流し台型デザイン
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流し台型デザイン(Kitchen-sink design)とは、能力(特に常盤木キーワード能力)を大量に詰め込んだカードデザインのことである[1]。
概要
英語の「何でもかんでも詰め込む」を意味する慣用句「everything but the kitchen sink」(流し台以外全部)に由来する。代表例である怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrathにちなんで「アクローマ」とも呼ばれる。
夜のスピリット/Spirit of the Nightや怒りの天使アクローマなど、たくさん能力を持つカードは初期から作られており、一定の人気があった。開発部もそれを認識しており、時折流し台型デザインが試されている。
カードパワーの調整が難しく、色の役割やフレイバーにより持たせられない能力もある。そのため、どの能力をもたせるかは慎重に決められている。例えば、原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawnは「白の巨大翼竜」にふさわしい能力が選抜されており、かつ絆魂は強すぎると判明したため取り除かれている。ゼタルパの開発秘話も参照のこと。
- プレインズウォーカーのように、能力を3~4つ持っているのが普通のカード・タイプやサブタイプでは使われない言葉である。
- 開発部コラムなどで引き合いに出されるのはキーワード能力を持つクリーチャーのみだが、それ以外の能力についても「流し台型デザイン」というかどうかは不明である。
- オリジナルカードの題材としても人気がある。カードを作るのは君だ!では、あらん限りのキーワード能力を得る起動型能力を持つカードは「クリーチャーを殺す」カードの次に人気だったという[2]。
- Mark Rosewaterはこのことを「私をアクローマにして/Make Me An Akroma」と呼んでおり、第1回の時点では「アクローマがみんなの頭にあったから、キーワードを全部得るアーティファクトは避けることにした」としている。これを踏まえたかどうかは不明だが、のちの未来予知でまさしく「アクローマにして」カードであるアーティファクトのアクローマの記念碑/Akroma's Memorialが作られた。
- たくさん能力がつくと思ったらそのうち一つが防衛、という大隼の仮面/Peregrine Maskのような肩透かしカードも作られている。
- 頂点壊滅獣/Apex Devastatorのように同じキーワード能力が大量につくカードも試されている。
- 銀枠ではこの用語を使った流し台の騎士/Knight of the Kitchen Sinkや、ロクな能力がないOld Fogeyといったパロディが収録されている。
- 他のカードを参照して大量にキーワード能力を得るカードについては逃亡した多相の戦士/Escaped Shapeshifterを参照。流し台デザインのカードとは非常に相性が良く、デッキとして形になることもある(→魂剥ぎ)。
- 開発部用語に「蛇口/spouts」と呼ばれるものがあるが、そちらはマナの注ぎ口といった意味。
代表例
4つ以上の常盤木キーワード能力、またはそれに準ずる頻出能力を持つか与えるものを列挙する。元祖であるアクローマに倣ってか、天使や伝説のクリーチャーが多い。
- 憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury
- 怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath
- イクシドールの理想、アクローマ/Akroma, Vision of Ixidor
- アクローマの記念碑/Akroma's Memorial
- 法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice
- 悪斬の天使/Baneslayer Angel
- 悪夢の声、ブリセラ/Brisela, Voice of Nightmares
- 彩色マンティコア/Chromanticore
- 不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince
- 探索する獣/Questing Beast
- 造反の代弁者、サムト/Samut, Voice of Dissent
- 鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind
- 夜のスピリット/Spirit of the Night
- 陽刃の天使/Sunblade Angel
- 原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn
参考
- ↑ Rivals No Other Part 3/他ならぬ『相克』 その3(Making Magic 2018年1月22日 Mark Rosewater著)
- ↑ YOU MAKE THE CARD, TOO