死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
(9人の利用者による、間の12版が非表示)
1行: 1行:
 
{{#card:Sorin, Grim Nemesis}}
 
{{#card:Sorin, Grim Nemesis}}
[[イニストラードを覆う影]]で新たに登場した4枚目の[[ソリン]]。
 
  
[[忠誠度能力]]は、[[手札]]の補充と各[[対戦相手]]への不確定な[[ライフロス]]、[[ドレイン]]、[[クリーチャー]]・[[トークン]]の生成。
+
[[イニストラードを覆う影]]で登場した4枚目の[[ソリン]]。[[忠誠度能力]]は、[[手札]]の補充と各[[対戦相手]][[ライフロス]]、[[ドレイン]]、[[クリーチャー]]・[[トークン]]の[[生成]]。
  
 
;+1能力
 
;+1能力
:[[ライブラリートップ]]を[[公開]]して[[手札に加える]]。さらに、[[うつろう爆発/Erratic Explosion]]を髣髴とさせる、[[点数で見たマナ・コスト]]を参照するライフロス[[効果]]も付いてくる。この[[カード]]を採用するのであれば、[[デッキ]]自体がある程度大きなマナ・コストに寄せた構成となる事が考えられるため、確実な[[ハンド・アドバンテージ]]を得ながら、嵌まれば対戦相手の[[ライフ]]も大きく削っていける強力な[[能力]][[軽減]]されたりせず、[[対象]]を取らないということもあり、総じて非常に[[腐る|腐り]]にくい。
+
:[[ライブラリーの一番上]]を[[公開]]して[[手札に加える]]。さらに[[うつろう爆発/Erratic Explosion]]と似た[[マナ総量]]を参照するライフロス[[効果]]もつく。
:或いは、かつての[[ドラコ爆発]]のように、[[コンボパーツ]]としての運用もできるかもしれない。
+
:[[忠誠度]]を増やしつつ確実に[[ハンド・アドバンテージ]]を稼げ、さらにライフロスによって直接的に[[勝利]]に近づけるという、至れり尽くせりな能力。[[軽い]][[カード]]、特に[[土地]]カードがめくれたときに損をしたように感じるが、手札を無償で増やしているのだから十分強力。
;-[[X]]能力
+
:6[[マナ]][[プレインズウォーカー]]という時点で、[[重い]]カードを多用する[[コントロールデッキ]]への採用になるであろうから、極端な工夫をしなくとも何度か[[起動]]できれば相当量のライフロスが期待できる。あるいは、例えば[[共鳴者]]で重いカードを[[捨てる|捨てて]]、[[忘られじ/Not Forgotten]]でライブラリーの一番上に置いてから[[起動]]するなど、[[ドラコ爆発]]のような[[コンボ]]を狙っても良い。
:可変型の汎用ドレイン。単純に6[[マナ]]6点ドレインとして見ても、これまで登場したドレイン[[呪文]]の中でもかなり効率は高い方。初期[[忠誠度]]の高さがその汎用性を底上げしており、大部分のクリーチャーへの対処、緊急時の[[ライフ]][[回復]][[ダメージレース]]の逆転、[[フィニッシャー]]としての役割など広い対応力を持つ、このカードのもうひとつの中核。
+
 
 +
;-X能力
 +
:[[クリーチャー]]か[[プレインズウォーカー]]を対象とする[[X]]ドレイン。初期忠誠度が6と高いため、[[戦場に出す|戦場に出た]][[ターン]]にすぐ起動してもかなりの点数の[[ダメージ]]を[[与える|与えられる]]。
 +
:使い捨てて6マナ6点ドレインと考えても、危険な戦力を排除しつつ[[ライフ]]を大きく[[回復]]できるため、コントロールの時間稼ぎ手段としては十分に仕事をしたと言える。まして、[[タフネス]]5以下のクリーチャーならば除去したあとにも忠誠度が残る。即効性と[[ボード・アドバンテージ|ボード]]・[[ライフ・アドバンテージ|ライフ]]両面の[[アドバンテージ]]を兼ね備えた能力。
 +
:ただし、[[プレイヤー]]を対象にできない点には注意。
 +
:*[[あなた]]の[[コントロール]]するクリーチャーやプレインズウォーカーを対象にできる。ライフが必要だが他に対象がない場合にはそうせざるを得ないことはあるだろう。
 +
:*若干奇妙な挙動ではあるが、ソリン自身も対象にできる。その場合、ソリンが忠誠度を使い切って[[状況起因処理]]によって[[墓地送り]]になると、[[立ち消え]]してライフを得ることができないので、[[忠誠カウンター]]を1つ以上残すようXを調整して[[起動]]する必要がある。
  
