ブースターパック
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− | '''ブースターパック'''/''Booster Pack'', ''Booster''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[カード]] | + | '''ブースターパック'''/''Booster Pack'', ''Booster''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[カード]]がランダムに封入されたパックの総称。様々な製品形態が存在する。 |
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− | + | ほとんどの[[カード・セット]]はブースターパックの販売形式を含んでおり、マジックの[[カード]]を入手するための最も一般的な未開封製品となっている。各ブースターパックには、基本的にそのカード・セットに含まれるカードが一定の枚数、一定の封入率に従ってランダムで封入されている。製品によってはカード・セット外のカードが含まれることもある(→[[Masterpiece Series]]など)。ブースターパックには複数の製品形態が存在している。 | |
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*[[カード]]の中には、[[ゲーム]]中にブースターパックを開封させるものもある。(→[[Booster Tutor]]、[[Stocking Tiger]]など) | *[[カード]]の中には、[[ゲーム]]中にブースターパックを開封させるものもある。(→[[Booster Tutor]]、[[Stocking Tiger]]など) | ||
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*[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|ウィザーズ社]]はパック内の[[稀少度]]による封入比率を公式に認めておらず、保証もしていない。封入されている[[カード]]の枚数が規定された枚数でなかった場合は交換に応じてくれるが、もしパックに[[レア]]カードが入っていなくても応じてくれない。これは[[リミテッド]]においても同様である。 | *[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|ウィザーズ社]]はパック内の[[稀少度]]による封入比率を公式に認めておらず、保証もしていない。封入されている[[カード]]の枚数が規定された枚数でなかった場合は交換に応じてくれるが、もしパックに[[レア]]カードが入っていなくても応じてくれない。これは[[リミテッド]]においても同様である。 | ||
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+ | '''ドラフト・ブースター'''(''Draft Booster'')はブースターパックの中で最も一般的かつ基本的な製品形態。基本的に15枚のカードが封入される。その名の通り、[[ブースター・ドラフト]]や[[シールド]]などの[[リミテッド]]・[[フォーマット]]における使用を考慮されて作られており、リミテッドの[[トーナメント]]ではドラフト・ブースターが用いられる。 | ||
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+ | [[基本セット]]と[[ミラージュ]]以降の[[カード・セット]]のものは、1つにつき15枚の[[カード]]が封入されており、基本的に[[レア]]/[[神話レア]]1枚、[[アンコモン]]3枚、[[コモン]]11枚の率で封入されている。ただし、コモンが10枚である代わりに[[基本土地]]カードが1枚封入されているセットもいくつかある。[[第10版]]以降は[[豆知識カード]]または[[トークン・カード]]が1枚追加で封入されるようになり、実質16枚となっている。 | ||
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+ | 長らく、ブースターパックの製品形態はカード・セットごとに15枚(もしくは[[#15枚未満のドラフト・ブースター|それ未満]])入りの1種類、つまり現在のドラフト・ブースターしか存在していなかった。[[コンフラックス]]で登場した[[#コンパクトブースター|コンパクトブースター]]を皮切りに、様々な製品形態が登場するようになった。[[エルドレインの王権]]以降は[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032718/ プロジェクト・ブースター・ファン]と銘打ち、様々な[[プレイヤー]]の趣向に沿った製品展開を標準のものとすることが決まった。この際、[[#コレクター・ブースターパック|コレクター・ブースター]]などの他の製品と区別するためにつけられた名前がドラフト・ブースターである。エルドレインの王権以前の15枚入り(もしくはそれ未満)の製品は、単に「ブースターパック」と呼ばれていたが、ドラフト・ブースター登場に伴い、[[マジック・イベント規定]]においてはそれらの製品も「ドラフト・ブースター」と呼ばれるようになった。現在でも、単に「ブースターパック」と言えば、ドラフト・ブースターを指すことがほとんどである。 | ||
