太陽の指輪/Sol Ring

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1[[ターン]]目から出すことができ、[[無色マナ]]2点を何のリスクもなしに生み出すことができるので、様々な[[デッキ]]で重宝する。
 
1[[ターン]]目から出すことができ、[[無色マナ]]2点を何のリスクもなしに生み出すことができるので、様々な[[デッキ]]で重宝する。
  
黎明期に存在する凶悪なマナ・アーティファクトの中でも、序盤の[[マナ加速]]の爆発力としては[[Black Lotus]]に、[[色マナ]]供給の安定化には[[Mox]]にそれぞれ劣るものの、中盤以降の[[マナ基盤]]の安定化においてはそれらに勝るとも劣らない力を発揮する。[[Zvi Mowshowitz]]は自身のコラム「[[The Top 50 Artifacts of All Time]]」でMoxより上位の2位に挙げた上で「この[[カード]]が[[パワー9]]でないのは[[レア]]でなく[[アンコモン]]だから」と(半ば冗談で)解説している。
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黎明期に存在する凶悪なマナ・アーティファクトの中でも、特に強力な一枚。序盤の[[マナ加速]]の爆発力としては[[ブラック・ロータス/Black Lotus]]に、[[色マナ]]供給の安定化には[[Mox]]にそれぞれ劣るものの、中盤以降の[[マナ基盤]]の安定化においてはそれらに勝るとも劣らない力を発揮する。[[Zvi Mowshowitz]]は自身のコラム「[[The Top 50 Artifacts of All Time]]」でMoxより上位の2位に挙げた上で「この[[カード]]が[[パワー9]]でないのは[[レア]]でなく[[アンコモン]]だから」と(半ば冗談で)解説している。
  
何のペナルティもないこんなカードが容認されるわけもなく、パワー9と共に早々に制限されることになる。
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何のペナルティもないこんな[[パワーカード]]が容認されるわけもなく、パワー9と共に早々に[[制限カード]]に指定されることになる。
  
*[[劣化版]]は4マナになった[[シッセイの指輪/Sisay's Ring]](その[[同型再版]]である[[ウル=ゴーレムの目/Ur-Golem's Eye]])、[[摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone]]など。これらと比べると、いくらなんでも1マナでは[[軽い|軽すぎ]]といえる。
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*調整版として、4マナになった[[シッセイの指輪/Sisay's Ring]](及びその[[同型再版]]である[[ウル=ゴーレムの目/Ur-Golem's Eye]])、3マナだが[[タップイン]]の[[摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone]][[待機]]専用で[[マナ・コストの無いカード|マナ・コストを持たない]][[太陽のタリスマン/Sol Talisman]]などが存在する。これらがいかなる[[フォーマット]]でも[[禁止]]・[[制限カード|制限]]の指定をされてないことを考えると、この[[カード]]の1マナという[[マナ・コスト]]がいかに[[壊れ]]ているかが分かる。
*通称は「イカリング」。[[アルファ]]版の{{Gatherer|id=40|イラスト}}がイカのリングあげにそっくりであるため。
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**そもそも1マナにして2マナ分の恒久的なマナ加速(それもただちに使用可能)など、マナ加速の本家である[[]]にすら存在しない[[効果]]であり、一時的なマナ加速である[[]][[暗黒の儀式/Dark Ritual]]にも[[色マナ]]こそ出ないものの勝っていると言える。パワーレベルはおろか[[色の役割]]さえ破壊するこのカードに匹敵する[[無色]]のマナ加速カードが今後印刷されることは無いと見て良いだろう。
**[[From the Vault:Relics]][[Mike Bierek]]による{{Gatherer|id=212638|新規イラスト}}で[[再録]]された。
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*[[統率者戦]]では半ば必須カードのような扱いである。そのため統率者戦用のセット([[統率者 (カードセット)|統率者]][[統率者2013]][[統率者2014]])では全ての[[構築済みデッキ]]にこのカードが封入されている。[[絵|イラスト]]はFrom the Vault:Relics版のものが使われている。
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**統率者セットの日本語版が発売されたことによって、日本語名が初めて与えられた。なお、[[MicroProse版マジック:ザ・ギャザリング]]では「'''太陽のリング'''」と訳されていた。
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*[[グランプリ千葉15]]で行われた結婚式では、指輪交換の代わりにこのカードの交換が行われた。([http://live.nicovideo.jp/watch/lv221267837 参考])
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1994年1月25日より、[[Type1]](現[[ヴィンテージ]])で[[制限カード]]に指定される。[[Type1.5]]では制定当初から[[禁止カード]]で、2004年9月20日よりType1.5から移行した[[レガシー]]でも続けて禁止カードに指定されている。
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[[1994年]]1月25日より、[[タイプ1]](現[[ヴィンテージ]])で[[制限カード]]に指定される。[[タイプ1.5]]では制定当初から[[禁止カード]]で、[[2004年]]9月20日よりタイプ1.5から移行した[[レガシー]]でも続けて禁止カードに指定されている。
  
