獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer
提供:MTG Wiki
(6人の利用者による、間の12版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
{{#card:Obosh, the Preypiercer}} | {{#card:Obosh, the Preypiercer}} | ||
− | [[黒赤]][[混成カード|混成]]の[[伝説の]][[ヘリオン]]・[[ホラー]]。[[デッキ]]の[[土地]]以外の[[カード]]の[[ | + | [[黒赤]][[混成カード|混成]]の[[伝説の]][[ヘリオン]]・[[ホラー]]。[[デッキ]]の[[土地]]以外の[[カード]]の[[マナ総量]]がすべて奇数なら[[相棒]]にできる。 |
[[マナカーブ]]の概念に真っ向から逆らう相棒の条件は、決して軽視できるものではない。しかしながら1[[マナ]]域を多めに[[積む|積み]]、3マナ域を添えたような構成のデッキであれば、偶数[[ターン]]のマナもあまり無駄にせずに済む。5マナのこのカードはマナカーブの頂点、あるいは[[マナフラッド]]受けとして運用するとよいだろう。 | [[マナカーブ]]の概念に真っ向から逆らう相棒の条件は、決して軽視できるものではない。しかしながら1[[マナ]]域を多めに[[積む|積み]]、3マナ域を添えたような構成のデッキであれば、偶数[[ターン]]のマナもあまり無駄にせずに済む。5マナのこのカードはマナカーブの頂点、あるいは[[マナフラッド]]受けとして運用するとよいだろう。 | ||
7行: | 7行: | ||
[[ダメージ]]を2倍にする[[能力]]は[[クリーチャー]]の[[パワー]]を実質的に2倍にするようなものであり、[[戦闘]]や[[ダメージレース]]を大きく有利にしてくれる。オボシュ自身も実質6/5となる。もちろん、[[赤]]の[[火力]]や[[黒]]の一部の[[ドレイン]]との[[シナジー]]も強力。 | [[ダメージ]]を2倍にする[[能力]]は[[クリーチャー]]の[[パワー]]を実質的に2倍にするようなものであり、[[戦闘]]や[[ダメージレース]]を大きく有利にしてくれる。オボシュ自身も実質6/5となる。もちろん、[[赤]]の[[火力]]や[[黒]]の一部の[[ドレイン]]との[[シナジー]]も強力。 | ||
− | [[スタンダード]]ではこれを相棒に据えた[[サクリファイス#ラヴニカのギルド~基本セット2021期|サクリファイス]]の一種、[[オボシュ・サクリファイス]]が登場した。もともと1マナと3マナに[[キーカード]]が集中しているデッキなので相棒条件は厳しくなく、[[戦場]]に出れば[[鋸刃蠍/Serrated Scorpion]]や[[波乱の悪魔/Mayhem Devil]]が飛ばすダメージを2倍にしてくれる。[[真夜中の死神/Midnight Reaper]]との[[ディスシナジー]] | + | [[スタンダード]]ではこれを相棒に据えた[[サクリファイス#ラヴニカのギルド~基本セット2021期|サクリファイス]]の一種、[[オボシュ・サクリファイス]]が登場した。もともと1マナと3マナに[[キーカード]]が集中しているデッキなので相棒条件は厳しくなく、[[戦場]]に出れば[[鋸刃蠍/Serrated Scorpion]]や[[波乱の悪魔/Mayhem Devil]]が飛ばすダメージを2倍にしてくれる。[[真夜中の死神/Midnight Reaper]]との[[ディスシナジー]]には注意。またこのカードを中心に据えた[[スライ/スタンダード/ラヴニカのギルド~基本セット2021期#イコリア:巨獣の棲処後|赤単オボシュ]]というデッキも登場した。2マナ域を[[砕骨の巨人/Bonecrusher Giant]]の[[出来事]]で埋め、このカードや[[紋章旗/Heraldic Banner]]で高速でライフを削り切る。しかし相棒の[[ルール]]変更と共に決定力を失い衰退していった。[[ゼンディカーの夜明け]]後の[[ローテーション]]環境では、[[ティムール・アドベンチャー]]の相棒として採用される。 |
[[パイオニア]]では、2ターン目3マナ域を実現する[[ラノワールのエルフ/Llanowar Elves]]と[[エルフの神秘家/Elvish Mystic]]を使うことで無理なく相棒条件を満たすことができ、これを利用した[[ステロイド#パイオニア|グルール・アグロ]]が結果を残している。 | [[パイオニア]]では、2ターン目3マナ域を実現する[[ラノワールのエルフ/Llanowar Elves]]と[[エルフの神秘家/Elvish Mystic]]を使うことで無理なく相棒条件を満たすことができ、これを利用した[[ステロイド#パイオニア|グルール・アグロ]]が結果を残している。 | ||
− | [[リミテッド]] | + | [[モダン]]では[[赤単色デッキ|赤単]]の[[果敢 (デッキ)|果敢スライ]]に相棒として投入する型のデッキが登場しており、[[死者の原野]]型の[[コントロールデッキ]]などへの対抗として[[血染めの月/Blood Moon]]を採用していることから「オボシュムーン」などと呼ばれる。中には[[果敢 (デッキ)#モダン|ボロスオボシュ]]なる型も存在する。 |
