接死

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[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|ウィザーズ社]]はルール変更の理由として、旧ルールは致死ダメージと接死で2回再生する必要があるなど、不必要に直感的ではない問題を持っていたことを挙げている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/magic-2010-rules-changes-2009-06-10 Magic 2010 Rules Changes](News [[2009年]]6月10日 [[Aaron Forsythe]], [[Mark L. Gottlieb]]著)</ref>。
 
[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|ウィザーズ社]]はルール変更の理由として、旧ルールは致死ダメージと接死で2回再生する必要があるなど、不必要に直感的ではない問題を持っていたことを挙げている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/magic-2010-rules-changes-2009-06-10 Magic 2010 Rules Changes](News [[2009年]]6月10日 [[Aaron Forsythe]], [[Mark L. Gottlieb]]著)</ref>。
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*同じく未来予知で制定され、ダメージに関する誘発型能力であったが基本セット2010にて常在型能力に変更されたキーワード能力として[[絆魂]]がある。
  
 
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詳細は[[#定義]]および[[#解説]]を参照。
 
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==他のキーワード能力との相互作用==
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高いパワーを持つクリーチャーが持っていても恩恵が少ない。自前のパワーで致死ダメージを与えられるなら接死に頼る必要がなくなるからである。言い換えれば、低パワーほど得られる恩恵が大きい能力と言える。
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*「強化しすぎない調整」としてこの特徴がデザインに活かされることもある。詳細は[[墓所のタイタン/Grave Titan]]の項を参照。
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とはいえ、「ブロックしたくない」クリーチャーが高い[[打点]]を持っていれば[[ライフレース]]で有利になりやすく、[[本体]]に[[通す]]べきか躊躇させることができるため、パワーの値が無意味というわけではない。複数体によるブロックに対しても、割り振りで強く出られる。
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[[トランプル]]との相性がよい。[[ブロック・クリーチャー]]に対してそれぞれ1点を割り振れば、残りをすべて攻撃先に割り振れるため。[[トランプル]]の項目も参照。
 
[[トランプル]]との相性がよい。[[ブロック・クリーチャー]]に対してそれぞれ1点を割り振れば、残りをすべて攻撃先に割り振れるため。[[トランプル]]の項目も参照。
*なお、単体で接死とトランプルを一緒に持ちうるカードは[[石塚の放浪者/Cairn Wanderer]]のようなほとんどの[[常盤木]]キーワード能力を得られるタイプのカード以外では存在しない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/can-i-help-you-2016-12-12 "Can I Help You?"]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0018183/ 「お電話ありがとうございます」](Making Magic [[2016年]]12月12日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。強力な点に加え、挙動が直感的ではないためだろう。
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*なお、単体で接死とトランプルを一緒に持ちうるカードは[[石塚の放浪者/Cairn Wanderer]]のようなほとんどの[[常盤木]]キーワード能力を得られるタイプのカード以外では存在しない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/can-i-help-you-2016-12-12 "Can I Help You?"]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0018183/ 「お電話ありがとうございます」](Making Magic [[2016年]]12月12日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。強力さに加え、挙動が直感的ではないためだろう。
  
[[先制攻撃]](や[[二段攻撃]])との相性もよい。原則として、相打ちを取られることなく一方的に仕留めることができるため。特筆すべき点として、接死は高パワーとは相対的に相性が悪い能力であるが(後述)、先制攻撃を持つことでこの評価が逆転し複数体による[[ブロック]]に滅法強くなる。例えば5/3接死・先制攻撃持ちをブロックして倒す場合、最低6体の[[ブロッカー]]が必要になる。
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[[先制攻撃]](や[[二段攻撃]])との相性もよい。原則として、相打ちを取られることなく一方的に仕留めることができるため。特筆すべきこととして、接死は高パワーとは相対的に相性が悪い能力であるが(上述)、先制攻撃を持つことでこの評価が逆転し複数体による[[ブロック]]に滅法強くなる。例えば5/3接死・先制攻撃持ちをブロックして倒す場合、最低6体の[[ブロッカー]]が必要になる。
 