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==その他==
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*通称は「イカリング」。[[リミテッド・エディション]]の{{Gatherer|id=40}}がイカのリングあげにそっくりであるため。
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*アンコモンが故に[[再録禁止カード]]のリストには載っていないので、[[サプリメント・セット]]において何度も[[再録]]されており、その凶悪さとは裏腹に比較的入手しやすい。
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**[[統率者戦]]では半ば必須カードのような扱いである。そのため[[統率者戦用セット]]ではほぼ全ての[[構築済みデッキ]]にこのカードが封入されている(例外は[[2023年]]11月現在、[[団結のドミナリア統率者デッキ]]の[[苦痛の虹/Painbow]]のみ)。[[絵|イラスト]]は主に[[From the Vault:Relics]]版のものが使われている([[#イラスト]]も参照)。
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*[[統率者 (カードセット)|統率者]]の日本語版が発売されたことによって、日本語名が初めて与えられた。なお、[[MicroProse版マジック:ザ・ギャザリング]]では「'''太陽のリング'''」と訳されていた。
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*[[グランプリ千葉15]]で行われた結婚式では、指輪交換の代わりにこのカードの交換が行われた<ref>[https://mtg-jp.com/coverage/gpchi15/article/015139/ グランプリ・千葉2015 写真小ネタ集(その3・結婚式編)](MTG日本公式 [[2015年]]5月31日 [[瀬尾亜沙子]]著)</ref>
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*[[マジックフェストラスベガス19]]の統率者戦イベントで、新規[[イラスト]]の[[プロモーション・カード]]が配布された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/sol-commander-2019-07-30 The Sol of Commander]([[Daily MTG]] 2019年7月30日)</ref>。リミテッド・エディション版イラストを手掛けた[[Mark Tedin]]が再び筆を振るっている。これらは2019年中の他の[[マジックフェスト]]の統率者イベントでも配布された。
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*[[2022年]]、ウィザーズ公認店舗応援キャンペーンとして[[フォイル]][[旧枠]]仕様の[[プロモーション・カード]]が[[WPN]]加盟店舗に配布された。イラストは[[From the Vault:Relics]]版<ref>[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0036146/ 『ダブルマスターズ2022』とともに「ウィザーズ公認店舗応援キャンペーン」が再びやってくる](News [[2022年]]6月30日 [[Wizards of the Coast]]著)</ref>。
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*この指輪の修正を試みた結果が[[シッセイの指輪/Sisay's Ring]]らしい。<ref>https://www.tumblr.com/markrosewater/717449402490486784/have-you-ever-tried-to-make-a-fixed-sol-ring?source=share</ref>
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*[[指輪物語:中つ国の伝承]]の[[コレクター・ブースター]]には、カードのテキストが指輪物語のエルフの言語クウェンヤ/Quenyaで書かれた太陽の指輪が封入されていることがある。それぞれイラストが異なる[[エルフ/Elf]]版、[[ドワーフ/Dwarf]]版、[[人間/Human]]版が存在し、各カードには非フォイル版の他にダブルレインボウ・フォイル/Double Rainbow Foil仕様のものがある。これらは限定印刷であり、ダブルレインボウ・フォイル仕様のものはイラスト部分にシリアルナンバーが入っている。印刷数内訳はエルフ非フォイル版が3,000枚、ダブルレインボウ版が300枚、ドワーフ非フォイル版が7,000枚、ダブルレインボウ版が700枚、人間非フォイル版が9,000枚、ダブルレインボウ版が900枚となっている。この数字は指輪物語でエルフ達が鋳造し、3つの種族に渡された力の指輪の数が元となっている。[[文章欄]]に書かれているのは[[ルール文章]]ではなく指輪が作られた伝承である。
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===イラスト===
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*新規イラストが何度も与えられている。
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**[[From the Vault:Relics]]版({{Gatherer|id=212638}})
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**[[Kaladesh Inventions]]版({{Gatherer|id=420611}})
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***Kaladesh Inventions版は[[貪欲な侵入者/Ravenous Intruder]]に食べられている。詳細は[[貪欲な侵入者/Ravenous Intruder]]の項を参照。
