World Championship Decks 2002
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− | [[世界選手権02]]の上位[[デッキ]]を製品化したもの。[[金枠]]。[[環境]]は[[第7版]]、[[インベイジョン・ブロック]]、[[オデッセイ・ブロック]]。 | + | '''World Championship Decks 2002'''は、[[世界選手権02]]の上位[[デッキ]]を製品化したもの。[[金枠]]。[[環境]]は[[第7版]]、[[インベイジョン・ブロック]]、[[オデッセイ・ブロック]]。 |
− | *優勝 | + | *優勝 Carlos Romão のデッキ([[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]) |
− | *11位 | + | *11位 Brian Kibler のデッキ([[レッドゾーン|レッドゾーン2K2]]) |
− | *16位 | + | *16位 Raphael Levy のデッキ([[青緑スレッショルド#オデッセイ・ブロック期|青緑スレッショルド]]) |
− | *5位 | + | *5位 Sim Han How のデッキ([[リス対立#オデッセイ・ブロック期|リス対立]]) |
*見ての通り、ベスト8以外のデッキが製品化されている。 | *見ての通り、ベスト8以外のデッキが製品化されている。 | ||
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− | ==Carlos Romão | + | ==Carlos Romão のサイカトグ== |
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− | 右を向いても左を向いても[[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]が溢れ、「サイカの夏」と揶揄された[[世界選手権02]]を制覇したのはやはり、ブラジルの[[Carlos Romao]]操るサイカトグであった。 | + | *右を向いても左を向いても[[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]が溢れ、「サイカの夏」と揶揄された[[世界選手権02]]を制覇したのはやはり、ブラジルの[[Carlos Romao]]操るサイカトグであった。 |
− | + | *[[デッキ]]は、序盤を[[軽い]][[打ち消す|カウンター]]と[[除去]]で凌ぎ、中盤を[[引く|ドロー]]と[[確定カウンター]]で組み立て、[[マナ]]が十分に溜まったら[[枯渇/Mana Short]]([[狡猾な願い/Cunning Wish]]から持ってくる)→[[激動/Upheaval]]→[[サイカトグ/Psychatog]]でフィニッシュする、正に王道中の王道ともいえるサイカトグである。しかし、王道だからこその強みを発揮し続け、最終戦、[[Mark Ziegner]]の[[パイロトグ|タッチ赤サイカトグ]]を3-2で下し、2002年の王者に輝いた。 | |
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− | + | *「[[多色]]の常で安定性は落ちてしまうが、それでもこの[[色]]にすべきだった」とブライアンは言う。[[ステロイド#オデッセイ・ブロック期|ステロイド]]達はその圧倒的な攻撃力で[[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]を食い物にしていたが、「ステロの敵はステロ」という言葉通り、そこかしこで[[ミラーマッチ]]が発生し、平凡なステロイドはどんどん沈んで行った。しかし、[[象]][[トークン]]を一方的に倒す[[藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper]]や[[火力]]も[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]もはじく[[栄光/Glory]]の存在などによって、レッドゾーンは対[[ステロイド]]においても一歩抜きん出ることに成功したのである。 | |
− | 「[[多色]]の常で安定性は落ちてしまうが、それでもこの[[色]]にすべきだった」とブライアンは言う。[[ステロイド#オデッセイ・ブロック期|ステロイド]]達はその圧倒的な攻撃力で[[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]を食い物にしていたが、「ステロの敵はステロ」という言葉通り、そこかしこで[[ミラーマッチ]]が発生し、平凡なステロイドはどんどん沈んで行った。しかし、[[象]][[トークン]]を一方的に倒す[[藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper]]や[[火力]]も[[ブロック (ルール用語)|ブロック]]もはじく[[栄光/Glory]]の存在などによって、レッドゾーンは対[[ステロイド]]においても一歩抜きん出ることに成功したのである。 | + | |
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− | この[[デッキ]] | + | *この[[デッキ]]は後に[[Raphael Levy]]によって「レ・ワンダー・グース」と名付けられている。その由来は言うまでもなく、活躍した[[野生の雑種犬/Wild Mongrel]]、[[不可思議/Wonder]] 、[[敏捷なマングース/Nimble Mongoose]]の三傑のことだ。 |