*接死と先制攻撃を常時持つクリーチャーはごく少数で、すべて[[多色]]である。また、普段は接死のみだが追加で先制攻撃を得て強化されるデザインのクリーチャーも存在する。
 
*接死と先制攻撃を常時持つクリーチャーはごく少数で、すべて[[多色]]である。また、普段は接死のみだが追加で先制攻撃を得て強化されるデザインのクリーチャーも存在する。
  
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==その他==
 
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*特に初心者が、[[注釈文]]を「ダメージを与えたとき、この[[クリーチャー]]が破壊されてしまう」という[[ペナルティ能力]]に誤読することがままある。もちろん破壊されるのは、接死を持つ[[クリーチャー]]のほうでなく、ダメージを与えられた[[クリーチャー]]のほうである。
 
*特に初心者が、[[注釈文]]を「ダメージを与えたとき、この[[クリーチャー]]が破壊されてしまう」という[[ペナルティ能力]]に誤読することがままある。もちろん破壊されるのは、接死を持つ[[クリーチャー]]のほうでなく、ダメージを与えられた[[クリーチャー]]のほうである。
*高いパワーを持つクリーチャーが持っていても恩恵が少ない。自前のパワーで致死ダメージを与えられるなら接死に頼る必要がなくなるからである。言い換えれば、低パワーほど得られる恩恵が大きい能力と言える。
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*「どの部位であっても、触れる(交戦する)だけで死ぬ」という「全身毒」のイメージではなく、「必殺の毒針などを持つ」という「部位毒」をイメージすると(特に[[先制攻撃]]や[[噛みつき]]などで接死持ちが一方的にダメージを受ける際に)理解しやすい。
**「強化しすぎない調整」としてこの特徴がデザインに活かされることもある。詳細は[[墓所のタイタン/Grave Titan]]の項を参照。
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*[[Mark Rosewater]]はバジリスク能力をキーワード化した理由として、バジリスク能力が頻繁に使われていたことと、バラバラだったバジリスク能力の[[テンプレート]]をキーワード化により一元化させること、ウィザーズ社が手掛けた別の[[トレーディングカードゲーム|TCG]]「[[デュエル・マスターズ]]」で接死にあたる能力([https://dmwiki.net/%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC スレイヤー])が優れた主要能力として使われていたことを挙げている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/keyword-play-2007-06-18 Keyword Play](Making Magic [[2007年]]6月18日 Mark Rosewater著)</ref>。
 
*[[Mark Rosewater]]はバジリスク能力をキーワード化した理由として、バジリスク能力が頻繁に使われていたことと、バラバラだったバジリスク能力の[[テンプレート]]をキーワード化により一元化させること、ウィザーズ社が手掛けた別の[[トレーディングカードゲーム|TCG]]「[[デュエル・マスターズ]]」で接死にあたる能力([https://dmwiki.net/%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC スレイヤー])が優れた主要能力として使われていたことを挙げている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/keyword-play-2007-06-18 Keyword Play](Making Magic [[2007年]]6月18日 Mark Rosewater著)</ref>。
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*接死のようにダメージの性質に言及するメカニズムの一覧は、[[キーワード能力#常在型能力]]の「ダメージ関連」を参照。
  
 
==脚注==
 
==脚注==

2025年5月7日 (水) 19:42時点における最新版

接死(せっし)/Deathtouchは、未来予知で制定されたキーワード能力。これは常在型能力である。

接死/Deathtouch
種別 常在型能力
登場セット 多数
CR CR:702.2

Greater Basilisk / 大いなるバジリスク (3)(緑)(緑)
クリーチャー — バジリスク(Basilisk)

接死(これが何らかのダメージをクリーチャーに与えたら、それだけで破壊する。)

3/5


Gorgon's Head / ゴルゴンの首 (1)
アーティファクト — 装備品(Equipment)

装備しているクリーチャーは接死を持つ。
装備(2)


目次

[編集] 定義

最後に状況起因処理をチェックした以降に接死/Deathtouchを持つ発生源からのダメージ与えられた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは、状況起因処理によって破壊される。

