ティボルトの計略/Tibalt's Trickery
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インスタント
呪文1つを対象とする。それを打ち消す。1か2か3を無作為に選ぶ。その呪文のコントローラーはその選んだ数に等しい枚数のカードを切削する。その後、その呪文と違う名前を持ち土地でないカードが追放されるまで、自分のライブラリーの一番上から1枚ずつ追放していく。そのプレイヤーはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、そのプレイヤーはそれらの追放されたカードを自分のライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
混沌の赤らしい、ギャンブル性に溢れたインスタント。対象の呪文を別の呪文に改変する。
赤が通常は行えない打ち消し呪文として相手を妨害してもよいが、打ち消した呪文より厄介な呪文が出てきては意味がない。本領を発揮するのは自分の軽い呪文を対象にして重い呪文の踏み倒しを行うコンボ的な運用となる。簡単に悪用できないよう無作為に1~3枚を切削するが、巻物棚/Scroll Rackなどでライブラリーの上から2,3枚目を土地にして4枚目に目当ての呪文が来るように積み込んだり、ティボルトの計略と踏み倒し先の重量級カード以外を土地にすることで安定して踏み倒しが行える。
様々な環境で、これを唱える事のみを目的とするソリティア系コンボデッキ「ティボルトの計略」が構築された。もっぱら1回目は束の間の開口/Temporal Apertureや霊気池の驚異/Aetherworks Marvelと同じ感覚の踏み倒しとして、2枚目以降は対戦相手の妨害に使われる。
モダン・ヒストリックでは続唱呪文からこれを必ず唱えられるようなデッキ構成にし、重量級呪文を踏み倒す、1枚コンボ型のティボルトの計略デッキが存在していた。
スタンダードでも、石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpentやトーモッドの墓所/Tormod's Cryptなどの0マナアーティファクトから発生の根本原理/Genesis Ultimatumなどを踏み倒すコンボデッキが作られた。最速2ターン目にゲームを決定しうる爆発力があるのでMTGアリーナのBO1で勝利回数による報酬を目的に猛威を振るう。しかしモダンやヒストリックとは異なり安定して狙った呪文を唱える手段がないため、勝敗にかかわらずこれを唱えたターンにゲームが終わることが多い。
禁止指定
2021年2月15日より、モダンで禁止カードに指定される[1]。勝率は高くないものの、続唱呪文を引くか否かだけで決まってしまう、ゲームにならないゲームを生み出してしまうことが問題であったため。
2021年10月14日より、ヒストリックで禁止カードに指定される[2]。ティボルトの計略デッキは初期の安定性の低いバージョンでさえ禁止のボーダーライン上にあり、混沌の辛苦/Throes of Chaosの登場により勝率・使用率ともに上昇した新しいバージョンはそのラインを踏み越えていると判断された。
脚注
- ↑ February 15, 2021 Banned and Restricted Announcement/2021年2月15日 禁止制限告知(News 2021年2月15日 Ian Duke著)
- ↑ October 13, 2021 Banned and Restricted Announcement/2021年10月13日 禁止制限告知(News 2021年10月13日 Jay Parker & Donald Smith著)