運命のきずな/Nexus of Fate

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Nexus of Fate / 運命のきずな (5)(青)(青)
インスタント

このターンに続いて追加の1ターンを行う。
運命のきずながいずれかの領域から墓地に置かれるなら、代わりに運命のきずなを公開し、オーナーのライブラリーに加えて切り直す。


基本セット2019BOX特典カードである、追加ターン獲得インスタント墓地に置かれる際にライブラリー戻る常在型能力も持つ。

目次

[編集] 解説

時間のねじれ/Time Warpの亜種だが、このカードならではの特徴として「墓地の代わりにライブラリーに戻ること」「インスタントであること」が挙げられる。

前者は墓地からの再利用ができないというデメリットでもあるが、の得意なドロー濾過を連打して再び手札に加えられる点ではメリットになる。打ち消し手札破壊ライブラリー破壊など、基本的な妨害をものともせず確実にライブラリーに戻ってくれるため、「使い回せる追加ターン呪文」としての価値は非常に高い。大げさに言えば、これ1枚でエターナルブルーを体現しているようなものである。

追加ターン系呪文にとっては(隙を作りづらいという長所こそあるものの)インスタントであるメリットは薄いと思われたが、ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaとの組み合わせで土地5枚から唱えられるのは大きな利点。荒野の再生/Wilderness Reclamationの登場後は土地4枚から唱えることも可能になった。

スタンダードではこのカードを4枚採用したデッキターボネクサスが登場。マジック25周年記念プロツアーでは強豪プレイヤーも持ち込み話題となった。

[編集] ルール

[編集] 禁止指定

本来の改訂時期ではない2019年2月14日より、Magic: The Gathering Arenaにおけるアリーナ・スタンダード1本先取ルール)において禁止カードに指定された[1]。2本先取ルールや、およびMagic Onlineのスタンダードでは通常通り使用可能である。

運命のきずなをキーカードとするターボネクサストーナメントで実績を残してはいたものの、使用率は決して高くはなく、ローテーションを経てもスタンダードメタゲームを支配しているわけでもなかった。つまり、パワーレベルとしては適切である。問題となったのは、Magic: The Gathering Arena(以下MTGアリーナ)上で繰り返しループ処理を行えてしまう性質にある。紙のカードでは合意による省略や、意図的な遅延行為であればジャッジの介入により対処可能なループであっても、処理をプログラムに頼ったコンピューターゲーム上では対応できず、意味のあるループとただの遅延行為の判別もできない。そのため、「通常のプレイを妨げるもの」として1本先取ルールのみで禁止措置が取られるに至った。

  • MTGアリーナでは1ターンごとの制限時間こそ存在するものの、Magic Onlineのような「プレイヤーごとの持ち時間制」は導入されていない。そのため、ターボネクサスのようなターンをまたぐループ(無限ターン)であれば、システム上での時間切れになることなく遅延行為を行えてしまう。記事中で直接言及はされていないが、MTGアリーナ上で発生した以下の事件も少なからず影響していると考えられる。
    • Shahar ShenharがTwitch上でMTGアリーナのプレイを動画配信した際、ターボネクサスとの対戦になった。あと一歩でShenharが勝利するというところで、対戦相手が運命のきずなによる意味のないと思われるループを開始し、延々と許可ボタンの連打を強いながらShenharが飽きてプレイミスを誘う[2]、もしくは投了するのを待つという悪質なプレイが行われた(当時の仕様では優先権をオートパスモードにしていても、公開されたカードを確認したことにOKを出さなければならなかった)。その長時間の攻防の様子が注目されて拡散された結果、多数の視聴者が集まり、ついにはMTGアリーナのディレクターのChris Clayまで視聴に加わる。メンテナンス開始時間まで続くと思われたループは、最終的にゲーム開始から2時間近くが経過したところでClayがループを引き起こしていたプレイヤーのアカウントを2時間の利用停止(BAN)にするという異例の措置で終幕した。
  • 本来の改訂時期以外に緊急で禁止されたカードは守護フェリダー/Felidar Guardian(スタンダード)以来、アリーナ・スタンダードの禁止措置もアリーナ初。