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+ | *エルドレインの王権から名称が変更されたが、日本語版では[[基本セット2021]]まで「ブースターパック」表記のままだった。[[ゼンディカーの夜明け]]からは日本語版でも「ドラフト・ブースター」という名称が使われるようになった。 | ||
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以下の[[カード・セット]]のブースターパックは1つにつき8枚の[[カード]]が入っている。[[稀少度]]の配分は[[アンコモン]]2枚、[[コモン]]6枚だが、アンコモンやコモンの中でも[[変則的な稀少度]]が設定されている。 | 以下の[[カード・セット]]のブースターパックは1つにつき8枚の[[カード]]が入っている。[[稀少度]]の配分は[[アンコモン]]2枚、[[コモン]]6枚だが、アンコモンやコモンの中でも[[変則的な稀少度]]が設定されている。 | ||
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「[[リバイズド]]以前、および[[第7版]]以降の基本セット」「[[アングルード]]」「[[アンヒンジド]]」「[[アラーラの断片]]以降に発売された、ブースターパックの販売形式を持つ各[[カード・セット]]」のブースターパックには、一部の例外を除き、基本土地カードが1枚封入されている。例外に関しての詳細は[[変則的な稀少度#アラーラの断片以降の基本土地枠]]の項を参照。 | 「[[リバイズド]]以前、および[[第7版]]以降の基本セット」「[[アングルード]]」「[[アンヒンジド]]」「[[アラーラの断片]]以降に発売された、ブースターパックの販売形式を持つ各[[カード・セット]]」のブースターパックには、一部の例外を除き、基本土地カードが1枚封入されている。例外に関しての詳細は[[変則的な稀少度#アラーラの断片以降の基本土地枠]]の項を参照。 | ||
また、[[リバイズド]]までの[[基本セット]]のブースターパックには、[[レア]]枠を含めてランダムに[[基本土地]]カードが入っている可能性がある。[[ベータ版]]、[[アンリミテッド]]では1パック中にレア枠に3.31%、アンコモン枠に21.5%、コモン枠に38.02%の比率で、リバイズドではアンコモン枠に21.5%、コモン枠に38.02%の比率で入っている可能性がある。なお、それらは各稀少度の印刷シート上に基本土地カードも合わせて印刷されていたためであり、ベータ版におけるレア枠に入っている可能性があるのは[[島/Island]]のみとなる。他の稀少度上においては5種類すべてが分布している。 | また、[[リバイズド]]までの[[基本セット]]のブースターパックには、[[レア]]枠を含めてランダムに[[基本土地]]カードが入っている可能性がある。[[ベータ版]]、[[アンリミテッド]]では1パック中にレア枠に3.31%、アンコモン枠に21.5%、コモン枠に38.02%の比率で、リバイズドではアンコモン枠に21.5%、コモン枠に38.02%の比率で入っている可能性がある。なお、それらは各稀少度の印刷シート上に基本土地カードも合わせて印刷されていたためであり、ベータ版におけるレア枠に入っている可能性があるのは[[島/Island]]のみとなる。他の稀少度上においては5種類すべてが分布している。 | ||
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− | + | '''コレクター・ブースターパック'''もしくは'''コレクター・ブースター'''(''Collector Booster'')は、文字通り[[コレクション]]向けのブースターパック。 | |
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− | + | [[2019年]]の[[ラヴニカの献身]]で英語版/日本語版限定で少量試験販売された。内容は3枚のレアまたは神話レア、2枚の[[プレミアム・カード]]、10枚のアンコモンが封入され、希望小売価格1150円。値段や内容量的に通常版パック3つ分に相当し、コモンが出ない代わりに2枚プレミアム・カードが確実に封入されている。また、外箱に光沢があるなど、装丁も豪華になっている。 | |