接死を持つ発生源から0点でない戦闘ダメージがいずれかのクリーチャーに割り振られた場合、戦闘ダメージの割り振りが適正かどうかを判断する上で、それはそのクリーチャーのタフネスにかかわらず致死ダメージであるとみなす。

接死を持つ発生源がクリーチャーにダメージを与えるなら、そのダメージのうち1点を超える分は余剰のダメージである。

[編集] 解説

いわゆる「バジリスク能力」を元にしたキーワード能力。基本セット2010の発売に際し、ルール変更と共に常磐木キーワード能力として採用された。

色の役割としてはが得意とし、黒は疫病や暗殺技能、緑は生物性の毒や酸液のイメージである。クリーチャー・タイプではゴルゴン暗殺者などが持つことが多い。

[編集] ルール

基本的なルールについては致死ダメージおよび状況起因処理を参照。

  • 接死により破壊されるルールは、戦闘ダメージに限らず、あらゆるダメージに適用される。
  • ダメージがすべて軽減またはダメージ以外に置換されてしまった場合、ダメージを与えたことにならないので、状況起因処理によって破壊されることもない。
    • 萎縮および感染はダメージの性質を変更しているだけなので、上記の例に当てはまらない。各ページの解説も参照。
  • 接死ダメージによりクリーチャーが破壊されるのは、ダメージを与えた直後の状況起因処理のみである。そのため、破壊不能持ちクリーチャーが接死持ちからタフネス未満のダメージを受けてから、同じターンの次の状況起因処理のチェック以降に破壊不能を失った場合、そのクリーチャーは致死ダメージを受けていないので破壊されない。
  • 接死を持つ発生源からのダメージを与えられたクリーチャーが、同時に自身のタフネスを上回るダメージを受けている場合でも、状況起因処理では1回の破壊として処理される。
    • 1回の再生で両方の条件による破壊を防げる。
  • 破壊は状況起因処理として行われるため、ダメージを与えられてから破壊されるまでの間に対応して何かすることはできない。
    • 再生や生け贄に捧げるなどしたい場合はダメージが与えられる前に行う必要がある。
  • 接死を持つ発生源がどこにあるかを問わない。戦場にない接死を持つカードがダメージを与える場合にも破壊される。
  • ダメージを与える前にそのオブジェクトが元の領域を離れていた場合、最後の情報が用いられる。
  • 1つのオブジェクトに複数の接死があっても効果は変わらない。

[編集] 旧ルール

[編集] 最初のルール

未来予知で制定された当初は「このパーマネントがいずれかのクリーチャーにダメージを与えるたび、そのクリーチャーを破壊する。」という誘発型能力であり、未来予知より前に登場した残酷な詐欺師/Cruel Deceiver猛毒の牙/Venomous Fangsは、一時期、接死を用いたルール文章に変更されていた(これらは2009年7月11日のオラクル更新で元に戻された)。

[編集] 基本セット2010での改定

1回目の改定は、基本セット2010発売に伴う総合ルールの更新により行われた。

基本セット2010での戦闘ダメージのルール変更により、ダメージ割り振り順に従って可能な限り致死ダメージを割り振らなければいけなくなったが、それでは複数のクリーチャーにダメージを分割できないため、接死を持つクリーチャーからの戦闘ダメージは、例外的に変更前の割り振りルールが適用されるようになった。

また、誘発型能力ではなくなり、最後に状況起因処理をチェックした以降に接死を持つ発生源からのダメージを与えられたクリーチャーは、状況起因処理によって破壊されるようになった。

これにより、主に以下の点が変化した。

  1. 接死持ちから受けたダメージにより致死ダメージに達した場合、改定前はまず致死ダメージによる状況起因処理で破壊されたあと、接死の誘発型能力でもう一度破壊されていた。改定後はこの場合でも1回の破壊である。つまり、必要な「再生」の数が2個から1個に減った。
  2. 複数の接死を持つ場合、改定前はその数だけ破壊効果が誘発するため「再生の盾」が複数回必要であった。改定後のルールでは接死が1つの場合と変わらない。
  3. 接死を持つパーマネントがダメージを与える前に戦場を離れた場合、改定前は戦場にいないので誘発型能力は誘発せず、破壊されなかった。改定後は最後の情報を参照するので、接死持ちからダメージを受けたクリーチャーは破壊される。