− | + | *ほとんど[[オデッセイ・ブロック]]の[[カード]]のみで占められているこのデッキは、その内容も[[スレッショルド]]、[[共鳴者]]、[[インカーネーション]]などの[[ギミック]]満載であり、「[[オデッセイ・ブロック]]の魅力を余すところ無く詰め込みたかった」というラファエルの言葉通りである。[[入念な研究/Careful Study]]や[[留意/Mental Note]]が[[レガシー]]で健在であることを考えれば、[[引く|ドロー]][[カード]]として、これらはかなりのポテンシャルを誇っているといえるだろう。また[[墓地]]攻撃を何よりも恐れるが故の[[サイドボード]]の[[たい肥/Compost]]4積みは、当時の青緑スレッショルドの基本である。 | |
− | ほとんど[[オデッセイ・ブロック]]の[[カード]]のみで占められているこのデッキは、その内容も[[スレッショルド]]、[[共鳴者]]、[[インカーネーション]]などの[[ギミック]]満載であり、「[[オデッセイ・ブロック]]の魅力を余すところ無く詰め込みたかった」というラファエルの言葉通りである。[[入念な研究/Careful Study]]や[[留意/Mental Note]]が[[レガシー]]で健在であることを考えれば、[[ドロー]][[カード]]として、これらはかなりのポテンシャルを誇っているといえるだろう。また[[墓地]]攻撃を何よりも恐れるが故の[[サイドボード]]の[[たい肥/Compost]]4積みは、当時の青緑スレッショルドの基本である。 | + | |
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− | 当時から[[リス対立#オデッセイ・ブロック期|リス対立]]はある種の閉塞感を抱えていた。すなわち「中速である」ということ。リス対立は完全に[[ロック]]をかけることが困難であるため、ある程度縛っている間にさっさと殴り勝ってしまわなければならない。そのために[[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]のようにどっしり構えることも、[[青緑マッドネス|マッドネス]]や[[マッドステロ]]のように急激に攻め立てることもできず、どっちつかずな感があった。 | + | *当時から[[リス対立#オデッセイ・ブロック期|リス対立]]はある種の閉塞感を抱えていた。すなわち「中速である」ということ。リス対立は完全に[[ロック]]をかけることが困難であるため、ある程度縛っている間にさっさと殴り勝ってしまわなければならない。そのために[[サイカトグ#インベイジョン・ブロック+オデッセイ・ブロック期|サイカトグ]]のようにどっしり構えることも、[[青緑マッドネス|マッドネス]]や[[マッドステロ]]のように急激に攻め立てることもできず、どっちつかずな感があった。 |
− | + | *Sim Han Howマレーシアの王者との呼び声高い[[Sim Han How]]が、この大会において選択したのはそんな[[タッチ]][[赤]]の[[リス対立]]である。「だから攻撃力を特化させて[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]側についた。いわばこれは[[引く|ドロー]]や[[打ち消す|カウンター]]に[[ボードコントロール|パーマネント操作]]ができるようになった[[ステロイド#オデッセイ・ブロック期|ステロイド]]なんだ」と本人が言うように、[[マナ・クリーチャー]]から高速[[展開]]される[[ファッティ]]と[[対立/Opposition]]を止め切った者は少ない。 | |
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==参考== | ==参考== |
2010年12月16日 (木) 22:49時点における版
World Championship Decks 2002は、世界選手権02の上位デッキを製品化したもの。金枠。環境は第7版、インベイジョン・ブロック、オデッセイ・ブロック。
- 優勝 Carlos Romão のデッキ(サイカトグ)
- 11位 Brian Kibler のデッキ(レッドゾーン2K2)
- 16位 Raphael Levy のデッキ(青緑スレッショルド)
- 5位 Sim Han How のデッキ(リス対立)
目次 |
Carlos Romão のサイカトグ
メインデッキ | サイドボード | ||
---|---|---|---|
クリーチャー (8) | 1 | 棺の追放/Coffin Purge | |
4 | 夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar | 4 | 強迫/Duress |
4 | サイカトグ/Psychatog | 1 | 嘘か真か/Fact or Fiction |
呪文 (28) | 1 | 反論/Gainsay | |
3 | チェイナーの布告/Chainer's Edict | 3 | 恐ろしい死/Ghastly Demise |
3 | 堂々巡り/Circular Logic | 1 | 冬眠/Hibernation |
4 | 対抗呪文/Counterspell | 1 | 枯渇/Mana Short |
3 | 狡猾な願い/Cunning Wish | 1 | はね返り/Recoil |
3 | 綿密な分析/Deep Analysis | 1 | 殺戮/Slay |
3 | 嘘か真か/Fact or Fiction | 1 | テフェリーの反応/Teferi's Response |
3 | 記憶の欠落/Memory Lapse | ||
