プレミアム・カード
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− | '''プレミアム・カード'''/''Premium Card'' | + | '''プレミアム・カード'''/''Premium Card''は、光沢を出す箔押し加工を施した光っているカード。英語の記事などでは「premium foil card」、省略する場合は「foil」と呼ばれる。日本語の場合は「プレミアム版カード<ref>[https://mtg-jp.com/reading/translated/0033911/ 『イコリア』コレクター]([[Daily MTG]] 2020年4月2日)</ref>」、あるいは「フォイル仕様<ref>[https://mtg-jp.com/reading/translated/0034304/ 『ゼンディカーの夜明け』製品紹介]([[Daily MTG]] 2020年9月2日)</ref>」と表記される。 |
− | * | + | また[[総合ルール]]においては「プレミアム/Premium」({{CR|213.1e}})、[[イベント規定]]においては「フォイル/foil」と規定されている。 |
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+ | *[[Mark Rosewater]]は[[Super Secret Tech]]のFAQとして、[[ショーケース・フレーム]]や[[拡張アート#拡張アート (カード枠)|拡張アート枠]]で箔押しされてないカードもプレミアムであるとして、プレミアムとフォイルは別々の用語という見解も見せている<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/190447405383/ive-been-on-a-semi-hiatus-from-magic-so-im-not Blogatog]([[Mark Rosewater]]のBlog 2020年1月24日)</ref><ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/622874619471413248/un-rules-question-does-a-non-foil Blogatog]([[Mark Rosewater]]のBlog 2020年7月6日)</ref>。 | ||
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+ | *俗称としては「キラカード」「箔押しカード」「光り物」などがある。 | ||
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+ | *Foilは金属の薄片、箔の意。アルミホイルの「ホイル」と同じ。発音から間違われやすいが、Hoilではない。[[撃退/Foil]]とも関係ない(Foilには「失敗させる、打ち負かす」という意味もある)。 | ||
==解説== | ==解説== | ||
− | [[ | + | プレミアム・カードとそうでないカードに[[ゲーム]]上の差異はなく、[[トーナメント]]でも使用することができる。 |
− | + | トーナメントで使用する際は注意が必要となる場合がある([[#マークドの可能性|後述]])ため、どちらかと言うと[[コレクション]]的付加価値要素としての趣が強い。トーナメントレベルではないが[[イラスト]]が美麗なカードのプレミアム・カードが、トーナメントにおける[[トップレア]]のプレミアム・カードよりも高価となることもある。 | |
− | *[[ | + | *[[アン・ゲーム]]では、プレミアム・カードであることを参照するカードが存在する(→[[Super Secret Tech]]、[[Topdeck the Halls]]など)。 |
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+ | [[本流のセット]]の[[ブースターパック|ドラフト・ブースター]]からは、45枚に1枚(3パックに1枚)の確率で箔押し加工を施したカードが[[コモン]]1枚の代わりに封入されている。また[[ブースターパック#コレクター・ブースターパック|コレクター・ブースター]]や[[ブースターパック#セット・ブースター|セット・ブースター]]にはプレミアム・カード専用の[[スロット]]が設けられている。セットによっては、1つのパックに確実にプレミアム・カードが封入されていたり、2枚以上のプレミアム・カードが封入されていることもある(→[[変則的な稀少度]]、[[ブースターパック#特殊なブースターパック]])。[[プロモーション・カード]]も箔押し加工が施されている場合が多い。 | ||
