今わの際/Last Breath
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剣を鍬に/Swords to Plowsharesの調整版。本家と同じ追放除去なのはよいのだが、対象がパワー2以下と非常に限られている。
一見使いどころがなさそうに見えるが、初出時は冥界のスピリット/Nether Spiritや果敢な勇士リン・シヴィー/Lin Sivvi, Defiant Heroといった何度でも蘇るパワーが2以下のクリーチャーが幅を利かせていたため、それらへのピンポイント対策でも十分に使えたのである。またプレーンシフト参入後は、標的として翻弄する魔道士/Meddling Mageが増え、出番がさらに増えた。
再録されたシャドウムーア後の環境においても、包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower、傲慢な完全者/Imperious Perfect、熟考漂い/Mulldrifter、裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate、誘惑蒔き/Sower of Temptationなど優秀なパワー2以下のクリーチャーが多かったことから、それらへの対策として使われることもあった。上記のカードを使うデッキでは、不敬の命令/Profane Command、その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin、目覚ましヒバリ/Reveillarkなどのリアニメイト手段を備えているため、追放が効果的に機能するのも大きな利点。ただし同時期の白には、同じく墓地へ送らない単体除去である糾弾/Condemnや忘却の輪/Oblivion Ringなどがあるため、汎用性の面で勝るそちらが優先されることが多かった。
テーロスで再録された際は、通常の除去ではトークンを残してしまう復活の声/Voice of Resurgenceのほか、墓地から戻ってくるチャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenixやソーサリー除去では対処しづらい変わり谷/Mutavaultなどの対策になることが利点。さらにメタゲームの中心にある青単信心や黒単信心の主要クリーチャーはパワーが低いこともあり、アゾリウスコントロールではメインデッキからよく採用されている。同デッキの場合、思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thoughtの+1能力と組み合わせて、パワー3までのクリーチャーを除去できる点も見逃せない。
- 白にはこのカードと逆に、パワーが大きいクリーチャーを除去する復仇/Reprisal系のカードが多い。
- 白が小さいクリーチャーを罰するのはカラーパイに沿っておらず、燻蒸/Fumigate(開発段階のテキストは「マナ総量が2以下の全てのクリーチャーを追放する」であった)をデザインする際にそれを指摘され「今わの際は間違いだった」と述べられている。(Mファイル『カラデシュ』編・パート1)
- この手の効果はどちらかといえば黒の役割である。古くは虫つぶし/Swatに始まり、再び押し倒し/Defeatなどが作られており、現在は正しいカラーパイに移行している。
- 「with the [one's] last breath」で「死に際に」、「draw one's last breath」で「息を引き取る」の意。日本語名の「今わの際」は、「死に際」「臨終の時」を意味する。漢字で書くと「今際の際」。
- 最後の喘ぎ/Last Gaspと英語名が似通っている。