− | + | [[エルドレインの王権]]以降は内容や価格を一新して販売された。内容は15枚のカードと1枚のプレミアム版トークン・カード。[[拡張アート枠]]や[[ショーケース・フレーム]]など、コレクション向けの特殊な[[枠]]デザインのカードが[[#ドラフト・ブースター|ドラフト・ブースター]]と比べ大幅に出現しやすくなっているほか、一部のカードはコレクター・ブースターにしか封入されない。15枚の内訳はセットごとに異なるため、詳細については各カード・セットの項を参照。 | |
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− | + | ===セット・ブースター=== | |
+ | '''セット・ブースター'''(''Set Booster'')は、パックを開封すること自体の楽しさに重点を置いたブースターパック。 | ||
− | + | [[ゼンディカーの夜明け]]から導入された。プレイヤーのすべてがドラフト目的でパックを開封するわけでは無い事に着目し、パック開封の楽しさを最大限にする目的で開発されたブースターである<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0034191/ セット・ブースター]([[Making Magic]] 2020年7月25日)</ref>。封入順序に関連性を持たせるなど、パック開封の時間を最も楽しめるように様々な工夫が凝らしてある。内容は12枚のカードと、[[イラスト]]が全面に印刷されたアート・カードなどが含まれる。内訳はセットごとに異なるため、詳細については各カード・セットの項を参照。 | |
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− | ''' | + | '''テーマ・ブースターパック'''もしくは'''テーマ・ブースター'''(''Theme Booster'')は、特定のテーマに沿ったカードのみが封入されたブースターパック。 |
− | + | 初めて販売されたのは[[2018年]]の[[ラヴニカのギルド]]、[[2019年]]の[[ラヴニカの献身]](英語版のみ)。各セット毎に、それぞれ取り上げられた[[ギルド/Guild]]に対応した5種類が販売され、そのギルドの[[色の組み合わせ]]に属するカードのみが封入されていた。 | |
− | + | [[エルドレインの王権]]以降も再び販売され、各色ごとの5種類が存在しその色のカードのみが封入される(英語版のみ)。[[テーロス還魂記]]では[[アーティファクト]]や[[多色]]のカードも含まれるようになったほか、通常のブースター・パックには封入されないテーマ・ブースター限定のカードが封入される。 | |
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===コンパクトブースター=== | ===コンパクトブースター=== | ||
− | '''コンパクトブースター''' | + | '''コンパクトブースター'''(''Six card booster'')は、[[コンフラックス]]から[[ドラゴンの迷路]]まで販売された、廉価版パック。これは販売経路拡大を目的としたものである。日本語版は[[基本セット2010]]と[[ゼンディカー]]が[[2009年]]12月18日に発売されたが、[[新たなるファイレクシア]]を最後とし、[[基本セット2012]]からは販売されていない。1パックにつき6+1枚の[[カード]]が封入されており、[[アンコモン]]1枚、[[コモン]]3枚、[[基本土地]]1枚、完全ランダム1枚のゲームカード、それに[[豆知識カード]]または[[トークン・カード]]いずれか1枚によって構成されている。 |
まれにだが[[コモン]]5枚というパックもあるが、逆にアンコモンが3枚やレアが2枚などといったパックはないとされ、ブースターや[[スターターデッキ|スターター]]にもあるようにエラーパックの範疇と思われる。 | まれにだが[[コモン]]5枚というパックもあるが、逆にアンコモンが3枚やレアが2枚などといったパックはないとされ、ブースターや[[スターターデッキ|スターター]]にもあるようにエラーパックの範疇と思われる。 | ||
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− | [[ | + | [[基本セット2012]]から[[イクサラン]]まで、'''[[ブースターバトルパック]]'''が販売されていた([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/announcing-booster-battle-packs-2011-06-23 参考])。 |