 
;-9能力
 
;-9能力
:[[絆魂]]を持つ[[黒]]の1/1の[[吸血鬼]]・[[騎士]]クリーチャー・トークンを[[戦場に出す]]。すべての[[プレイヤー]]中でもっとも多いライフの値に等しいトークンが出るため、ライフの多寡に関わらず、[[攻撃]]さえ通るなら対戦相手のライフを削り切れるだけの戦力が確実に得られる。
+
:[[絆魂]]を持つ[[黒]]の1/1の[[吸血鬼]]・[[騎士]]クリーチャー・トークンを、すべての[[プレイヤー]]中でもっとも多いライフの値に等しい数だけ[[戦場に出す]]。2桁の数のトークンを生みだすことも珍しくない、ド派手な能力。
:[[ボード・アドバンテージ]]面でも優秀だが、[[全体火力]]やマイナス[[修整]]に弱い、[[ターン]]をまたぐ必要があるなど、幾分欠点も目立つ。そもそもこれを[[起動]]できる状況なら、盤面で有利かつ、+能力の連打である程度相手のライフも削れており、9点ドレインで即[[勝利]]できるというケースもままあるだろう。他の能力で[[アドバンテージ]]を稼ぎ続けるのも手であり、忠誠度が溜まっても即起動せず、使いどころは選びたい。
+
:すべてのトークンの[[攻撃]][[通し|通れ]]ば、対戦相手のライフが何点であろうと0以下にできる計算になる。そのため勝利手段として確定的に見えるが、1/1のトークンなので[[全体火力]]やマイナス[[修整]]に弱い、[[召喚酔い]]しているため攻撃するには次の[[ターン]]まで待つ必要がある、また対戦相手のほうがクリーチャー数で勝っている場合は突破しきれない可能性が残る、と確実性・即効性に欠ける面も目立つ。
:あまりにも対戦相手とのライフに差がある場合などは有用。[[無限ライフ]]相手でもこれ一枚で勝てるというのは悪くない。
+
:これを起動できる状況なら盤面を制圧できているはずなので、無暗に起動せず+1能力で相手のライフを削りつつ-X能力で[[ボードコントロール]]を維持した方が良い場合もある。あるいは[[ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat]]+[[ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk]]のような、攻撃を待たずに勝利できる[[コンボ]]と併用して確実性を増したい。
  
これまで登場したソリンの中でも最[[重い|重量]]だが、アドバンテージの獲得と[[ボードコントロール]]に長けた[[パワーカード]]。
+
戦場に出たターンに-X能力で厄介なクリーチャーやプレインズウォーカーを[[除去]]し、忠誠度が残れば+1能力で[[アドバンテージ]]を重ねていくことができる。[[全体除去]]など重いカードを多めに採用した持久型のコントロール・デッキ向けの性能。
 +
 
 +
[[スタンダード]]では、[[白黒]]を含む[[ミッドレンジ]]やコントロールデッキで使われる。[[プロツアー「イニストラードを覆う影」]]では3位の[[Seth Manfield]]、4位の[[八十岡翔太]]が[[青白黒コントロール#タルキール龍紀伝+マジック・オリジン+戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック期|エスパーコントロール]]で採用した<ref>[https://magic.wizards.com/en/events/coverage/ptsoi/top-8-decklists-2016-04-23 Top 8 Decklists]/[https://mtg-jp.com/coverage/ptsoi16/decklist/016810/ プロツアー『イニストラードを覆う影』 トップ8プレイヤーデッキリスト(スタンダード)](Event Coverage [[2016年]]4月23日)</ref>
 +
 
