するカードは存在しないからである。→[[カード名]] |
==インビテーショナルカード== | ==インビテーショナルカード== | ||
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*[[ジャッジ褒賞]]カードとして[[Nottsuo]]による新イラスト版が存在する。 | *[[ジャッジ褒賞]]カードとして[[Nottsuo]]による新イラスト版が存在する。 | ||
*[[タイムシフト]]として[[再録]]が検討されていたが、[[待機]]対策としては[[軽い|軽さ]]に対して効果があまりに強力すぎたため、見送られた。 | *[[タイムシフト]]として[[再録]]が検討されていたが、[[待機]]対策としては[[軽い|軽さ]]に対して効果があまりに強力すぎたため、見送られた。 | ||
− | **新しいメカニズムを台無しにしかねないカードだったとはいえ、他のインビテーショナル・カードである[[影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator]]、[[なだれ乗り/Avalanche Riders]]、[[非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy]]が揃って再録されたなかで、これが再録できなかったことは、[[WotC]]にとって非常に苦しい選択であったことが伺える。→参考:[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/af139 Not Their Time] | + | **新しいメカニズムを台無しにしかねないカードだったとはいえ、他のインビテーショナル・カードである[[影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator]]、[[なだれ乗り/Avalanche Riders]]、[[非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy]]が揃って再録されたなかで、これが再録できなかったことは、[[WotC]]にとって非常に苦しい選択であったことが伺える。→参考:[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/af139 Not Their Time]([[WotC]]、英語)、[http://bastermtg.blog117.fc2.com/blog-entry-403.html お呼びでない?](和訳) |
− | **そのわりに、待機カードに対する強烈な牽制になる[[ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir]] | + | **そのわりに、待機カードに対する強烈な牽制になる[[ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir]]が同[[エキスパンション]]に収録されている。 |
*時のらせんでは再録を逃したが、[[アラーラ再誕]]で再録された。{{Gatherer|id=196105|イラスト}}はどうみても女性であり、ピキュラの面影すら残っていない。 | *時のらせんでは再録を逃したが、[[アラーラ再誕]]で再録された。{{Gatherer|id=196105|イラスト}}はどうみても女性であり、ピキュラの面影すら残っていない。 | ||
− | + | *「カード名を指定し、それを封じる」主な亜種は、[[虚空石のガーゴイル/Voidstone Gargoyle]]、[[エンチャント]]版の[[金輪際/Nevermore]]や[[失敗の宣告/Declaration of Naught]]。呪文ではなく[[起動型能力]]を封じるものは[[真髄の針/Pithing Needle]]なども。 | |
− | * | + | *さらなる亜種に、カード名以外を参照して制限するクリーチャーも。[[色]]を見る[[エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria]]、クリーチャー以外の呪文の[[点数で見たマナ・コスト]]を見る[[ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg]]、[[アーティファクト]]か否かを見る[[エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist]]あたりが有名。 |
− | *さらなる亜種に、カード名以外を参照して制限するクリーチャーも。[[色]]を見る[[エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria]]、クリーチャー以外の呪文の[[点数で見たマナ・コスト]]を見る[[ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg]]、[[アーティファクト]] | + | |
==参考== | ==参考== |
2012年2月18日 (土) 13:37時点における版
Meddling Mage / 翻弄する魔道士 (白)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
翻弄する魔道士が戦場に出るに際し、土地でないカード名を1つ選ぶ。
選ばれた名前を持つ呪文は唱えられない。