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**上述の[[マジックフェスト]]版
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**[[Commander Collection: Green]]版({{Gatherer|id=509343}})
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**[[Secret Lair Drop Series/2021年#Black is Magic|Secret Lair Drop Series: Black is Magic]]版({{Gatherer|id=513475}})
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**[[Commander Collection: Black]]版
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**[[Secret Lair Drop Series/2022年#Pride Across the Multiverse|Secret Lair Drop Series: Pride Across the Multiverse]]版
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***Pride Across the Multiverse版のイラストではLGBTQIA2S+の[[Wikipedia:ja:プライド・フラッグ|プライド・フラッグ]]の11種類の色を反映した眼が描かれている。
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**[[ウォーハンマー40,000統率者デッキ]]版([[構築済みデッキ]]ごとにそれぞれ異なる4種類:{{Gatherer|id=582498|1}}/{{Gatherer|id=582499|2}}/{{Gatherer|id=582500|3}}/{{Gatherer|id=582501|4}})
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**[[指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ]]版({{Gatherer|id=622329|通常版}}、{{Gatherer|id=620248|エルフ版}}、{{Gatherer|id=620249|ドワーフ版}}、{{Gatherer|id=620250|人間版}})
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**[[統率者マスターズ]]・[[ボーダーレス]]版({{Gatherer|id=624845}}、通常版はFrom the Vault:Relicsと同じ)
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**[[ドクター・フー統率者デッキ]]版({{Gatherer|id=635949}})
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**[[Secret Lair Drop Series/2023年#Dan Frazier's Mox Box|Secret Lair Drop Series: Dan Frazier's Mox Box]]版
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**[[Secret Lair Drop Series/2023年#Through the Wormhole|Secret Lair Drop Series: Through the Wormhole]]版
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**[[Secret Lair Drop Series/2024年#Secret Lair Commander Deck: Raining Cats and Dogs|Secret Lair Drop Series: Secret Lair Commander Deck: Raining Cats and Dogs]]版(リバーシブル)
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**[[Secret Lair Drop Series/2024年#Secret Lair: Sheldon's Spellbook|Secret Lair Drop Series: Secret Lair: Sheldon's Spellbook]]
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**[[Fallout統率者デッキ]]版({{Gatherer|id=654012|通常版}}、{{Gatherer|id=654923|Vault Boyボーダーレス版}})
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*統率者に収録された当時はリミテッド・エディション版イラストとFrom the Vault:Relics版イラストしか存在しなかったため、これらが指輪サイズであるという解釈ならば「太陽の'''指輪'''」という訳は特に問題のないものだった。しかし、後に[[宝捕り/Treasure Nabber]]の{{Gatherer|id=450923}}に登場したFrom the Vault:Relics版イラストが指輪と言うには無理のある大きさであることが発覚したり、マジックフェスト版イラストでは更に巨大かつ不定形な炎の輪として描かれたり、Secret Lair Drop Series: Black is Magic版イラストでは完全に首飾りとして描かれていたりと、「指輪」という訳はかなり違和感のあるものになってしまった。こればかりは仕方のないことではあるが、「太陽の輪」のような解釈に余地のある訳のほうが適切だったと言えよう。
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==脚注==
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<references />
 
