蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen
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*ターン中での[[ライフ]]の増減を参照する多くのカードと同じく、実際に失った値を参照し、加算値による修整は行われない。たとえば、このターン合計4点の[[戦闘ダメージ]]を対戦相手に与え、その前後に[[対戦相手]]が4点のライフを得ていた場合、[[紋章]]によって追加されるライフの喪失は8-4=4点であり、8-4+4=8点とはならない。 | *ターン中での[[ライフ]]の増減を参照する多くのカードと同じく、実際に失った値を参照し、加算値による修整は行われない。たとえば、このターン合計4点の[[戦闘ダメージ]]を対戦相手に与え、その前後に[[対戦相手]]が4点のライフを得ていた場合、[[紋章]]によって追加されるライフの喪失は8-4=4点であり、8-4+4=8点とはならない。 | ||
− | * | + | *そのターン対戦相手がすでに8点以上のライフを失っている場合、紋章の効果は発生しない。このため、なんらかの手段で7点のライフを自ら支払うことで、前述した二段攻撃や先制攻撃と組み合わせてのダメージを抑える類の戦術も理論としては可能である。 |
+ | *ライフの喪失は紋章によるので、戦闘ダメージを与えたのが[[絆魂]]持ちでも差分の数値ライフを得る訳ではない。 | ||
==関連カード== | ==関連カード== |
2021年12月13日 (月) 19:08時点における版
伝説のプレインズウォーカー — ロルス(Lolth)
あなたがコントロールしているクリーチャー1体が死亡するたび、蜘蛛の女王、ロルスの上に忠誠(loyalty)カウンター1個を置く。
[0]:あなたはカード1枚を引き、1点のライフを失う。
[-3]:威迫と到達を持つ黒の2/1の蜘蛛(Spider)クリーチャー・トークン2体を生成する。
[-8]:あなたは「あなたがコントロールしている1体以上のクリーチャーが対戦相手1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーがこのターンに失ったライフが8点より少ない場合、そのプレイヤーは、その差に等しい点数のライフを失う。」を持つ紋章を得る。
伝説のプレインズウォーカーとしてカード化されたダンジョンズ&ドラゴンズの邪神。コストがプラスの忠誠度能力を持たないタイプのプレインズウォーカーで、代わりに自分のクリーチャーが死亡するたび忠誠度を上げる誘発型能力を持つ。忠誠度能力はライフロス付きのドロー、蜘蛛・クリーチャー・トークンの生成、クリーチャーの攻撃によって減らせるライフを8点分保証する紋章の獲得。
- ±0能力
- ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaに近い、黒によくあるライフを代償にしたドロー。忠誠度こそ上がらないが、防御手段が確保できているなら相応に効率的なカード・アドバンテージをもたらす。
- -3能力
- 威迫と到達を持つ2/1の蜘蛛2体を生成する。
- 忠誠度の消費はやや大きいものの、攻防に役立つ能力を持つクリーチャーを2体も出せる。ロルス自身を守るのにもボード・アドバンテージ面からも重要な能力。
- 出した蜘蛛が死亡する予定ならば誘発型能力によって2点分の忠誠度が返ってくるため、実質的な忠誠度消費はそこまで大きくない。
- -8能力
- あまり類を見ない効果だが、要は「戦闘ダメージを1点でも与えさえすれば、ターン中の他効果での減少分と戦闘ダメージと合わせて合計8点に届くように対戦相手のライフを失わせる」というもの。例えば、1点の戦闘ダメージが通っただけならば7点、戦闘前に火力で2点のダメージを与えたのち2点の戦闘ダメージが通ったなら4点のライフを失わせる。
- 回避能力などで攻撃が通りさえすれば、小型クリーチャーであっても3ターンクロックに跳ね上がる。先制攻撃や二段攻撃と相性が良い。第1戦闘ダメージ・ステップのダメージ計算時に「8点保証」が行われたのち、第2戦闘ダメージ・ステップのダメージ計算が通常通り行われるためである。パワー2の二段攻撃持ち1体、あるいはパワー2の先制攻撃持ち1体と同じくパワー2のバニラとをあなたがコントロールしていた場合、一回の戦闘で対戦相手が失うライフは最大10点、2ターンで20点を奪える計算となる。
誘発能力の特性上、4体のクリーチャーとサクり台をコントロールしている場合は、戦場に出たターンに-8能力を使用できる。アタッカー兼忠誠度の補給手段として蜘蛛トークンを連続して出し続ける運用も可能なことから、サクリファイス系デッキとの相性は非常に良い。一方で、クリーチャートークン生産とドローエンジンとを兼用するプレインズウォーカーという点のみで5マナ域のパーマネントとして十二分なアドバンテージをもたらすため、無理をして-8能力を狙わなくとも盤面をじわじわと制圧してゆくパフォーマンスを持つ。よってビートダウンやコントロールでも運用に耐え得る、使い勝手の良いカードとなっている。
