スラーグ牙/Thragtusk
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クリーチャー — ビースト(Beast)
スラーグ牙が戦場に出たとき、あなたは5点のライフを得る。
スラーグ牙が戦場を離れたとき、緑の3/3のビースト(Beast)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
戦場に出たとき・戦場を離れたときの2種類の誘発型能力を持つビースト。
戦場に出た時点で仕事をし、戦闘や除去で倒されても大きな損にならない、アドバンテージの塊のようなクリーチャー。回復量もトークンのサイズも無視できる値ではなく、特にバーンや、スライなどの高速ビートダウンはこれ1体を出されただけで大きく減速してしまう。
ただし単純な攻撃性能で見ると5マナ5/3で回避能力も無いなど、低すぎることもないが緑のクリーチャーにしては控えめ。どちらかといえば劣勢で持ちこたえたり、相手の除去に対して次々に戦力を追加して行く様な、長期戦の中盤を支える事に向いたカードである。打点を重視した前のめりなデッキなら、同じく5マナクリーチャーのウルフィーの銀心/Wolfir Silverheartに軍配が上がることも多い。
この手の能力には珍しく「死亡したとき」ではないので、追放やバウンスに強いのは魅力。また明滅との相性も抜群で、特に多色デッキにおいて、ともにシングルシンボルである修復の天使/Restoration Angelと無理なく併用できるのは大きな利点である。
リミテッドではダメージレースに大きく貢献するパワーカード。レアとアンコモンの組み合わせではあるが、咆哮するプリマドックス/Roaring Primadoxとは強烈なコンボを成立させることができる。
獣群の呼び声/Call of the Herdを思わせるその性能から構築での前評判も高かったのだが、登場時のスタンダードでは5マナと重めのカードであること、環境に存在する強力なコピーカードのせいで対戦相手に低マナで利用されやすかったこと、採用率の高かった刃の接合者/Blade Splicerによる3/3先制攻撃の壁を突破できないことなど逆風となる要素が多く、実際の活躍は出産の殻やケッシグ・ランプに少数挿される程度のものであった。その後、ローテーションとともに欠点の多くが解消され、緑を含む様々なデッキで3枚、4枚と採用されるようになってきている。
対処法
CIP能力もそうだが、戦場を離れたときの誘発型能力も非常に条件が緩いので、戦場に出た後で除去するのではほとんどの場合カード・アドバンテージを喪失してしまう。一方、5マナとやや重く、またその割にはサイズがそこまで大きくないので、いずれの対処法にしてもそこに付け入ることとなる。
最も確実なのは、戦場に出る前に処理してしまうことである。手札破壊、打ち消しの他、色が合えば殺戮遊戯/Slaughter Gamesなどもよい。特に打ち消しならテンポ・アドバンテージも獲得しやすい。
戦場に出てしまった場合、[より強力な大型クリーチャーや先制攻撃持ちを用いて戦闘で対処するのが単純かつ確実。ただしこの場合、CIP能力によるライフ・アドバンテージ差までは埋められないし、またスラーグ牙よりも重いクリーチャーではテンポ面などで不利になる点に注意が必要である。ラクドスの魔鍵/Rakdos Keyruneはこのカードに対するアンチ・カードとして高い評価を得ている。
また、直接的な除去ではなく擬似除去で押さえ込むのも手。平和な心/Pacifismやタッパー、コントロール奪取などで戦場から離すことなく対処できればトークンを生み出されることはない。特にコントロール奪取は極めて有効で、トークンを得るのはコントローラーであるため、奪っているうちに生け贄に捧げるなどしてしまえばトークンまで奪うことができる。ただしいずれの方法でも対応しての修復の天使/Restoration Angelの明滅などでたやすく対処されるため、細心の注意が必要である。
その他
- 誘発型能力の内容や誘発条件、色などに違いはあるが、真面目な身代わり/Solemn Simulacrumによく似ている。ちなみに真面目な身代わりの原案はもっとよく似ていた。
- 命の川/Stream of Lifeと比べると、凄まじいまでのアドバンテージの差がある。
- フレイバー・テキストは同じセットで登場した灼熱の槍/Searing Spearを意識したものだと思われる。タフネス自体は3点火力の範囲内でしかないが、完全に除去するには2発撃たなければならない。
「槍は2本持っておけ。」― カロニアの狩人、モクガー