 +
*日本語の[[カード名]]は誤訳と思われる。おそらく「死神」であるグリム・リーパー/Grim Reaperから連想してGrimに「死」と言う訳を当てたのだろうが、Grim単体では「厳しい、残酷な、気味が悪い」といった意味で、死と言う意味はない(過去のカードでは[[厳かなモノリス/Grim Monolith]]、[[不気味な発見/Grim Discovery]]、[[無残な競争/Grim Contest]]などと訳されている({{WHISPER検索/カード名|Grim}}))。また、「Nemesis」も[[テンプレート]]に従って「宿敵」と訳されているが、もともとこの単語はギリシア神話で神罰を擬人化した女神の名であり「天罰を与えるもの」という意味も持つ。ストーリーの背景を考えると後者の意味と思われるので、「厳格なる処罰者」あたりが適切だろうか。
  
 
==関連カード==
 
==関連カード==
21行: 30行:
  
 
==ストーリー==
 
==ストーリー==
[[サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol (ストーリー) |サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol]]のもたらした[[運命再編|歴史改変]]により、'''ソリン'''/''Sorin''は生ける[[ウギン/Ugin]]との再会を果たした。かつての[[エルドラージ]]封印の要であったもう一人の[[プレインズウォーカー]]、[[ナヒリ/Nahiri]]を見つけてくる事を約束した彼が、帰還した[[イニストラード/Innistrad]]で目にしたものは……。
+
故郷に帰還したソリン。[[イニストラード/Innistrad]]を荒廃させようとする[[ナヒリ/Nahiri]]を止めるために他の[[吸血鬼/Vampire#イニストラード|吸血鬼/Vampire]]に協力を求め、狂気に陥り[[人間/Human#イニストラード|人間/Human]]を襲い始めた[[アヴァシン/Avacyn]]を破棄する。
  
 
詳細は[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)]]を参照。
 
詳細は[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)]]を参照。
 
+
==脚注==
 +
<references />
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[カード個別評価:イニストラードを覆う影]] - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:イニストラードを覆う影]] - [[神話レア]]
 +
*[[カード個別評価:イニストラードを覆う影リマスター]] - [[神話レア]]
 +
*[[Secret Lair Drop Series/2022年#Li'l Walkers|Secret Lair Drop Series: Li'l Walkers]]
 +
__NOTOC__

2023年3月20日 (月) 00:44時点における最新版


Sorin, Grim Nemesis / 死の宿敵、ソリン (4)(白)(黒)
伝説のプレインズウォーカー — ソリン(Sorin)

[+1]:あなたのライブラリーの一番上のカードを公開し、そのカードをあなたの手札に加える。各対戦相手はそれぞれ、それのマナ総量に等しい点数のライフを失う。
[-X]:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を対象とする。死の宿敵、ソリンはそれにX点のダメージを与え、あなたはX点のライフを得る。
[-9]:すべてのプレイヤーの中で最も多いライフの総量に等しい数の、絆魂を持つ黒の1/1の吸血鬼(Vampire)・騎士(Knight)クリーチャー・トークンを生成する。

