けちな贈り物/Gifts Ungiven
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インスタント
対戦相手1人を対象とする。あなたのライブラリーから異なる名前のカードを最大4枚まで探し、それらを公開する。そのプレイヤーはそれらのカードから2枚を選ぶ。選ばれたカードをあなたの墓地に置き、残りをあなたの手札に加える。その後ライブラリーを切り直す。
ライブラリーからカード名が異なるカードを4種類、合計4枚も探すことができるが、実際に手札に加えることができるのはその半分、しかもどれが加わるかは対戦相手に決められてしまうという、変則的なサーチ呪文。
その制限上、単純に考えればデッキの3番目と4番目に強いカードをサーチする効果のようなもの。いわゆる「相手に選択権のあるカードは弱い」に該当するようなカードに見えるし、事実漫然と使うと探したいカードを探せない状況も生じ得る、癖のあるカードではある。しかし工夫すればその癖が気にならないような使い方が可能であり、実際にその名を冠したけちコントロールの主軸として各種フォーマットで大活躍した、強力なカードである。
もっともよく使われるのは、必要なカード2枚+それを墓地から回収できるカードかそれに直接アクセスできるサーチカード2枚とサーチしてくることで、実質的に必要なカードを2枚サーチできる効果と同等にするプレイング。当時のスタンダードでは永遠の証人/Eternal Witnessや回収/Reclaim、喚起/Recollectなどとコンビを組んだ。ヴィンテージでは、欲しいカード+埋め合わせ/Recoupまたは新たな芽吹き/Regrowth、ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Willとサーチすることができる。またエターナル全般において、コントロールデッキを中心に、壌土からの生命/Life from the Loam+土地や回顧カードをサーチする使い方も多い。エクステンデッドの青緑トロン#エクステンデッドでは壌土からの生命/Life from the Loamとウルザランド(+トレイリア西部/Tolaria West、孤立した砂州/Lonely Sandbar)をサーチすることで、確実にウルザランドを揃えつつ次の展開に繋げる役目を担った。モダンのストーム系デッキでは炎の中の過去/Past in Flamesをサーチ先に含めることでどのように選ばれても確実に残り3枚のインスタント・ソーサリーを唱えることができ、ぶどう弾/Grapeshotによるゲームエンドへ持っていくことができる。
特に墓地回収カードを仕込まなくとも、似た役割のカードを3種類以上(例えばクリーチャーを除去したいときは除去や火力を合計3種類以上という具合に)選ぶことで、必要なカードを最低1枚はサーチすることができる。デッキに似た役割のカードを複数種類入れる必要はあるが、これなら回収カードを唱えるためのマナが不要となる。
また、あえて2枚以下しかサーチしないというプレイングもある。その場合、下記ルールにもある通り、サーチしたカードは必ず墓地に置かれることになるため、いわば2倍納墓/Entombのように使うことができる。例えばモダンの青白トロンでは掘葬の儀式/Unburial Ritesとエメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeriaをサーチするために使われる。
一方で、テクニカルな使い方が難しいリミテッドでの評価はいま一つ。神河物語単独のリミテッドの場合、花の神/Hana Kamiと転生持ちを選ぶことで好きな秘儀をサーチすることができなくもないが、揃うのは稀であろう。とはいえ最低限「適当な中堅クリーチャー4枚」「とりあえず基本土地4枚」というように使えば「結果を多少操作できる空民の助言/Counsel of the Soratami」ぐらいにはなるので悪くはない。
プリズマティックでは、2004年12月23日より禁止カードに指定された。ヴィンテージでは、2007年6月20日より制限カードに指定されたが、2015年1月23日より制限が解除された[1]。統率者戦では2009年6月20日より禁止カードに指定された(2009年7月1日より司令官戦で禁止)。
ルール
- カード名さえ異なっていれば、探すカードに制限はない。
- 同型再版を用いれば、実質的にサーチできる枚数を水増しすることが可能。
- 通常の基本土地のほかに基本氷雪土地を少数入れる、神の怒り/Wrath of Godのほかに審判の日/Day of Judgmentを少数入れる、などのテクニックも。
- 3枚以下のカードを探すことも適正である。その場合、対象となった対戦相手は探したカードから「必ず」2枚を選んで、それらを墓地に置き、残りのカードを手札に加えることになる。
- 探したカードが1枚である場合は、2枚を選ぶことができないので、その1枚を墓地に置く。
- 2013年1月のオラクル更新までは探すカードの枚数に「最大」の文言がなかったが、探すカードに条件がついているので、4枚のうちの一部または全部を「見つからなかった」ことにして、「見つかった」カードを3枚以下にすることができた。そのため、機能自体はオラクル更新前から変わっていない。
- 対戦相手を対象に取るため、2人対戦で象牙の仮面/Ivory Maskなどを出されて対戦相手を対象に取れなくなると唱えられなくなるので注意。
主なデッキ
関連カード
- 直観/Intuitionの修正版。探すカードが4枚、手札に加わるカードが2枚に増えたが、同名カードは1枚しか選べなくなった。またマナ・コストやカード・タイプ、対戦相手に選択を迫る点では嘘か真か/Fact or Fictionを彷彿とさせる[2][3][4]。
- 187クリーチャー版下位種である燃えルーンの悪魔/Burning-Rune Demonがカルドハイムで登場。
- 2007年のホリデーギフトカードのGifts Givenはこれのパロディ。エルドラージ覚醒では、緑で3マナだが探すカードが土地限定の未知な領域/Realms Unchartedが登場した。それぞれのイラストもけちな贈り物に似せたものになっている[5]。
- 赤緑で、手札に加えられないカードが対戦相手でなく無作為によって選ばれる、一族の信号/Signal the Clansがギルド門侵犯で登場。
- その他、手札に加えるのではなく、そのまま戦場に出したりマナ・コストを支払うことなく唱えるものに、動物の魅了/Animal Magnetism、怪しげな挑戦/Dubious Challenge、出現の根本原理/Emergent Ultimatum、生態学的な理解/Ecological Appreciationがある。
参考
- ↑ 2015年1月19日 DCI禁止制限カードリスト告知(Feature 2015年1月19日)
- ↑ Gifts Rapt(Feature 2004年9月9日)
- ↑ Card of the Day 2005/08/16(Feature 2005年8月1日)
- ↑ Card of the Day (2005/08)(個人サイト「Abominable Empire」 上の記事の邦訳)
- ↑ Nouns Unverbed(Arcana 2010年5月5日)