+ | |||
+ | [[リミテッド]]では単純に[[色拘束]]の薄い5マナ6/5として強力であり[[トゲマーモセット/Prickly Marmoset]]や[[怪物の兵器化/Weaponize the Monsters]]なども[[フィニッシャー]]と化すが、相棒としては偶数の[[深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depths]]と比べるとどうしても低[[マナ]]域のアクションが弱くなってしまうことや、[[コモン]]の主力[[除去]]である[[血液凝固/Blood Curdle]]や[[火の予言/Fire Prophecy]]、[[轟く岩滑り/Rumbling Rockslide]]が採用できなくなってしまうことが辛い。相棒にたる[[デッキ]]が組めるか[[カードプール]]から慎重に判断する必要がある。 | ||
==[[ルール]]== | ==[[ルール]]== | ||
===相棒の条件=== | ===相棒の条件=== | ||
*[[マナ・コスト]]に[[X]]が含まれる場合、それは0として扱う。 | *[[マナ・コスト]]に[[X]]が含まれる場合、それは0として扱う。 | ||
− | * | + | *マナ総量が0のカードは、マナ総量が偶数である。 |
− | *[[分割カード]] | + | *[[分割カード]]は、そのマナ・コストの両方を合わせたマナ総量を持つ。例えば[[孵化+不和/Incubation+Incongruity]]のマナ総量は4であり、デッキに入れることができない。 |
− | *[[当事者カード]] | + | *[[当事者カード]]は、[[クリーチャー]]の側のマナ総量のみを参照する。 |
+ | *[[両面カード]]は、[[第1面]]のマナ総量のみを参照する。 | ||
===[[置換効果]]=== | ===[[置換効果]]=== | ||
*基本的なルールは[[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath#ルール]]を参照。 | *基本的なルールは[[ラースの灼熱洞/Furnace of Rath#ルール]]を参照。 | ||
**[[ライフ]]を失わせる[[効果]]は2倍にならない。特にドレインは、ダメージを[[与える]]もの([[鋸刃蠍/Serrated Scorpion]]など)とライフを失わせるもの([[大釜の使い魔/Cauldron Familiar]]など)が混在しているので注意が必要。 | **[[ライフ]]を失わせる[[効果]]は2倍にならない。特にドレインは、ダメージを[[与える]]もの([[鋸刃蠍/Serrated Scorpion]]など)とライフを失わせるもの([[大釜の使い魔/Cauldron Familiar]]など)が混在しているので注意が必要。 | ||
− | *[[呪文]]が[[解決]]時にダメージを与える場合、[[スタック]] | + | *[[呪文]]が[[解決]]時にダメージを与える場合、[[スタック]]におけるマナ総量が奇数かどうかを見る。したがってオボシュの相棒条件を満たしているカードであっても、ダメージは2倍にならないことがある。[[X火力]]や[[砕骨の巨人/Bonecrusher Giant|踏みつけ/Stomp]]など。 |
==関連カード== | ==関連カード== | ||
39行: | 42行: | ||
==参考== | ==参考== | ||
*[[カード個別評価:イコリア:巨獣の棲処]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:イコリア:巨獣の棲処]] - [[レア]] | ||
+ | *[[カード個別評価:多元宇宙の伝説]] - [[レア]] | ||
__NOTOC__ | __NOTOC__ |
2024年4月23日 (火) 17:49時点における最新版
伝説のクリーチャー — ヘリオン(Hellion) ホラー(Horror)
相棒 ― あなたの開始時のデッキに、マナ総量が奇数のカードと土地カードのみが入っていること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、ソーサリーとして(3)を支払うことでゲームの外部からそれをあなたの手札に加えてもよい。)
あなたがコントロールしていてマナ総量が奇数である発生源がパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりに、それはそのパーマネントかプレイヤーにその点数の2倍のダメージを与える。
黒赤混成の伝説のヘリオン・ホラー。デッキの土地以外のカードのマナ総量がすべて奇数なら相棒にできる。
マナカーブの概念に真っ向から逆らう相棒の条件は、決して軽視できるものではない。しかしながら1マナ域を多めに積み、3マナ域を添えたような構成のデッキであれば、偶数ターンのマナもあまり無駄にせずに済む。5マナのこのカードはマナカーブの頂点、あるいはマナフラッド受けとして運用するとよいだろう。
ダメージを2倍にする能力はクリーチャーのパワーを実質的に2倍にするようなものであり、戦闘やダメージレースを大きく有利にしてくれる。オボシュ自身も実質6/5となる。もちろん、赤の火力や黒の一部のドレインとのシナジーも強力。