スタンダードにおいては、「プレイヤーが好きなデッキを組むために必要なカードを集める努力を尊重し、軽々しくその過程を邪魔することはない」というスタンスであり、また、前述の通りパワーレベル的にも問題はないため、入手難易度の理由では禁止されていない[3]

2019年12月16日より、パイオニアにおいて禁止カードに指定される[4]Magic Onlineで上位デッキの中でシミック・フードに次ぐ勝率を記録し、シミック・フードの中核の王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crownsが禁止されること、ターボネクサスが不快なプレイを生み出し、ゲームが長くなることが原因とされた。

ヒストリックにおいては実装当初からBO1禁止カードに指定される。この時点ではBO3ルールでのみで使用可能だったが、2020年7月13日の禁止改定では、BO3においても禁止カードに指定される。このカードを使用したデッキが高い勝率と使用率を記録して環境を不健全なものにしていること、またカードプールの拡大で単純に強くなっていき、自然に抑制されバランスが取れる可能性が低いことなどが理由とされる。[5]

[編集] BOX特典限定であることによる問題点

  • BOX特典限定であるにもかかわらず、トーナメントシーンで通用するカードパワーを有していたため、極端な供給不足に陥ってしまった。
    • Magic Onlineでもブースターパックには封入されず、Treasure Chestで低確率で入手できるだけだったが、想定よりも多く使われるようになってしまったため、2週間限定でTreasure Chestからの排出率が上がる措置が取られた[6]
  • 当時のBOX特典限定の仕様では、プレミアム・カードしか存在しない。
    • このカードに限ったことではないが、認定大会においてプレミアム・カードしか存在しないカードを用いる際、それがプレミアム・カード特有の吸湿による反りによってマークドと判断された場合、ジャッジによるプロキシの発行が認められている(マジック・イベント規定3.4)。詳細はプロキシの項を参照。
      • スタンダードにおいて禁止されない理由の一つにも、このルールが挙げられている。
    • マジック25周年記念プロツアーでは、実際にプロキシとして山/Mountainと差し替えられる試合もあった[7]
    • ちなみに、エルドレインの王権以降はコレクター・ブースターの導入によって、BOX特典カードであっても非プレミアム版が入手可能になった。

[編集] ストーリー

このカードは、タルキール/Tarkirにて精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragonへと辿り着いたサルカン・ヴォル/Sarkhan Volが、ウギンのきずな/Ugin's Nexusに現れた時の扉をくぐり1280年前のタルキールへと旅立つシーンを描いたものである(イラスト)。

サルカンは墓へと迷い込み、時をさかのぼった。

[編集] 脚注

  1. February 14, 2019 MTG Arena Banned and Restricted Announcement/2019年2月14日 「MTGアリーナ」禁止制限告知(News 2019年2月14日 WotC著)
  2. ループ開始から15分近くが経過したところで対戦相手が4枚目のドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaを唱えた際、Shenharがそれを打ち消すことが可能だったにもかかわらず、許可ボタン連打によって解決を許してしまうというプレイミスがあった。
  3. March 11, 2019 Banned and Restricted Announcement/2019年3月11日 禁止制限告知(News 2019年3月11日 WotC著)
  4. December 16, 2019 Pioneer Banned Announcement/2019年12月16日 パイオニア禁止告知
  5. July 13, 2020 Banned and Restricted Announcement/2020年7月13日 禁止制限告知
  6. Update: Nexus of Fate
  7. Pro Tour 25th Anniversary Round 12: Sajgalik, Huang, Yam vs. Wilson, Rizzi, Shenhar(Youtube マジック英語公式チャンネル)
  8. BIG MAGIC公式Twitter

[編集] 参考

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