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+ | [[イラスト]]違いを除いて、プレミアム・カード版しか存在しないカード(非プレミアム版が入手できないカード)は長い間[[黒枠]]では存在せず、[[アン・カード]]の[[Super Secret Tech]]や[[ホリデーギフトカード]]といった少数の例に限られていた。[[カラデシュ]]の[[プレインズウォーカーデッキ]]で初めてプレミアム・カード版しか存在しない黒枠のカードが作られ、その後も[[統率者2016]]以降の各種[[統率者戦用セット]]や[[ドミナリア]]から[[基本セット2020]]の期間の[[BOX特典カード]]、[[Gift Pack2018]]など様々な製品で扱われており、一般化している。 | ||
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*材質的に傷が付きやすく、目立ちやすい。特に初期の頃のものは、製造時のこすれ傷や気泡なども多いため、完全美品は少ない。 | *材質的に傷が付きやすく、目立ちやすい。特に初期の頃のものは、製造時のこすれ傷や気泡なども多いため、完全美品は少ない。 | ||
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− | *[[第10版]] | + | [[統率者レジェンズ]]から、エッチング風の加工がされたエッチング・フォイル・カードなど、新たに特殊なフォイル加工がされたカードが登場するようになった。これらに対して、従来のフォイル仕様は'''伝統的フォイル'''/''Traditional Foil''と呼ばれる。 |
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+ | ;エッチング・フォイル/Etching Foil | ||
+ | :金属的な光沢の特殊な加工がされたフォイル仕様。[[統率者レジェンズ]]、[[Secret Lair Drop Series]]、[[ストリクスヘイヴン:魔法学院]]、[[ニューカペナの街角]]、[[ダブルマスターズ2022]]、[[モダンホライゾン2]]、[[スターター・統率者デッキ]]、[[多元宇宙の伝説]]、[[モダンホライゾン3]]、[[モダンホライゾン3統率者デッキ]]、[[アサシンクリード]]で使用された。また、[[統率者2021]]から[[Fallout統率者デッキ]]までと、[[モダンホライゾン3統率者デッキ]]の統率者戦用構築済みデッキの[[統率者カード]]はエッチング・フォイル仕様となっている。 | ||
+ | ;ネオンインク・フォイル/Neon Ink Foil | ||
+ | :通常のフォイルの上にシルクスクリーン印刷を施したフォイル仕様。[[神河:輝ける世界]]、Secret Lair Drop Seriesで使用された。[[イクサラン:失われし洞窟]]でもコズミューム・ネオンインク・フォイル/Cosmium Neon Ink Foilとして登場した。 | ||
+ | ;箔押しフォイル/Gilded Foil | ||
+ | :通常のフォイルに加えてカードフレームにエンボス加工が施されたカード。[[ニューカペナの街角]]、Secret Lair Drop Seriesで使用された。 | ||
+ | ;テクスチャーフォイル/Textured Foil | ||
+ | :フォイルの光沢に模様が付けられたフォイル仕様。[[ダブルマスターズ2022]]、[[統率者マスターズ]]、[[速報]]、モダンホライゾン3、[[ダスクモーン:戦慄の館]]で使用された。 | ||
+ | ;ギャラクシー・フォイル/Galaxy Foil | ||
+ | :星の模様が浮かび上がるフォイル仕様。[[Unfinity]]で使用された。 | ||
+ | ;サージ・フォイル/Surge Foil | ||
+ | :光沢にムラがあり波打っているように見えるフォイル仕様。[[ウォーハンマー40,000統率者デッキ]]、[[指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ]]、[[指輪物語:中つ国の伝承]]Special Edition Collector Booster、[[ドクター・フー統率者デッキ]]で使用された。 | ||
+ | ;ダブルレインボウ・フォイル/Double Rainbow Foil | ||
+ | :[[兄弟戦争]]、[[多元宇宙の伝説]]、[[指輪物語:中つ国の伝承]]、指輪物語:中つ国の伝承Special Edition Collector Booster、ドクター・フー統率者デッキ、モダンホライゾン3、アサシンクリードで使用された。シリアル番号が入る限定生産品となる。 | ||