ブースターパックと未完成状態のミニデッキがそれぞれ2人分封入されている。ブースターを開封し、好きなカードを5枚まで追加してミニデッキを完成させることでその場でゲームを始められる。ルール解説シートも封入されており、新規プレイヤーや初心者プレイヤーがコレクションを増やしつつ手軽にゲームに触れる事ができる。 | ブースターパックと未完成状態のミニデッキがそれぞれ2人分封入されている。ブースターを開封し、好きなカードを5枚まで追加してミニデッキを完成させることでその場でゲームを始められる。ルール解説シートも封入されており、新規プレイヤーや初心者プレイヤーがコレクションを増やしつつ手軽にゲームに触れる事ができる。 | ||
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*[[イニストラードを覆う影]]以降、日本語版のバトルパック発売されていない。しかし、デッキ内容が同じである[[ウェルカム・デッキ]]を使えば実質的な日本語版で楽しむ事は可能である。 | *[[イニストラードを覆う影]]以降、日本語版のバトルパック発売されていない。しかし、デッキ内容が同じである[[ウェルカム・デッキ]]を使えば実質的な日本語版で楽しむ事は可能である。 | ||
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− | + | 市販品でないブースターパックも存在する。 | |
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+ | '''デモゲームブースター'''(''Demogame booster'')は、[[1997年]]の[[ポータル]]から導入された。イベントやショップで無料配布された初心者向けブースターパックである。 | ||
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+ | 入門用の配布品である事も有り、[[バニラ]]クリーチャーが多くあまり強いカードは入っていない。 | ||
− | + | その後、初心者向けセットや基本セットが発売される毎に当該セットのデモゲームブースターが作られてきたが、[[第10版]]から[[ハーフデッキ]]がその役目を担うことになり新規のデモゲームブースターは作られていない。 | |
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+ | '''サンプルパック'''(''Sampler Pack'')は、[[1999年]]の[[スターター]]から導入された。デモゲームブースターと同じく、無料配布用のブースターである。 | ||
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+ | サンプルの名の通り、販促用の試供品である。内容は固定で、10枚のカードが入っている。<br> | ||
+ | デモゲームブースターよりカード枚数が少ないため、安いコストで多くの人に配布する事ができた。 | ||
===ウェルカム・ブースターパック=== | ===ウェルカム・ブースターパック=== | ||
[[基本セット2021]]から[[ウェルカム・デッキ]]の後継として新規プレイヤーに無料で配布されるブースターパック。中身はシーズン毎に、[[開発部]]が選んだ[[スタンダード]]や[[統率者戦]]など様々な[[フォーマット]]に注目された固定の10枚のカードと、広告カードや[[Magic: The Gathering Arena]]で使用できるコードが封入されている。 | [[基本セット2021]]から[[ウェルカム・デッキ]]の後継として新規プレイヤーに無料で配布されるブースターパック。中身はシーズン毎に、[[開発部]]が選んだ[[スタンダード]]や[[統率者戦]]など様々な[[フォーマット]]に注目された固定の10枚のカードと、広告カードや[[Magic: The Gathering Arena]]で使用できるコードが封入されている。 | ||
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2021年1月10日 (日) 21:26時点における版
ブースターパック/Booster Pack, Boosterは、マジックのカードがランダムに封入されたパックの総称。様々な製品形態が存在する。
目次 |
概要
ほとんどのカード・セットはブースターパックの販売形式を含んでおり、マジックのカードを入手するための最も一般的な未開封製品となっている。各ブースターパックには、基本的にそのカード・セットに含まれるカードが一定の枚数、一定の封入率に従ってランダムで封入されている。製品によってはカード・セット外のカードが含まれることもある(→Masterpiece Seriesなど)。ブースターパックには複数の製品形態が存在している。
- カードの中には、ゲーム中にブースターパックを開封させるものもある。(→Booster Tutor、Stocking Tigerなど)
- コンスピラシーおよびコンスピラシー:王位争奪のカードには、ドラフトするブースターパックに言及するものもある。中には銀枠でしか存在しなかったブースターパックを開封させるものも。(→知識の探求者/Lore Seeker)
- ソートが存在し、カード群の組み合わせが決まっている。カードはその枠組みの中からランダムに選ばれている。