スタンダードではこれを相棒に据えたサクリファイスの一種、オボシュ・サクリファイスが登場した。もともと1マナと3マナにキーカードが集中しているデッキなので相棒条件は厳しくなく、戦場に出れば鋸刃蠍/Serrated Scorpionや波乱の悪魔/Mayhem Devilが飛ばすダメージを2倍にしてくれる。真夜中の死神/Midnight Reaperとのディスシナジーには注意。またこのカードを中心に据えた赤単オボシュというデッキも登場した。2マナ域を砕骨の巨人/Bonecrusher Giantの出来事で埋め、このカードや紋章旗/Heraldic Bannerで高速でライフを削り切る。しかし相棒のルール変更と共に決定力を失い衰退していった。ゼンディカーの夜明け後のローテーション環境では、ティムール・アドベンチャーの相棒として採用される。
パイオニアでは、2ターン目3マナ域を実現するラノワールのエルフ/Llanowar Elvesとエルフの神秘家/Elvish Mysticを使うことで無理なく相棒条件を満たすことができ、これを利用したグルール・アグロが結果を残している。
モダンでは赤単の果敢スライに相棒として投入する型のデッキが登場しており、死者の原野型のコントロールデッキなどへの対抗として血染めの月/Blood Moonを採用していることから「オボシュムーン」などと呼ばれる。中にはボロスオボシュなる型も存在する。
リミテッドでは単純に色拘束の薄い5マナ6/5として強力でありトゲマーモセット/Prickly Marmosetや怪物の兵器化/Weaponize the Monstersなどもフィニッシャーと化すが、相棒としては偶数の深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depthsと比べるとどうしても低マナ域のアクションが弱くなってしまうことや、コモンの主力除去である血液凝固/Blood Curdleや火の予言/Fire Prophecy、轟く岩滑り/Rumbling Rockslideが採用できなくなってしまうことが辛い。相棒にたるデッキが組めるかカードプールから慎重に判断する必要がある。
[編集] ルール
[編集] 相棒の条件
- マナ・コストにXが含まれる場合、それは0として扱う。
- マナ総量が0のカードは、マナ総量が偶数である。
- 分割カードは、そのマナ・コストの両方を合わせたマナ総量を持つ。例えば孵化+不和/Incubation+Incongruityのマナ総量は4であり、デッキに入れることができない。
- 当事者カードは、クリーチャーの側のマナ総量のみを参照する。
- 両面カードは、第1面のマナ総量のみを参照する。
[編集] 置換効果
- 基本的なルールはラースの灼熱洞/Furnace of Rath#ルールを参照。
- ライフを失わせる効果は2倍にならない。特にドレインは、ダメージを与えるもの(鋸刃蠍/Serrated Scorpionなど)とライフを失わせるもの(大釜の使い魔/Cauldron Familiarなど)が混在しているので注意が必要。
- 呪文が解決時にダメージを与える場合、スタックにおけるマナ総量が奇数かどうかを見る。したがってオボシュの相棒条件を満たしているカードであっても、ダメージは2倍にならないことがある。X火力や踏みつけ/Stompなど。
[編集] 関連カード
[編集] サイクル
イコリア:巨獣の棲処の相棒クリーチャーサイクル。混成カードの伝説のクリーチャーで、それぞれ異なる条件の相棒能力を持つ。稀少度はレア。
- 空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad(白青)
- 夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den(白黒)
- 深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depths(青黒)
- 呪文追い、ルーツリー/Lutri, the Spellchaser(青赤)
- 獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer(黒赤)
- 集めるもの、ウモーリ/Umori, the Collector(黒緑)
- 湧き出る源、ジェガンサ/Jegantha, the Wellspring(赤緑)
- 黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker(赤白)
- 孤児護り、カヒーラ/Kaheera, the Orphanguard(緑白)
- 巨智、ケルーガ/Keruga, the Macrosage(緑青)
[編集] ストーリー
オボシュ/Oboshはイコリア/Ikoriaに棲む、恐ろしいヘリオンの怪物(イラスト)。
ビビアン/Vivienがこのヘリオンに遭遇したとき、彼女が最初に感じた本能は、この生物が何本の脚を持っているのか数えたいというものだった。次に感じた本能は、安全なところまで離れたうえで、この生物が何本の脚を持っているのか数えたいというものだった。実際に数えた結果は、347本であった[1]。