指輪があなたを誘惑する
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指輪があなたを誘惑する/The Ring Tempts Youは、指輪物語:中つ国の伝承初出のキーワード処理。
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The Ring / 指輪紋章
初期能力:あなたの指輪所持者は伝説であり、自身よりも大きなパワーを持つクリーチャーにはブロックされない。
2回目以降:あなたの指輪所持者が攻撃するたび、カード1枚を引き、その後、カード1枚を捨てる。
3回目以降:あなたの指輪所持者がクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
4回目以降:あなたの指輪所持者がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、各対戦相手はそれぞれ3点のライフを失う。
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、指輪があなたを誘惑する。
あなたがクリーチャー1体をあなたの指輪所持者に選ぶたび、あなたは2点のライフを支払ってもよい。そうしたなら、カード1枚を引く。
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定義
指輪があなたを誘惑する/The Ring tempts youとは、「あなたがコントロールするクリーチャー1体を選ぶ。他のクリーチャーがあなたの指輪所持者になるか、他のプレイヤーがそれのコントロールを得るまで、そのクリーチャーはあなたの指輪所持者/Ring-bearerになる」を意味する。
指輪があなたを誘惑するに際し、そのプレイヤーが《指輪/The Ring》という名前の紋章を持っていないならば、それを得てから指輪所持者を決定する。
- 《指輪/The Ring》の能力
- 指輪は「あなたの指輪所持者は伝説であり、自身よりも大きなパワーを持つクリーチャーにはブロックされない。」を持つ。
- 指輪がそのプレイヤーを2回以上誘惑している限り、それは「あなたの指輪所持者が攻撃するたび、カード1枚を引き、その後、カード1枚を捨てる。」を持つ。
- 指輪がそのプレイヤーを3回以上誘惑している限り、それは「あなたの指輪所持者がクリーチャー1体にブロックされた状態になるたび、戦闘終了時に、そのクリーチャーのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。」を持つ。
- 指輪がそのプレイヤーを4回以上誘惑している限り、それは「あなたの指輪所持者がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、各対戦相手はそれぞれ3点のライフを失う。」を持つ。
「指輪があなたを誘惑するたび」という記載は、あなたが指輪所持者となるクリーチャーをコントロールしていなくとも、指輪があなたを誘惑するたびに誘発する。
「あなたがクリーチャー1体をあなたの指輪所持者に選ぶたび」誘発する能力や、どのクリーチャーがあなたの指輪所持者に選ばれたかを参照する能力は、既に指輪所持者であるクリーチャーを改めて指輪所持者として選んだ場合も機能する。
解説
指輪物語のキーアイテム「一つの指輪/The One Ring」に誘惑され、その力を得ることを表したメカニズム。
あなたのクリーチャー1体を指輪所持者にし強化することができる。指輪があなたを誘惑するたびに能力が増加していき、4回目で全能力が解放される。5回目以降の誘惑でも、所持者の選び直しは依然として行える。
指輪物語:中つ国の伝承では全ての色が使用可能である。指輪があなたを誘惑するたびに誘発する能力や、指輪所持者を参照する能力も収録されているほか、伝説のクリーチャーを参照する効果ともシナジーを形成している。同時発売の指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキでも扱われている。
- 指輪物語:中つ国の伝承のコレクター・ブースターでないブースター・パックからは、片面に指輪の能力、もう片面に指輪のルールが記された補助カードが封入されることがある[1]。補助カードはイラスト部分を切り離すことができ、指輪所持者のマーカーとして利用できる。
- クリーチャー1体を強化し、そのクリーチャーが戦場を離れても別のクリーチャーにつけかえられるという点では装備品に近いものがある。実際、初期デザイン(後述)では装備品であった。
ルール
- あなたがクリーチャーをコントロールしていなくとも、指輪があなたを誘惑することはできる。
- 指輪があなたを誘惑する効果を持つ呪文か能力が他に対象を選ぶ効果を持っており、それが解決時にすべて不正な対象であったなら、その呪文や能力は立ち消え、誘惑も行われない。