- ウィザーズ社はパック内の稀少度による封入比率を公式に認めておらず、保証もしていない。封入されているカードの枚数が規定された枚数でなかった場合は交換に応じてくれるが、もしパックにレアカードが入っていなくても応じてくれない。これはリミテッドにおいても同様である。
製品形態
ドラフト・ブースター
ドラフト・ブースター(Draft Booster)はブースターパックの中で最も一般的かつ基本的な製品形態。基本的に15枚のカードが封入される。その名の通り、ブースター・ドラフトやシールドなどのリミテッド・フォーマットにおける使用を考慮されて作られており、リミテッドのトーナメントではドラフト・ブースターが用いられる。
基本セットとミラージュ以降のカード・セットのものは、1つにつき15枚のカードが封入されており、基本的にレア/神話レア1枚、アンコモン3枚、コモン11枚の率で封入されている。ただし、コモンが10枚である代わりに基本土地カードが1枚封入されているセットもいくつかある。第10版以降は豆知識カードまたはトークン・カードが1枚追加で封入されるようになり、実質16枚となっている。
長らく、ブースターパックの製品形態はカード・セットごとに15枚(もしくはそれ未満)入りの1種類、つまり現在のドラフト・ブースターしか存在していなかった。コンフラックスで登場したコンパクトブースターを皮切りに、様々な製品形態が登場するようになった。エルドレインの王権以降はプロジェクト・ブースター・ファンと銘打ち、様々なプレイヤーの趣向に沿った製品展開を標準のものとすることが決まった。この際、コレクター・ブースターなどの他の製品と区別するためにつけられた名前がドラフト・ブースターである。エルドレインの王権以前の15枚入り(もしくはそれ未満)の製品は、単に「ブースターパック」と呼ばれていたが、ドラフト・ブースター登場に伴い、マジック・イベント規定においてはそれらの製品も「ドラフト・ブースター」と呼ばれるようになった。現在でも、単に「ブースターパック」と言えば、ドラフト・ブースターを指すことがほとんどである。
- エルドレインの王権から名称が変更されたが、日本語版では基本セット2021まで「ブースターパック」表記のままだった。ゼンディカーの夜明けからは日本語版でも「ドラフト・ブースター」という名称が使われるようになった。
15枚未満のドラフト・ブースター
以下のカード・セットのブースターパックは1つにつき8枚のカードが入っている。稀少度の配分はアンコモン2枚、コモン6枚だが、アンコモンやコモンの中でも変則的な稀少度が設定されている。
アライアンスとクロニクルは12枚入り。ポータル三国志とアングルードは10枚入りである。
16枚以上のドラフト・ブースター
- 統率者レジェンズ - 20枚入り
基本土地カード
「リバイズド以前、および第7版以降の基本セット」「アングルード」「アンヒンジド」「アラーラの断片以降に発売された、ブースターパックの販売形式を持つ各カード・セット」のブースターパックには、一部の例外を除き、基本土地カードが1枚封入されている。例外に関しての詳細は変則的な稀少度#アラーラの断片以降の基本土地枠の項を参照。
また、リバイズドまでの基本セットのブースターパックには、レア枠を含めてランダムに基本土地カードが入っている可能性がある。ベータ版、アンリミテッドでは1パック中にレア枠に3.31%、アンコモン枠に21.5%、コモン枠に38.02%の比率で、リバイズドではアンコモン枠に21.5%、コモン枠に38.02%の比率で入っている可能性がある。なお、それらは各稀少度の印刷シート上に基本土地カードも合わせて印刷されていたためであり、ベータ版におけるレア枠に入っている可能性があるのは島/Islandのみとなる。他の稀少度上においては5種類すべてが分布している。
コレクター・ブースターパック
コレクター・ブースターパックもしくはコレクター・ブースター(Collector Booster)は、文字通りコレクション向けのブースターパック。
2019年のラヴニカの献身で英語版/日本語版限定で少量試験販売された。内容は3枚のレアまたは神話レア、2枚のプレミアム・カード、10枚のアンコモンが封入され、希望小売価格1150円。値段や内容量的に通常版パック3つ分に相当し、コモンが出ない代わりに2枚プレミアム・カードが確実に封入されている。また、外箱に光沢があるなど、装丁も豪華になっている。
エルドレインの王権以降は内容や価格を一新して販売された。内容は15枚のカードと1枚のプレミアム版トークン・カード。拡張アート枠やショーケース・フレームなど、コレクション向けの特殊な枠デザインのカードがドラフト・ブースターと比べ大幅に出現しやすくなっているほか、一部のカードはコレクター・ブースターにしか封入されない。15枚の内訳はセットごとに異なるため、詳細については各カード・セットの項を参照。
セット・ブースター
セット・ブースター(Set Booster)は、パックを開封すること自体の楽しさに重点を置いたブースターパック。