登場時のスタンダードはナヤ・ウィノータが全盛期であるなど非常に早い環境のため、じわじわとアドバンテージを重ねるこのカードにとっては強い逆風が吹いていた。ローテーションにより環境が低速化すると黒単コントロールおよび白黒コントロールで頭角を現し始めた。よろめく怪異/Shambling Ghast+命取りの論争/Deadly Disputeのギミックを使うことで重さはカバー可能。トークンの合計パワーが4なのでエシカの戦車/Esika's Chariotや黄金架のドラゴン/Goldspan Dragonに睨みを効かせることができるという環境的な強みも持っている。
ルール
- 誘発型能力
- -8能力
- ターン中でのライフの増減を参照する多くのカードと同じく、実際に失った値を参照し、加算値による修整は行われない。たとえば、このターン合計4点の戦闘ダメージを対戦相手に与え、その前後に対戦相手が4点のライフを得ていた場合、紋章によって追加されるライフの喪失は8-4=4点であり、8-4+4=8点とはならない。
- そのターン対戦相手がすでに8点以上のライフを失っている場合、紋章の効果は発生しない。このため、なんらかの手段で7点のライフを自ら支払うことで、前述した二段攻撃や先制攻撃と組み合わせてのダメージを抑える類の戦術も理論としては可能である。
- ライフの喪失は紋章によるので、戦闘ダメージを与えたのが絆魂持ちでも差分の数値ライフを得る訳ではない。
関連カード
サイクル
フォーゴトン・レルム探訪のプレインズウォーカーサイクル。各色に1枚ずつ存在する。稀少度は神話レア。
- 花の大導師/Grand Master of Flowers
- モルデンカイネン/Mordenkainen
- 蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen
- アヴェルナスの大公、ザリエル/Zariel, Archduke of Avernus
- エリーウィック・タンブルストロム/Ellywick Tumblestrum
いずれもダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクターであり、背景設定上はプレインズウォーカー/Planeswalkerではない。
ストーリー
ロルス/Lolthはダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクター。上級神。女性。エルフの姿、あるいはエルフの上半身と蜘蛛の下半身から成る姿で現れる(イラスト1、イラスト2)。属性は混沌にして悪。「デヴィル」であるアスモデウス/Asmodeusと対立する超存在「デーモン」であり、デーモンたちの拠点である外方次元界「アビス」第666層に棲まう。
ロルスは欺瞞の網を紡ぎ、破壊と混沌を喰らう古の女神だ。彼女はアンダーダーク/The Underdark(地下世界)に住むドラウ/Drow(ダークエルフ)の教団を世界の他のものから隔離し、支配し続けている。
何千年も昔、ロルスはエルフの神々の戦争を焚きつけ、エルフの民を永遠に分断した。それから彼女はドラウの集団を説き伏せ、アンダーダークへと連れてきた――今日に至っても、彼らはロルスの熱狂的な信者のままでいる。
蜘蛛の女王/The Spider Queen、あるいは蜘蛛のデーモンの女王/The Demon Queen of Spidersとしても知られるロルスは、信者たちの絶対的な忠誠心を集めている。彼女の要求が何であれ、彼らは従う。
彼女にとっては信者も生贄も等しく玩具に他ならない。特に気に入ったドラウを見つけると、ロルスは彼らをアビスにおける神殿たるデーモンウェブ・ピッツ/The Demonweb Pitsに呼び寄せ、その信仰と力量を試す(これには信徒同士での殺し合いも含まれる)。試練を乗り越えられなかった者は上半身がダークエルフ・下半身が蜘蛛のキメラ生物「ドライダー/Drider」へと変えられてしまう。
- このような残酷な行為で悪名を馳せる一方、フォーゴトン・レルム/Forgotten Realmsの舞台である次元/Plane「トリル/Toril」を他次元と行き来できるようにするなど、上級神としての彼女の功績は決して小さくない。
登場作品・登場記事
- The Legends of Adventures in the Forgotten Realms/『フォーゴトン・レルム探訪』の伝説たち(Feature 2021年7月16日 James Wyatt著)