食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
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伝説のエンチャント
食肉鉤虐殺事件が戦場に出たとき、ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは-X/-Xの修整を受ける。
あなたがコントロールしているクリーチャー1体が死亡するたび、各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。
対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体が死亡するたび、あなたは1点のライフを得る。
戦場に出たときに全体マイナス修整を与え、以後クリーチャーが死亡するたびにライフ回復・ライフロスを発生させる伝説のエンチャント。
伝説のパーマネントであるため重ね張りはできないが、ETB能力は機能するため、全体除去に主眼を置くならほとんど気にならない。対アグロなら4~5マナで唱えることで盤面を一掃できるだろう。X呪文なので、クリーチャーのタフネス次第ではマナを節約でき、また固定値のマイナス修整と違いマナを費やすことで射程を伸ばせるという強みがある。除去に主眼を置く場合、既存カードに比べて効率が落ちるというX呪文にありがちな弱点を持ち合わせている一方、全体として見れば戦場に残りライフレースで優位に立てる能力との抱き合わせになっていることでコスト・パフォーマンスは悪くない。マナが足りずクリーチャーが残ってしまったとしても、小粒を巻き込みながらライフを得ることで延命措置とするなど器用に立ち回ることができる。また自身が大型クリーチャーをコントロールしていれば相手のクリーチャーだけを除去したりと小回りも効く。更に全体マイナス修正という都合上、呪禁、破壊不能、プロテクション等主要な耐性を貫通するのも強み。
戦場に出た後は、クリーチャーの死亡時にコントローラーに応じてライフゲインやライフロスが発生する。全体除去を効率的に使うには対戦相手にある程度展開してほしいので、それまでに受けたダメージを補えるのは合理的なデザインと言える。ライフロス能力を積極的に活かしたいなら、クリーチャー・トークン生成能力持ちと組み合わせるとよいだろう。これの能力以外で死亡しても誘発するため、サクリファイス系デッキでの削り役としても検討できるが、サクリファイスのような小粒のクリーチャーを並べるデッキはそもそも全体除去を好んで採用しないのがネック。2マナエンチャントだと思って採用することになるか。
登場時のスタンダードでは黒コントロールや白黒のミッドレンジなどにおいて採用されるほか、青黒コントロールでも一時期は使用されていた。蔓延/Infestのような黒の3マナ-2/-2修整がないなか、強力なエシカの戦車/Esika's Chariotのトークン生成への返し札としてピッタリなところが評価点の一つ。影の評決/Shadows' Verdictや激しい恐怖/Crippling Fearと同居しているが、早い段階で撃てたり回復効果など差別化できる点は多い。もちろんそれらと併用するデッキも存在している。
ローテーション後もエスパー・ミッドレンジや黒単ミッドレンジなど黒系のデッキで幅広く採用されており、横展開系のデッキを環境から追い出す一因となっていた。
モダンではエスパー・コントロールに採用される場合もある。
ヒストリックの黒緑フードにおいても採用される。パンくずの道標/Trail of Crumbsで拾えるパーマネントの全体除去であり、なおかつ夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Denを相棒に据える条件を邪魔しないと、優れた噛み合いを見せる。
リミテッドにおいては、何も工夫せずとも勝手に死亡していく腐乱持ちゾンビを生成する手段が豊富に存在することから、コンスタントにライフを削る手段として活躍が見込める。
- 「死亡する」とは「戦場から墓地に置かれる」ことである。降霊したクリーチャーは墓地に置かれる代わりに追放されるため能力を誘発させない。
- マイナス修整は誘発型能力なので厳しい試験官/Strict Proctorに引っかかる点に注意。うっかり忘れると泣きを見るはめになる。
- あなたと対戦相手がどちらもこれをコントロールしているときにクリーチャーが死亡すると、基本的には互いの効果でライフ差は相殺されるが、APNAP順ルールにより非アクティブ・プレイヤーのものから解決される。残りライフが少ない場合は勝敗に関わることがあるのでミラーマッチの際は注意。
- モチーフはアメリカの映画『悪魔のいけにえ(原題:The Texas Chain Saw Massacre)』に代表されるスラッシャー映画[1]。狂った殺人鬼に集団が次々と殺害されるホラー映画のサブジャンルのことで、『悪魔のいけにえ』ではチェーンソーを武器とする殺人鬼レザーフェイスが登場する。
禁止指定
2022年10月10日、スタンダードで禁止カードに指定される。団結のドミナリア参入後の競技シーンにおける黒の使用率を低下させるために何らかのカードを禁止する必要があったため、ウィニー系デッキを抑圧しているこのカードが選ばれた。登場から1年間活躍していたことも理由の一つに挙げられている[2]。
- ウィニー系デッキに対する必要悪である広義のリセットカードが禁止カードに指定されることは極めて稀であり、スタンダードでは実に天秤/Balance以来。スタンダード以外のフォーマットに目を向けても、ルール上リセットが強力な統率者戦を除けばほとんど存在しない。
再調整
2022年7月7日、MTGアリーナのアルケミーおよびヒストリックで使用可能なカードに再調整が行われた。
ヒストリックのゴルガリ・フードをクリーチャーデッキに対し弱体化させるため、対戦相手のクリーチャーが死亡したときのライフゲインが無くなった[3]。
脚注
- ↑ Ethan FleischerのTwitter(2021年9月12日)
- ↑ October 10, 2022 Banned and Restricted Announcement/2022年10月10日 禁止制限告知(News 2022年10月10日 Ian Duke著)
- ↑ Alchemy Rebalancing for July 7, 2022/2022年7月5日 アルケミー再調整(Daily MTG 2022年7月1日)