ゼンディカーの夜明けから導入された。プレイヤーのすべてがドラフト目的でパックを開封するわけでは無い事に着目し、パック開封の楽しさを最大限にする目的で開発されたブースターである[1]。封入順序に関連性を持たせるなど、パック開封の時間を最も楽しめるように様々な工夫が凝らしてある。内容は12枚のカードと、イラストが全面に印刷されたアート・カードなどが含まれる。内訳はセットごとに異なるため、詳細については各カード・セットの項を参照。
テーマ・ブースターパック
テーマ・ブースターパックもしくはテーマ・ブースター(Theme Booster)は、特定のテーマに沿ったカードのみが封入されたブースターパック。
初めて販売されたのは2018年のラヴニカのギルド、2019年のラヴニカの献身(英語版のみ)。各セット毎に、それぞれ取り上げられたギルド/Guildに対応した5種類が販売され、そのギルドの色の組み合わせに属するカードのみが封入されていた。
エルドレインの王権以降も再び販売され、各色ごとの5種類が存在しその色のカードのみが封入される(英語版のみ)。テーロス還魂記ではアーティファクトや多色のカードも含まれるようになったほか、通常のブースター・パックには封入されないテーマ・ブースター限定のカードが封入される。
コンパクトブースター
コンパクトブースター(Six card booster)は、コンフラックスからドラゴンの迷路まで販売された、廉価版パック。これは販売経路拡大を目的としたものである。日本語版は基本セット2010とゼンディカーが2009年12月18日に発売されたが、新たなるファイレクシアを最後とし、基本セット2012からは販売されていない。1パックにつき6+1枚のカードが封入されており、アンコモン1枚、コモン3枚、基本土地1枚、完全ランダム1枚のゲームカード、それに豆知識カードまたはトークン・カードいずれか1枚によって構成されている。
まれにだがコモン5枚というパックもあるが、逆にアンコモンが3枚やレアが2枚などといったパックはないとされ、ブースターやスターターにもあるようにエラーパックの範疇と思われる。
プレミアム・カードの封入率は通常のブースターパックと異なり、74枚に1枚である。
- ランダムカードの封入比率としては神話レア:レア:アンコモン:コモンで1:7:4:8となり、コンパクト5パックでブースター2パック分の設定。
ブースターバトルパック
基本セット2012からイクサランまで、ブースターバトルパックが販売されていた(参考)。
ブースターパックと未完成状態のミニデッキがそれぞれ2人分封入されている。ブースターを開封し、好きなカードを5枚まで追加してミニデッキを完成させることでその場でゲームを始められる。ルール解説シートも封入されており、新規プレイヤーや初心者プレイヤーがコレクションを増やしつつ手軽にゲームに触れる事ができる。
当初は英語版のみだったが、ラヴニカへの回帰、ギルド門侵犯、基本セット2014に関しては日本語版も発売された。
- イニストラードを覆う影以降、日本語版のバトルパック発売されていない。しかし、デッキ内容が同じであるウェルカム・デッキを使えば実質的な日本語版で楽しむ事は可能である。
特殊なブースターパック
市販品でないブースターパックも存在する。
デモゲームブースター
デモゲームブースター(Demogame booster)は、1997年のポータルから導入された。イベントやショップで無料配布された初心者向けブースターパックである。
日本語版が作られた事は無く、海外でのみ配布された。
内容は固定で24枚のカードが封入されている。基本土地も9枚ほど入っており、そのままマジックをする事が出来る。
入門用の配布品である事も有り、バニラクリーチャーが多くあまり強いカードは入っていない。
その後、初心者向けセットや基本セットが発売される毎に当該セットのデモゲームブースターが作られてきたが、第10版からハーフデッキがその役目を担うことになり新規のデモゲームブースターは作られていない。
日本では配布されなかった事もあり、国内での知名度は低い。そのため2人対戦用入門セットに付く拡張パックと間違われやすいが別の商品である。
サンプルパック
サンプルパック(Sampler Pack)は、1999年のスターターから導入された。デモゲームブースターと同じく、無料配布用のブースターである。
基本的に海外でのみの配布だが、唯一日本語版では第8版のサンプルパックが作られ各種イベントで配布された事がある。
サンプルの名の通り、販促用の試供品である。内容は固定で、10枚のカードが入っている。
デモゲームブースターよりカード枚数が少ないため、安いコストで多くの人に配布する事ができた。
ウェルカム・ブースターパック
基本セット2021からウェルカム・デッキの後継として新規プレイヤーに無料で配布されるブースターパック。中身はシーズン毎に、開発部が選んだスタンダードや統率者戦など様々なフォーマットに注目された固定の10枚のカードと、広告カードやMagic: The Gathering Arenaで使用できるコードが封入されている。
参考
- ↑ セット・ブースター(Making Magic 2020年7月25日)