基本でない土地
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基本でない土地/Nonbasic Landは、特殊タイプ「基本」を持たない土地のこと。
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概要
文字通り、基本土地ではない土地のこと。基本土地とは異なる特殊な用途を持つ一方で、使用に際してルール面・カード性能面・他カードとの相互作用面で様々な制約が課されていることが多い。
大きく分けて、以下のようなものがある。
- 複数種類の色マナを出せるもの(多色土地) → 各種ペインランド、ショックランドなど
- 複数個のマナを出せるもの → 裏切り者の都/City of Traitors、水晶鉱脈/Crystal Veinなど
- マナ能力以外の能力を持つもの → リシャーダの港/Rishadan Port、流砂/Quicksandなど
もちろん、これらの性質を2つ以上持ち合わせる物もあるし、またこれらに当てはまらない特殊な土地も存在する。
複数種類の色マナを出せる多色土地は、物にもよるが多色デッキで重宝される。一方で、無色マナしか出せない土地は単色デッキで使用されることが多い。また、複数のマナを出す土地はコンボデッキなどのマナ加速用に昔から広く使われてきた。
特にモダンやエターナルのように豊富な多色土地が存在するフォーマットでは、基本土地をほとんど採用していないデッキというのも珍しくない。しかし以下に述べるように基本でない土地には必ず一定のリスクが伴うため、基本土地を一切採用しないということはあまりなく、数枚程度は基本土地を入れておくのが一般的である。
欠点・リスク
ルール面・性能面での制約
- 基本土地と違い4枚制限ルールに影響されるため、1つのデッキに同じカード名のカードは4枚までしか入れられない。
- 基本的に、タップインだったり、マナ能力の起動に何らかの条件やコストが必要だったり、無色マナしか生み出せなかったり、伝説の土地だったり、と言ったデメリットが課せられている。
- 基本土地同様にアンタップインかつコストやリスクなしで色マナを生み出せる基本でない土地は、リミテッド・エディション収録のデュアルランド10枚、ミラディン収録のアーティファクト・土地5枚、ゼンディカーの夜明けとカルドハイムの小道10枚、計25枚のみである。
他カードとの相互作用
- 土地をサーチするカードはほとんどが基本土地しか持ってくることができないようになっており、基本でない土地をサーチする手段は限られている。
- 基本でない土地を狙い撃ちにする対策カードも多く存在する(→対特殊地形カード)。
- 破壊するものが最も多いが、血染めの月/Blood Moonのように破壊せず無力化するものや、発展の代価/Price of Progressや世慣れたドライアド/Dryad Sophisticateのように土地そのものに影響は与えない形で対策するものもある。
- 一方で、基本土地タイプを参照する色対策カードも少なくなく、そちらに対しては基本でない土地のほうが被害が少なく済むこともある。カードプールやメタによってうまく使い分けるのがよい。
その他
- いくつかの除去には「強力だが、補填としてコントローラーに基本土地をサーチして戦場に出すことを許す効果」を持つものがある(流刑への道/Path to Exile、暗殺者の戦利品/Assassin's Trophyなど)。
基本でない土地のサイクル一覧
土地#サイクル一覧を参照。
その他
- 第9版より前の日本語訳では、「特殊地形」や「基本地形ではない土地」と表記されていた。
- 英語版では当時から変わらず"Nonbasic Land"表記である。ただし、古い時代には"Non-Basic Land"(ハイフンが入る)表記も見られた。
文章欄等のデザイン
基本でない土地の文章欄およびカード枠のデザインは他の呪文や基本土地のそれと異なり、カードの効果によって異なっている。
以下に現在の仕様に至るまでの幾多の試行錯誤・変遷の沿革を記す。
- リミテッド・エディション
- マジック初の基本でない土地(そして同時に初の2色土地)たるデュアルランドサイクルは、その文章欄に自身が生み出せる2種類の色マナを視覚的に表現するために、その2色の「しましま模様」の印刷が施されていた(Tundraのカード画像)。
- デュアルランドの項も参照。
- アラビアンナイト~ミラージュ、第4版
- アラビアンナイト以降様々な基本でない土地が登場した。文章欄及びイラストの縁枠のデザインは(現在では考えられないが)エキスパンションごとに独自のものが用意され、そのセット内の全ての基本でない土地がこれに統一されていた。色マナを生み出せる土地であっても、逆にマナを生み出すことのできない土地であっても同一の枠色であり、さらにエキスパンションごとに色が異なるため視覚的に判りづらく問題があった。