+ | ;オイル・スリック・フォイル/Oil Slick Raised Foil | ||
+ | :油膜のようなフォイル仕様。[[ファイレクシア:完全なる統一]]で使用された。 | ||
+ | ;ステップ・アンド・コンプリート・フォイル/Step and Complete Foil | ||
+ | :[[ファイレクシア/Phyrexia]]の紋章が浮かび上がるフォイル仕様。ファイレクシア:完全なる統一で使用された。 | ||
+ | ;ハロー・フォイル/Halo Foil | ||
+ | :[[光素/Halo]]をイメージした煙のような水の流れのような模様が光るフォイル仕様。[[多元宇宙の伝説]]、[[機械兵団の進軍:決戦の後に]]で使用された。 | ||
+ | ;コンフェッティ・フォイル/Confetti Foil | ||
+ | :紙吹雪のような模様の光沢のフォイル仕様。ボーダーレス・アニメ版[[おとぎ話]]で使用された。 | ||
+ | ;Silver Foil | ||
+ | :銀のような光沢のフォイル仕様。指輪物語:中つ国の伝承Special Edition Collector Boosterで使用された。 | ||
+ | ;不可視インク/Invisible Ink | ||
+ | :見る角度を変えると手描き文字や記号が浮かび上がるフォイル仕様。[[カルロフ邸殺人事件]]で使用された。 | ||
+ | ;レイズド・フォイル/Raised Foil | ||
+ | :フレーム部分に特別な金の箔押しがされたフォイル仕様。[[ビッグスコア]]で使用された。 | ||
+ | ;リップル・フォイル/Ripple Foil | ||
+ | :光沢が波紋のような模様になっているフォイル仕様。モダンホライゾン3統率者デッキCollector's Editionで使用された。 | ||
+ | ;フラクチャー・フォイル/Fracture Foil | ||
+ | :光沢が破片状になっているフォイル仕様。ダスクモーン:戦慄の館以降のジャパン・ショーケースで使用された。 | ||
+ | ;マナ・フォイル/Mana Foil | ||
+ | :並べられた[[マナ・シンボル]]が浮かび上がるフォイル仕様。[[ファウンデーションズ]]で使用された。 | ||
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+ | *一般への初配布は[[ウルザズ・サーガ]]の[[プレリリース・カード]]である[[稲妻のドラゴン/Lightning Dragon]]。 | ||
+ | *[[ウルザズ・レガシー]]より、通常の15枚入りの[[ブースターパック]]に100枚に1枚の確率で封入されるようになる。封入率は[[トーメント]]以降は70枚に1枚([[第10版]]のみ56枚に1枚)、[[アラーラの断片]]以降は67枚に1枚、[[基本セット2020]]以降は45枚に1枚となっている。 | ||
+ | *[[白枠]]のセットであってもプレミアム・カードは[[黒枠]]で印刷されていた。[[銀枠]]のセットは銀枠のまま印刷されていた。 | ||
+ | *初期のプレミアム・カードは内枠のみが箔押し加工されており、[[ルール文章]]下部に流星マーク([[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト]]社のロゴ)があった。現在のものはイラスト部も光っており流星マークも[[第8版]]以降はなくなった。 | ||
+ | **[[時のらせん]]の[[タイムシフト]]カードや[[アンヒンジド]]の[[Old Fogey]]・[[Blast from the Past]]では、[[旧枠]]デザインに合わせて流星マークが復活している。 | ||
+ | **[[フライデー・ナイト・マジック]]で配布されるプロモーション・カードにも流星マークが描かれているものがある。同時に[[エキスパンション・シンボル]]も流星カードとなっている。 | ||
+ | *かつて、プレミアム・カードは[[再録禁止カード]]の適用外であった。そのため、プロモーション・カードとして再録禁止カードが配布されたこともあった(例:[[2007年]]のジャッジ褒賞の[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]など)が、相次ぐ再録禁止カードのプレミアム・カード化収録([[デュエルデッキ]]や[[From the Vault]]など)が問題視され、[[2011年]]以降はプレミアム・カードのみによる再録も行われないと改訂された。詳細は[[再録禁止カード]]の項を参照。 | ||
