剣を鍬に/Swords to Plowshares
提供:MTG Wiki
マジック最強クラスのクリーチャー除去呪文。たった1マナで無条件にクリーチャーをゲームから取り除くのに、その反動が相手に幾らかのライフを与えるだけ。黎明期にはライフゲインが不当に重視されていたことをよく示しているカードである。
使用可能なフォーマットでは白系コントロールデッキに確実に採用されるだけでなく、このカードを入れるために白をタッチすることもあるほど。特にエターナルではその傾向が強く、単体除去の代名詞的存在となっている。
- 除去のイメージとしては、「殺す」のではなく「戦いをやめさせる」という感じである。したがって、墓地には行かず、ゲームから取り除かれるのである。
- 絶体絶命の状況におけるライフの回復のために、まれに自分のクリーチャーに向かって打つことがある。実際、プロツアーシカゴ99の決勝戦では、このプレイングによって即死級の生命吸収/Drain Lifeからギリギリで生き残り、勝利を得たマッチがあった。
- 2001年6月のフライデー・ナイト・マジックで、プロモーション・カードになった。ボール・ライトニング/Ball Lightningに続き、FNMプロモでは初めて古典作品のフレイバー・テキストをあてがわれた。
- 当時はまだゲームから取り除く効果が珍しかったこともあり、これで取り除いたカードを離れた場所に置いておいた結果、ゲーム終了後に戻し忘れてしまうプレイヤーが多かった。マジック日本語版発売開始直後だったこともあり、日本では初心者が多かったのも一因。
- コールドスナップのテーマデッキ、キイェルドー計略/Kjeldoran Cunningに収録され、現行デザインでは初お目見えとなった。
- 最強と謳われているこのカードだが、それ故当時殆どのプレイヤーが除去をこのカードに頼っていたため、たった一体のプロテクション白を止められずに多くのプレイヤーが敗れ去ったと言う話も残っている。
訳語・読み方
俗称は「ソープロ」、または「けんすき」。また、英語の頭文字からStP,StoPなどとも呼ばれる。→カードの俗称
「けんすき」の略称から「けんをすきに」と読みそうだが、公式訳は「つるぎをすきに」。「鍬」は普通「くわ」と読むことが多いが「すき」とも読む。
- イラストに描かれた農具は、持ち手の特徴から除草機能があることが知れる。「鍬(hoe)」はその機能はなく、本来は「鋤」を充てるのが妥当。意味上は「剣を鍬に」ではなく、「剣を鋤に」が正しい。
- 「剣を鋤に」は聖書「イザヤ書」の一節(2章4節)が出典。また、ミカ書4章3節にもある。「剣を鋤に、槍を刈り取り鎌に」"their swords into plowshares and their spears into pruning hooks"
- 本来はplowだけで「鋤」を表し、 plowshareは「鋤の刃」の意。語呂の良さもあり引用元の聖書の多くの和訳と同様、カード名でも「刃」は省略。慣例に従った意訳といえる。ちなみに何故鋤の”刃”かというと、一般的に鋤の柄は木製なので金属製の剣を鋳直しても刃の部分にしかならないから。
関連カード
主な亜種
さすがに強すぎたということで、以後作られた亜種はそれなりに弱められている。
- 流刑/Exile - 白でない攻撃クリーチャーに限定されたが、ライフ回復が自分に固定されている。3マナ。
- 平和の道/Path of Peace - 4マナソーサリーで破壊。オーナーが4点ライフ回復する。
- 今わの際/Last Breath - パワー2以下に限定され、コントローラーが4点ライフ回復する。2マナ。
- 懲罰/Chastise - 攻撃クリーチャーに限定されたが、自分がそのパワー分のライフを回復する。4マナ。
- 糾弾/Condemn - 攻撃クリーチャーに限定され、ライブラリーボトムに置くようになった。1マナ。
- 流刑への道/Path to Exile - コントローラーがライブラリーから基本土地を場に出せる。1マナ。