オリバクの救済者/Savior of Ollenbock
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クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
訓練(このクリーチャーが、これより大きなパワーを持つ1体以上のクリーチャーと攻撃するたび、このクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。)
オリバクの救済者が訓練をするたび、あなたは戦場にありこれでないクリーチャーや墓地にあるクリーチャー・カードのうち最大1つを対象とする。それを追放する。
オリバクの救済者が戦場を離れたとき、それらの追放されているカードをオーナーのコントロール下で戦場に出す。
訓練するたびに戦場か墓地のクリーチャーを追放し、自身が戦場を離れたときにそれらを戦場に戻す人間・兵士。
追放能力の挙動は独特で、悪鬼の狩人/Fiend Hunterのように対戦相手のクリーチャーを除去するほか、自分の墓地のカードを追放することで遅効性のリアニメイトとして使うこともできる。過去のカードでは静穏の天使/Angel of Serenityに近いその能力は神話レアに相応しく、強力で汎用性が高い。
対戦相手がクリーチャーを多用するデッキであれば、パワー2以上のクリーチャーと共に攻撃するたびに能力を誘発させ、厄介なシステムクリーチャーやブロッカーをどかしつつクロックを刻んでいくことができる。追放除去であるため、よろめく怪異/Shambling Ghastなどの厄介な死亡誘発能力を誘発させないのもポイント。除去されてしまうと追放したクリーチャーは戦場に戻ってきてしまうが、追放したのがトークンであれば戦場に戻ることはないため、こちらのスカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparitionを除去されて相手に渡してしまったイリュージョン・トークンを安全に処理することも可能。
対戦相手のクリーチャーがいない場合でも、墓地に落ちたクリーチャーを追放することでリアニメイトとして使用する用法が強力。登場時のスタンダードには全体除去を回避可能な機体やミシュラランドが多数存在しており、全体除去を撃たれた後で出し、それらと共に攻撃することで除去されたクリーチャーを追放し、さらなる除去に備えることができる。こちらの用法が存在することで対戦相手がノンクリーチャーデッキであったとしても能力が腐ることはない。救済者が2枚いれば互いに回収してループに持ち込み、実質的に除去を無効化できる。
上記の通り能力が強力な一方で本体の性能は3マナダブルシンボルで1/2と、訓練相手がいない場合は戦力以前ともいえる貧弱さである。採用する場合はこれ以外のパワー1のクリーチャーは極力採用しない、というほどのデッキ構成で臨むべきであろう。
リミテッドでは、訓練相手さえいれば毎ターン追放除去を放つことのできるボムレアと言って差し支えない性能である。ただしイニストラード:真紅の契りのリミテッドは削剥/Abradeをはじめとする強力な除去が低レアリティ帯に大量に存在する環境のため、思ったほどの働きをしない可能性があることには注意すべき。
構築戦においても、白系のアグロにて採用されている。登場時のスタンダードには前述のミシュラランドやスカイクレイブの亡霊の他、強力なETB能力を持つ上に高パワーで飛行を備え訓練相手に最適な精鋭呪文縛り/Elite Spellbinderや、戦闘のたびに+1/+1カウンターを置く能力により毎ターン訓練相手を用意できる光輝王の野心家/Luminarch Aspirantなど相性の良いカードが多数存在する。一方で本カードの能力で対処できる見込みのないミシュラランドは相手にも使われる可能性があるほか、火遊び/Play with Fireなどによって戦場に出たそばから除去され何もしない可能性もある。これらのリスクとリターンを鑑みつつ、採用するか否か検討したい。
- 日本語版カードのルール文章に誤訳があり、「戦場に出す」とすべきところが「戦場に置く」となっている。
- 2021年11月11日発表の『イニストラード:真紅の契り』一部カードにおけるテキスト訂正のお知らせとお詫びには記載されていない。
[編集] ルール
- 誘発条件の「訓練するたび」とは、「訓練能力の効果で+1/+1カウンターが置かれるたび」を意味する。厳粛/Solemnityなどでカウンターが置けない場合、誘発することはない。
- 訓練するたびの能力が解決する前にオリバクの救済者が戦場を離れた場合、追放されているカードを戦場に戻す能力が先に解決され、その後に解決される追放能力で追放したカードは戦場に戻ることはない。ナイトメア能力も参照。
[編集] ドラキュラシリーズ・カード
ドラキュラシリーズ・カード版はアブラム・ヴァン・ヘルシング/Abraham Van Helsing(イラスト)。
- アブラム・ヴァン・ヘルシングはブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」の登場人物。アムステルダムの大学にて教授を務める恰幅の良いオランダ人の初老男性。専門は精神医学であるが、その他の分野に関しても広い知識を備え、それは吸血鬼に関する知識についても例外ではない。ヘルシングの元教え子であったジョン・セワード博士/Dr.John Sewardからルーシー・ウェステンラ/Lucy Westenraの奇妙な症状について相談を受け、ロンドンを訪れたヘルシングはルーシーの症状が吸血鬼によってもたらされたものであると看破した。ルーシーを吸血鬼の手から守るためにヘルシングは策を講じるが、紆余曲折の末にルーシーは死んでしまう。死後吸血鬼となって甦ったルーシーをセワードらと共に討ったヘルシングは、ルーシーを吸血した張本人であるドラキュラ伯爵/Count Draculaとの過酷な戦いに身を投じていくこととなる。
- 上記の通り、原作小説におけるヘルシングは精神医学を専門とする教授に過ぎず、吸血鬼の専門家というわけでも、まして吸血鬼を狩るハンターというわけでもない。こうしたイメージは後年の映画化作品が作り出したものである。とりわけ日本においては、映画化作品以上に漫画・アニメ・ゲーム等のサブカルチャー作品における描写の影響が強いのであろう。
- 同様に、原作小説ではヘルシングは初老の男性であり、卓越した身体能力でドラキュラやその協力者たちと単独で対決するような描写はない。単独ではその能力を十全に発揮しないという点では、オリバクの救済者と一致していると言えるのかもしれない。