+ | *[[新枠#基本セット2015以降のカード枠|基本セット2015以降のカード枠]]のカードでは、[[文章欄]]下部の3文字のコードと言語の間の中黒が★になっていることでもプレミアム・カードであることを判断できるようになっている。 | ||
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+ | ===カードセット別注釈=== | ||
+ | *以下の[[カード・セット]]にはプレミアム版のみ[[イラスト]]が違うものがある。 | ||
+ | **[[プレーンシフト]] - [[タールルームの勇士ターンガース/Tahngarth, Talruum Hero]]、[[堕落した者アーテイ/Ertai, the Corrupted]]、[[飛翔艦ウェザーライト/Skyship Weatherlight]] | ||
+ | ***これらは通常のイラストでのプレミアム・カードも存在する。 | ||
+ | **[[コンスピラシー:王位争奪]] - [[幽霊暗殺者、ケイヤ/Kaya, Ghost Assassin]] | ||
+ | **[[バトルボンド]] - [[ウィル・ケンリス/Will Kenrith]]、[[ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith]] | ||
+ | **[[ドクター・フー統率者デッキ]] - [[オペレーション・ダブル、オスグッド/Osgood, Operation Double]](サージ・フォイル版) | ||
+ | *[[第10版]]のプレミアム・カードは、[[注釈文]]がすべて省略されている。その中には、プレミアム・カード限定の[[フレイバー・テキスト]]をもつものも存在する。詳細は[[第10版]]の項を参照のこと。 | ||
*[[アラーラの断片]]の日本語版ではプレミアム・カードと普通のカードの製造工程が違うのか、[[文章欄]]のすべての数字が半角で印刷されている。またカードによっては、プレミアム・カードと普通のカードでカード名やフレイバー・テキストが異なるものが数多くある。 | *[[アラーラの断片]]の日本語版ではプレミアム・カードと普通のカードの製造工程が違うのか、[[文章欄]]のすべての数字が半角で印刷されている。またカードによっては、プレミアム・カードと普通のカードでカード名やフレイバー・テキストが異なるものが数多くある。 | ||
− | * | + | *[[運命再編]]の一部のプレミアム・カードには、特殊なホログラムの[[透かし]]が印刷されている。詳細は[[運命再編]]の項を参照のこと。 |
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==マークドの可能性== | ==マークドの可能性== | ||
− | プレミアム・カードは、通常のカードと同じように[[ゲーム]] | + | プレミアム・カードは、通常のカードと同じように[[ゲーム]]で'''使用できる'''。[[認定大会]]や[[プレミアイベント]]での使用も何ら問題はない。しかし、プレミアム・カードには独特の[[反り]]が発生しやすいことから、プレミアイベントなどでは[[マークド]]を疑われるという問題を引き起こすことがある。 |
反りが発生している状態のカードをデッキに入れると、たとえ固めの[[スリーブ]]に入れていても曲がっているのが一見で分かり、外部から容易に区別がつくようになってしまう。「ある1種類のカードのみがプレミアム・カード」などといった場合は特にマークド扱いされやすい。 | 反りが発生している状態のカードをデッキに入れると、たとえ固めの[[スリーブ]]に入れていても曲がっているのが一見で分かり、外部から容易に区別がつくようになってしまう。「ある1種類のカードのみがプレミアム・カード」などといった場合は特にマークド扱いされやすい。 | ||
− | + | プレミアム・カードに限らず、反りやクセが発生している状態のカードは[[デッキ]]に採用しないか、あるいは他のカードと全く区別がつかない状態に戻しておくことが望ましい。反りを戻す方法としては除湿剤を用いる方法、押し花と同様の手段でプレスする方法などがあるが、詳細は外部の検索エンジンなどで各自調べて頂きたい。 | |
− | * | + | *プレミアム・カードが反り返ってしまう原因としては、[[表面]]と[[裏面]]では加工により吸湿率に差があり、箔押しの面と箔押しでない紙の面で面積が異なってしまうことが挙げられる。特に湿度の高い日本では反りが顕著になりやすい。 |
+ | **[[両面カード]]のプレミアム・カードは両面が箔押しの加工をしてあるので、吸湿により反り返ることがない。 | ||