==参考==
 
==参考==
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/560 壁紙・待受]([[WotC]])
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*[https://web.archive.org/web/20220703183545/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/wallpaper-week-sol-ring-2010-10-15 壁紙・待受(Internet Archive)]([[WotC]])
 
*[[The Top 50 Artifacts of All Time]] 第2位 ([[WotC]]、文:[[Zvi Mowshowitz]]、英語)
 
*[[The Top 50 Artifacts of All Time]] 第2位 ([[WotC]]、文:[[Zvi Mowshowitz]]、英語)
*[[カード個別評価:リバイズド]] - [[アンコモン]]
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*[[マナ能力を持つアーティファクト・カード]]([[機能別カードリスト]])
*[[カード個別評価:アンリミテッド]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:リバイズド・エディション]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:アンリミテッド・エディション]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:統率者マスターズ]] - [[アンコモン]]
 
*[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:Masters Edition 4]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:Masters Edition 4]] - [[レア]]
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*[[カード個別評価:Fallout統率者デッキ]] - [[レア]]([[Fallout統率者デッキ#ブースター・ファン|Vault Boyボーダーレス版カード]])
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*[[Commander Collection: Black]]
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*[[Commander Collection: Green]]
 
*[[From the Vault:Relics]]
 
*[[From the Vault:Relics]]
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*[[Kaladesh Inventions]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2024年#Secret Lair: Sheldon's Spellbook|Secret Lair Drop Series: Secret Lair: Sheldon's Spellbook]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2024年#Secret Lair Commander Deck: Raining Cats and Dogs|Secret Lair Drop Series: Secret Lair Commander Deck: Raining Cats and Dogs]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2023年#Dan Frazier's Mox Box|Secret Lair Drop Series: Dan Frazier's Mox Box]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2023年#Through the Wormhole|Secret Lair Drop Series: Through the Wormhole]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2022年#Pride Across the Multiverse|Secret Lair Drop Series: Pride Across the Multiverse]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2021年#Black is Magic|Secret Lair Drop Series: Black is Magic]]
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[[Category:俗称のあるカード|たいようのゆひわ]]
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__NOTOC__

2024年3月10日 (日) 01:46時点における最新版


Sol Ring / 太陽の指輪 (1)
アーティファクト

(T):(◇)(◇)を加える。


マジックの黎明期に存在した、強大な力を持つマナ・アーティファクト

1ターン目から出すことができ、無色マナ2点を何のリスクもなしに生み出すことができるので、様々なデッキで重宝する。

黎明期に存在する凶悪なマナ・アーティファクトの中でも、特に強力な一枚。序盤のマナ加速の爆発力としてはブラック・ロータス/Black Lotusに、色マナ供給の安定化にはMoxにそれぞれ劣るものの、中盤以降のマナ基盤の安定化においてはそれらに勝るとも劣らない力を発揮する。Zvi Mowshowitzは自身のコラム「The Top 50 Artifacts of All Time」でMoxより上位の2位に挙げた上で「このカードパワー9でないのはレアでなくアンコモンだから」と(半ば冗談で)解説している。

何のペナルティもないこんなパワーカードが容認されるわけもなく、パワー9と共に早々に制限カードに指定されることになる。

1994年1月25日より、タイプ1(現ヴィンテージ)で制限カードに指定される。タイプ1.5では制定当初から禁止カードで、2004年9月20日よりタイプ1.5から移行したレガシーでも続けて禁止カードに指定されている。

[編集] その他

[編集] イラスト

  • 統率者に収録された当時はリミテッド・エディション版イラストとFrom the Vault:Relics版イラストしか存在しなかったため、これらが指輪サイズであるという解釈ならば「太陽の指輪」という訳は特に問題のないものだった。しかし、後に宝捕り/Treasure Nabberイラストに登場したFrom the Vault:Relics版イラストが指輪と言うには無理のある大きさであることが発覚したり、マジックフェスト版イラストでは更に巨大かつ不定形な炎の輪として描かれたり、Secret Lair Drop Series: Black is Magic版イラストでは完全に首飾りとして描かれていたりと、「指輪」という訳はかなり違和感のあるものになってしまった。こればかりは仕方のないことではあるが、「太陽の輪」のような解釈に余地のある訳のほうが適切だったと言えよう。

[編集] 脚注

  1. グランプリ・千葉2015 写真小ネタ集(その3・結婚式編)(MTG日本公式 2015年5月31日 瀬尾亜沙子著)
  2. The Sol of Commander(Daily MTG 2019年7月30日)
  3. 『ダブルマスターズ2022』とともに「ウィザーズ公認店舗応援キャンペーン」が再びやってくる(News 2022年6月30日 Wizards of the Coast著)
  4. https://www.tumblr.com/markrosewater/717449402490486784/have-you-ever-tried-to-make-a-fixed-sol-ring?source=share

[編集] 参考

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