4 | 排撃/Repulse | ||
2 | 激動/Upheaval | ||
土地 (24) | |||
2 | セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum | ||
1 | ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs | ||
10 | 島/Island | ||
4 | 塩の湿地/Salt Marsh | ||
3 | 沼/Swamp | ||
4 | 地底の大河/Underground River |
- 右を向いても左を向いてもサイカトグが溢れ、「サイカの夏」と揶揄された世界選手権02を制覇したのはやはり、ブラジルのCarlos Romao操るサイカトグであった。
- デッキは、序盤を軽いカウンターと除去で凌ぎ、中盤をドローと確定カウンターで組み立て、マナが十分に溜まったら枯渇/Mana Short(狡猾な願い/Cunning Wishから持ってくる)→激動/Upheaval→サイカトグ/Psychatogでフィニッシュする、正に王道中の王道ともいえるサイカトグである。しかし、王道だからこその強みを発揮し続け、最終戦、Mark Ziegnerのタッチ赤サイカトグを3-2で下し、2002年の王者に輝いた。
Brian Kiblerのレッドゾーン2K2
- Brian Kiblerを第11位にランクインさせたこのデッキはリースカラーのマッドステロ、通称「レッドゾーン」である。元来のマッドステロに白を加え、より攻撃力と柔軟性を底上げしたタイプだ。
- 「多色の常で安定性は落ちてしまうが、それでもこの色にすべきだった」とブライアンは言う。ステロイド達はその圧倒的な攻撃力でサイカトグを食い物にしていたが、「ステロの敵はステロ」という言葉通り、そこかしこでミラーマッチが発生し、平凡なステロイドはどんどん沈んで行った。しかし、象トークンを一方的に倒す藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopperや火力もブロックもはじく栄光/Gloryの存在などによって、レッドゾーンは対ステロイドにおいても一歩抜きん出ることに成功したのである。
Raphael Levyの青緑スレッショルド
メインデッキ(60) | サイドボード(15) | |||
---|---|---|---|---|
8 | 森/Forest | 4 | たい肥/Compost | |
10 | 島/Island | 3 | 撹乱/Disrupt | |
4 | ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast | 3 | 幻影のケンタウロス/Phantom Centaur | |
2 | 起源/Genesis | 2 | 天啓の光/Ray of Revelation | |
4 | 敏捷なマングース/Nimble Mongoose | 2 | 排撃/Repulse | |
3 | シートンの斥候/Seton's Scout | 1 | 急流/Rushing River | |
4 | 熊人間/Werebear | |||
4 | 野生の雑種犬/Wild Mongrel | |||
4 | 不可思議/Wonder | |||
4 | 打開/Breakthrough | |||
4 | 入念な研究/Careful Study | |||
4 | 留意/Mental Note | |||
4 | ワームの咆哮/Roar of the Wurm | |||
1 | 急流/Rushing River |
- このデッキは後にRaphael Levyによって「レ・ワンダー・グース」と名付けられている。その由来は言うまでもなく、活躍した野生の雑種犬/Wild Mongrel、不可思議/Wonder 、敏捷なマングース/Nimble Mongooseの三傑のことだ。
- ほとんどオデッセイ・ブロックのカードのみで占められているこのデッキは、その内容もスレッショルド、共鳴者、インカーネーションなどのギミック満載であり、「オデッセイ・ブロックの魅力を余すところ無く詰め込みたかった」というラファエルの言葉通りである。入念な研究/Careful Studyや留意/Mental Noteがレガシーで健在であることを考えれば、ドローカードとして、これらはかなりのポテンシャルを誇っているといえるだろう。また墓地攻撃を何よりも恐れるが故のサイドボードのたい肥/Compost4積みは、当時の青緑スレッショルドの基本である。
Sim Han Howのリス対立
- 当時からリス対立はある種の閉塞感を抱えていた。すなわち「中速である」ということ。リス対立は完全にロックをかけることが困難であるため、ある程度縛っている間にさっさと殴り勝ってしまわなければならない。そのためにサイカトグのようにどっしり構えることも、マッドネスやマッドステロのように急激に攻め立てることもできず、どっちつかずな感があった。
- Sim Han Howマレーシアの王者との呼び声高いSim Han Howが、この大会において選択したのはそんなタッチ赤のリス対立である。「だから攻撃力を特化させてビートダウン側についた。いわばこれはドローやカウンターにパーマネント操作ができるようになったステロイドなんだ」と本人が言うように、マナ・クリーチャーから高速展開されるファッティと対立/Oppositionを止め切った者は少ない。
参考
- World Championship Decks 2003(ウィザーズ公式)
- 2002 World Championship(サイドボード オンライン)
- World Championship Standard Decks(WotC、文:Mike Flores)
- カードセット一覧