+ | *プレミアム・カード版しか存在しないカードが認定大会中にマークドとなっていた場合、[[ヘッド・ジャッジ]]の判断で代用カードの発行が認められている。詳しくは[[プロキシ]]を参照。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/where-foil-goes-2013-02-26 Where the Foil Goes] - 工程の紹介(Feature [[2013年]]2月26日 [[Monty Ashley]]著) | ||
+ | <references /> | ||
+ | *[[プロモーション・カード]] | ||
*[[From the Vault]] | *[[From the Vault]] | ||
*[[プレミアムデッキシリーズ]] | *[[プレミアムデッキシリーズ]] | ||
+ | *[[Masterpiece Series]] | ||
*[[継ぎ目]] | *[[継ぎ目]] | ||
*[[用語集]] | *[[用語集]] |
2024年10月28日 (月) 10:58時点における最新版
プレミアム・カード/Premium Cardは、光沢を出す箔押し加工を施した光っているカード。英語の記事などでは「premium foil card」、省略する場合は「foil」と呼ばれる。日本語の場合は「プレミアム版カード[1]」、あるいは「フォイル仕様[2]」と表記される。
また総合ルールにおいては「プレミアム/Premium」(CR:213.1e)、イベント規定においては「フォイル/foil」と規定されている。
- Mark RosewaterはSuper Secret TechのFAQとして、ショーケース・フレームや拡張アート枠で箔押しされてないカードもプレミアムであるとして、プレミアムとフォイルは別々の用語という見解も見せている[3][4]。
- 俗称としては「キラカード」「箔押しカード」「光り物」などがある。
- Foilは金属の薄片、箔の意。アルミホイルの「ホイル」と同じ。発音から間違われやすいが、Hoilではない。撃退/Foilとも関係ない(Foilには「失敗させる、打ち負かす」という意味もある)。
目次 |
[編集] 解説
プレミアム・カードとそうでないカードにゲーム上の差異はなく、トーナメントでも使用することができる。
トーナメントで使用する際は注意が必要となる場合がある(後述)ため、どちらかと言うとコレクション的付加価値要素としての趣が強い。トーナメントレベルではないがイラストが美麗なカードのプレミアム・カードが、トーナメントにおけるトップレアのプレミアム・カードよりも高価となることもある。
- アン・ゲームでは、プレミアム・カードであることを参照するカードが存在する(→Super Secret Tech、Topdeck the Hallsなど)。
[編集] 出現率
本流のセットのドラフト・ブースターからは、45枚に1枚(3パックに1枚)の確率で箔押し加工を施したカードがコモン1枚の代わりに封入されている。またコレクター・ブースターやセット・ブースターにはプレミアム・カード専用のスロットが設けられている。セットによっては、1つのパックに確実にプレミアム・カードが封入されていたり、2枚以上のプレミアム・カードが封入されていることもある(→変則的な稀少度、ブースターパック#特殊なブースターパック)。プロモーション・カードも箔押し加工が施されている場合が多い。
イラスト違いを除いて、プレミアム・カード版しか存在しないカード(非プレミアム版が入手できないカード)は長い間黒枠では存在せず、アン・カードのSuper Secret Techやホリデーギフトカードといった少数の例に限られていた。カラデシュのプレインズウォーカーデッキで初めてプレミアム・カード版しか存在しない黒枠のカードが作られ、その後も統率者2016以降の各種統率者戦用セットやドミナリアから基本セット2020の期間のBOX特典カード、Gift Pack2018など様々な製品で扱われており、一般化している。
- 材質的に傷が付きやすく、目立ちやすい。特に初期の頃のものは、製造時のこすれ傷や気泡なども多いため、完全美品は少ない。
[編集] 特殊なフォイル仕様
統率者レジェンズから、エッチング風の加工がされたエッチング・フォイル・カードなど、新たに特殊なフォイル加工がされたカードが登場するようになった。これらに対して、従来のフォイル仕様は伝統的フォイル/Traditional Foilと呼ばれる。
- エッチング・フォイル/Etching Foil
- 金属的な光沢の特殊な加工がされたフォイル仕様。統率者レジェンズ、Secret Lair Drop Series、ストリクスヘイヴン:魔法学院、ニューカペナの街角、ダブルマスターズ2022、モダンホライゾン2、スターター・統率者デッキ、多元宇宙の伝説、モダンホライゾン3、モダンホライゾン3統率者デッキ、アサシンクリードで使用された。また、統率者2021からFallout統率者デッキまでと、モダンホライゾン3統率者デッキの統率者戦用構築済みデッキの統率者カードはエッチング・フォイル仕様となっている。
