精神力/Mind Over Matter
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エンチャント
カードを1枚捨てる:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。
当時のスタンダードを、先攻後攻決めのコイントスの結果が勝敗を左右するとまで言わせたMoMaのキーカード。
全ての手札がマナ・コストなしで使えるぐるぐる/Twiddleに変化する、といった効果を持つ。この時、問題となるのがパーマネントをアンタップする能力で、あらゆるタップ能力が手札の限り使い放題になってしまうのだ。特に対象が複数のマナが出る土地やマナ・アーティファクトの場合、手札1枚が複数マナに変換される。そこからXドロー等、ドロー呪文を連発し、それをマナに変換、さらにドロー、と繰り替えしていけばとんでもない量のマナが得られる、という寸法である。
エクソダス発売当初から効果の強力さは問題視されていたが、これ自体は6マナと重く、一気に手札を補充するカードや決定打となる呪文が無かったためあまり大きな成果は出なかった。増産が難しい青マナのクァドラプルシンボルであるため、戦場に出しにくかったのも一因だろう。
しかし、ウルザズ・サーガで大量の青マナを容易に生み出すトレイリアのアカデミー/Tolarian Academyと、減った手札を一気に補充できる七枚ドロー・カードの意外な授かり物/Windfall・時のらせん/Time Spiral、そしてXドローと勝利手段を兼ねる「青いX火力」天才のひらめき/Stroke of Geniusが登場したことにより状況が一変する。マジック史における最大の失態ともいえるデッキ―MoMaが登場し、環境は瞬く間に青一色に染まってしまった。
それに対し、いったんはマナ加速カードやドローカードを禁止カードにすることで対処がなされた。それでも代用カードでMoMaを諦めることのないプレイヤーがいたため、ついにこのカード自身も禁止カードとなり、MoMaは完全に表舞台から姿を消した。
- 効果自体は非常に強力で、かつ戦場に出すことさえできれば上述のコンボをすぐに開始することができる。しかし青のクァドラブルシンボルであるため戦場に出すのは通常では難しく、一工夫が必要である。その方法は、主に以下の二種類に分かれる。
- スタンダードでは禁止の時期により使用できなかったが、アカデミーの学長/Academy Rectorで戦場に出すのも良いかもしれない。
- MoMaのキーカードでありながらデッキに3枚が標準、2枚にまで削るタイプもあった。精神力を戦場に出す前にもドローカードを連打する事が多く、すぐに手札に来るためである。(直観/Intuitionをサーチに併用するため、3枚搭載が基本となる)
- 後述の通り、一時は多くのフォーマットで禁止カードや制限カードになっていたが、2007年06月20日以降はエクソダスがリーガルである全てのフォーマット(エターナル)で4枚使う事が可能になっている。トレイリアのアカデミーという凶悪な相棒さえ居なければ並以下と言う事だろうか。MoMaに使用するためなら、上記の通り制限カードでもそれほど困らない、という面もある。
- 文書管理人/Archivistなどの、タップするだけでドローできるクリーチャーやアーティファクトと組み合わせれば無限ドロー。
- 修正版は念動の結合/Telekinetic Bonds。能動的に使いにくくなった上、マナがかかるようになったので大幅に弱体化している。
- mind over matterとは、直訳してしまえば「状況を越えた精神」という風な意味で、そこから「(肉体的困難などを)精神力で乗り越えること」を指す。
1999年7月1日より、スタンダードで禁止。同年10月1日より、ヴィンテージで制限、エクステンデッドで禁止されたが、ヴィンテージでは2005年9月20日に制限解除された。レガシーでは最初(2004年9月20日)から禁止カードであったが、2007年6月20日より禁止解除。
- イラストは、アーテイ/Ertaiが開いていた移ろいの門/Erratic Portalを、ウルザがウェザーライト/Weatherlight号の通過と同時に無理矢理閉じてしまうシーン。レガシーの兵器/Legacy Weaponの中核となるウェザーライトをプレデター/Predator号の追跡から守る為だったが、これが原因でアーテイがラース/Rathに取り残される事になった。