6

イニストラードを覆う影で登場した4枚目のソリン忠誠度能力は、手札の補充と各対戦相手ライフロスドレインクリーチャートークン生成

+1能力
ライブラリーの一番上公開して手札に加える。さらにうつろう爆発/Erratic Explosionと似たマナ総量を参照するライフロス効果もつく。
忠誠度を増やしつつ確実にハンド・アドバンテージを稼げ、さらにライフロスによって直接的に勝利に近づけるという、至れり尽くせりな能力。軽いカード、特に土地カードがめくれたときに損をしたように感じるが、手札を無償で増やしているのだから十分強力。
6マナプレインズウォーカーという時点で、重いカードを多用するコントロールデッキへの採用になるであろうから、極端な工夫をしなくとも何度か起動できれば相当量のライフロスが期待できる。あるいは、例えば共鳴者で重いカードを捨てて忘られじ/Not Forgottenでライブラリーの一番上に置いてから起動するなど、ドラコ爆発のようなコンボを狙っても良い。
-X能力
クリーチャープレインズウォーカーを対象とするXドレイン。初期忠誠度が6と高いため、戦場に出たターンにすぐ起動してもかなりの点数のダメージ与えられる
使い捨てて6マナ6点ドレインと考えても、危険な戦力を排除しつつライフを大きく回復できるため、コントロールの時間稼ぎ手段としては十分に仕事をしたと言える。まして、タフネス5以下のクリーチャーならば除去したあとにも忠誠度が残る。即効性とボードライフ両面のアドバンテージを兼ね備えた能力。
ただし、プレイヤーを対象にできない点には注意。
  • あなたコントロールするクリーチャーやプレインズウォーカーを対象にできる。ライフが必要だが他に対象がない場合にはそうせざるを得ないことはあるだろう。
  • 若干奇妙な挙動ではあるが、ソリン自身も対象にできる。その場合、ソリンが忠誠度を使い切って状況起因処理によって墓地送りになると、立ち消えしてライフを得ることができないので、忠誠カウンターを1つ以上残すようXを調整して起動する必要がある。
-9能力
絆魂を持つの1/1の吸血鬼騎士クリーチャー・トークンを、すべてのプレイヤー中でもっとも多いライフの値に等しい数だけ戦場に出す。2桁の数のトークンを生みだすことも珍しくない、ド派手な能力。
すべてのトークンの攻撃通れば、対戦相手のライフが何点であろうと0以下にできる計算になる。そのため勝利手段として確定的に見えるが、1/1のトークンなので全体火力やマイナス修整に弱い、召喚酔いしているため攻撃するには次のターンまで待つ必要がある、また対戦相手のほうがクリーチャー数で勝っている場合は突破しきれない可能性が残る、と確実性・即効性に欠ける面も目立つ。
これを起動できる状況なら盤面を制圧できているはずなので、無暗に起動せず+1能力で相手のライフを削りつつ-X能力でボードコントロールを維持した方が良い場合もある。あるいはズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroatナントゥーコの鞘虫/Nantuko Huskのような、攻撃を待たずに勝利できるコンボと併用して確実性を増したい。

戦場に出たターンに-X能力で厄介なクリーチャーやプレインズウォーカーを除去し、忠誠度が残れば+1能力でアドバンテージを重ねていくことができる。全体除去など重いカードを多めに採用した持久型のコントロール・デッキ向けの性能。

スタンダードでは、白黒を含むミッドレンジやコントロールデッキで使われる。プロツアー「イニストラードを覆う影」では3位のSeth Manfield、4位の八十岡翔太エスパーコントロールで採用した[1]

  • 日本語のカード名は誤訳と思われる。おそらく「死神」であるグリム・リーパー/Grim Reaperから連想してGrimに「死」と言う訳を当てたのだろうが、Grim単体では「厳しい、残酷な、気味が悪い」といった意味で、死と言う意味はない(過去のカードでは厳かなモノリス/Grim Monolith不気味な発見/Grim Discovery無残な競争/Grim Contestなどと訳されている(カード名を「Grim」で検索))。また、「Nemesis」もテンプレートに従って「宿敵」と訳されているが、もともとこの単語はギリシア神話で神罰を擬人化した女神の名であり「天罰を与えるもの」という意味も持つ。ストーリーの背景を考えると後者の意味と思われるので、「厳格なる処罰者」あたりが適切だろうか。

[編集] 関連カード

[編集] ストーリー

故郷に帰還したソリン。イニストラード/Innistradを荒廃させようとするナヒリ/Nahiriを止めるために他の吸血鬼/Vampireに協力を求め、狂気に陥り人間/Humanを襲い始めたアヴァシン/Avacynを破棄する。

詳細はソリン・マルコフ/Sorin Markov (ストーリー)を参照。

[編集] 脚注

  1. Top 8 Decklists/プロツアー『イニストラードを覆う影』 トップ8プレイヤーデッキリスト(スタンダード)(Event Coverage 2016年4月23日)

[編集] 参考

MOBILE