- ネオンインク・フォイル/Neon Ink Foil
- 通常のフォイルの上にシルクスクリーン印刷を施したフォイル仕様。神河:輝ける世界、Secret Lair Drop Seriesで使用された。イクサラン:失われし洞窟でもコズミューム・ネオンインク・フォイル/Cosmium Neon Ink Foilとして登場した。
- 箔押しフォイル/Gilded Foil
- 通常のフォイルに加えてカードフレームにエンボス加工が施されたカード。ニューカペナの街角、Secret Lair Drop Seriesで使用された。
- テクスチャーフォイル/Textured Foil
- フォイルの光沢に模様が付けられたフォイル仕様。ダブルマスターズ2022、統率者マスターズ、速報、モダンホライゾン3、ダスクモーン:戦慄の館で使用された。
- ギャラクシー・フォイル/Galaxy Foil
- 星の模様が浮かび上がるフォイル仕様。Unfinityで使用された。
- サージ・フォイル/Surge Foil
- 光沢にムラがあり波打っているように見えるフォイル仕様。ウォーハンマー40,000統率者デッキ、指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ、指輪物語:中つ国の伝承Special Edition Collector Booster、ドクター・フー統率者デッキで使用された。
- ダブルレインボウ・フォイル/Double Rainbow Foil
- 兄弟戦争、多元宇宙の伝説、指輪物語:中つ国の伝承、指輪物語:中つ国の伝承Special Edition Collector Booster、ドクター・フー統率者デッキ、モダンホライゾン3、アサシンクリードで使用された。シリアル番号が入る限定生産品となる。
- オイル・スリック・フォイル/Oil Slick Raised Foil
- 油膜のようなフォイル仕様。ファイレクシア:完全なる統一で使用された。
- ステップ・アンド・コンプリート・フォイル/Step and Complete Foil
- ファイレクシア/Phyrexiaの紋章が浮かび上がるフォイル仕様。ファイレクシア:完全なる統一で使用された。
- ハロー・フォイル/Halo Foil
- 光素/Haloをイメージした煙のような水の流れのような模様が光るフォイル仕様。多元宇宙の伝説、機械兵団の進軍:決戦の後にで使用された。
- コンフェッティ・フォイル/Confetti Foil
- 紙吹雪のような模様の光沢のフォイル仕様。ボーダーレス・アニメ版おとぎ話で使用された。
- Silver Foil
- 銀のような光沢のフォイル仕様。指輪物語:中つ国の伝承Special Edition Collector Boosterで使用された。
- 不可視インク/Invisible Ink
- 見る角度を変えると手描き文字や記号が浮かび上がるフォイル仕様。カルロフ邸殺人事件で使用された。
- レイズド・フォイル/Raised Foil
- フレーム部分に特別な金の箔押しがされたフォイル仕様。ビッグスコアで使用された。
- リップル・フォイル/Ripple Foil
- 光沢が波紋のような模様になっているフォイル仕様。モダンホライゾン3統率者デッキCollector's Editionで使用された。
- フラクチャー・フォイル/Fracture Foil
- 光沢が破片状になっているフォイル仕様。ダスクモーン:戦慄の館以降のジャパン・ショーケースで使用された。
- マナ・フォイル/Mana Foil
- 並べられたマナ・シンボルが浮かび上がるフォイル仕様。ファウンデーションズで使用された。
[編集] 仕様などの変遷
- 一般への初配布はウルザズ・サーガのプレリリース・カードである稲妻のドラゴン/Lightning Dragon。
- ウルザズ・レガシーより、通常の15枚入りのブースターパックに100枚に1枚の確率で封入されるようになる。封入率はトーメント以降は70枚に1枚(第10版のみ56枚に1枚)、アラーラの断片以降は67枚に1枚、基本セット2020以降は45枚に1枚となっている。
- 白枠のセットであってもプレミアム・カードは黒枠で印刷されていた。銀枠のセットは銀枠のまま印刷されていた。
- 初期のプレミアム・カードは内枠のみが箔押し加工されており、ルール文章下部に流星マーク(ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のロゴ)があった。現在のものはイラスト部も光っており流星マークも第8版以降はなくなった。
- 時のらせんのタイムシフトカードやアンヒンジドのOld Fogey・Blast from the Pastでは、旧枠デザインに合わせて流星マークが復活している。