2マナ2/2(熊)は立派な戦力であり、能力も尋常ではない。その時点で唱えられて一番困るカードを指定しておけば、対戦相手の戦略を大きく崩すことができる。ビートダウン系のデッキならば除去を指定して攻勢を崩す隙を与えず、コントロールならば打ち消されない呪文やエンドカードなどを封じ込められる。のぞき見/Peekや記憶の欠落/Memory Lapse、差し戻し/Remandなどの対戦相手がすぐに唱えそうなカードが分かるカードとも相性がよい。これを警戒して、当時の白デッキは神の怒り/Wrath of Godを一部総くずれ/Routに取り換えていたほどである。
特にクロック・パーミッションにとっては、対戦相手の妨害とクロックの確保を同時に達成できるため、非常に相性がよい。これだけのために色が散らされるほどの優秀ウィニーであり、パーミッションがサイドボードから投入することもある。
- 2007年9月のオラクル改訂でクリーチャー・タイプに人間が追加された。
ルール
- カード名の指定は強制であり、指名しないことはできない。もっとも、指名しないことに戦略上の利点はない。
- 指名は戦場に出る際に機能する常在型能力であり、誘発型能力ではない。指名されるのに対応して唱えることはできないし、もみ消し/Stifleすることもできない。
- これは翻弄する魔道士のコントローラーを含めたすべてのプレイヤーが影響を受ける。
- これで、カードのコピーを唱えることは禁止できない。コピーは(通常)カードではない。
- 呪文のコピーをスタックに置くことはカードを唱えることではないので、この効果の制約を受けることはない。
- 分割カードを禁止したい場合、両方の部分の名前を指定しなければならない。どちらを唱えることも禁止される。
- 例えば、火+氷/Fire+Iceを禁止したい場合、「火+氷」と指定する。そうすれば、火でも氷でも唱えられなくなる。火だけ、氷だけ禁止するといったことはできない。
- インベイジョン・ブロックの初期は、分割カードの扱いが異なり、どちらか一方の名前しか指定できなかった。当然、禁止されなかった方は問題なく唱えられた。
- 反転カードや両面カードを禁止したい場合、反転前後/正面・背面の名前どちらも指定できるが、実質的に反転前/正面の名前を指定しなければ意味がない。なぜなら、呪文として唱えられる際にはすべて反転前/正面の状態であり、呪文の状態で反転後/背面の名前を使用するカードは存在しないからである。→カード名
インビテーショナルカード
このカードはインビテーショナル00春優勝者、Chris Pikulaによってデザインされたインビテーショナルカードである。
本人のデザインよりも強くなった最初のインビテーショナルカード。というのも、提出されたデザインが例年の物と比べいささか地味であったため。以下に示すのがその元のデザイン。
非公式/非実在カード
The Meddler (2)(青)クリーチャー
The Meddlerが場に出るに際し、呪文の名前を1つ指定する。
The Meddlerを生け贄に捧げる:指定された呪文を打ち消す。
- フレイバー・テキストは、Chris Pikula氏がゲーム終了後などに大声で解説を始めることからきているらしい。
翻弄する魔道士はあまりにも大きな声で詠唱するので、誰もそこに呪文を差しはさむことができないんだ。
その他
- アンヒンジドのMeddling Kidsはこれのパロディ。
- ジャッジ褒賞カードとしてNottsuoによる新イラスト版が存在する。
- タイムシフトとして再録が検討されていたが、待機対策としては軽さに対して効果があまりに強力すぎたため、見送られた。
- 新しいメカニズムを台無しにしかねないカードだったとはいえ、他のインビテーショナル・カードである影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator、なだれ乗り/Avalanche Riders、非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigyが揃って再録されたなかで、これが再録できなかったことは、WotCにとって非常に苦しい選択であったことが伺える。→参考:Not Their Time(WotC、英語)、お呼びでない?(和訳)
- そのわりに、待機カードに対する強烈な牽制になるザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfirが同エキスパンションに収録されている。
- 時のらせんでは再録を逃したが、アラーラ再誕で再録された。イラストはどうみても女性であり、ピキュラの面影すら残っていない。
- 「カード名を指定し、それを封じる」主な亜種は、虚空石のガーゴイル/Voidstone Gargoyle、エンチャント版の金輪際/Nevermoreや失敗の宣告/Declaration of Naught。呪文ではなく起動型能力を封じるものは真髄の針/Pithing Needleなども。
- さらなる亜種に、カード名以外を参照して制限するクリーチャーも。色を見るエメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria、クリーチャー以外の呪文の点数で見たマナ・コストを見るガドック・ティーグ/Gaddock Teeg、アーティファクトか否かを見るエーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonistあたりが有名。
参考
- From Kuala Lumpur to Planeshift, the making of a Magic card(サイドボードオンライン、英語)
- カード個別評価:アラーラ再誕 - レア
- カード個別評価:プレーンシフト - レア