金のガチョウ/Gilded Goose
提供:MTG Wiki
極楽鳥/Birds of Paradiseを彷彿とさせる、1マナで飛行を持つマナ・クリーチャーの鳥。食物を餌にしてマナを生み出す能力と、食物・トークンを生成する能力を持つ。
マナを出すのに食物がコストとして必要なので、1回マナを出すと2回目以降は自身の能力や他のなんらかの方法で食物を用意しなければならず、単体では純粋なマナ加速とはならない。しかし食物さえ用意できればマナ・クリーチャーとしては極楽鳥と同等の性能になるだけでなく、自身の食物を生成する能力によってゲーム後半のライフ回復エンジンとしたり、アーティファクトシナジーに利用することができるのは極楽鳥にも勝る強み。タフネス2も序盤から立たせられるブロッカーとして地味に優秀。
スタンダードではローテーション落ちしたラノワールのエルフ/Llanowar Elvesの穴を埋める、2ターン目に3マナ圏へジャンプできるマナ・クリーチャー。特に王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crownsに繋ぐパターンが強力。青マナも出せるため最速投入の安定に大きく寄与でき、さらにオーコの食物・トークンをコストにマナを生み出したり、自身が生成したトークンをオーコの能力でクリーチャー化、あるいはコントロール交換の種にしたりといった具合にお互いの能力が絶妙に噛み合うのも特徴。そのオーコは早々にスタンダードで禁止カードに指定されてしまったが、その後もこのカードは変わらず活躍を続けている。
モダン以下の環境では極楽鳥や喜ぶハーフリング/Delighted Halflingと競合する。食物の供給無しには継続してマナを生み出せない一方、マナフラッド受けとなるマナ・クリーチャーという独自性、マナをライフに変換する能力に1点火力への耐性とこちらの強みも多い。長期戦を睨むデッキなら極楽鳥と併用、場合によっては差し替えも検討できる性能。ウルザデッキなど、アーティファクト関連のシナジーを用いるデッキではこちらが優先的に投入されている。
- 指輪物語:中つ国の伝承の参入後のモダンではオークの弓使い/Orcish Bowmasters、レンと六番/Wrenn and Six等への耐性が評価され、アーティファクトの絡まないデッキでも極楽鳥より優先されることが増えてきている。
リミテッドでも有用。一見地味だが、マナ加速以外にも黒緑での食物シナジー、装備品をつけてのアタッカー、恒久回復源と活躍は幅広く、特に睨み合いで長期戦になりやすいエルドレインの王権のリミテッド環境ではこれ一枚が逆転の目となることも多い。
- 2022年10月15日~22日に開催されたストアチャンピオンシップのトップ8賞品としてテキストボックスレスのプロモーション・カードが配布された[1]。
[編集] 開発秘話
モチーフは、グリム童話『黄金のがちょう』。意地悪な兄二人と違って小人に弁当を分けてやった親切な弟は、黄金のガチョウを手に入れ、最終的にはお姫様と結婚することになる。
展望デザインでは、金箔付け/Gildなどと同じ金・トークンを生成する起動型能力を持っており、繰り返しマナを生み出すため、飛行持ちでありながら例外的に緑となった。しかしセット・デザインで食物がセットに加わると、アーティファクト・トークンの重複を避けるために食物・トークンを生成するように変更され、さらに最初のデザインと合わせるため食物をマナに変換する能力が追加された[2]。
- イラストには黄金の卵が描かれており、イソップ寓話『ガチョウと黄金の卵』も混じっているものと思われる。エルドレインの王権には同じモチーフの黄金の卵/Golden Eggも存在する。
[編集] 脚注
- ↑ Legends Return: The First Dominaria United Previews Are Here/伝説再び――『団結のドミナリア』ファースト・プレビュー(News 2022年7月21日 Adam Styborski著)
- ↑ Eldraine Check, Part 2/エルドレイン・チェック その2(Making Magic 2019年9月30日 Mark Rosewater著)