ウィザーズ社はルール変更の理由として、旧ルールは致死ダメージと接死で2回再生する必要があるなど、不必要に直感的ではない問題を持っていたことを挙げている[1]

  • 同じく未来予知で制定され、ダメージに関する誘発型能力であったが基本セット2010にて常在型能力に変更されたキーワード能力として絆魂がある。

[編集] 基本セット2011での改定

2回目の改定は、基本セット2011発売に伴う総合ルールの更新により行われた。現在のルールはこの時に改定されたルールである。

戦闘ダメージの割り振りに関する例外が取り除かれるとともに、ダメージ割り振り時に接死持ちが1点でもダメージを割り振ったら致死ダメージとみなされるように変更された。

詳細は#定義および#解説を参照。

[編集] 相互作用

高いパワーを持つクリーチャーが持っていても恩恵が少ない。自前のパワーで致死ダメージを与えられるなら接死に頼る必要がなくなるからである。言い換えれば、低パワーほど得られる恩恵が大きい能力と言える。

  • 「強化しすぎない調整」としてこの特徴がデザインに活かされることもある。詳細は墓所のタイタン/Grave Titanの項を参照。

とはいえ、「ブロックしたくない」クリーチャーが高い打点を持っていればライフレースで有利になりやすく、本体通すべきか躊躇させることができるため、パワーの値が無意味というわけではない。複数体によるブロックに対しても、割り振りで強く出られる。

トランプルとの相性がよい。ブロック・クリーチャーに対してそれぞれ1点を割り振れば、残りをすべて攻撃先に割り振れるため。トランプルの項目も参照。

  • なお、単体で接死とトランプルを一緒に持ちうるカードは石塚の放浪者/Cairn Wandererのようなほとんどの常盤木キーワード能力を得られるタイプのカード以外では存在しない[2]。強力さに加え、挙動が直感的ではないためだろう。

先制攻撃(や二段攻撃)との相性もよい。原則として、相打ちを取られることなく一方的に仕留めることができるため。特筆すべきこととして、接死は高パワーとは相対的に相性が悪い能力であるが(上述)、先制攻撃を持つことでこの評価が逆転し複数体によるブロックに滅法強くなる。例えば5/3接死・先制攻撃持ちをブロックして倒す場合、最低6体のブロッカーが必要になる。

  • 接死と先制攻撃を常時持つクリーチャーはごく少数で、すべて多色である。また、普段は接死のみだが追加で先制攻撃を得て強化されるデザインのクリーチャーも存在する。

[編集] 関連カード

[編集] その他

  • 特に初心者が、注釈文を「ダメージを与えたとき、このクリーチャーが破壊されてしまう」というペナルティ能力に誤読することがままある。もちろん破壊されるのは、接死を持つクリーチャーのほうでなく、ダメージを与えられたクリーチャーのほうである。
  • 「どの部位であっても、触れる(交戦する)だけで死ぬ」という「全身毒」のイメージではなく、「必殺の毒針などを持つ」という「部位毒」をイメージすると(特に先制攻撃噛みつきなどで接死持ちが一方的にダメージを受ける際に)理解しやすい。
  • Mark Rosewaterはバジリスク能力をキーワード化した理由として、バジリスク能力が頻繁に使われていたことと、バラバラだったバジリスク能力のテンプレートをキーワード化により一元化させること、ウィザーズ社が手掛けた別のTCGデュエル・マスターズ」で接死にあたる能力(スレイヤー)が優れた主要能力として使われていたことを挙げている[3]
  • 接死のようにダメージの性質に言及するメカニズムの一覧は、キーワード能力#常在型能力の「ダメージ関連」を参照。

[編集] 脚注

  1. Magic 2010 Rules Changes(News 2009年6月10日 Aaron Forsythe, Mark L. Gottlieb著)
  2. "Can I Help You?"/「お電話ありがとうございます」(Making Magic 2016年12月12日 Mark Rosewater著)
  3. Keyword Play(Making Magic 2007年6月18日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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