- 具体的には以下の通り。
- アラビアンナイトは「黄土色」(オアシス/Oasisのカード画像)
- アンティキティーは「茶色」(ミシュラの工廠/Mishra's Factoryのカード画像)
- レジェンドは「金色」(カラカス/Karakasのカード画像)
- ザ・ダークは「暗い紫」(イス卿の迷路/Maze of Ithのカード画像)
- フォールン・エンパイアは「赤」(ヘイヴンウッドの古戦場/Havenwood Battlegroundのカード画像)
- アイスエイジは「青」(アダーカー荒原/Adarkar Wastesのカード画像)
- アライアンスは「明るい紫」(Kjeldoran Outpostのカード画像)
- ホームランドは「青緑」(Aysen Abbeyのカード画像)
- ミラージュは「暗い緑」(氾濫原/Flood Plainのカード画像)
- 第4版で再録されたものは元カードと同じデザインで印刷されている(オアシス/Oasisのカード画像/ミシュラの工廠/Mishra's Factoryのカード画像)。
- ビジョンズ
- ビジョンズ収録のバウンスランドサイクルにて、デュアルランド以来となる色分けが行われた。白マナを生み出せるものは「白」(乾燥高原/Karooのカード画像)、青マナを生み出せるものは「青」(珊瑚礁/Coral Atollのカード画像)といった形で、特定の1色の色マナを生み出せる土地の文章欄は(基本土地と同様に)その色で着色されるようになった。
- 一方、それ以外のものはカードの効果にかかわらず(知られざる楽園/Undiscovered Paradiseのように複数種類の色マナを生み出せるものであっても)同一のデザインで印刷されている。
- ちなみに、ビジョンズ収録のバウンスランドサイクル以外の基本でない土地はミラージュと同じデザインで印刷された。
- 第5版~ウルザズ・レガシー
- 第5版ではビジョンズでの変更を踏まえ、基本でない土地のデザインの統一が行われた。特定の1色のみの色マナを生み出せる土地の文章欄はその色で、それ以外はアラビアンナイトのものに近い「黄土色」の文章欄で統一された(ヘイヴンウッドの古戦場/Havenwood Battlegroundのカード画像/アダーカー荒原/Adarkar Wastesのカード画像)。
- 第6版~スカージ
- 第6版では従来のものに加え、新たに2色土地に「グラデーション」の色分けが追加された(アダーカー荒原/Adarkar Wastesのカード画像)。どの色のマナを生み出せるのかが視覚的に明瞭となり、これにより旧枠時代の基本でない土地の枠デザインのテンプレートが完成した。
- まとめると以下の3通りのデザインで統一された。
- 特定の1色のみの色マナを生み出せる土地は「該当する色」(ヘイヴンウッドの古戦場/Havenwood Battlegroundのカード画像)
- 2色土地(フェッチランド含)は2色の「グラデーション」(アダーカー荒原/Adarkar Wastesのカード画像)
- それ以外の基本でない土地は「黄土色」(真鍮の都/City of Brassのカード画像)
- 第8版以降(現在)
- 新枠版デザインのテンプレートは制定当初から確立しており、タイプ行(および名前欄)・文章欄・ピンラインの3つの要素を用いて表現される。基本セット2015以降のカード枠になった現在も継続して用いられている。
- 具体的には以下の通り。
種類 | タイプ行 | 文章欄 | ピンライン | 備考 |
---|---|---|---|---|
色マナを生み出すマナ能力を持たない土地 | 灰色 | 進化する未開地/Evolving Wildsのカード画像 | ||
特定の1色のみの色マナを生み出すマナ能力を持つ土地 | 該当色 | ヘイヴンウッドの古戦場/Havenwood Battlegroundのカード画像 | ||
2色土地(フェッチランド含) | 灰色 | グラデーション | 溢れかえる岸辺/Flooded Strandのカード画像 | |
3色以上の色マナを生み出すマナ能力を持つ土地 | 金色 | 海辺の城塞/Seaside Citadelのカード画像 | ||
基本土地タイプを持ち、3色以上の色マナを生み出すマナ能力を持つ土地 | 基本土地タイプの色 | 金色 | つぶやき林/Murmuring Boskのカード画像 |
- しかし、虹色の眺望/Prismatic Vistaや寓話の小道/Fabled Passageのように、このテンプレートに則していないカードもごく少数存在している。