- フライデー・ナイト・マジックで配布されるプロモーション・カードにも流星マークが描かれているものがある。同時にエキスパンション・シンボルも流星カードとなっている。
- かつて、プレミアム・カードは再録禁止カードの適用外であった。そのため、プロモーション・カードとして再録禁止カードが配布されたこともあった(例:2007年のジャッジ褒賞のヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willなど)が、相次ぐ再録禁止カードのプレミアム・カード化収録(デュエルデッキやFrom the Vaultなど)が問題視され、2011年以降はプレミアム・カードのみによる再録も行われないと改訂された。詳細は再録禁止カードの項を参照。
- 基本セット2015以降のカード枠のカードでは、文章欄下部の3文字のコードと言語の間の中黒が★になっていることでもプレミアム・カードであることを判断できるようになっている。
[編集] カードセット別注釈
- 以下のカード・セットにはプレミアム版のみイラストが違うものがある。
- プレーンシフト - タールルームの勇士ターンガース/Tahngarth, Talruum Hero、堕落した者アーテイ/Ertai, the Corrupted、飛翔艦ウェザーライト/Skyship Weatherlight
- これらは通常のイラストでのプレミアム・カードも存在する。
- コンスピラシー:王位争奪 - 幽霊暗殺者、ケイヤ/Kaya, Ghost Assassin
- バトルボンド - ウィル・ケンリス/Will Kenrith、ローアン・ケンリス/Rowan Kenrith
- ドクター・フー統率者デッキ - オペレーション・ダブル、オスグッド/Osgood, Operation Double(サージ・フォイル版)
- プレーンシフト - タールルームの勇士ターンガース/Tahngarth, Talruum Hero、堕落した者アーテイ/Ertai, the Corrupted、飛翔艦ウェザーライト/Skyship Weatherlight
- 第10版のプレミアム・カードは、注釈文がすべて省略されている。その中には、プレミアム・カード限定のフレイバー・テキストをもつものも存在する。詳細は第10版の項を参照のこと。
- アラーラの断片の日本語版ではプレミアム・カードと普通のカードの製造工程が違うのか、文章欄のすべての数字が半角で印刷されている。またカードによっては、プレミアム・カードと普通のカードでカード名やフレイバー・テキストが異なるものが数多くある。
- 運命再編の一部のプレミアム・カードには、特殊なホログラムの透かしが印刷されている。詳細は運命再編の項を参照のこと。
[編集] マークドの可能性
プレミアム・カードは、通常のカードと同じようにゲームで使用できる。認定大会やプレミアイベントでの使用も何ら問題はない。しかし、プレミアム・カードには独特の反りが発生しやすいことから、プレミアイベントなどではマークドを疑われるという問題を引き起こすことがある。
反りが発生している状態のカードをデッキに入れると、たとえ固めのスリーブに入れていても曲がっているのが一見で分かり、外部から容易に区別がつくようになってしまう。「ある1種類のカードのみがプレミアム・カード」などといった場合は特にマークド扱いされやすい。
プレミアム・カードに限らず、反りやクセが発生している状態のカードはデッキに採用しないか、あるいは他のカードと全く区別がつかない状態に戻しておくことが望ましい。反りを戻す方法としては除湿剤を用いる方法、押し花と同様の手段でプレスする方法などがあるが、詳細は外部の検索エンジンなどで各自調べて頂きたい。
- プレミアム・カードが反り返ってしまう原因としては、表面と裏面では加工により吸湿率に差があり、箔押しの面と箔押しでない紙の面で面積が異なってしまうことが挙げられる。特に湿度の高い日本では反りが顕著になりやすい。
- 両面カードのプレミアム・カードは両面が箔押しの加工をしてあるので、吸湿により反り返ることがない。
- プレミアム・カード版しか存在しないカードが認定大会中にマークドとなっていた場合、ヘッド・ジャッジの判断で代用カードの発行が認められている。詳しくはプロキシを参照。
[編集] 参考
- Where the Foil Goes - 工程の紹介(Feature 2013年2月26日 Monty Ashley著)
- ↑ 『イコリア』コレクター(Daily MTG 2020年4月2日)
- ↑ 『ゼンディカーの夜明け』製品紹介(Daily MTG 2020年9月2日)
- ↑ Blogatog(Mark RosewaterのBlog 2020年1月24日)
- ↑ Blogatog(Mark RosewaterのBlog 2020年7月6日)