虚空の選別者/Void Winnower

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Void Winnower / 虚空の選別者 (9)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)

あなたの対戦相手はマナ総量が偶数の呪文を唱えられない。(0は偶数である。)
あなたの対戦相手はマナ総量が偶数のクリーチャーではブロックできない。

11/9

対戦相手呪文と、クリーチャーによるブロックに制限をかけるエルドラージ。制限をかけるために参照するのは、マナ総量が偶数かどうか。

マナ総量の「大きさ」を気にすることはあっても「偶数か奇数か」を気にして構築プレイングをすることは滅多にないため、相手のデッキや盤面によっては大いに有効である。単純に9マナで11/9というサイズも頼もしい。相手の攻撃を封じることはできないため、既に劣勢になっている盤面をひっくり返すことは難しいが、重いコントロールデッキが盤面をコントロールしきった後に出すフィニッシャーといった運用が考えられる。

スタンダードではエルドラージ・ランプにおいて、ミラーマッチへの対策としてサイドボードに採用されている。同デッキの主な勝ち筋である精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hungerの両方を封じ込められるためである。

パイオニアモダンにおいては不屈の独創力がサイドボードに採用していることがある。パイオニアでは異形化でも同様の使われ方をする。

ヴィンテージではオースで採用されることがある。

[編集] ルール

  • 整数でない数値は、偶数でも奇数でもない。

[編集] 開発秘話

戦乱のゼンディカー・ブロックデザインの初期には、エルドラージ/Eldraziの異常性を表す様々なメカニズムが検討された[1]。このカードはその中の一つ、「エルドラージは奇数(odd number、直訳すると「奇妙な数」)を好む」の名残である[2]

一方デベロップの観点からは、エルドラージ覚醒伝説のエルドラージ(引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornなど)が印刷可能なものとしては最強のクリーチャーであり、戦乱のゼンディカーでは単純にそれらよりも強力なエルドラージではなく、異なる方向性で魅力的なエルドラージを作る必要があった。このカードは対戦相手の動きを大きく制限する巨大クリーチャーだが、対抗する余地のあるカードであり、その条件を満たしていると言える[3]

また開発中はどちらの能力もすべてのプレイヤーに影響するものだったが、マナ総量が偶数(10)の絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hungerと共存できるようにするため、対戦相手だけに影響するよう変更された[3]

[編集] 脚注

  1. Preparing for Battle, Part 2/戦乱に向けて その2Daily MTG、Making Magic、2015年9月14日、文:Mark Rosewater、訳:米村薫
  2. Battle for Zendikards, Part 2/ 戦乱のゼンディカード その2(同上、2015年9月28日)
  3. 3.0 3.1 M-Files, Part One/Mファイル『戦乱のゼンディカー』編・パート1(Daily MTG、Latest Developments、2015年9月25日、文:Sam Stoddard、訳:益山拓也

[編集] 参考

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