精神接合器/Mindsplice Apparatus
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アーティファクト
瞬速
あなたのアップキープの開始時に、精神接合器の上に油(oil)カウンター1個を置く。
あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるためのコストは、精神接合器の上にある油カウンター1個につき(1)少なくなる。
インスタントやソーサリーのコストを軽減する有色アーティファクト。
この手のコスト軽減系のカードは通常出たターンが大きな隙になり、対戦相手の動きに対応できるだけのマナを浮かせようとすればそれ自体を出すのが遅れ、結果的にかえってテンポを失うシチュエーションが発生しがちだが、瞬速によりインスタント・タイミングで出せるため、その展開を回避しやすいのは大きな強み。
加えてアーティファクトであるため、傲慢なジン/Haughty Djinnなどのマナ加速系システムクリーチャーに比べればかなり場持ちが良い点も評価できるポイント。ただし、登場時のスタンダードではアーティファクトをテーマとするカード・セットが複数存在しており、必然的に除去手段も豊富。絶望招来等、汎用性の高いものはメインデッキから採用されているので油断は禁物。
基本的には1ターンに1マナ分軽くなっていくが、油カウンターを用いて軽量化する性質上、別途乗せる手段を併用すれば更にハイペースで呪文を軽くできる。同時にカウンターを減らす効果の悪影響も受けやすいが、元々自動で増えていくし、大抵の呪文は不特定マナが2、3個も減少すれば十分な加速であり影響は小さいと言っていいだろう。ファイレクシア:完全なる統一では増殖が青に割り振られて収録されたのもあって自然と併用も可能。呪文に増殖効果が付与された分増えるマナはこのカードで償却できるため全体的なテンポ・アドバンテージ損失は無視できる範囲。
総じて呪文を中心としたデッキに合致する優秀なエンジンカードである。これに頼って重い呪文を搭載しすぎれば、これを引けなかったり除去されてしまった場合に必然的に事故に繋がる。基本的にはより大きなマナ・コストの呪文を唱えるためのカードではなく、1ターン内により多くの呪文を唱えるためのカード。あまりデッキを歪めずに、色マナの少ないカードを選ぶ、X呪文を入れる、程度の範囲でカードを選択するといいだろう。 数ターン維持すればX呪文やキッカーを用いた大技に繋ぐことが可能。これ自体が伝説で無く、複数並べることで軽量化のペースを加速させることが出来るので、1枚場に出せれば連鎖的にアドバンテージを拡大していける。
カートタイプも効果も色も異なるが、スペルデッキにおける戦略上の位置づけはティムール再生の荒野の再生/Wilderness Reclamationに近い。あちらほど爆発的なマナ加速はできないものの、どのタイミングでも常にマナを(疑似的に)加速し続けられるためにソーサリー呪文も加速できる点と増殖でのサポートが可能な点、スペルの扱いに優れる青に元々属している点では優っているとすら言える。登場時のスタンダードでは今一つ相方に恵まれないものの、適切な火力呪文が存在するのならばこのカードを軸に据えた専用デッキの構築も不可能ではないポテンシャルは十分にある。
- 同スタンダードにおけるX呪文としては、銀の精査/Silver Scrutinyの他、渦巻く霧の行進/March of Swirling Mistらの行進サイクル、青の太陽の黄昏/Blue Sun's Twilightらの黄昏サイクルが存在する
- 同スタンダードにおけるフィニッシュ火力となりうるX呪文は夜を照らす/Light Up the Nightが存在する。Xではないが爆発的特異性/Explosive Singularityも、コピー呪文と併用できれば1撃必殺の火力を発揮できる。
登場時のスタンダードでは青単や青白コントロール、青白黒コントロールといったコントロールデッキに稀に採用される。
リミテッドでは扱いにくい1枚。構築よりもクリーチャー同士の睨み合いになりやすく、油カウンターは溜まりがちだが、同時に呪文ばかりをピックするのは難しく、仮にピックできても呪文同士にシナジーを形成させるのは非現実的。必然的に恩恵を受けられるかどうかが不安定であり、これ自体も4マナかかる。単独では何もしないため優先的にピックしたいカードとは言い難いだろう。
脚注
- ↑ @ovidiocartagena(担当アーティスト、Ovidio CartagenaのTwitter 2023年1月15日)
参考
- エスパー接合器:ドローゴーとX呪文(スタンダード)(岩SHOWの「デイリー・デッキ」岩SHOW著)
- コスト減少カード
- カード個別評価:ファイレクシア:完全なる統一 - レア