- 指輪があなたを誘惑するたび、あなたがクリーチャーを1体でもコントロールしていたならば必ず1体を指輪所持者に選ばなければならない。これは対象を取らない。
- 指輪所持者であることはパーマネントが持つ記号であり、コピー可能な値ではない。そのパーマネントが他の領域に移動したならば、それは新しいオブジェクトになるため指輪所持者でなくなる。
- 各プレイヤーは《指輪/The Ring》という名前の紋章を1つしか持てず、そのプレイヤーの指輪所持者は同時に1体しか存在しない。
- 指輪所持者がクリーチャーでなくなっても、それは依然として指輪所持者である。
- 指輪所持者が戦場を離れたりコントロールを奪われたりした場合、すぐに次の所持者につけかえられるわけではない。再び「指輪に誘惑」されるまで、指輪所持者はいったん不在になる。
- 指輪の効果を印刷した補助カードに明記されていないため、コントロールを奪われると指輪所持者でなくなることは忘れられがちである。リミテッドでもイシリアンのレンジャー/Rangers of Ithilienで奪われたときなどに問題になり得る。
- 指輪は指輪保持者に能力を与えているわけではなく、指輪自身が能力を持っている。何らかの効果によって指輪所持者が能力を失っても、各種能力は機能する。
- あなたが同じ名前の伝説でないクリーチャーを複数コントロールしており、1体が指輪所持者となり伝説になっても、レジェンド・ルールで1体を残して墓地に置くことは無い。レジェンド・ルールはそれぞれが同じ名前かつ伝説のパーマネントでなければ適用されない。
- 2つ目の能力は強制である。カードを引かないことを選ぶことはできない。
- 3つ目の能力は、指輪所持者がブロックされた後、戦闘終了ステップまでに指輪所持者でなくなってもブロック・クリーチャーは生け贄に捧げられる。逆に既にブロックされているクリーチャーが新たに指輪所持者になったとしても、それらのブロック・クリーチャーが生け贄に捧げられることはない。
開発秘話
この能力の原点は没になったカード・セット「Salad」のために考案されていた指揮者/Leaderというメカニズムである。これはあなたのクリーチャーのうち1体のみを「指揮者」とすることで、盤面の複雑さを抑えつつ、支援のフレイバーを表現するものであった。この段階では指揮者はパーマネントの「状態」に過ぎず、どのような恩恵を与えるかはカードごとに定義されていた。
指輪物語のユニバースビヨンドを扱うにあたって、一つの指輪は文字通り1つしか存在しないが所持者は変わりうる、ということを表現するために指揮者メカニズムが掘り起こされた。しかし展望デザインは、戦場の状況によって指輪の効果が変わるのはふさわしくないとされ、誘惑のたびにタダでつけられる伝説の装備品・トークンを生成する効果にした[2]。
セット・デザインは、展望デザインの案ではアーティファクトであることや複雑さの観点から問題があると判断し、オブジェクトではなくパーマネントの「状態」へと変更し、最終的に紋章となった。また、ダンジョンメカニズムを参考に、徐々に能力を追加していくことで所有者が堕落と共にその力を増していくフレイバーを表現した[3]。
指輪の付与する能力については、第一段階で得る潜伏のみ展望デザイン段階から一貫しているが[2]、それ以外については何度か調整を受けている。最終的に、ゲームを終局に向かわせやすくし、かつ指輪所持者が変わる機会を増やすため、いずれも攻撃的な能力になった。また、原作のフレイバーに基づき全体的に邪悪さを感じるものとなっている[3]。
脚注
- ↑ The Tokens of The Lord of the Rings: Tales of Middle-earth™/『指輪物語:中つ国の伝承』のトークン(Card Preview 2023年6月9日 Clayton Kroh著)
- ↑ 2.0 2.1 Crafting the Ring, Part 1/『指輪』作り その1(Making Magic 2023年5月30日 Mark Rosewater著)
- ↑ 3.0 3.1 Crafting the Ring, Part 2/『指輪』作り その2(Making Magic 2023年6月5日 Mark Rosewater著)
- ↑ Shouldn't the ring have negative effects flavor...(Blogatog 2023年5月7日)
参考
- The Lord of the Rings: Tales of Middle-earth™ Mechanics/『指輪物語:中つ国の伝承』のメカニズム(Feature 2023年5月30日 Matt Tabak著)
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