黒の万力/Black Vise
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アーティファクト
黒の万力が戦場に出るに際し、対戦相手を1人選ぶ。
選ばれたプレイヤーのアップキープの開始時に、黒の万力はそのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、そのプレイヤーの手札のカードの枚数引く4である。
第4版まで存在していた、手札の数を参照するダメージアーティファクト。驚異的なダメージ効率を誇り、最初期の「マジック運ゲー」を象徴するカードでもある。
低コストで戦場に出すことができ、先攻でならば相手にほぼ確実に3点のダメージを与えることができる。パーミッションなどの低速コントロールデッキには土地をプレイする以外に手札を減らすことは難しいので、次のターンにさらに3点ダメージを食らってしまう。速攻デッキでさえ9点前後のダメージを食らうことも珍しくなく、Chris PikulaはこのカードをFree Three Bolt(無料の稲妻/Lightning Bolt3発)と称していた。
そして、暗黒の儀式/Dark Ritualのマナ加速から最序盤に複数枚並べられ、吠えたける鉱山/Howling Mineが対戦相手の手札の枚数を維持し、冬の宝珠/Winter Orbなどのロックが手札の消費を困難にする。アーティファクトであるためどんなデッキにも採用でき、色によっては手札を減らす以外の対処手段が少ないという利点もある。
その名を冠したヴァイスエイジのキーカードであるのみならず、バーン・ビートダウンなどの高速デッキからプリズンなどのロックデッキまでダメージ源として幅広く採用された。
- ネクロポーテンス/Necropotenceにとって天敵と呼べるカード。カードを引く時・アップキープ開始時の両方でライフが減っていくため維持が非常に困難になる。
- 制限・禁止となった以後も"Vise"人気は衰えず、多くの調整版が作られている。いずれもマナ・コストが引き上げられており、どのようなタイプのデッキに対しても一定の対処の余地が設けられている。→#主な亜種
- 第5版では「スタンダード環境で禁止になったカードは除外する」という理由で収録されなかった(Taming the Flames(Duelist誌17号の記事))。
その嫌がらせ的な強さゆえに多くのフォーマットで制限・禁止カードに指定されている。Type1(現ヴィンテージ)では、1996年2月1日より禁止カードに指定されるが、いったん1996年4月1日に禁止解除される。その後1997年7月1日より制限カードに指定されるが、2007年6月20日に制限解除。Type1.5では1996年2月1日よりずっと禁止で、2004年9月20日よりType1.5から移行したレガシーでも続けて禁止カードに指定されている。スタンダードでは、1996年2月1日より制限カードとなるが、1997年1月1日の制限カード廃止に伴い禁止カードに指定される。エクステンデッドでもフォーマット設立当初の1997年7月1日から禁止カード。
関連カード
- 拷問台/The Rack - 3枚よりも少ない手札の枚数分のダメージを与える、条件が対称的なダメージ・アーティファクト。(アンティキティー)
- 象牙の塔/Ivory Tower - 自分に対して同様の条件でライフを回復するアーティファクト。(アンティキティー)
主な亜種
- 持てる者の檻/Misers' Cage - 手札が5枚以上の各対戦相手に2点の固定ダメージを与える。(ミラージュ)
- 鉄の処女/Iron Maiden - 黒の万力の直系のリメイク。各対戦相手に影響がある代わりに3マナ。(ウルザズ・レガシー)
- 万力機械人/Viseling - 黒の万力(正しくは鉄の処女)を内蔵したアーティファクト・クリーチャー。4マナ2/2。(ネメシス)
- 黒檀の梟の根付/Ebony Owl Netsuke - 手札が7枚以上の各対戦相手に4点の固定ダメージを与える。(神河救済)
その他
- その可愛らしい(?)イラストが有名(→ウェルカム・トゥ・ドミニア ドミニアへの招待2、レミィ・キルミスター、スタッフィー/Stuffy)。
- From the Vault:Relicsに新規イラストで収録された。こちらはかなり不気味である。
- MicroProse版マジック:ザ・ギャザリングではアップキープ時に2回誘発し、ダメージが2回入るバグがあり、凶悪さに拍車をかけている。
- 無色のカードであるアーティファクトであるのに「黒」がカード名に入っている珍しいカード。初心者が「黒(マナ)で無いと出せない」と勘違いした例もあったらしい。